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データ最終更新：2024年04月19日
カワサキで短期間に最も売れたバイクをご存知でしょうか？
それは1985年に発売されたGPZ400Rです。
ライバル他社が軽快なバイクを発売する中、カワサキらしい重厚なフォルムを纏って登場。
瞬く間に人気となり、2年連続で国内販売台数 1位 を記録しました。
一時は人気が低迷したものの、フレームやマフラーまで真っ黒に塗りつぶした3型が発売されると人気が再燃焼し、次期モデルとして発売されたGPX400Rをしのぐ人気ぶりを発揮しました。
最終モデルは、新型であるGPX400Rのパーツを移植されてマイナーチェンジ。
「併売されている旧型の販売台数が、新型を上回る」という珍事を起こしました。
根強い人気に支えられ、サイクルの早い当時において異例、4年間にわたり1989年まで発売されるベストセラーとなったのです。
（乗車モデル 1985年式）
圧倒的な迫力に押されがちになりますが、スプーンでえぐりとったようなシートのおかげで足つきはよく、シート高は770㎜に抑えられています。
シートの材質がよく、何時間乗ってもお尻に優しい柔らかさ。
タンデムシートは幅広くフラットで実用的。
タンデムランはもちろんのこと、ツーリングの荷物の積載も安定します。
ライディングポジションは軽く前傾になります。
レーサーレプリカほど極端ではないものの、長時間のライディングでは首・手首・足首が悲鳴をあげます。
タンデムランに至っては、後ろから負担をかけられた日には、好きな子さえも振り落としたくなるほどの辛さ。
タンデムバーを握ってもらうか、何か対策を考えた方がよさそうです。
重量176kgもある鉄の塊なので、決して軽くはありません。
カウルに干渉するためハンドルの切れ角も少なく、何度か切り返さなくてはならないなど、取り回しに苦労します。
もし倒してしまった場合もひとりで起こすのは困難です。
人気番組だった「スケバン刑事Ⅱ」で、南野陽子扮する麻宮サキの愛車という設定でしたが、女性向ではないですね。
当時レーサーを持たなかったカワサキが、GPZ400RをベースにＦ3レースに参戦していたことからもわかるとおり、加速には定評があります。
取り回しに苦労した重量は、スピードを増すごとに安定性を増します。
59馬力のエンジンと徹底した空気抵抗対策により、高速域におけるスピードの伸びを体感。
低回転・中回転においても粘り強いエンジン特性を発揮します。
重心が高くコーナーでの寝かせから立ち上がりもスムーズ。
低く構えたスタイルで、地を這うようにコーナーをクリアします。
低速でも操縦性は衰えず、大きな車体が強いパワーでゴロゴロと旋回するのは頼もしさがあります。
フロントがダブル、リアはシングルの型押しディスクブレーキシステムを採用しています。
フロントフォークには、ブレーキング時に沈みこみを防ぐ新システムを搭載、安全性を向上させています。
左右2本出しのノーマルマフラーはとても静かでご近所思い。
しかし物足りない音量ではなく、ジェントルに低音を響かせてくれます。
人気車種だけに、様々なカスタムパーツが発売されていました。
ポジションを楽にしたいのなら、バーハンドルに交換するのがおススメ。
重心が低くなり最適なツアラーに仕上がります。
その際、ノーマルのミラーは低く見えにくくなるため、GPZ 900Rのミラーを流用してください。
高速走行性を求めるのなら、マフラー交換でしょう。
ただし当時のパーツは車検に通らないものが多いので注意が必要です。
「集合管は欲しいけど、うるさいのはイヤ！」という人は、兄弟車であるFX400Rのマフラーの流用はどうですか。
アンダーカウルに加工が必要ですが、車検に対応し、ルックスが変わりますよ。
ネットオークションなどで、まだパーツを見かけますが、徐々に入手が厳しくなっています。
長く乗り続けたいなら、消耗品を中心にストックしておいた方がよいでしょう。
カワサキ車は車種が異なっても共通のパーツを使っていることが多いため、場合によっては流用が可能です。
ただし販売からすでに30年以上を経過していますので、欠品となっているパーツも出始めています。
GPZやNinjaは、GPZ 900Rの代名詞となっていますが、大型免許の取得が難しい当時、GPZ400Rは憧れの的でした。
カワサキ初のミドルクラス・水冷4サイクルエンジンとして登場、アルミを使ったフレーム、フロントフォークのシステムなど、当時の技術の粋を結集している点からもカワサキの意気込みを感じます。
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