買取査定させて頂きましたのは、JF56型 2014年モデルのPCX125事故車。
路面凍結によるスリップが原因となり、単独での転倒事故を起こしてしまった稲田様。
ご依頼を受け、早速翌日にお邪魔させて頂きました。
アイスバーンの影響でかなり車体を滑らせてしまわれたようで、車体の随所に大小のキズが確認できる状態でした。
フレームへのダメージはないものの、以前から調子の良くなかったエンジンが、転倒後にはかからなくなってしまったというのが売却を決意したきっかけになったそうです。
残念ながら事故車両扱いになってしまったものの、買取価格120,000円でのご成約となりました。
以下は今回のPCXの査定詳細となります。
足回り
事故による影響はないものの、前後サスがやや甘くなっており、過走行の影響が出ておりました。
持ち前の軽快なハンドリングへの影響はなく、再生・再利用は容易という判定をつけさせて頂きました。
その他、Fブレーキパッドの減り具合が大きかったため、こちらは要交換判定に。
外装
事故によるフロント左の擦り傷を始め、車体の各部に無数のキズが確認できました。
キズはミラーやマフラーにも及び、エキパイ部のサビなども含めかなりのマイナスポイント。
ただし、ウインカー・テールランプなどへのダメージはなく、カウリングの一式交換などで再生も可能と判定させて頂きました。
エンジン周り
残念ながらエンジンの始動は確認できず、不動車と判定させて頂きました。
事故の前から今ひとつ始動性が悪くなっていたという稲田様のお言葉と、過走行によるマイナスが多く、判定は不動・蚤車両扱いの「1」とさせて頂くことに。
その他
かなりキズの多い車両でしたが、フレームへのダメージがなかったこと、完全なノーマル状態であったことが買取価格の決め手となりました。
PCX125は販売台数も多く、パーツ単位での需要も高いことが大きく後押ししたことは言うまでもありません。
買取査定後記
専門学校への通学用に購入し、現在では通勤の足に使用されていた稲田様のご希望は、ローン残額となる10万円。
弊社の査定ではそれを上回り、稲田様にも納得頂け即決でのご成約となりました。
「ローン残高が償却できたので、次の足を購入する頭金にしたいですね」と語る稲田様のお力になることができ、弊社も大変喜ばしい限りです。
【2019年3月追記】の買取相場情報
上記内容は2017年5月時点時点の買取事例です。
2017年5月時点の相場情報に基づいて算出された査定金額です。
2017年の買取時点では2014年モデルのフルモデルチェンジが最新であったため最新の仕様でだった2014年モデルのJF56型ですが・・・2019年時点では1世代前の仕様となっています。
その理由は2018年モデルで実施されたフルモデルチェンジでJF81型に進化しているためです。
オートバイの買取相場は一般的に新車価格の変更を伴うフルモデルチェンジの前後で動きます。最新仕様が中古市場で流通していくに従って、仕様落ちとなった前モデルの買取相場が落ちていくのが通例です。
(参考記事:
【型式/年式別】PCXの買取相場)
はたして2代目JF56型(2014~2017年モデル)PCX125の買取相場は、最新型のJF81型の発売に伴って変動しているのでしょうか?
買取業者の転売先である業者間オークション市場の取引データを使用して、2代目JF56型(2014~2017年モデル)PCX125の買取相場の変遷をご案内差し上げます。
業者間オークション市場での取引額とは、買取業者の転売額であり、また販売業者の仕入れ値です。つまり国内の中古バイクの相場は市場の取引額がベースとなっています。
【2015年 ⇒ 2019年】JF56型PCXの取引相場 |
【相場の変遷】 |
平均落札額 |
最高額 |
最低額 |
取引台数 |
2015年 |
23.6万円 |
29.0万円 |
19.0万円 |
50台 |
2016年 |
21.0万円 |
25.6万円 |
16.0万円 |
81台 |
2017年 |
20.0万円 |
24.4万円 |
15.4万円 |
82台 |
2018年 |
19.3万円 |
24.0万円 |
12.6万円 |
88台 |
2019年 |
18.6万円 |
23.0万円 |
16.0万円 |
88台 |
事故車・不動車 |
2015年 |
15.4万円 |
18.0万円 |
8.0万円 |
6台 |
2016年 |
13.0万円 |
20.5万円 |
5.0万円 |
13台 |
2017年 |
15.2万円 |
19.7万円 |
7.5万円 |
20台 |
2018年 |
14.2万円 |
17.4万円 |
7.1万円 |
26台 |
2019年 |
14.6万円 |
20.0万円 |
9.5万円 |
26台 |
(2015~2019年の各3月時点から1年間。買取業者の転売先である業者間オークション市場の落札データを遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
JF81型の流入が少ない内は買取相場の下落は軽微
上記は、買取業者の転売先である業者間オークション市場の取引金額の推移をまとめた表です。
JF56型PCX(2014~2017年発売モデル)に絞って、2015~2019年の推移を比較しています。
中古オートバイの取引相場は夏に高く冬に低くなる季節性があるため、各年の3月時点から直近1カ月間を遡った数字として集計期間を統一しています。
さて、細かい数字は上記表でご確認して頂くとして概要をご案内すると、JF56型PCXは型落ちに伴う相場の下落は殆どないと言えます。
緩やかに平均相場が下落しているのは、市場で流通しているJF56型の平均走行距離が経年に伴って増えてきていることや、経年に伴って総合評価が下落している点が影響していると見るのが自然な下落幅です。
例えば、2015年時点では取引された個体の多くは新車同然若しくは超極上車が中心でしたが、2019年現在では新車同然の車両の取引は皆無で超極上車もほとんど見かけなくなっていることが理由です。
ところで、JF56型の前仕様である初代JF28型(2010~2012年モデル)はどのように相場が推移していたのでしょうか?
実は、初代JF28型は過去7年間で平均相場が約4割下落しているます。そのことを考えるとJF56型の相場は堅調といえます。
(参考記事:
買取相場の推移【2012年 ⇒ 2019年】JF28型PCX)
3代目JF81型のフルモデルチェンジに伴う新車価格の変更は1.3万円に留まっている点も理由の1つかもしれませんが(JF28⇒JF56の際には2.3万円値上がり)、 JF28型の相場が下落したのは2016年頃から。JF56型が発売されたのが2014年の4月ですので、新型仕様の発売から旧仕様モデルの相場の下落まで2年のタイムラグが存在しています。
そのことを考えると、JF81型が発売された2018年3月から2年が経過する2020年ころに相場の下落が顕著になると予想することが出来ます。
JF56型のご売却を考えているオーナー様にとっては、相場が堅調に推移している現在が高額査定の秘訣といえるでしょう!
事故車や不動車の買取相場は安定
実働車の平均相場が緩やかに下落していたJF56型PCXですが、事故車や不動車の相場は変化が見られません。
数字だけ見ると変化はありませんが、実は取引されているJF56型の状態に変化があり、数字は変化がないという側面があります。
取引されている個体の状態とは、発売開始から月日の浅い2015年は。故障車や不動車の取引は皆無で全てが事故車でしたがしたが、2019年時点では故障車や不動車の割合が増えている状況です。
損壊の激しい事故車よりもエンジンや電装系だけの故障による不動車の方が、レストアコストが安く高値で取引される傾向にあります。
不動車・故障車のJF56型の割合が増えてきたことが数字上は相場に変化が見られない主な理由となっています。
さて、上記はいずれも買取業者の転売金額である業者間オークション市場での取引額です。
査定現場での正味の査定額は、転売額から業者の経費(出品手数料や運送費など)と儲けの合計として125ccの場合は2万円程度差し引いた額となります。 したがって正味の査定額は下記のようになります。
- ▼正味の査定額|JF56型の事故車・不動車
- 実働化コストの安価な不動車:10万円台
- 実働化コストの高いな不動車:~10万円台前半
- 修理可能な事故車:~10万円台前半
- 部品取り用途の全損事故車:~8万円</li > </ul >
最新の買取相場をチェック!
上記の相場情報は2019年3月時点の内容です。
近年の中古市場で最も流通数が多い原付2種であるPCXですが、フルモデルチェンジを境にして買取相場が大きく変動しています・・・
ご売却をご検討中のオーナー様は、最新の相場動向が気になるところでしょう。
最新の相場情報は、10秒で査定額が出る
個人情報不要の自動査定でチェックして頂けます。
PCX125【2014~2017年モデルのJF56型】
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 49台
- 平均価格: 197,224円
- 最高価格: 246,000円
- 最低価格: 170,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近3ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 74台
- 平均価格: 152,081円
- 最高価格: 197,000円
- 最低価格: 72,000円
相場情報:2017年5月16日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。