「車検が切れてから数か月経っていて。乗らなくても全く不都合がないことに気付いてしまいました。。それで車検通すより売ることに気持ちが傾いて。」 売却する理由を教えてくれたオーナー様の愛車はハイパーモタード1100
車検が切れていることで買取価格が下がると思われているオーナー様が多くいらっしゃいますが、実はそんなことはありません。
買取されてから様々な流通工程を経て販売店で販売されるまで、1年程度かかることはよくあります。つまり1年程度車検が残っていても流通過程でその価値が無くなってしまいます。
したがって車検が数か月残っていても、車検がきれていても、小売で販売される時点では双方とも車検切れれになっていることから、買取時点での価値に差異がないということです。
逆に言えば、2年程度残っている車検は車検付で販売できる可能性が高く、査定価格アップの理由となります。
車検関連の話で横道に逸れてしまったので軌道修正して、 以下、今回拝見させていただいたドゥカティ・ハイパーモタード1100の車両詳細となります。
足回り
ディーラーによって4年前にフォークオイル交換が行われ、モタードらしいがっちりとした減衰を確認。
フォーク下部の疲弊感が多少見えたものの、2011年モデルということを考慮すると良好な部類に入ります。
タイヤは5分山残り、細かいヒビが入っていて交換した方が無難な状態。
ハンドルやブレーキディスクに軽い曲り、ステムやリアショックに細かい錆びがやや多く見られますが、その他目立つ不具合や劣化は無し。
前後とも総合的に足回りの状態は良く査定評価点は5点が付きました。
外装
3年前に走行の少ないハイパーモタード1100を中古で購入されてから、大事に乗り続けてきたというオーナー様のお言葉通り、転倒・事故を示す様な損傷はありません。
目立つ外傷ではありませんが、マフラーカバーに長い線キズ、タンクカバーにやや目立つ擦り傷、左ナックルガードなどをはじめ樹脂製パーツに若干のやれ、 リアフェンダー中央部に走った小キズ、右ミラーに染み付いて固着した汚れなど軽めのマイナス査定が所々にありました。
それでも総合卯的に外装の状態を判断すると目立つサビ・腐食・外装はなく綺麗で査定の評価点は5点となりました。
エンジン周り
車検が切れてから数か月エンジンをかけていないという事で、エンジンを始動させようとセルを回しているとバッテリーが弱りセルが回らない状態に。
ブースターで始動させたところ、エンジンは始動性・吹け上がりともに良好であり、走行距離15,482kmに見合った脂の乗った活きの良さが感じられました。
デスモエンジン特有の鼓動感もしっかり確認でき、乾式クラッチもしっかりと交換済みで非常にいい感じです。
マットブラック仕上げの箇所はそれほどでもありませんが、腰下からの軽いオイル漏れ、エンジンの細かいところにサビ・腐食が発生しているのが軽めのマイナスに。
それでも日頃のケアがしっかり行われてきたこと、定期的な消耗品交換を示すレシート類を拝見させて頂き、査定評価点で5点が付きました。
フレーム回り
フレームは転倒・事故を思わせる歪み等なしの状態でしたが、モノショック付近やダウンチューブなど手の入りにくい部位に軽微なサビ・腐食あり。
現在はまだ塗装表面にぽつぽつと浮いている程度でしたが、フレーム各所で確認できたため、再販に向けては念入りな錆び取り作業が必要となりそうです。
傷とは異なり、軽めの錆びや腐食は除去に手間はかかりますがリカバー可能な分、買取価値への影響は軽微です。
ハンドルストッパーに凹みがあり、ハンドル曲りと総合して立ちごけの衝撃を物語亭っています。 シートレール・メインフレーム含めて歪みや曲りはなくネック部分やマウント部分にも皺などは寄っておらず、一番重要なフレームの剛性は良い状態にあり、フレーム回りの買取評価点も5点が付きました。
電装/保安部品
暫く乗車がなかったことで、バッテリー電話津が弱っていますが、充電でリカバリー可能な状態。再販に向けては弊社で大量にあるストックから高価なバッテリーに交換することになります。 メーター類・保安部品といった動作確認は全て良好で不具合なし。 マフラーの排気口も綺麗で、電装・保安部品も評価点で5点が付くかと思ったのですが、 エキパイの焼けと広範囲の錆び、ミラースタンドの汚れの固着、ウィンカーレンズの変色、メーターカップの割れによって評価を落とし買取評価点は4点に。
その他
ドゥカティ・ハイパーモタード1100は、スタイリング特性からカスタムパーツが豊富に揃っている車種ではありません。
オーナー様もこの点を割り切られており、フルノーマル状態で乗り続けてこられたそうです。
海外メーカー製バイクの場合、純正パーツの仕入れが大変なこともあり、国産車に比べて社外パーツ装着に伴う純正品の欠品がマイナス査定となりやすい傾向があります。
ノーマル戻しに出来る状態の社外品はもちろんプラス査定。高価な社外品はプラス査定となる可能性が高い点は追記させて頂きますが、
そのため今回のハイパーモタード1100のノーマル状態は好評価。
総合評価と買取価格
電装系での評価は4点に留まりましたが、その他では全て5点が入り相貌の査定評価点でも5点が付いたHYPERMOTARD1100
以下の相場情報で詳述しておりますが、業者間市場で売却する場合は30万円台後半の落札額が予想されるため、買取専業の専門店では35万円程度が損益分岐点となる買取価格です。
今回は幸いなことに弊社販売店での仕入れ需要があり、弊社販売店での仕入れ値をベースに1段高い買取価格を付ける事ができました。
販売店の仕入れ値ベースだと何で高く買い取り出来るのか?
例えば、今回買取りさせて頂いたハイパーモタード1100が業者間市場で仮に38万円で落札されたとしましょう。
販売店が支払う金額は落札金額である38万円+消費税+落札手数料=『約42万円』となります。
販売店はもし41万円で今回の車両を仕入れる事ができれば、業者市場を通じての仕入れより安く仕入れる事ができます。
買取店は40万円で買取しても利益が計上でします。
買取専門店は業者市場で仮に38万円で落札された場合、利益を出す買取価格は、運送費などの諸経費と出品手数料を差引いた36万円以下となるでしょう。
確実に利益を確保したいので33万円程度が一般的な買取相場といえるでしょう。
対して買取販売店である弊社では40万円でも利益が出る構造を有しています。
今回は販売店の仕入れ値での買取が出来た幸運もあり、他社が真似することのできない査定価格で買取させて頂く事ができ着た事例です。
お客様のご感想と買取後記
「中古バイクの情報サイトでは車両価格で40万円台~50万円台で売られていて、どの車体もピウカピカに見えたので、俺のは車検も付いてないし良くても6掛けの30万円くらいと思ってました!」
「それが39万円ならサンキュー。予想を裏切ってくれて嬉しいです」とはオーナー様のお言葉
買取専門店であれば赤字必至の買取金額にご満足頂けて何よりでございました。
「実は125ccのスクーターなら実用的かなと思ってるんですが、何かおすすめありませんか?」という嬉しいご質問も頂戴して、お奨め車種として最近型落ちとなって相場が下がった状態の良いお買い得車をご案内させて頂きました。
ご成約の際には下取り扱いで販売価格から割引させて頂くことをお約束いたしました。
ハイパーモタード1100 査定相場の比較
流通数の少ないHyperMotard 1100だけでは傾向値として弱いので、上位モデルで流通数の多いHyperMotard 1100Sと合わせて評価点別の相場をご案内差し上げます。
ハイパーモタード1100/Sを売りたい人必見!状態別に適正な買取相場を把握して頂けます!
- ▼状態を表す評価点の目安|ハイパーモタード1100/S
- 評価点6 比較的状態が良く綺麗
- 評価点5 状態が良く綺麗
- 評価点4 年式並み または若干の難有り
- 評価点3 難有り
- 評価点2 実働車だが劣悪
- 評価点1 事故車や不動車
(2017年12月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
ハイパーモタード1100/S|評価点別の査定相場比較 |
状態/ 落札価格帯 |
評価点 6 |
評価点 5 |
評価点 4 |
評価点 1 |
46~50万円 |
1台 |
0台 |
0台 |
0台 |
41~45万円 |
0台 |
2台 |
5台 |
0台 |
36~40万円 |
1台 |
4台 |
4台 |
0台 |
31~35万円 |
0台 |
0台 |
1台 |
0台 |
20万円台 |
0台 |
0台 |
0台 |
3台 |
10万円台 |
0台 |
0台 |
0台 |
1台 |
総落札台数 |
2台 |
6台 |
10台 |
4台 |
評価点4~6点の実働車が、過去1年間で計18台取引されていますが、台数の内訳はハイパーモタード1100が2台で、上位モデルのハイパーモタード1100Sが16台です。
それぞれ平均落札額は、ハイパーモタード1100/Sが41.2万円で、上位モデルのハイパーモタード1100Sが40.2万円。
2009年モデルの車両販売価格が171.5万円だったことを思えば中古相場が低調なドカティの車種の1つと言っても過言ではありません。
取引されている全18台の内、半数の9台は36~40万円のレンジで落札されています。中には走行距離1.7万キロで評価点6の極上車も39.4万円で落札されています。
全18台を比較してみると、査定価格を決定する3台要因『評価点』、『年式』、『走行距離』で並べ替えても有意な傾向はなく、月間に均すと2台の落札がないだけにその時々の需給によっての変動が大きいと思われます。
したがって業者市場で想定される落札価格は30万円台後半と読むのが買取業者の生業です。
したがって、平均的な査定現場での買取価格は30万円台前半~半ばが適正価格であることが読み取れます。
そのような相場環境でにあって今回39万円の査定価格で買取出来たのは上述した、販売店の仕入れ値(落札価格+消費税+落札手数料=40万円台前半)をベースとした見積もりが出来たためです。
次いで事故車や不動車を表す評価点1の取引に目を移すと4台の取引があります。
内訳をみるとフロント破損の事故車が14.5万円、両サイドのカウルが欠品している転倒車が20.7万円。
エンジン故障などの不動車が20万円台前半で落札されています。
骨格の歪みのある全損事故車でなければ10万円前後~、レストアベースの不動車であれば10万円台後半~の買取価格が期待できることが読み取れます。
ハイパーモタード1100豆知識
1100ccLツインエンジンの生み出すパワーと鼓動感に加え、ドゥカティが長年をかけて培ってきたロードスポーツとしての完成度が際立ったドゥカティ・ハイパーモタード1100。
2007年に本国イタリアでデビューを果たし、非常に高いポテンシャルで大型バイクファンの熱い注目を集めたドゥカティ・ハイパーモタード1100。
ハンドルバーエンドミラー(ノーマルタイプがオプションとしてあり)に伝統のL型2気筒デスモエンジンを搭載し、最高出力90hpという大排気量車らしいエキサイティングな走りが楽しめます。
2010年に「ドゥカティ・ハイパーモタード1100 EVO」へモデルチェンジされるまで販売が続けられ、ドゥカティのストリートモデルの中でも際立った存在のひとつです。
ハイパーモタード1100/S
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 18台
- 平均価格: 403,889円
- 最高価格: 500,000円
- 最低価格: 334,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 4台
- 平均価格: 200,000円
- 最高価格: 233,000円
- 最低価格: 145,000円
相場情報:2017年12月29日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。