「黒のCB250Fを売りたいんだけど」と買取査定のご依頼を頂戴したのは走行距離約2万キロの2014年モデル。 錆びで覆われているチェーンやエキパイ、艶を失い若干色褪せしている外装、アイドリングが不調で白煙を吐くエンジン、ハンドルスイッチやタイヤの酷使感、車体各所の小錆びや小傷等が減点対象に。
新車でご購入されてから3年も経過していない2014年モデルとしては劣化や使用感が多く見受けられ、車両の総合評価は4点となりました。
下段で詳しくご紹介していますが、
評価点4点のCB250Fの買取相場は10万円台となっています。低走行車が多いCB250Fとしては多走行の部類で、相場的には10万円台前半で何とか利益が確保できそうなラインです。
出来れば利益を確実に確保するためには10万円に近い金額で買取したいところですが、利益をぎりぎりまで削って13万円の査定額をご提示させていただきました。
査定させて頂いたのはCB250F。ABSは装備されていない標準仕様で発売初年の2014年モデル。
新車でご購入されてから3年も経っていない車両としては、不調や劣化がやや目立ちましたが、いったいいくらの買取額となるのでしょうか?
早速査定していきましょう。
外装
先ずは見た目の印象を左右する外装から査定していきましょう。
カテゴリー的にはネイキッドになるのですが、スポーツタイプの要素も組み込まれ、小振りのビキニカウルとセンターカウル・アンダーカウルが装着されています。
上記にシートカウルとフェンダーを含めたいずれのカウルも若干ですが色艶を失い、細かい傷が散見されました。
特にセンターカウルにはやや長めの線キズが、タンクには小さいものの深く削れた傷があり、外装の退色とあわせて買取価値を若干損ねていました。

足回り
足つきの良いシートに専用のバーハンドルで、非常にリラックスした乗車姿勢で跨がれるCB250F。
シートに跨りながらハンドルに体重を乗せて、先ずはサスペンションの沈み具合と戻り具合を査定していきます。
一定の抵抗で沈みフォークに歪みなどは無いようですが、戻り具合に若干の違和感が感じられます。
フロントフォークを見たところ、アウターチューブに削れ傷があります。インナーチューブには目立つ点錆び、オイルシールの劣化によるオイル漏れもあります。
再販に向けては、オイル漏れの原因ともなりかねない錆び取りとオイルシールとオイル交換(オーバーホール)が必要になるかもしれません。
5段階で調節出来るリアサスペンションは機能的には良好でしたが細かい錆びがやや多く付着していました。
その他、減点の対象となったのは、
雨走行や洗車によって油が切れて、錆び錆びの状態となっているチェーン、
溝が少なめで溶けている箇所も見受けられる要交換のタイヤ。ラフに攻める走行もされていた事が窺えます。
17インチキャストホイールの傷や錆び、スイングアームやハンドルの錆びなど。
足回りもやや劣化や不具合が目立ち、査定の評価としては、2014年モデルとしてはやや難ありの評価に留まりました。

エンジン
水冷4ストロークの単気筒エンジンの機能を査定するために、セルスターターを押してエンジンに火を入れます。
幸先よく一発始動、何度か始動させましたが始動性は良好。アイドリングの状態を見ますが、やや安定感に欠けマフラーから薄い白煙を吹きます。
続いてアクセルを開放すしていくと小気味よくエンジンが吹き上がります。加速時に薄い白煙を吐きますが、CB250F自慢の体・中回転域に限らず、高回転でももたつくことなく回っていきます。
減速も特に問題はありませんでしたが、低速でミシミシ・シャリシャリといった異音があり若干の減点となりました。
クラッチレバーを握ってニュートラルから1・2・3・4・5・6速とシフトアップ、シフトダウンしていきますが、クラッチレバーの許容範囲が広いクラッチミートでギア抜けはありませんでしたが、 2速から1速への引っ掛かり、軽い異音がありこちらも若干の減点となりました。
車体を倒して走行していた証拠であるタイヤ側面の溶けから、エンジンの状態を危惧していましたが、アイドリング不調と白煙吹き、エンジンからの異音、ギアチェンジの引っ掛かり等が査定で減点となりました。
エンジンの見た目も機能と同様に、2014年モデルとしては若干使用感が感じられるものの、ラジエターの凹みや錆びが若干買取価値を損ねていましたが、その他は特筆するような傷や錆びは見当たりませんでした。
(査定とは関係がないのですが、目にしたCB250Fのエンジン番号MC41E-15・・。あっれCBR250Rと同じ型番じゃない?と思い、帰社して調べたところやはりCBR250Rと同じエンジンを使用しているのですね)

フレーム
外装に転倒を示唆する傷は無く、立ちゴケの痕跡が出やすい純正のバーエンドやブレーキ/クラッチレバーの先端にも傷は無いことから、 ハンドルストッパーやフレームにも傷や衝撃を吸収した痕跡はないと推測していましたがその通り高い剛性を維持しています。
ただしメインフレームに散見される細かい傷、車体底部のダウンチューブの目立つ錆び、ステップやペダルなど接合部の強めの錆びなどが、査定の減点対象となり評価点は4に留まりました。

電装・保安部品
最後に電装系と保安部品を査定していきます。
ここまでは、2014年モデルとしてはやや劣化が目立つ査定結果となっていますが、電装・保安部品はどうでしょうか?
電装・保安部品は、バッテリーやハーネスなど電気系統を司る電装系と、メーター・ウィンカーやライト・マフラーなどの保安部品などです。
電装系は、改造などによる配線加工がなく、電気系統が一通り動作すれば査定で大きく減点となることは先ずありません。
保安部品については、電子表示の場合はメーターが最重要部品、次いでエキパイ・マフラーとなり、その他のホーンやミラーにランプ類は部品価値に連動して査定に与える影響が小さなパーツになります。

樹脂やメッキパーツの使用感
今回のCB250Fで敢えて挙げる項目は、エキパイの目立つ錆びや、ハンドルスイッチの使用感でしょうか。 錆びやすい個所ではありますが茶色一色に変色したエキパイは、買取後にケアが必要なとなりそうです。
ハンドルスイッチの傷や使用感は、普段の使い方を示しています。

総合評価と買取価格
錆びで覆われているチェーンやエキパイ、艶を失い若干色褪せしている外装、アイドリングが不調で白煙を吐くエンジン、ハンドルスイッチやタイヤの酷使感、車体各所の小錆びや小傷が減点対象となったCB250F。
新車でご購入されてから3年も経過していない2014年モデルとしては劣化や使用感が多く見受けられ、車両の総合評価は4点となりました。
下段で詳しくご紹介していますが、
評価点4点のCB250Fの買取相場は10万円台となっています。低走行車が多いCB250Fとしては多走行の部類で、相場的には10万円台前半で何とか利益が確保できそうなラインです。
出来れば利益を確実に確保するためには10万円に近い金額で買取したいところですが、利益をぎりぎりまで削って13万円の査定額をご提示させていただきました。
お客様のご感想と買取後記
「最後の2年は全くケアしてなかったから。相場も見せてくれたし、その金額なら納得です。」とのご返答を頂戴して買取成約となりました。
「最初の内は、バイクカバー掛けて洗車してってやってたんだけど。いちいちカバーを外して・掛けてが面倒になって、それからは、まぁご覧の状態で。」とはオーナー様のお言葉。
もし路面はアスファルトでしたのでずっとカバーをかけて保管されていれば、5万円は査定額が違っていたでしょう。更にグリースなどで防錆処理等をしてケアしていれば、結果として20万円台の査定額に繋がっていたろ思われます。
汚れてもあまり気にせず直ぐに跨って普段使いが出来るのは非常に魅力です。反面ケアレスになることで価値は下がってしまいます。
新しいバイク程、その傾向が顕著で、ケアレスの普段使いとするか?丁寧にケアして綺麗な状態を維持するか?売却という面では丁寧なケアが断然おすすめいたします。
2014年8月にメーカ希望小売価格46.4万円で売り出されたCB250F。 2015年と2017年にカラーリングが変更されたNewモデルが出ていますが、希望小売価格は据え置きとなっています。 2018年現在では、実勢価格として、希望小売価格より10万年ほど安い35万円台から新車を探す事ができ、中古車の販売価格のボリュームゾーンが30万円台となっているCB250F。 いったいいくらで売れるのでしょうか? 日本の中古バイクの(買取も販売も)相場を決定している、業者間オークション市場の取引データを使用して、買取相場をご案内差し上げます。
状態別の買取相場
先ずは、状態によって買取額に差は出るのか?
状態別の買取相場についてご紹介いたします。
- ▼状態を表す評価点の目安|CB250F
- 評価点6 とても状態が良く綺麗
- 評価点5 状態が良く綺麗
- 評価点4 年式並み未満若しくは若干の難あり
- 評価点3 難有り
- 評価点1 事故車や不動車
CB250F|評価点別の査定相場比較 |
状態/ 落札価格帯 |
評価点 6以上 |
評価点 5 |
評価点 4 |
評価点 3 |
評価点 1 |
30~34万円 |
2台 |
2台 |
0台 |
0台 |
0台 |
25~29万円 |
5台 |
16台 |
5台 |
0台 |
0台 |
20~24万円 |
0台 |
2台 |
7台 |
0台 |
0台 |
15~19万円 |
0台 |
2台 |
4台 |
0台 |
2台 |
10~14万円 |
0台 |
0台 |
1台 |
1台 |
3台 |
5~9万円 |
0台 |
0台 |
0台 |
2台 |
6台 |
0~4万円 |
0台 |
0台 |
0台 |
0台 |
2台 |
(2018年2月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
極上車でも買取相場の上限は20万円台後半
過去1年間で49台の実働車が取引されたCB250F。
9.2万円~33万円のレンジで取引が成立していて、2014年発売の250ccとしては金額幅が大きい車種といえます。
軽量で扱いやすいシートポジションの影響なのか、この年式としては多走行の車両が多いことが、価格のバラつきの理由の1つになっています。
全49台中で最も状態の良かった個体は、評価点10で走行0kmの未登録車です。
CB250Fの売却をご検討中のオーナー様には嬉しくない情報ですが、未登録の新車の取引価格は31万円となっています。
(全ての取引車両にはフルのフレーム番号が記載されているのですが)31万円で落札された未登録車はフレーム番号の下3桁が表示されていません。
フレーム番号から販売店を追跡できないようにとの配慮によるもので、このことは、メーカーにバレないように、販売店が赤字覚悟で在庫切りしたを示しています。
買取業者としては、未登録の新車の取引価格である31万円を上限のベンチマークとするので、どんな極上車でも30万円を超えて取引されることは難しいと考える傾向にあります。
31万円(実際には消費税と落札手数料が上乗せされるので34万円程)で仕入れた新車を35万円台で売ると考えれば、安い新車の店頭価格と帳尻が合うので、新車の実勢取引価格は31万円程度考えて良さそうです
評価点別に取引が成立した価格帯を見ると、
評価点6以上の車両は20万円台後半~30万円台前半、評価点5の車両は20万円台後半、評価点4の車両は10万円台後半~20万円台前半、評価点3の車両は5~9万円。
といったように、CB250Fは状態と取引価格の相関性が高い相場となっています。
また、全49台のうち、7割超にあたる35台が20万円台で取引されています。
お客様のCB250Fが業者間市場において、20万円台で落札される確率が70%強ともいえます。
上記の金額は、買取業者と販売業者が取引する業者間市場での取引価格で、査定現場での買取相場とは異なります。
査定現場での買取額は、業者間市場での取引額から、業者の儲けと経費(出品手数料や運送費など)を差引いた額となります。
では、業者の儲け+経費はどれ位なのでしょうか?
250ccの場合は3万円程度が適正で、お客様にとって競争力のある値段といえます。50km圏内のバイクの輸送費が安くて1万円程度ですので、3万円であればかなり控えめであることがご想像頂けると思います。
以下が3万円を差引いた、買取相場です。
- ▼正味の買取相場|CB250F
- 極上車 20万円台後半
- 良好車 20万円台前半
- 若干の難あり 10万円台
- 難有り 数万円~
全損事故車は数千円~、レストアベースは数万円~の買取相場
実働状態にない事故車や不動車を表す評価点1のCB250Fは、過去1年間で13台の取引が成立しています。
全ての車両が、不動車でなく事故車となっています。
上位で落札された個体から写真を見ていくと、10万円以上で落札された車両は「エンジン始動」と表記があるため、事故車と判断できますが、写真からは損傷個所が判別できません。
8万円で落札された個体はフロントフォーク曲りの他は損傷はないようですが、写真から事故車と判別できた最初の個体でした。
6.9万円で落札された個体は、マフラー・チェーン・前後フェンダーなどが破損しています。骨格歪みもあるのかもしれません。
続いて、フロントが潰れてメーター周りが損壊している車両が6万円台で取引されています。
5万円台で取引された車両は、フォーク歪みの前面潰れ。
2万円台で取引された2台は、フロントフォークが大きく歪んでいるのでメインフレームまで影響している可能性が高そうな事故車となっています。
以上のように、修復して実働化できる事故車は、修復コストが差し引かれた額で取引され、フレーム損傷の部品取り車となると2万円程度の取引額となっています。
買取額では、全損事故車のCB250Fは査定でお値段が付かない可能性もありますが数千円~。商業的にレストアベースの算段が付く事故車は数万円~10万円程度といえます。
走行距離別の買取相場
2014年、2015年、2017年モデルが存在するCB250Fですが、販売価格据え置きのカラーリングのマイナーチェンジに留まっています。
各年モデルの変更内容に差異が少ないことから年式モデルによる買取相場の差異は考えづらく、状態の次に査定価格に及ぼす影響が大きい走行距離を切り口に相場を比較したいと思います。
上段で、「高年式車両としては多走行の車両が多いことが、価格のバラつきの理由の1つ」と申し上げましたが、本当にそうなのか? 走行距離別の買取相場をご案内差し上げます。
CB250F実働車|走行距離別の相場比較 |
状態/ 落札価格帯 |
~千km |
~5千km |
~1万km |
~3万km |
3万km超 |
30~34万円 |
1台 |
0台 |
1台 |
0台 |
0台 |
25~29万円 |
2台 |
10台 |
10台 |
4台 |
台 |
20~24万円 |
0台 |
4台 |
1台 |
4台 |
0台 |
15~19万円 |
0台 |
1台 |
0台 |
3台 |
2台 |
10~14万円 |
0台 |
0台 |
0台 |
2台 |
0台 |
5~9万円 |
0台 |
0台 |
0台 |
0台 |
2台 |
(2018年2月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
CB250Fの走行距離別の買取相場をまとめると、
低走行車はそれだけで高額査定となる可能性が高く、距離で3万や5万を超える多走行車は査定額で10万円を下回ってくる可能性も高く、 平均的な走行1~2万キロ台の車両は状態に応じて10~20万円台半ばの査定額になると読み取れます。
- ▼走行距離別の買取相場の特徴
- 走行距離5千キロ未満の車両は、20万円台以上に取引が集中
- 走行1万~2万キロ台の車両は、取引が10~20万円台で均等にバラけていて、状態によって取引額が変動する
- 走行3万超の車両は、10万円台とそれ以下に集中していて、距離が5万円を超えると10万円以下での取引となっている
ABS有り無しの買取相場
ここまで、「状態」と「走行距離」の切り口で買取相場を検証してみましたが、最後に新車価格で5万円程高い設定となっているCB250F ABSとベーシックなCB250Fの買取相場を比較して見ましょう。
ABS有り無しの取引相場|CB250F実働車 |
相場/ 年式モデル |
平均落札額 |
最高額 |
取引台数 |
CB250F |
24.3万円 |
33万円 |
49台 |
CB250F ABS |
24.8万円 |
33.8万円 |
17台 |
(2018年2月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
ABSなしの標準モデルも、ABS装備モデルも同じような相場となっているCB250F。 新車価格では5万円違うABS装備モデル。高い金額を出してABSモデルをご購入されたオーナー様には売る際には何ともがっかりな相場ですが、買取価格としてはABS有り無しによる価格差はないことが読み取れます。 以上、「状態」「距離」「ABS有無」3つの切り口でCB250Fの買取相場を比較してまいりました。 「距離」と「走行距離」を押さえておけばかなりリアルな買取相場を把握して頂ける内容となっています。 パッションの査定はいつでも誠実対応。相場以上の査定金額でお客様のご期待にお応えしております。どんなことでもお気軽にお申し付けくださいませ。
CB250F
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 49台
- 平均価格: 243,878円
- 最高価格: 330,000円
- 最低価格: 92,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 13台
- 平均価格: 85,000円
- 最高価格: 160,000円
- 最低価格: 20,000円
相場情報:2018年2月20日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。