「購入してからかなり手を入れてきた思い出の愛車ですが、ある時ふと乗り続ける気が無くなってしまい・・・売ることに」と寂しげに語られたオーナーの坂本様。
屋内で保管されていたモンキーは、かなりカスタムされた状態となっており、これまでにかけてこられた愛情が偲ばれる一台でした。
以下、車両詳細となります。
足回り
屋内保管されていたこと、走行距離がわずか1,871kmしか乗られていないことから、前後サスの状態は存外に良好。
Fフォーク下部にグリスがどっぷり付着していましたが、オイル漏れなどはなく2002年モデルのモンキーとしては機能も良好。
カスタムモンキーではほったらかしにされることが多いリアタイヤ周りも、リアフェンダーを収納することですっきりとまとめております。
特筆すべき点はアルミ合金で延長加工したスイングアームで、社外ホイールなど随所にこだわりが感じられました。
残念ながら純正ホイールは欠品状態でしたが、カスタム内容は良い査定評価となりました。
買取で減点対象となったのは、社外サイレンサーの排気口とリアサスが近いのでリアサスが焼けてしまった点。インナーチューブの塗装が広範囲に剥がれている点。ホイールの使用感やリムの軽い腐食などです。
外装
ショートバイザーやタックロールシート、CB風テールランプなどマニア心をくすぐるカスタムパーツが多数装着。
それでいながらも、純正サイドカバーやガソリンタンクを残すなど、ノーマルの良さも残したバランスの良い仕上がり具合でした。
屋内保管のため直射日光による色褪せなどもなく、2002年モデルとしては平均以上で外装の査定評価も高めに。
エンジン周り
モンキーといえば88ccキットなどでボアアップされることが多いのですが、オーナー様のモンキーはエンジンには手を入れていないノーマル状態。
2ヶ月乗っていなかったことでバッテリーはやや弱っていたものの、装着されていた社外品キックを踏み込むと、見事にエンジンが一発始動。
マフラーも大胆なカーブを描く社外マフラーが装着されており、モンキー特有のトコトコとした排気音が確認でき、アイドリングも終始安定しておりました。
買取で減点対象となったのは、クランクケースの転倒傷、エンジンの塗装ハゲ小、エンジン底部へのサビなどです。
フレーム回り
扱い方に大変な気配りをされていたオーナー様のモンキーらしく、フレームには殆ど劣化や損傷なし。
雨天走行を徹底して行っていなかったことも良く、サビ・塗装剥離といった難点はありませんでした。
車体腹下部にほんの少しサビが発生しつつある箇所がありましたが、ピカール等の研磨材でひと拭きする程度でケアできる軽微なものであったため、2002年モデルのモンキーとしてはからり高い査定評価に。
電装/保安部品
前述のバッテリー弱りはあったものの、保安部品・電装系のチェックは共にOK。
動作状況・配線類の状態共に申し分なく、そのまま店頭で売りに出せるほどよい状態であることが確認できました。
バッテリーも再充電でケアできる範囲内であったため、電装保安部品の項目に目立つ減点対象はありませんでした。
その他
その他、サイドスタンド・ステップ・他車種ウィンカーなどを装着し、自分好みのカスタムを楽しまれていたご様子。
低走行で屋内保管ということもあり、これといった難点は見つからなかったこともあり、評価的にはかなり高めです。
カスタム車両の場合、パーツの種類等によっては逆にマイナス評価の対象となってしまうこともままあるのですが、 今回のモンキーはセンスよく人気ブランドのパーツを選ばれており、この点が買取評価点を大きく伸ばすことにつながりました。
カスタム車としての総合評価と買取価格
以上が今回のホンダ・モンキーの査定チェックポイントですが、全体的に綺麗な状態を維持してこられたこと、カスタムの仕方がツボを心得た完成度の高さであった点を評価させて頂きました。
人気の定番テイストを踏まえているカスタムによって買取価格が伸びた好例と言えます。
カスタムモンキーは得てして同じようなスタイルになりがちなのですが、異型のマフラーなどを用いたことでセンスよくまとめておられました。
(余談ですがカスタムにも傾向があり定番化しているスタイルは流通価格も安定しているため値付けがしやすい反面、オリジナル度が高いカスタムは全体の評価は難しく、社外品の価値に依存する傾向があります)
残念ながら、排気口とリアサスが近すぎて右リアサスが排気焼けを起こしており、腹下の軽微なサビと合わせてマイナスになってしまいました。
しかし、走行距離2,000km未満と低走行であること、その他部位の良好さを総合的に判断した結果、2002年モデルとしてもカスタムモンキーとしても相場平均を上回る査定価格200,000円にて買取させて頂きました。
お客様のご感想と買取後記
「出来る限り丁寧に仕上げてきた自信はあったのですが、これだけカスタムを分かって頂いて評価してもらえれば言うことなしです。お願いします」という気持ちのよいお返事を頂けました。
オーナー様はガレージ内の換気にも気を配られていいて、ガレージ内のホンダ・シビックも非常に美しい外観をキープしておられました。
今回、ふとした拍子に愛車へのご興味が失われてしまったことはいたく残念でしたが、これほど大事に乗られてきたバイクをお任せ頂くということを嬉しく同時にその重みを大切に考えております。
弊社販売店の整備工場での簡単な点検整備後、店頭展示1週間にして新しいオーナー様が見つかり、次の活躍先が決まったことをこの場を借りて御報告させて頂きます。
またいつの日かバイクに対する気持ちが復活される際は、お気軽に弊社パッションまでご相談頂ければ幸いです。
年式別のモンキーの査定相場の比較
50年前のデビュー当時から、ほぼそのままの姿を維持したままでロングセールスを続けてきたホンダ・モンキーは2017年にて生産終了のアナウンスが行われ、復活を熱望する声と共に中古バイク市場にも動きが出てきました。
業者間市場での取引データを基に、モンキーの評価点(状態)別の買取相場をご案内差し上げます。
- ▼評価点の目安
- 評価点8以上 新古車または未登録の新車
- 評価点7 新車に近い
- 評価点6 極上車
- 評価点5 状態が良く綺麗
- 評価点4 先ず先ずの状態
- 評価点3 多少の難がある車両
- 評価点2 実働だが劣悪
- 評価点1 事故車や不動車
評価点別のモンキーの査定相場の比較 |
評価点/ 落札価格帯 |
評価点 8以上 |
評価点 5 |
評価点 4 |
評価点 3 |
70万円台 |
1台 |
0台 |
0台 |
0台 |
60万円台 |
0台 |
0台 |
0台 |
0台 |
50万円台 |
0台 |
0台 |
1台 |
0台 |
40万円台 |
6台 |
0台 |
0台 |
0台 |
30万円台 |
2台 |
2台 |
2台 |
1台 |
20万円台 |
0台 |
2台 |
6台 |
1台 |
10万円台 |
0台 |
1台 |
8台 |
5台 |
~10万円 |
0台 |
0台 |
0台 |
4台 |
総落札台数 |
9台 |
5台 |
17台 |
11台 |
(2017年12月時点で、業者間市場の落札データを過去1ヵ月間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
上記表は直近1ヶ月内のデータ 注目したい点は新車・未登録車両を示す”評価点10”の車両が出品されていることで、こちらは70.2万円というモンキーの業者間取引史上最高値を更新しました。
こちらは50周年を記念して500台限定生産で抽選販売となった「モンキー50周年スペシャル」で、その稀少性の高さが評価されての結果となっております。
他、昨年2017年に発売された赤/白カラーの「モンキー50thアニバーサリー」が評価点9の車両として4台出品され、いずれも40万円以上の高額取引となりました。
昨年2017年モデルの新車販売価格が税抜き32.6万円であったことを考えると、20%以上のプレミアがついている計算となり、程度状態のよいモンキーはますます高額買取が狙える状況となりつつあります。
直近1ヵ月間では落札データがありませんが、高額車両として忘れてならないのが1967年の初代Z50M型のモンキーです。過去12カ月間に遡ってみると7台の取引があり、最高値は53.2万円、平均落札額は40.3万円。
査定現場での買取額でも多少状態に難があっても20万円台~状態が良ければ50万円台以上が狙える相場となっています。Z50Mに関しましては安定的にこのレンジの相場を少しづつ値を上げながら堅持しています。
また、今回買取りさせて頂いた2002~2003年のAB27-130型モンキーの相場についてもご紹介させて頂きたいと思います。
評価点別のAB27-130モンキーの査定相場の比較 |
評価点/ 落札価格帯 |
評価点 6以上 |
評価点 5 |
評価点 4 |
評価点 3 |
40万円台 |
1台 |
0台 |
0台 |
0台 |
30万円台 |
1台 |
0台 |
0台 |
0台 |
20万円台 |
0台 |
1台 |
1台 |
2台 |
10万円台 |
0台 |
1台 |
14台 |
3台 |
~10万円 |
0台 |
0台 |
0台 |
2台 |
総落札台数 |
2台 |
2台 |
15台 |
7台 |
(2017年12月時点で、業者間市場の落札データを過去12ヵ月間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
こちらは直近12ヶ月以内で全26台の取引があり、最高値をつけたのは走行距離わずか2kmの評価点7車両の44.0万円でした。
次点は評価点6の33.2万円と順当な形となりましたが、それに次ぐ価格となったのは評価点4の25.4万円。
こちらは純正パーツの欠品があったがために評価4に留まった車両でしたが、カスタムパーツが多く1,000km未満という低走行が評価されての結果となりました。
このことからAB27型モンキーは、フルカスタム車両でも状態次第では十分高額買取が狙えると言ってもよいでしょう。
2002~2003年モデルは10万円台で取引されている割合が圧倒的に多いことから、査定現場で実際に提示される買取額は、業者市場での想定落札金額から業者の儲けと諸経費(出品手数料や運消費など)を差引いた額となる 10万円台の前半が平均的なラインとなり、状態に応じて買取額が上下する相場になっています。
続けて不動車や事故車・部品取り車を扱う「蚤の市」車両についても見て参りましょう
事故車や不動車|モンキーの査定相場の比較 |
評価点/ 落札価格帯 |
最高額の型式 |
評価点 1 |
20万円台 |
AB27-10型 |
1台 |
15~19万円 |
Z50A型 |
1台 |
10~14万円 |
Z50A型 |
1台 |
5~9万円 |
Z50J型 |
31台 |
0~4万円 |
Z50J型 |
11台 |
総落札台数 |
|
45台 |
(2017年12月時点で、業者間市場の落札データを過去6か月間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
こちらは直近6ヶ月内の取引データですが、全45台中最高値をつけたのはAB27-100型モンキーで、落札価格は20.2万円と高評価。
その後はZ50A型の18.8万円が続き、最低取引価格はZ50J型の3.2万円となりました。
全ての出品車両が入札されていることからもお分かり頂けるかと思いますが、人気の高いホンダ・モンキーは不動状態であっても十分な車両価値があり、余程のことがない限りは査定価格が付いて買取対応できる可能性大となっております。
事故車・炎上車ももちろん買取での対応は十分望めますので、処分にお困りのモンキーオーナー様は、是非弊社パッションの出張査定をお試しください。
ホンダ・モンキー豆知識
1967年の初代モンキー発売開始以来、50年という驚異的なロングセールスとなったホンダ・モンキー。
カスタムユーザーからの人気は非常に高く、スーパーカブベースのシンプルなエンジン構造でメンテナンスも容易であり、初心者でも維持がしやすいホビーバイクのお手本だと言えます。
シリーズを通してカスタム人気が高く、武川などのメーカーから多彩なパーツが販売されており、プラモデル感覚で自由自在にカスタムできる点が大きな魅力となっております。
生産終了のアナウンス以降、全体的に車両価格が高騰しつつありますが、特に公開抽選でわずか500台の生産となった「50周年スペシャル」、初代の「Z50M」は大排気量車顔負けのプレミア価格で取引されることも。
モンキー
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近1ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 83台
- 平均価格: 260,238円
- 最高価格: 702,000円
- 最低価格: 64,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近6ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 45台
- 平均価格: 74,422円
- 最高価格: 201,000円
- 最低価格: 32,000円
相場情報:2017年12月22日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。