中古販売価格が当時の新車価格(38.5~43.5万円)を大きく上回っているZ400FX。
中古市場でプレミアムがついている旧車としてはカワサキの中型を代表する車種の1つです。
今回買取りさせて頂いたZ400FXは(査定相場情報で詳しく後述いたしますが)最終型のE4です。
ほぼ全ての部品が当時の純正品で構成されているフルノーマルと言って差支えのない点が、査定価格を大きく伸ばした最大の理由となった1台です。
買い手の好みに影響されないことからノーマル車両が高く評価されるのは、中古バイク全体の一般的な傾向でもありますが、旧車に関してはアンティーク的な要素をも含有していることからその傾向が非常に強く、 ネジからボルトやビスに至るまで完全に当時物のパーツで100%構成されている車両の評価が最も高くなります。
Z400FXは中型排気量で流通数も比較的多い旧車ということもあり、当時もののパーツの入手が今もなお可能ですが、より旧く流通数が少ない大型排気量の旧車などは、当時もののパーツですら高値で取引されている為、 全て当時もののパーツで構成されている個体には、時に驚くほどの値段が付くことがあります。
Z400FXに関しては、上述のように流通数が比較的多いことから、ノーマル度合いの如何が査定価格に占める比率は、希少性のある旧車のそれほど高くはありませんが、 それでも大きく価格を上げる要素にはなります。
Z400FXに関しては、やはり状態の良い車両に先ず高値が付き、純正パーツが揃っていればなお価格が上がるといった査定環境になっています。
希少性のプレミアムに関しては、中古市場でも殆どで出てきませんのでどれ程プレミアムが付くのか統計的に有意なデータがありませんが、 Z400FXには、限定500台のE4A(1981年8月発売/43.5万円)と、最終型のE4B(1981年12月発売/43.5万円/車体番号KZ400E-04~)があり、 E4A、E4Bともに、それ程大きくはありませんが一段上のプレミアムが付いています。
総合するとZ400FXは、E4AまたはE4Bで、状態が良く純正パーツが揃っている車両が最も高値で取引される車両となります。
では、具体的にZ400FXが買取市場でどのような相場になっているのかをご案内させて頂きます。
Z400FXは以下のように4モデルに大別されますので、折角ですのでモデル別に相場情報を見てみましょう。
- ▼Z400FXの年式モデルの変遷
- E1 1979年 4月発売 フレーム番号 KZ400E-000~ 新車価格38.5万円
- E2 1979年12月発売 フレーム番号 KZ400E-0115~ 新車価格38.5万円
- E3 1980年10月発売 フレーム番号 KZ400E-0257~ 新車価格40.5万円
- E4 1981年10月発売 フレーム番号 KZ400E-037~ 新車価格43.5万円
- (E4A 1981年12月発売 新車価格47.0万円)
- (E4B 1982年12月発売 フレーム番号 KZ400E-04~ 新車価格43.5万円)
Z400FXの査定相場
▼買取業者と販売業者の間で中古バイクを取引する業者間オークション市場での落札価格▼
買取業者は、買取したオートバイの殆ど全てを上記の業者間オークション市場に出品して売却しています。
従いまして、上記市場での落札価格(売却できる金額)が査定価格の上限基準になっています)
E1~E4のモデル別Z400FXの査定相場 |
落札価格帯 |
E1 |
E2 |
E3 |
E4 |
平均落札価格 |
749,200円 |
720,571円 |
728,400円 |
983,600円 |
合計落札台数 |
15台 |
7台 |
10台 |
5台 |
130万円台 |
0台 |
0台 |
0台 |
1台* |
120万円台 |
0台 |
0台 |
0台 |
0台 |
110万円台 |
1台 |
0台 |
1台 |
1台 |
100万円台 |
0台 |
0台 |
0台 |
1台 |
90万円台 |
2台 |
0台 |
0台 |
0台 |
80万円台 |
2台 |
3台 |
1台 |
1台* |
70万円台 |
5台 |
0台 |
3台 |
0台 |
60万円台 |
2台 |
4台 |
4台 |
1台* |
50万円台 |
3台 |
0台 |
1台 |
0台 |
※業者間市場の過去12ヶ月間の落札データ/2015年6月5日時点
(査定現場での実際の買い取り提示額は、上記市場で想定される落札価格から、業者の儲けや出品手数料などの諸経費を差し引いた金額の提示となっています。
お客様が相場情報を認識することは、業者が提示している査定金額が適正化か否かをある程度判断できる材料となります)
上記表一番右のE4の縦ラインの中で*印のある車両はE4Bです。
ご覧いただける通り、全モデルを通じて最高落札額の130万円で落札されている個体がE4Bですが、100万円台と、60万円台でも落札されています。
Z400FXにおけるE4Bのプレミアムは状態が良ければ20~30万円程度伸びて、状態があまりよくなければ伸びしろは限定的で殆どないといったことが現在の相場環境になっています。
130万円で落札されている車両は旧車のカスタムパーツの定番であるBEET製品をはじめ多数の社外品が装着されていますが、状態が評価されての価格になっています(買い手が競る時の運によるところも多きいいのですが・・・)。
全体を見ると、E1~E4まで相場を比較していますが、E4を除くと殆ど相場に差異は見られません。
そのことはE1~E3の発売価格が同様であることからも伺えますが、その期間のモデル変遷に伴った仕様変更が殆どないことが理由として推測できます。
母数が少ないので有意な統計値とは言えませんが、E4の相場が若干高いのは多少の仕様変更と希少性が影響していると推測できます。
また、上述した純正パーツの構成比が高い車両の相場については、その項目だけ切り出して比較することが出来ませんので、ざっと一通り比較してみた印象ですと 社外パーツを殆ど使用していない個体の相場は、状態が良ければ10~20万円程度伸びて。状態が良くない場合はあまり伸びないといった、E4Bの希少性に似通った傾向になっています。
Z400FX(フェックス)全体で均して俯瞰してみると、平均価格帯は70~80万円台。状態が良い車両は90万円台で、希少性や純正パーツの過多によって上限では150万円程までに伸びしろ。
下方は状態によって40万円台といったところが、実働車の相場になっています。
総じてみると、旧車の相場を左右する外観の形状が全てのモデルで殆ど差異が無いことから、Z400FXの相場と査定価格は先ず状態。そして次に希少性と純正パーツの過多でプレミアムが効くといった展開になっています。
お客様のフェックスを売る時の参考になれば幸いです。
Z400FXの状態
さて、今回このページの事例としてご紹介させて頂いているE4のZ400FXの状態ですが、
ネジやボルトなどについては鑑定的な領域になってしまうので、確かめられませんでしたが、 査定現場で確認できる範囲ではクラッチレバーのみが社外品、エンジンやフロントフォーク再ペイントというフルノーマルと言って差し支えのないZ400Fx(フェックス)でした。
状態としては、先ず先ず、35年近く前の車両ですので、若干の煙吐き、吹け上り不調や異音などエンジン回りの疲労の他、走行が少な目の分タンク内の小錆びや、各所の錆びなど劣化に、ブレーキ類の目立つ摩耗、ベアリング不良、 乗り降りなど日常的な使用で付いてしまうカウルやタンクなど外装各所の小傷の他、マフラーなど保安部品に軽い転倒による小さな凹みなどなどありますが、 35年落ちの車両という基準で見ると劣化や不調が少なく状態の良い部類の車両でした。
そこにほぼ純正パーツで構成されている付加価値が加わって高い査定価格となりました。
実は今回ご売却頂いた方は、リピーターのお客様で、前回はCBX1100をご売却頂きました。
前回の査定時に当社の買取価格が他社より高かったことと説明が合理的だとご評価いただきまして、再び査定に呼んで頂きました。
前回ご売却頂いた際は、買い手を選ぶ車両の為中々買い手のつかないCBX1100であったこともあり、大多数の買取業者と同様に業者間のオークション市場に出品を想定して市場で売れる金額からの逆算で 査定価格を提示させて頂きました。ですが今回は、旧車としては売れ筋で中型排気量のZ400FXで、当社直営小売店で、お客様からノーマルに近い車両での要望を頂いているタイミングと合ったこともあり、 店頭販売価格からの逆算で、買取専門店には真似のできない1ち段上の査定価格を提示させて頂くことが出来ました。
Z400FX (通称フェックス)
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 40台
- 平均価格: 762,100円
- 最高価格: 1,300,000円
- 最低価格: 460,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 6台
- 平均価格: 453,833円
- 最高価格: 651,000円
- 最低価格: 253,000円
相場情報:2015年6月5日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。