廃車処分のご依頼を頂いて無料での引き取り回収となったバイクは、錆錆び錆びで金属は朽ち、欠品も多くスクラップ同然の車両状態となっていた1985年式 GB400TT。
外装がなく部品取りの価値もその劣化状況から厳しい状態
既に発売から30年経過のため、パーツの状態次第ではありますが、安定した相場をつけている車種でもあります。 不動車でも値段がつけられるケースが多くありますが、ここまでの状態になってしまうと、無料回収で引取りとなってしまいます。
外装がなく、エンジン不動。部品取り車としての価値も難しい状態のGB400TT。
本来は処分代が必要となりますが、パッションなら無料で引き取らせていただいています。
今回はそんなGB400TTオーナーの一人・横須賀市在住の菅原様よりGB400TTの処分相談を頂きました。
ご挨拶を済ませ、さっそく敷地内のGB400TTの元へご案内して頂くことに。
使えるパーツは全て取り尽くしたGB400TT。処分費用は必要?
拝見させて頂いたGB400TTは、使える外装パーツがほぼ全て取り尽くされた部品取り車。
菅原様は別途GB500TTをご所有で、そのシートと交換したらしくGB500TTのシングルシートが装着されていました。
フルサイズの車体を持つ兄弟車だけに、玉数がめっきり減りつつあるGB400TTのオーナー様は、こうしたスペア車両をキープしている方が多数おられます。
ハンドル周りは腐食が激しく、錆を全て落とし切るのは困難。
社外品ライト・ステーに換装されていましたが、さすがにこのコンディションではプラス査定とはなりませんでした。
FフェンダーもGB400TTでは貴重な社外品ですが、元のメッキがかすかに残る程度で表面はざらりとした状態。
錆もそこかしこに発生し、ホイールと合わせて評価が難しいコンディションでした。
エキパイ・リアショックは錆だらけで、再利用は難しいレベルです。
フレームは錆が目立ちますが、事故車両でないため異常がなさげなのが救いではあります。
バッテリーも外されており、吸気系もこの通りの状態であるため、再利用は厳しいものと言えます。
シートの裂け目が大きく、パーツとして再利用できる箇所は全滅状態です。
左側駆動系も相応の錆が発生しています。
特にマフラーはひどく、スプロケットもかなりの錆で移植用パーツとしては再利用に耐えないものでした。
まさに使えるところは全て使い切った後、といった状態のGB400TTでした。
菅原様のご同意でGB400TTを引き取らせて頂くことに。パッションなら処分費は\0!
菅原様のGB400TT、巡回のバイク回収業者では\15,000の処分費用を請求される見積もりであったため、無料引き取りという形で当日引取りとなりました。
GB400TT・GB500TTは菅原様のようにパーツストックを抱えているオーナー様も多く、今回のように部品を取り尽くした車両も珍しくありません。
中古車市場では高額となるモデルではありませんが、発売から30年以上経過しているとパーツ自体もデッドストック。
そのため、フレームに深刻なダメージがなければ書類付フレームとして査定が可能です。
不動車でも状態次第ではお値段をつけさせて頂ける可能性があると言えるでしょう。 今回のGB400TTはほぼ全てのパーツが全滅に近い状態であった事、エンジンも再生不可のレベルであったため、総合的な評価は「1」とさせて頂きました。
新しすぎたネオクラシック ホンダ GB400TT ツーリストトロフィー
「知り尽くした人にこそ美味しい。モーターサイクルグルメたちのGB」
このキャッチコピーで1985年に登場したホンダ GB400TT ツーリストトロフィーは、誕生が3年早すぎた斬新なシングルスポーツでした。
GB400TTは、83年に販売を開始していた250ccクラスの名車・GB250クラブマンの上位モデルといった位置付けでデビューしました。
美しい造形デザインで気品ある作りとし、クラシカルな佇まいながらも、中身はホンダテクノロジーの粋が集められた新しいタイプのシングルスポーツでした。
ホンダが世界の頂点に立った格調高い大レース・マン島ツーリストトロフィーにちなみ、その略称であるTTが付されたのは技術陣の思い入れの強さの証でしょう。
あえて時代の最先端ではなく、往年の栄光のクラシックデザインを採用したGB400TTでしたが、それは上層部の評価によって一転暗い足取りを歩むことになりました。
当初、CBシリーズの一員となるべく作られたGBシリーズでしたが、「ホンダのCBシリーズは先端を担うシリーズ。
クラシカルなバイクにCBの名は相応しくない。」という評価を下されました。
これにより、ブリティッシュスタイルをイメージしたGB250クラブマンは、グレート・ブリテンの頭文字を取り、GBと名付けられることに。
紛れもなくCBシリーズ伝統のエンジンと高性能を持ちながらも、涙を飲まされた悲劇のスポーツシングル・GB400TT。
GB400TTが発売された80年台後半は、レーサーレプリカの全盛期でもあり、セールスが振るわなかったGB400TTはわずか3年で生産が打ち切られました。
登場があと3年遅ければ、カワサキ・ゼファー400が切り拓いたバイクの原点を見直すファンに評価され、異なる評価を得ていたのは疑いようがないだけに残念です。
言うなれば「新しすぎたネオクラシック」とも言えます。
わずか3年度で生産を終えたGB400TTの玉数は現在非常に少なく、GB400TTオーナーの中には部品取り車を確保しているケースが多々あります。
GB400TT
フルノーマル状態で完成されたクラシック感を持つGB400TTは、ホンダ車では珍しく極めて評価が低かったモデルでした。
しかし、カワサキ・ゼファー400がレーサーレプリカの牙城を崩して以降は見直されるようになり、中古車としてはまずまずの人気があります。
ヤマハ・SRよりも手軽に入手でき、高回転型でスロットルを開けて走りを楽しむ仕様は、走れるクラシックを探している方に向いた一台です。
年々中古パーツとしての流通も少なくなっており、菅原様のように不動車のGB400TTをスペア用に所有されているオーナー様も珍しくありません。
鍛造ジュラルミン製ハンドルや、前後フェンダー・サイドカバーに上質なスチールを使用したGB400TTは質感が高く、一種のエレガントさがあります。 現代のハイテクモデルに飽きた方がレストアするケースもあり、古い不人気車だから値段がつかない、というわけでもありません。
あなたにとって不要車でも、パーツとしてお探しのGB400TTファンの方へ橋渡しさせて頂ける可能性がございます。
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