「昔からヤマハ・SR400などの味のあるバイクに乗り続けてきたのですが、お金に余裕ができ他人と違うバイクが欲しくなって購入しました」と語る竹内様。
その竹内様が大事に乗られていたのが、今回拝見させていただいたロイヤルエンフィールド・クラシック350です。走行距離が3,000kmにも満たず、エンジンの慣らしが終わったばかりの低走行車両。 見ただけで本当に大切にされてきたことが察せられ、竹内様のバイク愛に大変頭が下がる思いでした。
これほど綺麗なクラシック350はちょっとお目にかかれないほどで、弊社査定担当者も久しぶりに心躍る思いで査定に臨ませていただきました。
以下、竹内様のクラシック350車両詳細となります
足回り
最初にチェックさせて頂いたのは前後サスペンション。雨天走行を全くされていなかったようで、点サビひとつない綺麗な状態。
ハンドルに体重をかけ、荷重を目一杯かけてもほぼ新車に近い減衰が確認でき、中古バイクとしては満点に近いものだと言えます。 続けてリアサスペンションも走行距離相応のこなれた柔らかさが感じられ、これからの乗り味の良さが楽しみな良い状態を維持しておりました。
外装
続けて外観の方ですが、スチール製パーツの多いロイヤルエンフィールド車としては綺麗な状態を維持しており、メッキパーツやスポークホイル、エンジン周りに至るまで、経年劣化と思わしき箇所はありませんでした。 強いて欠点を挙げるとすれば、ディスクローター表面にわずかなサビが見られるだけで、こちらに関しても非常に良好なコンディションだと言えます。
エンジン周り
外観同様に綺麗なエンジンで、始動性を確認する程度で十分なチェックが行えました。単気筒エンジン特有のトコトコとした鼓動感、安定したアイドリングが確認でき、見た目に違わない良いコンディションをキープ。
キックペダルを踏み抜いてみると、適度なコンプを保っていることが足から伝わり、中古バイクの程度としてはそのまま現状販売で売りに出せるほどに良好。 竹内様によれば、「1,000km毎にオイルを交換し、本当に大切に保管していた」とのことでした。ある意味ではバイク屋泣かせの一面を持つシングルバイクなのですが、この状態の良さには感服させられました。
車両全体の評価と買取金額
最後にぐるりとその他の箇所をチェックさせていただきましたが、タイヤの山残り、チェーンのたるみ、フェンダー内側といった日頃の扱い方がわかりやすい箇所も綺麗な状態。
プロの視点で細かいマイナス査定となった箇所を敢えて挙げると以下の4点でした。
- リアホイールの僅かな曇りや汚れと錆び
- 立ちごけと思われるハンドルとフロントフェンダーの軽い曲りと凹み、ウィンカーの傷とウィンカーステーの曲り
- 暫く乗っていなかった期間があったためと思われる、前後タイヤの軽いひび割れ、リアショックの機能的な軽いヘタリ
- タンクリムの細かな塗装ハゲ、クランクケースの軽い塗装ハゲ、外装各所の軽い傷、金属各所の軽い錆び
上記は全て、指摘されても購入を真剣に考えている人以外は気にならない程度のもの。買取した後に自社の整備工房でメンテナンスしを行えば充分にリカバリー可能な内容ばかり。従って買取価格への影響も軽微です。
各部を見たロイヤルエンフィールド クラシック350の査定評価点は、エンジン、フレーム、前後足回り、電気保安部品、外装の全ての項目で5点が付いた、総合5点となりました。
2015年頃の350ccとなると極上車で6点、状態の良い車両で5点、年式並みか軽い難があると4点が評価の目安です。
結論から申し上げますと28万円の査定価格で買取させて頂きました。その後に当社が業者間市場に出品して落札された金額は29.8万円。売値の29.8万円から買取値の28万円を差引いた粗利は1.9万円。 出品手数料や運送費などの諸経費を差引くと辛うじて利益を確保できたギリギリの買取価格でした。
当社は買取したオートバイの3割前後は自社販売店でお客様に小売しています。したがいまして販売店の仕入れ価格(業者間市場での落札金額)ギリギリまでお客様の買取価格に還元できる可能性も高くございます。
ロイヤルエンフィールド350の買取相場
中古市場においてロイヤルエンフィールドの350ccで最も流通数が多いのがビュレット350(BULLET350)、次いでクラシック350(CLASSIC350)です
フレーム、ホイール径、外装の他は全て共通部品であるビュレット350とクラシック350は買取相場に違いがあるのか比較してみました。
査定の評価点別の買取相場についてはビュレット350とクラシック350の合計値で算出しています。 2015年頃の350ccとなると以下のような評価点の目安になります。
- 評点6 かなり状態の良い車両
- 評点5 状態の良い車両
- 評点4 数年落ちの車両としては平均並みか若干の難有り
クラシック350とビュレット350の買取相場の比較 |
モデル/ 落札価格帯 |
クラシック350 |
ビュレット350 |
平均落札額 |
23.6万円 |
17,9万円 |
総落札台数 |
9台 |
14台 |
40万円台 |
1台 |
0台 |
30万円台 |
1台 |
0台 |
20万円台 |
3台 |
5台 |
10万円台 |
4台 |
9台 |
評価点別のロイヤルエンフィールド350の査定相場の比較 |
評価点/ 落札価格帯 |
評点6 |
評点5 |
評点4以下 |
40万円台 |
1台 |
0台 |
0台 |
30万円台 |
0台 |
0台 |
1台 |
20万円台 |
1台 |
6台 |
2台 |
10万円台 |
0台 |
0台 |
13台 |
(2017年12月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
中古の車両販売価格が20~50万円台が中心のロイヤルエンフィールド 350。 業者間市場では10~20万円台が中心で落札されています。40万円で落札されている新古車を除くと、時点は31.2万円で落札されている車両。極上車で30万円前後の落札価格が想定されます。
想定落札価格から買取業者の儲けと経費を引いた額が買取金額になりますので、今回の28.9万円の査定価格が競争力をもっていることをお分かり頂けると存じます。
評価点別の買取相場については、6点がついている3台は傾向値が薄いのですが20~40万円台で落札されています。傾向値としては、5点のボリュームゾーンは20万円台。4点以下のボリュームゾーンは10万円台で 業者間市場で取引されていることが読みとれます。
お客様の愛車のロイヤルエンフィールドの状態に照らして査定金額の見当の参考になれば幸いです。個人情報不要の
10秒自動査定でも査定金額をお調べして頂けます。
ロイヤルエンフィールド クラシック350豆知識
英国発祥のクラシックバイク専門メーカーとして、世界中に多くのファンを持つ名門・ロイヤルエンフィールド。500ccまでの排気量のバイクをメインに、 優美なフォルムと美しいスタイリングを持つ数々のモデルをリリースし、「違いの分かる」バイク愛好家から共感を集めております。
日本ではまだまだ認知度が低いながらも、その味わい深さはクラシックバイクブームの流れに乗り、着実にファンを増やし続けております。
環境規制が年を追うごとに強化される昨今のバイク市場において、「新車で買えるヴィンテージバイク」という触れ込みで知名度を高めているロイヤルエンフィールド。
このクラシック350をはじめ、目を瞠るような最新デバイス等はないものの、バイク本来の鉄の塊感が色濃い作りはクラシックファンからバイクに興味がなかったという方まで、 ノスタルジーさと心躍る「何か」を与えるモデルのひとつとしておすすめです。
非常に凝ったスタイリングや、カスタム性の高さも注目に値するポイントで、近年ではカスタムベース車両としても再評価されつつあるバイクのひとつだと言えるでしょう。
普通二輪免許で乗れる350ccの排気量ながら、シングルエンジンの鼓動感と穏やかな出力設定を与えられ、初心者でも十分に乗りこなせる点が魅力のロイヤルエンフィールド・クラシック350。
我が日本ではヤマハ・SR400というビッグネームの影に隠れ、それほどメジャーではないものの、スタック状態にしてフルカスタム車そのもののルックス自慢です。 その質感の高さには定評があり、昨年9月にSR400らが生産終了して以降、徐々に注目が集まりつつあります。 現在では日本での取扱店も増えており、まだまだ流通台数は少なめですが、満足度の高さでじわじわとファン層を拡大中。
他社では査定評価が難しいメーカーであることも多く正当に評価してもらえなかった…という声も聞かれますが、弊社パッションではクラシック350をはじめとするロイヤルエンフィールド製品バイクも大歓迎。 今回の買取事例のように、同業他社以上の買取価格をご提示させていただける可能性は十分にございます。
ロイヤルエンフィールド クラシック350
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近6ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 83台
- 平均価格: 114,470円
- 最高価格: 260,000円
- 最低価格: 54,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 36台
- 平均価格: 75,778円
- 最高価格: 112,000円
- 最低価格: 31,000円
相場情報:2017年12月6日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。