元祖モタードマシンとも評される「Dトラッカー」からのフルモデルチェンジ版として登場したのが、「DトラッカーX」である。デビューモデルは2008年4月に発売された。
ニューモデルとして展開されたのは、当時の環境規制に対応する必要があったという時代背景が関係している。当時は、時を追うごとに厳しさを増す排ガス規制に対応することができず、生産終了に追い込まれたキャブレターマシンが少なくなかった。その中で、「DトラッカーX」は、ベースモデルの「KLX250」とともに燃料供給方式にフューエルインジェクションを採用し平成18年排ガス規制に適合する形で新登場となったわけだ。
フレームはセミダブルクレードル型で、エンジンはDOHC4バルブ水冷4ストローク単気筒を搭載。最高出力は9,000回転で24馬力を発揮した。ちなみに先代モデルの最終型は29馬力だったので仕様変更によってパワーダウンを余儀なくされた形だ。
トランスミッションは従来通り6速リターン式を採用。乾燥重量は129kgでベースモデルの「KLX250」より2kg重たかった。
2007年末にはライバルモデルとしてヤマハから本格的なモタードマシン「WR250X」がデビュー。125kgの車体に31馬力を発揮する249ccエンジンを搭載していた。
「DトラッカーX」の足回りは、フロントに倒立フォークを装備し、リアはスイングアームにモノショックという組み合わせ。ホイールサイズは前後共に17インチでオンロードダイヤを履いている。
機能・デザイン面では、従来モデルで採用されていなかった燃料計やタコメーターを装備。フロントヘッドライトは角型形状からV型のストリートルックな形状に変更された。なお、このヘッドライト形状は「KLX250」にも採用された。
デビュー以降の「DトラッカーX」はカラーチェンジを繰り返しながら販売が続けられ2016年にファイナルエディションを展開したのを最後に生産終了となった。

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解説記事更新日：2022年01月26日

『X』が付与された2008年登場モデルの特徴は以下の通り。
・基本ベースは水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒エンジンを搭載した「D-トラッカー」
・フューエルインジェクションを搭載し、マフラー内のハニカムキャタライザーと二次エアシステムによって平成18年排ガス規制に対応
・インジェクション化によって最高出力は「29ps → 24ps」へと大幅なダウンが見られたが、夏場でもチョークを引かないとエンジン始動が困難だった「Dトラッカー」に比べ、インジェクションを搭載したDトラッカーXは初心者にでも簡単にエンジン始動ができるほど扱いやすくなっている。
・フロントマスクには「V型ヘッドライト」を装着
・カラーは「オリエンタルブルー」、「ソーラーイエロー」、「エボニー」の3色ラインナップ

解説記事更新日：2021年10月03日

2009年モデルの変更点は以下の通り。
・一部仕様を変更し、カラーチェンジを行う
・新色「ブレイジングオレンジ」を追加し、「オリエンタルブルー」と「エボニー」の3色ラインナップ (ソーラーイエローはカタログ落ち)
・シュラウド下半分には「Z」ロゴ風のグラフィックがそれぞれのカラーで取り入れられている
・価格は54.8万円に変更

解説記事更新日：2021年10月03日

2011年モデルの変更点は以下の通り。
・カラーチェンジを行い、「ブライトホワイト×キャンディーパーシモンレッド」と「ライムグリーン」の新色2色ラインナップになる
・ブレイジングオレンジ、オリエンタルブルー、エボニーはカタログ落ち
・ライムグリーンは黒と緑のグラデーション風グラフィックを採用し、「D-TRACKERX」ロゴにも2色カラーを交互に配置する新しいデザインを採用
・ブライトホワイト×キャンディーパーシモンレッドはシュラウドからテールにかけて「赤・黒・白」3色を組み合わせた流線型のグラフィックを採用
・価格は変更なし

解説記事更新日：2021年10月03日

2009年のマイナーチェンジでLX250V型へ進化して以降はカラーチェンジを毎年実施してきた「DトラッカーX」だが、2012年モデルも同じくカラーチェンジのみ行われた。
カラーラインアップは、2パターンから変わりはなく「エボニー×キャンディライムグリーン」と「オリエンタルブルー×メタリックファントムシルバー」となった。
2011年モデルでも「ライムグリーン」はラインアップに含まれていたが、今回のカラーチェンジでは従来モデルと比較するとダーク系の「エボニー」カラーが車体の大部分を占めていて「ライムグリーン」がグラフィックの差し色として配されているというイメージだ。それで、2カラーとも前年モデルより洗練された都会的な印象に仕上がっている。
ライバルモデルとしては、ヤマハの「XT250X」が台頭するだろう。パワーは18馬力と非力だったが車重は133kgと本モデルより5kgも軽い。
なお、2012年式の「DトラッカーX」の価格は、548,000円で据え置かれた。

買替や売る際の買取査定は、2012年式 DトラッカーXの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2021年10月21日

2013年モデルの変更点は以下の通り。
・カラー、グラフィック変更を行う
・カラーは「ブライトホワイト」、「ファイアクラッカーレッド×エボニー」の新色2色ラインナップ
・両カラー共に「D-TRACKER X」ロゴを斜めに配置した斬新なグラフィックを採用
・価格は変更なし

解説記事更新日：2021年10月03日

2014年モデルの変更点は以下の通り。
・カラー、グラフィック変更を行う
・カラーは「キャンディライムグリーン×ブライトホワイト」、「メタリックフラットロウグレイストーン×エボニー」の新色2色ラインナップ
・「キャンディライムグリーン×ブライトホワイト」はメーターバイザー・テール部・フロントフェンダーにホワイトカラーを採用し、シュラウドにはブラックとグリーンを組み合わせたグラフィックを採用
・「メタリックフラットロウグレイストーン×エボニー」も同様のグラフィックを採用し、車体全体をブラックカラーでまとめている
・価格改定を行い「100円」アップしている

解説記事更新日：2021年10月03日

2015年モデルの変更点は以下の通り。
・カラー、グラフィック変更を行う
・カラーは「エボニー×キャンディライムグリーン」、「エボニー×キャンディバーントオレンジ」の新色2色をラインナップ
・キャンディライムグリーン×ブライトホワイト、メタリックフラットロウグレイストーン×エボニーはカタログ落ち
・両カラー共にシュラウドに「D」のロゴを大きく配置して、各ラインナップカラーと組み合わせたグラフィックに変更
・2014年4月に消費税が変更されたこともあり、価格は56.3万円に変更されている

解説記事更新日：2021年10月03日

D-Tracker Xの16年モデルではカラー変更の他FEが設定されている
【ベースモデル】
・カラー、グラフィック変更
・カラーは「オリエンタルブルー」、「エボニー×メタリックフラットロウグレイストーン」の2色ラインナップ (エボニー×キャンディライムグリーンとエボニー×キャンディバーントオレンジはカタログ落ち)
・両カラー共に「D-TRACKER」ロゴのバックにフレア模様風のグラフィックを採用
・「エボニー×メタリックフラットロウグレイストーン」は全体をブラックカラーでまとめ、「オリエンタルブルー」はブルーとブラックパターンを取り入れたクールな雰囲気のデザインになっている
・価格は56.3万円→57.4万円に変更

【ファイナルエディション】
・特別カラーで仕上げた「ファイナルエディション」
・タンク、前後フェンダー、シュラウド、ヘッドライトカバーにファイナルエディション特別カラーを採用
・シュラウドには大きく「D」のロゴを配置したファイナルエディション特別グラフィックを採用
・ホイールリムはブルーアルマイト加工が施されている
・価格は58.5万円で発売

解説記事更新日：2021年07月28日