エンジンが動かなくなった、故障した、キックが降りない、セルが回らない等
バイク故障・バイク整備修理やトラブルに関することに
パッション横浜本店の整備士が簡単にお答えしています
バイクで走行中に突然エンストしてしまいその後、まったくエンジンがかからなくなってしまった。
最近オイルが少し漏れていた事を思い出し、最寄りのバイク店に持ち込むと『エンジンの焼き付きではないか』と言われた?
どうして焼き付いたのだろうか?直せるのでしょうか?
エンジンの焼き付きはなぜ起こるのか?予防法は?
エンストしたけど、焼き付きなのか?症状や状態から見分ける方法
修理するか否か?修理する場合の費用は?
などエンジン焼き付きを発生させたバイクの対応について徹底解説いたします。
エンジン内部(腰上)にはシリンダーとピストンがあり、燃焼室内で爆発・燃焼を繰り返しその圧力でピストンが上下に動く事で回転運動を発生させています。
通常はシリンダーとピストンの間にエンジンオイルがあり、潤滑油として働くだけでなく油膜ににより燃焼室を密閉し圧縮漏れを防ぐ役目を担っています。
この油膜が切れた状態でエンジンがかかっていると、金属同士の摩擦により周囲の温度が上がり、エンジンオイルの温度が上昇してオイルの粘度が下がってしまいます。
更に、シリンダーとピストンが高速でこすれあう為、熱膨張を起こし非常に大きな摩擦熱が発生し、金属が溶けるほどの高熱を発生させます。
それが原因でシリンダーとピストンが密着し回転が停止、エンストしてしまう、他にも溶着部分が剥がれてしまう事でシリンダーやピストンに傷が入ってしまう現象を『焼き付き』と言います。
キックスタートがある場合は、キックに圧縮が有るか無いかが目安となります。
エンジンが焼き付いて圧縮漏れを起こしている場合は、キックが降りない、キックがスカスカで抵抗なく降りるなどの症状が出ます。
セルスターターの場合は、エンジン内部を見る最も手間のかからない方法としてマフラーを取り外してライトなどで照らしてシリンダーの摩耗や盾に傷が入っていないかを見ます。 盾に線が入っているようであれば焼き付きや抱き着きの可能性が濃厚です。
修理にはエンジンのオーバーホール又は載せ替えが作業が必要になります。
エンジン腰上部分を分解し焼き付きにより腰下部分、クランクへの影響(ガタ、異音、動きが重い等)がないか確認し、 無いようであれば腰上部分のシリンダー、ピストン、ピストンリング等、その他状況により必要な部品の交換作業により修理が可能です。
と、文章にするととても簡単な作業のように聞こえてしまうが専門的な知識、工具が必要となってくる非常に難易度の高い作業になります。
腰下部分への影響がある場合は分解しなければない領域が増えるだけでなくより多くの知識や専用工具が必要となります、 その場合エンジンの載せ替え作業をした方が費用や時間を抑えられる場合もあります、事前にしっかり確認してから作業を開始する事をお勧めします。
車種毎にあった種類、粘度のオイル、フィルターを定期的に交換する事、クーラント量を乗車前に点検するこが焼き付きを予防する最も重要な事項です。
年式や乗り方によってはエンジンオイルの漏れや減りも発生します。自分のバイクが今どんな状況なのかを確認、把握し点検やオイル交換、補充を定期的に行うようにしましょう。
2ストの場合はオイルランプのバルブ切れによりオイル補充のタイミングを逃してしまう事もあります、車種毎のバルブ切れ確認方法を調べておきましょう。
油温計や水温計を取り付け、運転中に確認することも予防策の一つだと言えるでしょう、空冷の場合は渋滞やエンジンの掛けっぱなし時も注意を払うようにする事で予防になるでしょう。
車種や焼き付きの程度により修理費用は大きく変わる為、一概には修理費用を算出できませんので幾つかの例を挙げてみましょう。
このように車種や頼むお店によっても大きく値段が変わってきます、大型バイク等になると50万円~という車種もあります、まずは信頼の置けるお近くのバイク店に問い合わせてみる事をお勧めします。
エンジンの載せ替えの場合ビックスクーターやフルカウル車の様にまず外装を外さなけばならない場合やネイキッドやトラッカーの様にすぐにエンジンへアクセス出来る車種で工数が大きく変わってきます。
中古エンジンの価格と工賃を足してもオーバーホールよりも安く済む場合もありますバイク店への問い合わせ時に載せ替えも検討中という事を伝えてみましょう。
エンジンが焼き付きを起こした際には、エンジンのオーバーホール又は載せ替えが作業が必要になり高額の修理費用がかかってしまいます。
まだ新しく走行距離も少ない、特別な想いいいれがある、旧車や希少車といった特別な車両である場合は、オーバーホールやエンジンの載せ替えをするメリットがあると言えるでしょう。
しかしながらバイク自体が古く、走行距離も長いようであれば、現在の車両価値(買取価格)を上回る修理費用となることもあり得ますので、その場合は買い替えも視野に入れた方が良いでしょう。
まずはバイク屋で修理見積もりをしてもらい、修理か買い替えかを検討してみると良いですね。
弊社バイクパッションではエンジン焼き付きのバイクも車種に応じて、高額買取、買取、無料引き取りいたしております。
お気軽にお問い合わせくださいませ。
この記事の執筆監修
バイクパッション整備責任者
2級整備士
玉井 克幸
バイク整備の知識量と技術力は誰にも負けません。
修理や整備も常に冷静沈着。若手メンバーのお手本として活躍中。
販売整備部門の責任者でもあるので、何か欲しいバイクがありましたら是非玉井までご一報ください。
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