買取させて頂いた車両はトリトンブルーメタリック/パールグレッシャーホワイト(青/白)のGSR250F。
2014~2017年と短い生産期間のため、高年式で状態の良い車両が多い中でも、特に状態が良かった車両です。
極上車のため査定も短時間
走行距離は、僅か345km。 遠目から見ても近づいて見ても非常に綺麗な外観を保持していたGSR250F。高い買取価格を予感させるのに充分な第一印象です。
中古バイクの査定は(カスタムなどを除くと)10点満点の新車からの引き算になるので、難点が多いほど査定時間は多くなり、難点が少ないほど査定時間は短くなります。
極端な話、走行0kmの未登録の新車は、査定時間は1分も必要ありません。
今回のGSR250F、は詳しく検分する箇所が少なく、僅か3分ほどで査定が終了しました。
外装には艶が保持され、エンジンは始動とアイドリングにニュートラルでのアクセル開放で十分に文句のない状態であることが確認でき、実走行が必要ないほど。
とはいっても、完璧ではなく、買取価値を損ねる軽いマイナス査定も見られました。
マイナス査定は小傷や軽い錆び
細かいマイナス査定となった点を列記しますと、
バーエンドとミラーの削れ傷
立ちごけではなく、出し入れの際に擦ったとという事で、ハンドル曲りやハンドルストッパーに曲りはありません。
ミラーは安価な部品なので査定への影響も軽微。バーエンドとミラーは販売店のストックパーツと交換することで買取価格への影響を最小化。
センターカウルのひっかき傷
乗り降りの際に付いたと思われる細かい傷ですが、車体全体が綺麗なだけに目につきます。とは言っても近づいてやっと気づく程度の傷。ごく軽い減点となりました。
ラジエーターの凹み・錆び
コチラも普通に人にとっては気にするかどうかという目立たない凹みや錆び。僅かなマイナス査定に。
フロントディスクローターやスプロケの裏側に軽い錆び
初期の錆びなので、研磨で十分に取り除けます。手の入りにくい個所ですが、研磨作業は1時間も要さないでしょう。こちらも買取価格への影響は軽微。
マフラーや、スイングアームなど水垢や軽い腐食が付着
軽い研磨で落とせる軽微な錆び。下地の素材は綺麗ですので、殆ど査定価格に影響しません。
スタンドのペイントはげ、ステップの使用感
タイヤに次いで使用感の出やすい箇所ですので、致し方ありません。再販に向けて万全を期すのであれば、買取後にラバー交換というのも選択肢です。
テールカウルや外装各所の汚れ
所々に埃を吸着した水滴が乾いた痕の汚れが見受けられます。テールカウルには目立つ汚れが付着していますが、全て水洗いと拭き上げで綺麗になります。
保管は室内だったそうで、外装の艶は非常に良い状態です。買取した車両は全て、整備工房にて入念な洗車と拭き上げを実施していますので、汚れは減点対象となりませんでした。
総合評価と買取価格
上述致しました減点対象は、「そんな重箱の隅をつついて」と突っ込みを頂戴するような内容です。
様なマイナス対象しかなかったということは、それだけ車両状態が良いことの裏返しでもあります。
最初に、新車を10点満点としてと申し上げましたが、どれだけ状態が良くても、走行距離が1kmでもあれば評価点は9。10キロでも走行していれば評価点は8。100キロを走行していれば評価点は7となってしまいます。
今回査定させて頂きましたGSR250Fは、走行距離は345キロと少ないのですが、その時点で最大評価は7点。
上記のようなマイナスが影響して総合評価は6点の極上車の評価となりました。
下段で詳述していますが、
GSR250Fの極上車の買取上限は20万円台後半となっています。
極上車として20万円台後半の査定価格が付く状態。その通り満額の28.5万円の査定価格で買取させて頂きました。
お客様のご感想と買取後記
「たしかに、新車が税込で39.9万円で売られているからね。相場も見せてもらったし、提示額なら文句なし。持っていってください。」とはオーナ様のお言葉。
査定を担当した本人としては状態が良かっただけに、販売店仕入れ価格で買取出来ると思っていたのですが・・・。
弊社販売店に同じ青/白のGSR250Fの在庫が存在していた為、販売店の仕入れ価格での買取はかないませんでした。
仮にそうなっていた場合は31万円程度まで査定価格は伸びていました。
GSR250F 査定相場の比較
2014年位発売された中国製造のGSR250。日本国内での本体小売価格は51.4万円。Ninja250やYZF-R25、CBR250RRといったフルカウルの国産250ccスポーツバイクに比べると20~30%も低い本体価格で販売されていました。
2017年に生産終了となったGSR250シリーズですが。2018年現在、実勢価格で新車本体価格が39万円台~で多く販売されています。
新車の本体価格が39万円台まで下がっているGSR250Fは一体いくらで売れすのでしょうか?
日本の中古バイクの相場を決定している業者間オークション市場のデータを基に、先ずは状態別の買取相場をご案内差し上げます。
250ccスポーツバイクの販売価格 |
車種 |
希望小売価格 |
実勢価格 |
GSR250F |
51.4万円 |
39.9万円~ |
Ninja250 |
63万円~ |
42.8万円~ |
YZF-R25 |
64.2万円~ |
41.8万円~ |
CBR250RR |
75.6万円~ |
58.1万円~ |
(金額は小数点第2位を四捨五入した額。)
(メーカー希望小売価格は2018年時点で公式ページに記載のある最も安いモデルの金額)
状態別の買取相場
- ▼状態を表す評価点の目安|GSR250F
- 評価点6 極上車
- 評価点5 状態が良く綺麗
- 評価点4 年式並み未満で若干の難有り
- 評価点1 事故車や不動車
GSR250F|評価点別の査定相場比較 |
状態/ 落札価格帯 |
評価点 6以上 |
評価点 5 |
評価点 4 |
評価点 1 |
30~34万円 |
3台 |
3台 |
0台 |
0台 |
25~29万円 |
1台 |
6台 |
0台 |
0台 |
20~24万円 |
1台 |
6台 |
2台 |
0台 |
15~19万円 |
0台 |
3台 |
3台 |
0台 |
10~14万円 |
0台 |
0台 |
3台 |
0台 |
9万円以下 |
0台 |
0台 |
1台 |
6台 |
総落札台数 |
5台 |
18台 |
9台 |
6台 |
(2018年2月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
19万円が実働車の平均買取相場
過去12か月間で実働車は32台が取引されたGSR250F
最高額は31.6万円、最低額は7.8万円と非常に幅広い価格帯となっていますが、最も取引が集中しているのは20万円台で、全32台の内、半分に当たる16台が20万円台で取引されています。
平均取引額は22.6万円となっています。
評価点と取引額との相関性も高く、極上車は20万円台後半~30万円付近での取引が多く、良好車は20万円台、難あり車両は10万円台の取引が多く分布が分かれています。
全32台の内、最も状態が良かったのは、評価点7が付いた走行195kmの新車に近い状態の車両で30.6万円で落札されています。
逆に最も状態が悪かったのは、外装に転倒傷が目立った車両で7.8万円で落札。次に使用感がやや強く走行距離で3万キロと4万キロを超えている2台の車両が10万円で落札されています。
上記の金額は、市場での落札金額で、販売店にとっては仕入れ値、買取業者にとっては売却値に相当します。
したがいまして、査定現場での買取相場を計算するには、買取業者の儲けと経費(出品手数料は運送費など)を差引く必要があります。
250cccの場合は、3~4万円程度を割り引くのがお客様にとって競争力のある適正な相場と言えます。
市場データから3万円程度を割り引いた、買取相場は下記のようになります
- ▼GSR250Fの買取相場
- 平均額=19万円程度
- 評価点6=20万円台
- 評価点5=10万円台後半~20万円台前半
- 評価点4=5~10万円台前半
3万円が事故車の平均買取相場
事故車や不動車・故障車など実働状態にない車両を表す評価点1のGSR250Fは、過去1年間で6台に取引があり、最高額は8.9万円、最低額は3.7万円、平均は6.1万円となっています。
6台の内訳ですが全て事故車となっています。
最低額の車両は、フロント~メーター周りが大破、フロントフォーク捩れ、テールカウル破損、センターカウル転倒傷、エンジン始動。
最高額の車両は、エンジン実働で写真では損傷個所が分かりませんが、おそらくフロントフォーク捩れと思われます。
上記の2つの車両の比較で分かりやすいと思いますが、実働化・再商品化するコスト(若しくは再利用できるパーツ価値)によって、事故車の取引額は10万円以下のレンジでとなりますが変わってきます。
前述した業者の儲けと経費を差し引いた、事故車の買取相場は、平均で3万円程度。状態によって数千円~6万円程度までであることが読み取れます。
GSR250シリーズの買取相場
2017年に生産終了となったGSR250シリーズですが、以下の3モデルが存在します。 3モデルの相場情報を比較したのが2つ下の表になります。
GSR250シリーズの特徴と新車価格 |
車種 |
特徴 |
発売 |
希望小売価格 |
GSR250 |
ネイキッド |
2012年(国内) |
45.7万円 |
GSR250S |
ハーフカウル |
2014年 |
49.2万円 |
GSR250F |
フルカウル |
2014年 |
451.4万円 |
(金額は小数点第2位を四捨五入した額。)
(メーカー希望小売価格は2018年時点で公式ページに記載のある最も安いモデルの金額)
GSR250シリーズの相場比較|実働車 |
相場/ 年式モデル |
平均落札額 |
最高額 |
取引台数 |
GSR250 |
17.1万円 |
29万円 |
389台 |
GSR250S |
18.9万円 |
32.6万円 |
38台 |
GSR250F |
22.6万円 |
31.6万円 |
32台 |
(2018年2月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
トピックとして先ず挙げられるのが、取引台数の差。
カウル装着のGSR250FやGSR250Sを圧倒するネイキッド仕様のGSR250の取引台数です。
GSR250SとGSR250の関係は、ネイキッドのCB400スーパーフォア(
CB400SF買取事例一覧)と、 ハーフカウル装着のCB400スーパーボルドール(
CB400SB買取事例一覧) の関係に似ていますが、CB400シリーズとは異なり、GSR250S/Fの流通数が伸びなかったのは価格で評価されたネイキッドの影響なのでしょうか?
次点のトピックは新車価格に準じた中古相場です。
新車価格に準じた相場となっていて、実はこのパターンは珍しいと言えます。
同型車の上位モデル、SEなどの上位バージョン、ABSといった付加装備は、メーカー希望小売価格としては少なくない差が設定されていますが、中古市場では新車価格の差は殆どなくなることが傾向として多いからです。
最後に買取相場をご案内差し上げますと、平均的な買取相場はネイキッドGSR250は14万円程度、ハーフカウルGSR250Sは16万円程度となっています。上限はそれぞれ30万円付近まで伸びる余地がございます。
生産終了となって相場は下降気味ですので、もし売るなら早めが最高値と言えます!
GSR250F
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 32台
- 平均価格: 225,813円
- 最高価格: 316,000円
- 最低価格: 78,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 6台
- 平均価格: 61,667円
- 最高価格: 89,000円
- 最低価格: 37,000円
相場情報:2018年2月3日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。