買取させて頂きましたのは1999年モデルのCB400 SUPER FOUR VTEC。
上位カラーであるストライプパターン・フォースシルバーメタリックのカラーリングで当時の新車価格は61.9万円でした。
1999年モデルは、新開発のHYPER VTECエンジンを搭載して、CB400SF初のフルモデルチェンジによって型式がNC39型となった最初のモデルです。
発売から10年が経過した現在では、VTECエンジンはSPEC2、SPEC3を経て、2007年発売モデルからは現行のVTEC Revoエンジンへと変遷を遂げています。
直近10年で立て続けに仕様変更が実施されたことで、10年落ちのながら型落ち感が強い印象のある初代VTECエンジンを搭載したCB400 SUPER FOUR VTEC。
SPEC3、Revoエンジンを搭載した新モデルに押されて買取相場は下落基調です。
アンダーカウル・ビキニカウル・タンデムバーを装備し、社外マフラーが装着されたライトカスタム車ですが、左右のエンジン下部に転倒傷もあります。
はたして査定にはどのような影響を与えたのか?以下に査定内容のトピックスをご紹介させて頂きます。
多走行で転倒傷/排気漏れが目立ったエンジン
10年前のCB400 SUPER FOUR VTECとしては、走行距離が多いと言える走行距離5万キロ。
更に型式の古いNC31型ではよく見かける走行距離ですが、距離が多いと中古の販売価格に連動してどうしても査定価格が伸び悩む傾向は否めません。
とはいってもエンジンの状態で十分にリカバーが可能です。
早速エンジンから査定していくと、
クランクケースカバー、ジェネレーターカバーと左右のエンジン下部に転倒傷が刻まれています。またエンジンヘッドからオイル漏れが見られます。ラジエターの凹み等もあり 見た目の状態は芳しくありません。
続いてエンジンを始動させますが、一発始動!始動性は良好です。始動したエンジンですがアイドリングや吹け上がりは安定せずやや調子が悪いようです。
社外のエキパイに、適合品ではないアクラポビッチのスリップオンマフラーを取り付けしていることで、排気漏れを起こしているようです。
買取後には組み付けをし直すか、社内にあるノーマルのストックパーツに付け替えるかの必要があります。
また、マフラーを変更したことでキャブレターのセッティングが必要なようです。
転倒傷、オイル漏れ、排気漏れ、要キャブレターのセッティングとマイナス査定となった項目が多く見受けられました。
カスタム内容の査定評価
アタッチメントのパーツは、アンダーカウル・ビキニカウル。
社外品に変更されているパーツは、オーリンズリアサスペンション、レバー、ウィンカー、グリップエンド、アクラポビッチのスリップオンマフラーなど。
価値としてはメーカー品であるオーリンズリアサスペンションとアクラポビッチのスリップオンマフラーが高い部品となっています。
ただし、先述の通り適合品でない社外マフラーは排気漏れを起こしていること、ネイキッドのCB400SFでは定番ではないカスタムである点を考慮すると、 交換が必要となりますが、交換費用を差し引いても弊社販売店にストックしてあるノーマルのエキパイとマフラーに変更したほうが売りやすいでしょう。
使用感のやや強いオーリンズサスと、アクラポビッチのマフラーはそれぞれ買取価値を高める査定内容と判断いたしました。
その他の社外品はプラスにもマイナスにも寄与せず、総部品の外装カウルが気持ちプラス査定となりました。
総合評価と買取額
見た目の評価は10年落ちの車両として年式並みの状態でしたが、転倒傷が刻まれ、排気漏れがあり、キャブレターのセッティングが必要なエンジン状態はマイナス査定に。
対して比較な高価ないオーリンズサスと、アクラポビッチのマフラーがプラス査定に寄与して、走行距離5万キロの車両ながら相場平均を若干上回る18万円の査定価格で買取させて頂きました。
【2019年2月追記】の買取相場情報
上記内容は2009年10月時点の買取事例です。
2009年10月時点の相場情報に基づいて算出された査定金額です。
上記事例で買取させて頂きました1999年モデルは、新開発のHYPER VTECエンジンを搭載して、CB400SF初のフルモデルチェンジによって型式がNC39型となった最初のモデルです。
この後HYPER VTECエンジンは段階的に進化を遂げ、2002年にはSPEC2に、2003年発売モデルではSPEC3に、そして2007年モデルでは現行のVTEC Revoエンジンとなり型式もNC42に変更されました。
(参考記事:
【型式/モデルチェンジ別】CB400SFシリーズの買取相場)
買取した2009月時点でも3世代前のモデルとして既に型落ち感の強かった初代CB400 SUPER FOUR VTECですが、買取時点から更に7年が経過した2019年時点の相場はどうなっているか?
買取業者の転売先である業者間オークション市場の取引データを使用して、2019年のCB400SF Hyper Vtec スペック3の買取相場をご案内差し上げます。
業者間オークション市場での取引額とは、買取業者の転売額であり、また販売業者の仕入れ値です。つまり国内の中古バイクの相場は市場の取引額がベースとなっています。
【2009年 vs 2019年】初代CB400SF VTEC実働車の取引相場 |
【相場の変遷】 |
平均落札額 |
最高額 |
最低額 |
取引台数 |
2009年10月 |
19.2万円 |
34.0万円 |
13.6万円 |
33台 |
2017年10月 |
17.1万円 |
33.0万円 |
12.0万円 |
48台 |
2018年10月 |
16.5万円 |
22.0万円 |
12.0万円 |
49台 |
2019年2月 |
16.2万円 |
24.8万円 |
9.8万円 |
164台 |
(2009年、2017年、2018年は各年10月時点から、買取業者の転売先である業者間オークション市場の落札データを過去1カ月間遡った数字)
(2019年は2月時点から過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
2019年時点の平均買取額は23万円強。上限は40万円。
上記は、買取業者の転売先である業者間オークション市場の取引金額の推移をまとめた表です。
オートバイの買取相場は季節性があり、夏に高く、冬に低くなる傾向がありますので、2012年と2017年~2018年は季節を統一して各10月時点から3カ月を遡って集計いたしました。
また7~10月は相場が高い時期ということを鑑みて、2019年は2月時点から1年間のデータを遡って集計しています。
その結果、初代CB400 SUPER FOUR HYPER VTEC(1999~2001年モデル)の相場は過去10年間でそれほど下落していないことが分かります。
2009年時点で、VTECのスペック3、スペック3、そしてRevoと初代以降の3世代が既に市場に投入されていたことが大きく影響していると思われます。
特に2017年以降は平均相場はほとんど変化していません。
2019年時点での初代CB400SF VTEC買取相場を纏めると、 正味の平均買取額は13~14万円程度、状態の良い車両やカスタム車は20万円台が狙える相場環境となっています。 上記表の金額より低くなっている理由は、買取業者の転売先である業者間オークションの取引金額から、業者の経費(出品手数料や運送費など)と儲けを差し引いたためです。 相場が安定傾向にある初代CB400SF VTECは、買取業者の視点からは言いにくいのですが、売り急ぐ必要のない車種といえるでしょう。
弊社のように、年間に2000台超の中古バイクを販売てている直営販売店を併設する買取店では、業者間市場に転売する方法と、店頭で直接販売する大きな2つの販路があります。 店頭仕入れとなる車両の査定価格は、業者間市場で転売する金額よりも15%程度高く買取することが出来ます。 その理由は業者間市場での取引額に消費税と落札手数料を加算した額が販売業者の仕入れ額となるためです。 一段上の査定額でCB400スーパーフォアVTECを売りたいお客様はぜひ弊社パッションにお声がけくださいませ。
CB400SF VTEC
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近3ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 33台
- 平均価格: 192,845円
- 最高価格: 340,000円
- 最低価格: 136,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近3ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 60台
- 平均価格: 101,571円
- 最高価格: 130,000円
- 最低価格: 61,000円
相場情報:2009年10月29日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。