オーナー様の思い入れが十分伝わるカジバ ミト125
査定申し込みの際のお電話は50代後半と思わしき年配の男性からで、外装に「CAGIVA」という大きなロゴが入っていて、カウルの下にはMITOとある事、以前は息子さんが乗っていて、赤ナンバーがついているとの事でした。
オーナー様は横浜市在住の岡本様。(仮名)
恐縮な事に、査定担当の私が訪ねていくと程よい暖かさのほうじ茶を出して頂き大変嬉しく思いました。
義父様によるとこちらの所有オーナー様は外車好きが高じてもう一台ご所有、MITO125の他にDUCATI900SSが鎮座しておられました。
オーナー様は現在長期海外赴任中とのことで代わりに委託され、代理人として義父様が買取申し込みをしたとの事でした。
DUCATIの方は帰国後折を見て再度査定依頼されるようだとの言葉をありがたく頂戴し、さっそくガレージ内のMOTO125とご対面させて頂きます。
以前のMOTO125の買取時は、弊社の先輩スタッフが担当していたため、実物を拝見するのは私もこれが初めて。
暗いガレージ内で見て一瞬、(あれ?ドゥカティ?)と思ったほど赤のカラーリングが目を惹きます。
一見しただけで分かる雰囲気抜群のスタイルがいきなり目に飛び込んできました。
「大将!自分、今日はどこまでも行けるッス!」なんていう無言のアツいオーラが漂っています。
不思議なことに、これは走るイタリア車全てに共通するもので、私もさすがにいいものだなぁ…。と思わず感心いたしました。
感心ばかりしていては査定に立ち会って頂いている岡本様にも申し訳ないので、早速MITO125の査定に入らせて頂きました。
左テールカウルに目立つ傷があり、全体的に日光による変色が目立ちます。
シートの上から体重をかけ、サスの状態を確認してみるとなかなかの固さが感じられます。
走行距離約12,000kmと、レプリカジャンルのマシンとしては乗り込まれている方ですが、年式よりはナチュラルな固さを維持しており、オーナー様のメンテナンスの努力が伺えました。
アンダーカウルの「CAGIVA」ロゴ下部分に飛び石によるものと思われる細かい傷が数ヶ所ありますが、全体的に大きく目立つほどの傷はなく、年式からするとコンディションは悪くありません。
フレームやホイールバランス等、事故・修理歴を伺わせる要素もなく車体チェックは終了です。
オーナー様は事故の1週間ほど前にMOTO125に乗っていたとの事で、ガソリンなどが腐っていることもなく、セルでエンジンは始動を確認。
ただし、セルの回転時に大きめの異音がする点が気にかかりました。
アイドリング回転数から少し大きくスロットルを開けてチェックしても吹け具合は良好。
2ストロークエンジンならではの白煙も多かったですが、ペンゾイルのほのかに鼻をくすぐる甘い香りを楽しみつつ査定を続けます。
腰高なMITO125の走りを支える重要なポイントはフロントフォーク。
オイル漏れなどの問題はなく、ほんの少しサビが見えるものの、軽微と言って良いレベルでした。
タイヤの山が残り少なく、交換が必要なことを確認して査定チェックは終了です。
私自身が初めてのカジバミト125の査定でしたので、いつも以上に丁寧に査定させて頂き、約20分かけてじっくりチェックさせて頂きました。
そして今回の実車査定により決定した最終査定金額は、216,00円。
弊社による査定ランクは、10段階評価の「4」でした。
20年以上前の車種でこのお値段?
総じて高価なお値段のイタリア車ですが、21年前のモデルでこれだけいいお値段?そんなことあるのでしょうか?
実はBIKEPASSIONならではの査定算出方法にその 秘密があるんです。
弊社では、買い取り査定時のランクを10段階評価としており、査定の際には厳しくプロの目でチェックさせて頂いております。
今回のカジバ MITOのランクは「4」で、弊社での評価は修正・部品交換・分解整備により商品化可能車両と判断しました。
全体的に変色状態なのもランクは4に入ります。
長年オーナー様自身はMITO125にバイクカバーを使用してはいたものの、経年劣化とも言うべき全体的な変色、セルの異音など、大きな不具合箇所は数ヶ所ありました。
確かに今回のカジバ ミト125のように、高価な外車で高年式となると、買取した後の整備や部品のリビルドの問題で尻込みし、買取自体を拒否してしまうショップがあることも事実です。
しかし、整備力に絶対の自信を持つ弊社メカニックには、かつて外車販売ディーラーのメカニック経験があるスタッフもおり、買取後の徹底的な整備で生まれ変わる確信を持てました。
またカウルを含む外装に破損・割れ欠けがないこと、サスペンションの具合が良好であり、オーナー様の大事にしてきた思い入れを感じることが出来た点が大きかったです。
タイヤの減り具合もマイナス査定の一つではありますが、MITO125のホイールサイズは一般的なものであり、販売時の交換もさほど大きな問題ではないとの判断に至り、総合評価点を4点とさせて頂きました。
海外赴任中のオーナー様である岡本様に査定金額をお伝え頂き、実際の買取は後日改めて…との約束で岡本様宅を後にしました。
そして翌日の午前11時、岡本様から直接連絡を頂き、無事に売買成立となりました。
岡本様自身は30代後半で、昔ドゥカティに憧れて大型二輪免許取得に励んでいた頃にMITO125に出会ったとの事。
そして念願のドゥカティ900SSを愛車にしながら、たまには往年を思い出して峠で軽くスポーツしていたそうで、高年式ながら始動性が良かったのに納得がいきました。
海外からもオークションサイトで相場価格を調べていたそうなのですが、原付二種の不人気時代の販売車であり、玉数少なめの不遇車であることから相場価格は不明。
他の買取業者にカジバ ミト125の大体の状態を話した所、思うような価格ではなかったので買取に出すのは諦めかけていた所に、ご知人からの話を聞いて申し込みしてみた、とのお話でした。
ご縁がご縁を呼んでくれた形となり、岡本様がワンオーナー車として大事にしてきたカジバ MITO125は無事成約となりました!
CAGIVA MITO125
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 3台
- 平均価格: 236,000円
- 最高価格: 282,000円
- 最低価格: 200,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 2台
- 平均価格: 26,000円
- 最高価格: 33,000円
- 最低価格: 19,000円
相場情報:2016年7月時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。