エンジンのオーバーホール 押さえておくべきポイント

エンジンが動かなくなった、故障した、キックが降りない、セルが回らない等
バイク故障・バイク整備修理やトラブルに関することに
パッション横浜本店の整備士が簡単にお答えしています

走行距離もかなり多いし、オイル漏れや加速の悪さなどが非常に目立ってきました。
定期的にエンジンのオーバーホールは必要になってくるものですか？
基本的な質問で申し訳ないのですが、そもそもオーバーホールとは何の為にどのようなことをするのでしょうか？
エンジンのオーバーホールが必要になる具体的な症状や、業者に頼む場合の費用、ご自身で行う場合の手順などを以下にご紹介いたします。

バイクにとってまさに心臓部であるエンジンですが消耗部品も組み込まれており、定期的なメンテナンスとオーバーホールは欠かせないものです。
初心者にはなかなか取り組みづらいオーバーホールですが、意外に自分でやってしまう人も少なくありません。
廃車になる位ならと自分流でメンテナンスをしたことがきっかけになることも多く、その際にはいくつかのポイントを押さえなければなりません。

• エンジンはいくつかのブロックに分かれている
• 消耗部品を把握することも重要
• エンジン内部はカーボンの汚れが溜まりやすい

エンジンと一言で言っても、排気量などでも大きく変わってきます。
簡単にメンテナンスが出来るものから専門的な知識が必要になるものまで様々で、気筒数が多ければそれだけ複雑になります。
またエンジンも様々なブロックに分かれているため、エンジンによってはオーバーホールの際にどこまで分解して調整するかでも大きく変わってきます。
最初から最後までオーバーホールをしようとしても専門の機器が必要になる場合も多く、工具を揃えるまでは出来る範囲で分解して構造を勉強するくらいしかできません。
それでも部品交換の知識に役立つこともあるため、経験しておくことはプラスになります。
特にエンジン構造を知っているとトラブルの見当もつきやすくなるため、原因の特定や修理費をおさえるために役立つこともあるのです。

エンジンのオーバーホールをする場合はある程度状況を理解し、前もって予備のパーツを揃えておくことも重要です。
これはエンジン内部に消耗品が含まれているからで、エンジンを回転させるためのピストンも消耗品になります。
ピストンを修めているシリンダーも劣化しやすいパーツの一つです。
一通り予備部品を揃えておくと注文する手間が省けます。
オーバーホールで必須になるのが、研磨に必要なオイルストーンやグリス類です。
基本的なアイテムになるので用途に合わせて数種類用意しておく必要があります。
またエンジンは閉めるときの密閉性も重要になるため、隙間を塞ぐための液状ガスケットなども用意しておくと便利です。

エンジンはガソリンを燃焼させる部分のため、燃焼部分にはすすがこびり付くのが普通です。
このすすが付着しすぎるとエンジンの調子が悪くなる原因となり、走りにも大きな影響を与えます。
エンジンをオーバーホールする際にはまずコネクタ類を外して、外装を外していきます。
内部を開いたらすすの汚れが激しい所は清掃する部分としてチェックをしていきながら、後で戻せるように写真を撮っておきましょう。
整備マニュアルがない場合は写真で残しておかないと後で戻せなくなるといったトラブルにも発展してしまう可能性があるからです。
駆動系は比較的簡単に分解できるため、より奥の部分を整備するためにはマグネトプーラーが必要になります。
プーラーがない場合はここで整備がストップしてしまう恐れがあります。
ベアリングを外すためにも専用工具が必要になるため手持ちの道具でどこまでできるかも考えながら、計画的に進めることも重要です。
エンジンを分解したら消耗部品の交換や部品の研磨、グリスを指すなど、メンテナンスをすることでエンジンの調子が戻ってくるのです。