「大事に乗ってきたのですが、錆びが結構キツいんで、実際見てもらうとどれ位で売れるか?半信半疑だったんですけど。22万円なら事前の電話査定額の真ん中あたりなので安心しました。」XR250を売ってくださったオーナー様のお言葉。
買取させて頂いたMD30型 2004年モデルのXR250は、
全体的に細かい部分にサビ・腐食が隠れており、ここさえ綺麗であればもう1ランク評価が上がるのに…と思えるような箇所が多かく、メンテナンス方法によっては30万円近くまで査定価格を伸ばせる可能性があっただけに惜しい査定額でした。
以下、査定内容の詳細をご案内させて頂きます。
ページ下段ではXR250を売りたいオーナー様必見!1995~2007年までの年式モデル別の相場と、車両の評価点別の相場情報もご案内しています。
生産から約15年の月日が経過しているMD30後期型 2004年モデルのXR250ですが、査定現場で一見した際には傷んでいる様子は見えず、全体的に綺麗な印象を受けました。
いざ実際に査定に臨み、エンジンや足回り、フレームなど細部を検分していくと年式相応の劣化や、転倒によるキズなども確認されました。
一見して綺麗に映えるだけに、(ここが綺麗だったらなぁ…もっと買取価格が伸びていたのに)と惜しまれる細かいポイントも多かった車両です。
以下、今回拝見させていただいたホンダ・XR250 の車両詳細となります。
足回り
オフロードバイクの基本スタイルである前後スポークホイールは、 本数も多いうえに手が入りづらく1本1本ケアするのは難しい個所だけに、日頃のメンテナンスや保管状況を物語るバロメーターとなる査定ポイントでもあります。
早速ホイールとスポーク回りから拝見させて頂きましたが、残念ながら前後ホイールともにリム等の腐食が目立ち、スポーク部分にサビ・腐食多数あり。
高価な部品ではないホイールの劣化は査定に与える影響も軽微。続いて、買取価格に与える影響の大きいサスペンションやブレーキ類の状態を続いてみていきます。
ディスクローターはそれなりにメンテされているご様子。前後のサスペンションも磨き傷や軽めの錆びは浮いていますがヘタリや酷使感はなく機能的にはまずまず。
足回りにやや目立った錆びや腐食は、時間をかけて錆び取りすることで十分リカバー可能。前後サスペンションやブレーキ類の状態は良くポテンシャルを評価して足回りの総合評価は年式平均並みより若干良い点数となりました。
外装
ステッカー類の剥離や再塗装などもなく2004年モデル販売当初のデザインを残しているXR250ですが、外装に細かい傷がが多数ついており、若干の色褪せも発生しています。
カウル類の割れ欠けはなかったものの、リアサスペンションのリザーバータンクに転倒によって削れたと思われる少々深めのキズがあります。
大きな外傷はなくオリジナルのデザインを保持している点は評価できましたが、細かい傷が多数有る点、とりわけリカバーが困難な外装全体の色褪せが買取価値をやや損ね、査定評価としては年式並みに収まりました。。
エンジン周り
走行距離8,570kmと15年前のオフロード車としては少なめです。腰下にオイル漏れ痕があり減点となりましたが、エンジンの始動性・アイドリング・吹け具合に関してはストレスなく機能的には良好だと言えます。
その一方でエンジン外観はかなりくたびれており、全体的に塗装が剥がれて、錆びと腐食が目立ち、見た目の劣化が見た目の印象を損ねていました。
根気よく1本1本研磨していくことで除去できるスポークの錆びと異なり、剥がれた耐熱塗料や隙間の狭い空冷エンジンフィンの腐食はよりリカバーに費用と時間を要します。
その分だけ見た目ではありますが買取価値を下げることになります。
手の届く範囲内で磨かれてはいたご様子ですが、手の届きにくい箇所は劣化が進行し、所々に腐食がキツい箇所があります。
エンジンも綺麗な個所と、劣化の目立つ個所がハッキリと別れていました。
「3,000kmごとにオイル交換はしてプラグは2回替えました」とーナー様が仰るように、定期的なメンテナンスで機能的には上々だったのですが、エンジンの外観が査定評価を下げてしまった点が大いに惜しまれます。
フレーム回り
メイン・サブフレームともにサビ・キズが散見され、15年という歳月を感じさせる状態でした。
エンジンの腹下部とダウンチューブを保護するアンダーガードに目立つ削れ傷がありますが、後付けの付属品であるため査定には影響せしませんが、エンジンやダウンチューブを守った点で隠れたプラス評価と言えるかもしれません。
右側ステップ上部付近に転倒によるものと思われるキズもあり、一部では塗装の剥離も発生。
フレームの歪み・変形といった深刻な損傷や、大きな衝撃を吸収した皺寄り等はありませんでした。劣化や塗装剥離が散見されるものの剛性は高く、フレームの査定評価は年式並みかやや高いものとなりました。
電装/保安部品
ヘッドライト・ウインカー・メーター類を始め、電装系に関しての問題点はなし。
メーター・ランプ類も年式の割に綺麗な状態を維持しており、コード類の劣化もさほどなく2004年モデルとしては比較的良好な状態でした。
スイッチ周りは若干のやれが出ておりましたが、年式を考えると相応のレベルといったところでしょうか。
保安部品は、オフロードバイクで良く見られる症状ですがエキパイの錆びが目立ち見た目の印象を損ねている点が残念でした。
オーナー様のお話では一度CDIをホンダディーラーで交換したそうで、この交換を加味した上で年式平均よりはやや高めの評価となりました。
その他
社外マフラーなどのカスタムパーツは装着されておりませんでしたが、先述のアンダーガードに加えて、ハンドル左部へのスマホホルダーとリアキャリアが装着されており、簡単に取り外しが効くライトカスタム仕様となっておりました。
この程度であればカスタムがマイナスに働くようなことはなく、実用性の高いリアキャリアということで気持ちプラスとなりました。
総合評価と買取価格
以上が今回のホンダ・XR250の査定チェックポイントです。
走行距離は浅めで一見すると綺麗ながら、所々にとても目立つサビ・キズ・腐食があり、買取成約後は見た目の印象を回復するためのメンテナンスが必要な状態にありました。
排気漏れ・目立つ転倒傷といった深刻なトラブルはありませんでしたが、全体的に細かい部分にサビ・腐食が隠れており、ここさえ綺麗であればもう1ランク評価が上がるのに…と思えるような箇所が多かったのが残念です。
細かい部分も綺麗であれば30万円近くまで査定価格を伸ばしていただけに残念ではありますが、時間と根気を要するリカバー作業費用を差引いての買取金額となりました。
結果としては、見た目の印象を回復した後の価値と、リカバー作業では回復できないポテンシャルを見抜いて、1つ1つ評価を積み重ね、220,000円という査定金額をご提示させて頂きました。
お客様のご感想と買取後記
「結構錆びがキツいんで、実際見てもらうとどれ位で売れるか?半信半疑だったんですけど。220,000円なら事前の査定見積もり額の中間なので安心しました。持って行ってください」と即決即断のご回答を頂戴しました 。 「休日に地図を見ずに脇道に入っての林道走行やダート走行が好きでした。ダート走行で汚れた後はこまめに洗車していたんですが、錆びがどんどん酷くなって、チェーンは錆びが激しくて付け替えました」と仰るオーナー様。
一度錆びが発生してしまうと、マメに洗車しても錆びは進行していきます。錆びは研磨して除去しないと落ちません。
定期的に洗車しても錆びが発生していない個所は綺麗な状態を維持しますが、乾拭きの難しいチェーンなどの錆びは洗車のたびに錆びが進行していきます。
今回のXR250も綺麗な個所と劣化の目立つ個所の差がはっきりしていたのは、上記の理由によるところが大きいようです。
今回買取させて頂いたXR250も早めに錆びが除去されていれば査定価格が違っていただけに残念です。
錆びは早めに研磨して除去するのが正解です。
XR250 査定相場の比較
日本国内では2007年の自動車排出ガス規制によって生産を終えましたが、海外では販売が継続されているため、部品調達が容易な部類に入ります。
しかも車体自体がタフに作られているため、初心者からベテランまで楽しめるオフローダーとして評価が高く、中古バイク市場でも一定以上の流通台数が保たれております。
後継モデルのCRF250シリーズ登場後も中古相場は安定しており、日本で買取された中古バイクの9割が取引される業者間オークション市場での平均取引価格は20万円を超えています。
以下、業者間取引市場の取引データを基に、XR250の『状態別』と『年式別』の買取相場をご案内差し上げます。
状態別の買取相場
- ▼状態を表す評価点の目安|XR250
- 評価点5 状態が良く綺麗
- 評価点4 年式並み・やや状態が良く綺麗
- 評価点3 年式並み未満で難有り
- 評価点2 実働車だが劣悪
- 評価点1 事故車や不動車
MD30後期型(2003~2007年)のXR250|評価点別の査定相場比較 |
状態/ 落札価格帯 |
評価点 5 |
評価点 4 |
評価点 3 |
評価点 1 |
35~39万円 |
2台 |
0台 |
0台 |
0台 |
30~34万円 |
3台 |
9台 |
0台 |
0台 |
25~29万円 |
0台 |
16台 |
1台 |
0台 |
20~24万円 |
0台 |
36台 |
4台 |
5台 |
15~19万円 |
0台 |
10台 |
15台 |
5台 |
10~14万円 |
0台 |
0台 |
2台 |
0台 |
総落札台数 |
5台 |
71台 |
22台 |
10台 |
(2018年1月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
過去1年間で実働車は、98台が13~37万円のレンジで取引されています。
ホンダのオフ車のフラッグシップであったXR250の中でも2003年以降のMD30後期型は比較的新しく流通数も多いため、相場が堅調なオフ車全体の中にあって一段も高い相場が維持されています。
流通数の多いオフ車という条件で、XR250に比肩するかそれ以上の相場を形成している車種は、KLX250(LX250S)、現行型のCRF250シリーズとセローなどで、多くは存在しません。
話を型のMD30後期型(MD30-17~20)相場に戻すと、状態と取引金額が比例して、評価点の高い車両ほど高額で取引されている傾向が顕著に見て取れます。
査定現場での買取額は、上記市場での取引価格から数万円以上低くなる(買取業者の儲けと出品手数料や運送費の経費を差引く)為、 評価点5の車両は30万円台前半。評価点4の車両は10万円台後半を基点に状態によって上下。評価点3の車両は10万円台の査定相場であることが読み取れます。
続いて、事故車や不動車を意味する評価点1の車両に着目すると、10台が16.3~22.9万円のレンジで取引されています。
『おっ高い』と思える金額です。その理由は全て不動車であり、エンジン実働化に向けたコストが割り引かれた価格で取引されている為です。
取引された全10台は、実働化の価値は評価点4以上のポテンシャルがあることが取引金額から読み取れます。
派手な事故車やパーツ取りとなる全損事故車になると、再利用できるパーツ価値まで減額されるため大幅に買取価値は低くなりますがどんな状態でも値が付くことは確かでしょう。
年式モデル別の買取相場
▼年式モデルの変遷|XR250
- ▼MD30前期
- 1995年 フレーム番号MD30-10~
- 1997年 フレーム番号MD30-12~
- 2000年 フレーム番号MD30-14~
- ▼MD30後期
- 2003年 フレーム番号MD30-17
- 2005年 フレーム番号MD30-18
- 2006年 フレーム番号MD30-19
- 2007年 フレーム番号MD30-20
※上記年式とフレーム番号は推測です(正確ではありません)
年式別の査定相場|XR250実働車 |
相場/ 年式モデル |
平均落札額 |
最高額 |
取引台数 |
1995年 |
15.9万円 |
22.4万円 |
29台 |
1997年 |
18.5万円 |
33.6万円 |
5台 |
2000年 |
17.8万円 |
23.4万円 |
34台 |
2003年 |
21.8万円 |
34.2万円 |
49台 |
2005年 |
21.3万円 |
34.2万円 |
21台 |
2006年 |
27.2万円 |
36.0万円 |
12台 |
2007年 |
27.4万円 |
37.0万円 |
16台 |
(2018年1月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
前期型はデザインの好みで若干逆転現象がありますが、XR250全体で通してみると高年式=高相場と比例している傾向がハッキリ見て取れます。
2000年モデル以前の前期型MD30の相場は一段低く、2006年以降が後期型でもの中でも1段高い相場を形成していることが見て取れます。
上記の市場での取引価格から儲けと経費を差し引いた買取業者の平均的な査定価格を年式モデルでざっくり区切ると、 2006年モデル以降は20万円台前半。2003~2005年モデルは10万円台後半。2000年モデル以前は10万円台前半がベースとなり相対によって上下しそうです。
以上、XR250の相場を『状態』と『年式』の視点で見てまいりましたが、状態が良く年式の新しい車両程高い相場である一般的な相場が当てはまる結果となりました。
お客様がXR250を売る際に、適正な査定価格を知る一助になれば幸いです。
更に『走行距離』の要素をも加味した最新の相場情報は、個人情報不要の
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XR250豆知識
XLR250シリーズから空冷4ストロークRFVCヘッドの単気筒エンジンを継承し、1995年にニューモデルとしてデビューしたホンダ・XR250 MD30型 。
先代XLR250に比べ、操縦性・使い勝手を向上させた変更点が多く、今日現在でも優れた走破性を発揮できるタフな作りが自慢のモデルです。
2003年には前後17インチのオンロードタイヤを装着した「XR250 MD30型 モタード」という派生モデルが追加されたものの、平成18年自動車排出ガス規制への対策がないまま生産終了を迎えました。
XR250【2003~2007年モデルのの後期型】
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 98台
- 平均価格: 232,990円
- 最高価格: 370,000円
- 最低価格: 130,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 10台
- 平均価格: 191,100円
- 最高価格: 229,000円
- 最低価格: 163,000円
相場情報:2018年1月8日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。