「バッドボーイの後継車ということで購入し、大事に乗ってきましたが、事情がありローンが完済できる以上の金額で売りたい」とご連絡を頂いたオーナー様の愛車は、 マットブラックが印象的なハーレーダビッドソン・FXSTBナイトトレイン。ツインカム96エンジン搭載の2008年モデルです。
今回は他社さんでの査定にご納得がいかなかったという事で、バイク乗り仲間に薦められた当社に売りたいというご依頼でした。より一層気と身を引き締めて査定をさせて頂きます。
以下、今回拝見させていただいたハーレー・FXSTBナイトトレインの車両詳細となります。
足回り
今回拝見させていただいたFXSTBは、2008年モデルとしてはそこそこ走り込まれた車両ですがオーナー様の愛情が感じられる良い状態をキープしておりました。
聞けばご自身の手でフォークオイル交換などのメンテナンスを実施されておられたそうで、前後のサスペンションの機能などは先ず先ずの状態。
スポークやホイールリム、ディスクブレーキやキャリパー周りにやや目立つ錆びが目立ちますが、丁寧な磨きで十分リカバーできる程度の劣化。
アウターチューブに削れた傷がありこちらは若干のマイナス査定に
黒と銀に彩られたこのFXSTBナイトトレインの場合、茶色いサビは悪目立ちしやすい傾向にあります。
とは言ってもホイール全体を埋め尽くすような酷さではなく、買取査定における減点も気になるほどではありません。
リアサスペンションもローダウンなどのカスタムはされてはおらず、結果的にこのチョイスがコンディション維持に繋がっていたようです。
外装
マットブラックに彩られたダークな車体は発売当時の色合いを失っておらず、保管の仕方が良かったことを偲ばせるに十分なものがありました。買取査定直前の洗車では醸せない経年のメンテナンスの蓄積です。
目を凝らして細部を見るとそれなりに難点もあり、取り付けビスやボルトなどに錆び、タンクやフェンダーには磨き傷や目立たない傷がやや多くありますがこちらも近寄って気付く程度。
走行距離に比例しやすいシートには若干の使用感が感じられますが、外装に関しては先ず先ずの評価となりました。
エンジン周り
Vツインエンジンのヘッド部もメッキの美しさが残った良い状態を維持しておられましたが、経年によるサビがエンジンフィンなどの細かい箇所に発生。
走市場に出回っている他の2007~2009年モデルと比べると走行距離は若干多いFXSTB。
さすがにエンジン機能は極上の状態とは言えませんが、異音や白煙吹きにアイドル不安定などの目立った不具合もなく平均並みの評価。
セル一発で始動と入念なメンテで好調をキープしている印象。
フレーム回り
メタ―カバーの曇りが目立つほか、マフラー底部に擦り傷があり、軽めの減点となりました。
リアウィンカーを純正のオレンジからクリアに変えている以外はノーマルの状態を保ったままでした。
セルモーターを始め、ヘッドライトなどの保安部品にも異常は見られず、ガソリンタンク中央のランプ類も問題なく作動。
電装/保安部品
メタ―カバーの曇りが目立つほか、マフラー底部に擦り傷があり、軽めの減点となりました。
リアウィンカーを純正のオレンジからクリアに変えている以外はノーマルの状態を保ったままでした。
セルモーターを始め、ヘッドライトなどの保安部品にも異常は見られず、ガソリンタンク中央のランプ類も問題なく作動。
その他
ダークな雰囲気とシンプルなスタイリングがウリのFXSTBナイトトレインに、マットブラックのマフラー、マットブラックのエアクリーナーを装着した統一感のあるライトカスタム車でした。
ノーマルパーツは保存しておらず、その点は残念ではありました。純正戻しできる状態でのカスタムパーツは、当たり外れのあるカスタム車の買取価格とは異なり、プラス査定として買取価格が伸びるだけに。
総合評価と買取価格
以上が今回のハーレー・FXSTBナイトトレインの査定チェックポイントですが、10年もののハーレーとしては綺麗な状態を保っており、オーナー様がかけてこられた愛情の深さが伝わる一台でした。
目立つ欠点らしい欠点はありませんでしたが、買取査定でマイナスとなってしまったのは
- メッキパーツや足回りの錆びや腐食(軽め)
- シフトペダルやマフラーの立ちごけ傷、アウターチューブの削れ
- 多走行に伴うエンジンの使用感
軽微なものではあったものの、前後ホイール・フォワードステップといった目を惹きやすい箇所へのサビが買取査定評価に悪影響を及ぼしてしまったと言えます。
今回のFXSTBナイトトレインは、10年経過したモデルとしては外装の美しさで十分高く評価できるものでしたが、各部のサビ・腐食や立ちごけ傷などがわずかに減点材料となってしまいました。
メッキパーツを用いたハーレーの場合、こうした外観上の問題が買取査定金額に影響を与えるため、これさえなければもう一声…;、と心から思えた車両だけに少々残念です。
また、エアクリカバーやマフラーの他、純正ウインカーのオレンジからクリアタイプに交換した際、オリジナルを紛失されてしまったそうで、こちらの点でも若干ながらマイナスとなってしまったことを付け加えさせて頂きます。
お客様のご感想と買取後記
ハーレー売却のご相談を毎日5~10件以上頂いており、当社の買取査定をご利用されるハーレーオーナー様は非常に多くいらっしゃいます。
複数台所有されているようなお金持ちのオーナー様も多くいらっしゃいますが、実はそれ以上に多いのが、憧れのハーレーをローンでご購入された方々です。
ローンが重荷になったり様々な事情でローン中(所有権が入った状態)のハーレーの売却相談もとても多く頂戴しています。
今回のお客様もローンが70万円残った状態で、他社で相談したところ70万円以上が付かず、バイク乗り仲間に薦められて当社にご依頼いただいたとのこと。
「ローンを完済して手元に少しでも現金が入れば嬉しい」とのご依頼内容でした。
弊社ではローンの借り換えも取り扱っていますが、今回のお客様は残念ながらローンの借り換えの審査が通らず、満額の買取金額の77万円をお客様にお支払いして新しいローンに引き継ぐことは出来ませんでした。
今回のローン中のハーレーの買取金額のお支払方法は以下となりました
- 1)当社でローンの一括返済代行と返済証明書の取得の代行支援
- 2)当社で所有権の解除(車検証に記載されている所有者に所有権が精算されたことを確認する書類の取得)の無償代行
- 3)当社で廃車手続きの無償代行
- 4)お客様に残額の7万円をお振込み(買取額77万円から一括返済で使用した原資70万円を差引いた残額)
お客様にして頂くのは1点、お手元に届いた完済証明証を当社に着払いで送って頂くこと。のみとなります。
面倒な完済手続きや、所有権の解除、廃車手続きまで全て無償でサポートいたしております。
ローン中のハーレーの買取査定も当社にお任せ下さい。
年式別のFXSTB ナイトトレインの査定相場の比較
以下のように年式によって排気量が上がってきたナイトトレイン
業者間市場での取引データを基に、排気量別のナイトトレインの買取相場をご案内差し上げます。
- ▼ナイトトレイン/エンジン進化の変遷
- FXSTB 【1998~1999年モデルのエボリューション】
- FXSTB 【2000~2006年モデルのツインカム88】
- FXSTB 【2007~2009年モデルのツインカム96】
年式・排気量別のFXSTBの査定相場の比較 |
モデル/ 落札価格帯 |
EVO |
TwinCam 88 |
TwinCam 96 |
平均落札額 |
82.7万円 |
70.0万円 |
88.3万円 |
120万円台 |
1台 |
1台 |
0台 |
110万円台 |
0台 |
0台 |
0台 |
100万円台 |
0台 |
2台 |
1台 |
90万円台 |
0台 |
1台 |
1台 |
80万円台 |
0台 |
1台 |
3台 |
70万円台 |
2台 |
2台 |
1台 |
60万円台 |
1台 |
4台 |
0台 |
50万円台 |
0台 |
6台 |
0台 |
40万円台 |
0台 |
3台 |
0台 |
総落札台数 |
4台 |
20台 |
6台 |
(2017年12月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
先ず顕著なのが2000~2006年モデルのツインカム88エンジンを積んだ1450ccのFXSTB ナイトトレインの流通数が圧倒的に多いこと。エボエンジンとツインカム96は発売期間が短かったことに伴い流通数も少な目となっています。
落札価格に目を移すと年式(排気量)による相場差は他のハーレーの車種と比べると明確ではありません。他のハーレーの車種は高排気量=高価格といった図式が割と明確ですが、 ナイトトレインは取引数が少なく母数が少ないためその傾向は薄いように見えます。
1450ccは全20台とそれなりの取引数があり、最高値は評価点5の120.4万円を筆頭に、100万円を超える車両が評価点3のカスタム車を含め3台あり、相場平均を押し上げることに。
その一方、最安値をつけた評価点4の車両は41.0万円で、年式並みの車両の50~60万円台での取引が圧倒的に多くなっています。
対してTwinCam 96は80万円台が取引のボリュームゾーンとなっていることから、はやりナイトトレインの買取相場も高排気量が有利と言えるでしょう。
TwinCam 96エンジン搭載のFXSTBナイトトレインの査定現場での実際の買取価格は、 上記の業者間市場での落札金額から買取業者の儲けと諸経費(人件費・運送費や出品手数料など)を差引いた80万円付近が中心的なラインとなりそこから状態に応じて上下していくイメージで適正価格と言えるでしょう。
走行距離も良く状態の良い車両であれば90万円~100万円台にかけて、極上車であれば、相場が下げ続いている現在でも100万円以上の査定金額が狙えるでしょう。
FXSTB ナイトトレイン豆知識
ハーレー・ソフテイルファミリーの名車として名高い「バッドボーイ」の正統後継モデルとして誕生し、そのダークヒーロー的な妖しい魅力で多くのファンを獲得したFXSTBナイトトレイン。
21インチのフロントタイヤにフォワードコントロールというオールドハーレーのスタイリングを継承し、シンプルさと男らしい魅力に溢れた定番モデルの一つです。
先代であるバッドボーイはわずか4年しか生産されませんでしたが、FXSTBナイトトレイン1,340ccエボから1,450ccツインカム88、そして1,584ccツインカム96とボアアップを続けて10年以上ものロングセールスを継続しており、 シリーズの顔役の一機種として確固たる地位を築き上げました。
FXSTBナイトトレイン【2007~2009年モデルのツインカム96】
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 6台
- 平均価格: 114,470円
- 最高価格: 260,000円
- 最低価格: 54,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 0台
- 平均価格: No Data
- 最高価格: No Data
- 最低価格: No Data
相場情報:2017年12月19日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。