足回り
定期的にエンジンは始動させてはいたものの、気がつけば長期にわたって乗らなくなっていたというカワサキ・250TR。
ハンドル回りやタンクリムなどにもサビ・キズが目立ち、雨天走行後にそのままほったらかしていたと思われる傷みや劣化が多数。
特にエンジンの腐食やエキパイ部の錆び、タンクの凹みや塗装割れの程度は悪く、再商品化にあたってはそれなりの整備を要する状態となっておりました。
以下、今回拝見させていただいた2008年式としては劣化や外傷の目立った250TRの車両詳細となります。
足回り
走行距離6,000km台と少なめながら、販売からそれなりの年式が経過していること、長期放置によって点サビが随所に発生。
前後サスのへたり感もそれなりにあり、加えてリアショックのスプリングへ目立つサビ・腐食あり。
前後ホイールも含めて大掛かりなケアが必要な状態で、ブレーキ周りにも影響がある点を考慮した結果、大きなマイナスポイントとなってしまいました。
外装
全体的に細かいキズや軽微な色あせが発生しており、250TR本来のカラーリングの美しさを損ねていました。
サビ・キズ・色あせは金属パーツの多いバイクの買取査定において、もっとも減額につながりやすいマイナスポイントのひとつです。
特に劣化が目立つのはタンクで細かい凹みや傷が多数ある他、タンクサイドの塗装が見事なひび割れ状態に。
魚の鱗のように細かくボロボロ…というレベルではないものの、遠目にもそれとわかる大きな亀裂が走っている点も含め、外装全体の評価はかなり厳しいものとなりました。
エンジン周り
エンジンもまた外装と同様、ヘッド部など全域に無数のサビ・キズ、空冷エンジンのフィンには多数の腐食が発生。
スパークプラグは錆びでボロボロの状態。内部で爆発はしていますが、錆びでボルト角が取れているうえに固着している様子なので、スパークプラグの交換は一筋縄ではいきそうになりません。
カワサキ・250TRはエンジンがブラックで塗装されているため、エンジン部のサビが他のバイクよりも悪目立ちしやすく、今回のようなケースでは買取金額に大きな影響を及ぼすこともしばしば。
その一方、セルの回りは微弱ながらエンジンは始動確認ができ、それなりの吹け上がり方を見せて実動判定に。
放置期間でガソリンがかなり悪くなっているためか、10秒ほどでエンストを起こしてしまったものの、アイドリングの不安定さを除けば走行距離も少なく経年相応という査定評価に落ち着きました。
フレーム回り
スイングアーム・車体底部といった箇所のサビ・キズはあるものの、転倒などによるダメージは見られず、若干の色あせさえ除けばまずまずの状態。
エンジンのマウント部といった細かい箇所へのサビが見られますが、それほど深刻なレベルのものはなく、こちらも年式相応の状態という査定評価に落ち着きました。
電装/保安部品
純正マフラー装着車でしたが、エキパイからサイレンサー部の半分近くが茶色いサビで覆われて今にもボロボロと錆びが落ちそうな気配。サイレンサー部分には目立つ転倒傷が多数付いています。
ちょこちょことエンジンをかけてアイドリング程度の維持管理はしてこられたよのことでしたが、バッテリーの弱り具合が目立ちました。
ウィンカー・テールランプ・ヘッドライトなど保安部品の作動は全てOK。ただし、かろうじてセルが回せる程度の状態であることを考慮すると、要バッテリー交換という評価に落ち着きました。
その他
車両状態はほぼノーマルで、唯一の社外品はハリケーン製のバーハンドル。 ストリートカスタムが施されることの多い250TRには珍しく、純正マフラー装着車両でしたため、買取査定的にはプラス評価となります。
一概には言えないところもありますが、カワサキ・250TRの場合、スーパートラップ、マフラーなどのカスタム車両よりもフルノーマル車両の方が高くなる傾向にあります。
もちろん、カスタム車両でも純正パーツの欠品がない場合は単純にプラス評価となります。 残念ながら純正ハンドルはありませんでしたが、車検不要の250ccであること、カスタムパーツとして高い人気と評価を持つハリケーン製であることを考慮し、気持ち程度のプラス評価となりました。
劣化や外傷の目立った250TRの総合評価と買取価格
以上が今回のカワサキ・250TRの査定チェックポイントですが、走行距離が浅く、マフラーの転倒傷を除くと大きなダメージはありませんでした。
反面、エンジン、保安部品や外装など、広範囲にわたるサビ・キズ・色あせ(変色)が非常に目立ちました。
車両としては修復に大きなコストが必要となる状態であったため買取査定の評価としては厳しいものとなりました。
しかし、弊社販売店の常連のお客様よりカスタムベース用のできるだけ安い実動車を探して欲しいというバックオーダーがあったため、そうした弊社の事情を買取価格へと反映させていただき、 査定価格100,000円での買取となりました。
お客様の談話|買取査定後記
「 我ながら酷い状態にしてしまったなぁ、と覚悟した上で買い取りをお願いしましたが、100,000円も出してもらえれば文句なしです」というお返事をいただき、即決で買取成約となりました。
暇があれば少しずついじっていきたいと考えておられたそうですが、美容師見習い中の多忙さでズルズルとそうした時間がなくなってしまい、気がつけばこの有様でした、と苦笑い。
ご友人のご紹介で弊社パッションにお声がけいただいたそうですが、タイミングの面でも恵まれた形となり、買取価格にご満足いただけて何よりでした。
250TRの査定相場
1970年代のオフロード車風のレトロスタイルを再現し、現代的なストリートバイクとして復活を遂げたカワサキ・250TR。
中古バイク市場では最安値であれば乗り出し価格で10万円を切る車両がある一方、フルカスタム車両であれば100万円近い値段で売られていることも。
これはカスタム人気の高さを示すものであり、中古バイクとしての評価はかなり変動があります。
以下は直近2ヶ月内の業者間取引(オークション)におけるカワサキ・250TRの取引価格分布図です。
- ▼約10年前の250ccの評価点の目安
- 評価点6 極上車
- 評価点5 良好車
- 評価点4 平均並み
- 評価点3 難有り劣悪
評価点別の250TR買取相場 |
評価点/ 落札価格帯 |
評価点6 |
評価点5 |
評価点4 |
評価点3 |
25~29万円 |
1台 |
1台 |
0台 |
0台 |
20~24万円 |
0台 |
4台 |
1台 |
0台 |
15~19万円 |
0台 |
2台 |
5台 |
0台 |
10~14万円 |
0台 |
1台 |
17台 |
0台 |
5~9万円 |
0台 |
0台 |
26台 |
9台 |
~4万円 |
0台 |
0台 |
1台 |
6台 |
荘落札台数 |
1台 |
8台 |
50台 |
15台 |
(2017年12月時点で、業者間市場の落札データを過去2か月間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
250TRの総取引台数は全74台に及び、かなりの玉数が流通していることが一目でお分かり頂けます。
最高価格をつけたのは、新車に限りなく近い状態の美観を維持している車両で、27.4万円の価格で落札となりました。
最安値は評価点3の1.8万円で、走行距離12,000km台と比較的低走行ながら、外観状態の悪さと純正パーツの欠品が大きく響いてしまいました。
250TRの傾向としては新車販売時の状態に近いほど高値がつきますが、その一方でカスタム車両は上限知らずの高値がつくこともあり、日頃から入念な維持努力をされておられる250TRは30万円以上の買取価格も十分期待できます。
その一方、カスタムの内容にはかなり注意が必要で、社外パーツのブランドやエンジンコンディションで大きく評価が変わってきますので、買取査定の相談時にできる限り詳しい現状を伝えることがキーポイントだと言えます。
不動車・部品取り車を扱う「蚤の市」での取引も活発で、直近6ヶ月内では全40台の250TRの取引がありました。
最高値は7.2万円、最安値が0.4万円とかなりのバラつきがあり、平均取引金額は4.3万円。
程度状況にも個体差があるため一概には言い切れない部分もありますが、消し炭になってしまったような重症の炎上車でなければある程度の値段がつく傾向にあります。
こうした面から分析してみると、事故・炎上車となった250TRをご所有の方は、事故車両に強い弊社の出張査定をお試し頂く価値は大いにあると言えます。
2002年に発売されて、2007年にキャブレターからインジェクションへのモデル変更を経て、2013年モデルをもって生産終了となったBJ250F型の250TR。
2004年以降に発売された250TR(型番BJ-250F3)以降の該当モデルをご所有の方は、以下の直近6ヶ月内の取引価格分布図をご確認ください。
2004年以降の250TR|評価点別の買取相場 |
評価点/ 落札価格帯 |
評価点5 |
評価点4 |
評価点3 |
20~24万円 |
3台 |
4台 |
0台 |
15~19万円 |
4台 |
8台 |
0台 |
10~14万円 |
1台 |
20台 |
1台 |
5~9万円 |
0台 |
15台 |
6台 |
~4万円 |
0台 |
0台 |
2台 |
荘落札台数 |
1台 |
8台 |
50台 |
(2017年12月時点で、業者間市場の落札データを過去6か月間遡った数字)
評価点5で最高値をつけた車両の取引価格は25.0万円とそれほど目立ちませんが、純正パーツ欠品や外観状態がそれなりの実動車である評価点3の車両価格が比較的安定しており、その殆どが5万円以上の価格で取引されていることが分かります。
もちろん中古バイクである以上程度状態も様々ですが、F3モデル以降の250TRは実動状態であれば極端な安値となる恐れは少なく、迷っておられる方は今が売り時だと言えるでしょう。
2013年を持って生産を終えた250TRですが、弊社パッションは豊富な買取実績によりあなたの250TRをどこよりも高く評価させて頂く絶対の自信がございます。
他社との相見積もりにも喜んでお伺いさせて頂きますので、本気で高値売却を狙いたいというオーナー様は、お気軽にご一報頂ければ幸いです。
250TR豆知識
1978年に販売されていた250TRの名称を受け継ぎ、2002年にデビューしたのがスリムでシンプルな作りをウリとしたカワサキ・250TRです。
以前のモデルがオフロードバイクというものであったことに対し、こちらはストリート系カスタムを意識したシンプルさが際立ったオンロードバイクとなりました。
ユーザーの多くはセパハン社外マフラーといったカスタムを施すことが多く、中古バイクとして流通していることも多々あります。
最高出力19psと極めて控えめなスペックであり、免許取立ての初心者でも扱いやすい一台だと言えます。
最新の買取相場をチェック!
上記の買取事例と相場情報は2017年12月時点の内容です。
250TRのご売却をご検討中のオーナー様は、今後の相場動向が気になるところでしょう。
最新の相場情報は、10秒で査定額が出る
個人情報不要の自動査定でチェックして頂けます。
250TR
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近2ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 74台
- 平均価格: 107,824円
- 最高価格: 274,000円
- 最低価格: 18,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近6ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 40台
- 平均価格: 43,000円円
- 最高価格: 72,000円
- 最低価格: 4,000円
相場情報:2017年12月15日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。