落札手数料(8.8%~10%)とバイクの送料(1.2万円~15万円)を差し引いた正味の売却額は、買取業者の査定額と同水準に落ち着きます。
単価の安い原付や一点物の希少車はヤフオクやメルカリの方が高く。100万円を超えるような高額車両は買取業者の方が高い査定額となる傾向があります。
例えば200万円の車両価格で落札された場合。手数料は17.6~20万円。販売店であれば車体利益はおろか納車整備や諸経費の利益までもが吹っ飛びかねない大きな金額です。 さらにリッタークラスだとすると送料は距離に応じて4万円~15万円。後述しますが送料も出品者負担となると、正味の売却金額は168~179.4万円です。
200万円が販売店の車両価格となる場合、買取業者の平均的な査定額は170~180万円となるので、単純な売却金額だけでも買取業者の査定額が高いと言えます。
さらに廃車(名義変更)処理。出品や質問対応に梱包や発送手配に事後のクレーム対応に及ぶ手間を考えると・・・利便性と売却額の合わせ技で買取業者に軍配が上がるケースが多いと言えます。 では具体的に、手数料、送料、手間、売れるまでのタイミングについて見ていきましょう。
メルカリとヤフオクの出品手数料
個人売買サイトの手数料 | ||
---|---|---|
手数料 | ヤフオク | メルカリ |
一般 | 10% | 10% |
プレミアム会員 | 8.8% |
上記は落札された際に運営者に徴収される手数料です。
1万円の場合は、880~1,000円と安価ですが。100万円では8.8~10万円。300万円では26.4~30万円と落札金額が高いほど高額になります。
徴収される手数料の数十万円という金額は、バイク販売店であれば車体利益が軽く吹き飛んでしまう金額です。実店舗を持つバイク販売店がヤフオクでバイクを売買しない理由がここにあります。
落札金額を高く設定すれば手数料を吸収できるという考え方もありますがそれでは売れません。
なぜならヤフオクで購入する最大の理由は『安く買える』だからです。グーバイクの方が安ければ信頼度で勝るグーバイク経由の販売店で購入するのが道理です。 その意味で、原付などの落札額が10万円に満たないような車両であれば、買取業者よりも高値で売却できる可能性があるでしょう。
また、『他のサイトでは買えない出品物がある』というのもヤフオクで購入する理由の1つです。そのため一点物の希少車もオークションで跳ねる可能性があるため、買取業者の査定額よりも高くなる期待が持てるでしょう。
ただし上記は送料を含まない数字です。それでは送料について見てみましょう。
【バイク】陸送料の相場
個人売買サイトの手数料 | |||
---|---|---|---|
50cc | 400cc | 1000cc超 | |
同一県内 | 1.2万円 | 1.4万円 | 2.9万円 |
東京⇔大阪 | 2.0万円 | 2.2万円 | 6.3万円 |
北海道⇔沖縄 | 8.5万円 | 11.9万円 | 15.5万円 |
送料に関しては、落札者負担とする考え方もありますが、以下2つの理由で落札金額が負担する送料分だけ下がる可能性がありそうです。
理由(1)バイク購入者の主流は実店舗へ来て乗って帰る。
弊社販売店(年間に1,500台を販売)の数字ですが、約8割のお客様が来店しての購入で、約2割が通信販売です。現物を見て購入を決め、納車日に乗って帰ると言うスタイルが主流派です。
そのため中古バイクの購入に当たっては運送費用は掛からないと計算しているお客様が主流だと考えられます。
ですがヤフオクやメルカリでは、廃車済みで無いと安心して売れない(購入者が名義変更を怠って、事件に巻き込まれる・税金の督促が送られてくる)ため、落札時にはナンバープレートや保険関係も無く乗って帰ることは出来ません。
理由(2)オンラインショッピングの送料無料に慣れている
アマゾンに代表されるように送料無料は一般化しつつあり、品物代+送料の支払総額で比較する傾向が強まっている。
その意味で、ナンバープレートが無いため乗って帰ることが出来ないヤフオクやメルカリでは、例え着払を選択肢ても結局のところ送料は出品者負担に跳ね返ってくるといっても言い過ぎではないでしょう。
上段の手数料だけを差し引いた単純な売却金額では、原付ではヤフオクやメルカリの方が買取業者の査定額よりも高くなる可能性が高いと申し上げましたが。上記表のオートバイの送料相場を見てもその金額は決して安くありません。
原付でも距離に応じても1.2万円~8.5万円掛かる送料を負担する場合、買取業者の査定額の方が高くなること圧倒的にが多いと言えるでしょう。
例えば10万円の車両価格で落札された原付の送料を負担するとなると、システム利用料が1万円、送料が東京大阪で2万円となり、正味の売却金額は7万円です。
販売店で10万円の車両価格となる場合、買取業者の査定額は7~8万円程度となり、買取業者に分が上がります。
手間と労力
上段でも少し触れましたが、個人で転売するに当たっては『事前の』廃車処理は必須です。
落札購入者が名義変更を怠った場合、書類上の使用者である出品者に税金の支払義務が生じ続けますし、盗難や事故などの事件に巻き込まれないとも限りません。
廃車手続き自体は書類に難の不備も無ければ廃車処理は難しくはありません。
ですが引っ越しなどで遠方の陸運局管轄になっている場合は、2,500~5,000円の費用を払って行政書士に代行してもらうなど必要性が生じるかもしれません。
またよくあるケースなのですが、仮にローンの支払が終わっていてもローンで購入した車両は、登録書類上の所有者となっているバイク販売店から譲渡証明書を取得しないと廃車手続きは完了できません。
そのような廃車処理に関する手間が先ず最初に発生する手間です。
次いで、出品作業。写真を撮影して送料や取引条件を設定し商品情報をアップ。
そして、出品後の質問に対する回答。中古バイクの場合は、上段でも触れたように中古バイクの購入は現物を見てが主流の為、現物を見ないオークション取引では非常に多くの質問が寄せられます。それらに逐一回答していく必要があります。
最後に、取引成立後のクレーム処理。ノークレームノーリターンでも当たり前のようにクレームが舞い込んできます。
『実働とあったが、3番のキャブが死んでいる』『エンジンがかからない』『写真とは違う傷がある』などなど。
一定規模以上の買取業者では、買取業務の一環として廃車手続きは(自社で行ったほうが迅速で効率的なため)無償で代行しています。
弊社では、ローンの一括返済や所有権の解除(譲渡証明書の取得)まで含めて無料で代行しております。
出張査定や店頭での持込み査定であれば、売却して現金を手に入れた後は、送られてくる廃車証のコピーを待つだけです。この利便性を考えると、買取業者は査の金額以上に使い勝手が良いと言えるでしょう。
売れる=現金化のタイミング
最低金額に到達せずオークション出品の自動延長を繰り返す。そのようなことは往々にして起こります。平たく言えばいつ売れるか分からないのがヤフオクやメルカリです。その間に相場の変動や商品の劣化も入るかもしれません。
その点、買取業者は売ろうと思ったその日に現金化出来ます。その点も使い勝手が良いと言えるでしょう。
希少車や単価の安い原付であれば、買取業者の査定額よりも高く売却できる可能性があります。ですが多くの場合で手数料や送料を差し引い正味の売却額は買取業者の査定額と同等といえるでしょう。
さらに投入する手間と労力を考えると、買取業者の利便性は利用価値があると言えるでしょう。
売却金額
多くの場合手数料や送料を差し引い正味の正味の売却額は、買取業者の査定額と同等。
単価の低い原付や一点物の希少車ではオークションサイトの方が高くなることも。
高額車両では買取業者の査定額の方が高い傾向に
輸送・商談の手間
廃車処理、商品情報アップ、質問への回答、事後のクレーム対応を考えると。その点、買取業者は査定金額以上に使い勝手が良い
クーリングオフとクレーム対応
個人売買ですので、クーリンオフは対応外となります。
クレーム対応が個人売買一番の懸念材料となります。
ノークレーム、ノーリターンと謳っていても後日クレームを入れてくれる相手というのが(販売店の経験則で言うと)必ず出てきます。
中古バイクというものはどんなに入念に整備していても、いつ不具合が出てくるのか正直誰も分かりません。
極端な話、売却した翌日に故障するなんてこともあり得る話なのです。
購入した相手にしてみたらいくらクレームなしと言われても、すぐに故障したのでは納得できるものではないでしょう。
例えば返品に応じたとして、お金やバイクはどうやって返却するのか?車体とは別にかかった経費はどちらが負担するのか?
トラブルの種は至る所に落ちているといっても過言ではありません。
総評
ヤフオクやメルカリなどでの倍ky売却 | 評価 | 寸評 |
---|---|---|
売却金額 | 手数料や送料を差し引くと買取業者の査定額並み | |
輸送・商談の手間 | 廃車処理、商品アップ、質問対応、事後のクレーム対応 | |
クーリングオフ クレーム対応 |
クーリングオフは適用されません クレーム対応に手間取ることも |
|
名変・廃車 手続きの手間 |
買取業者は無料代行ですが。個人売買の際しては事前の廃車処理は必須 | |
現金化までの時間 | 売れるタイミングは読めない 買取業者は売ろうと思った日に現金化 |
|
※ローン中のバイク | 名変できないので自己責任 | |
※不動車・事故車など難ありのバイク | 状態によっては後日トラブルの種に | |
※書類に不備があるバイク | 再登録できない場合は公道走行できないためパーツ取りの価値に。 買取業者では廃車処理のプロなので多くの場合廃車手続きは無料代行 |
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