有名メーカー製パーツでカスタム完成度高しカワサキ・ゼファー750。スタイルは買取査定価格に影響したのか
試行錯誤しながら今のスタイルに行き着いたというカワサキ・ゼファー750。
エンジン外観やフロントフォークに若干の疲れが見えますが、オーナー様の丁寧な維持努力で2006年モデルとしても良好な状態を保っておりました。 お話によると、走行距離30,000km強はほとんどツーリングによる加算とのことで、長年の間愛情をかけて所有されてきたことが伺えました。買取査定額にも期待が持てます。
以下、今回拝見させていただいたカワサキ・ゼファー750の車両詳細となります。
足回り
フロントフォーク下部に細かいキズ・サビあり状態ながら、洗車とサビ落としで細やかにケアしてきた様子で、それほど深刻な傷みは見られませんでした。
ブレーキポッドに年式相応のくたびれ感が出てはいたものの、ブレーキタッチ等もいい感じです。
リアサスは純正ショックからオーリンズ製のものへ交換されており、適切なメンテナンスでこちらも良い状態をキープ。
残念ながら純正ショックは欠品とのことですが、スポーツサスとして人気の高いオーリンズ製品ですので、マイナスを補ってのプラス査定となりました。<
外装
本来のカラーリングはブラックだったZEPHYR750、「やっぱりカワサキの750といえばコレかなぁ…と塗り直しました」と仰られる通り、イエローを基調にZ2風ファイヤーボールパターンに変更。
塗装専門業者によって丁寧な仕事がされており、変更後10年を経過しても見事な色艶を維持しておりました。
さすがにサイドカバーやテール周りに細かいキズは見えましたが、丁寧な磨きと洗車で良い状態を維持しており、バイクを綺麗に乗るための入念なケアが行われてきた様子。
ブレーキマスターシリンダー・フォークブリッジといった箇所に腐食あるも、程度的には軽微なものであり、マイナスに振れた買取額は最小限にと留まっております。
エンジン周り
空冷フィンやヘッド部分にそれなりのサビ・キズ・腐食が発生しておりますが、茶色が目立つような深刻なものではなく、ワイヤーブラシや歯ブラシなどで細やかにケアしてきたことが伺えました。
ただし、エンジン下部のジェネレーターカバーに浅い削れキズが広範囲にあり、こちらがややマイナスに。
しかし、カワサキ純正のエンジンガードでしっかり保護されていたらしく、深刻なダメージは見当たりませんでした。
昨日まで走らせていた実働車だけあり、始動性・吹け上がりともに好調。
白煙対策で粘度の高いオイルを入れているという事でしたが、アクセル開放時にオイル下がりによると思われる若干の白煙吹きが認められるました。オイル関連の問題は根が深くなると高くつく問題なのでエンジン機能の査定評価を若干下げました。
とはいえ走行3万キロを超えているエンジンとしては十分実用に耐えます。買取査定の評価点は4点でまずまずの点数に。
フレーム回り
「ゼファー750を新車で購入してすぐ、立ちゴケしてしまい慌ててエンジンガードを購入しました」と、購入当時の苦い思い出を話されたオーナー様のお言葉通り、カワサキ純正のエンジンガードが装着。
社外マフラー・オーリンズ製リアサスとスポーツ志向のライトカスタム車ながら、転倒事故を思わせるダメージはありませんでした。
スイングアームに若干のサビ・腐食が発生しておりますが、手の届く範囲はしっかりとケアされており、軽微なレベルに留まっております。
電装/保安部品
7ヶ月前の車検時にバッテリーを交換されたとのことで、イグニッションをONにしてのチェックはオールグリーン(問題なし)。
セルの回り具合やスイッチ類の外観など、大事に扱って来られたことが伺えました。
マフラーは高価なスポーツタイプのSP忠男のフルエキゾーストが装着され、良い焼け色が出ております。
エキパイ部に軽めのサビがありましたが、研磨剤でサッとひと撫でする程度で済みそうな軽微なものであり、文句無しにプラス査定。
ETCキットとUSBが装着されておりましたが、こちらはカワサキプラザにて装着されたとのことで、それを証明する領収書のご提示により、配線類の不具合はなしと判断。
電装系は加工次第でトラブル時の修復に多大な時間を要することもあるため、大きなマイナスポイントになってしまうこともしばしばあります。
ですが今回のケースのように信頼性を証明できるものがあれば、弊社パッションではマイナス査定とはなりません。始動性や明確な目的に沿った構造であればプラス評価となることもございます
今回ETCキットはお客様が他の車種で使用されるという事で、買取せず自社の整備工房でお取り外しして、後日お客様にご返送差し上げました品物です。
(余談ですが、1年残っていた自賠責保険も買取せずお客様にご返却しています。お客様に償還付手続きの方法をご案内差し上げましたので、保険会社から4,000円弱ですが返金をお受け取り出来ます。)
その他
Z1-R風のビキニカウル・Z2ミラー・リアキャリアといったパーツが装着され、詳細をチェックさせて頂きましたが、取り付け方法等に問題は見られず、全体的な仕上がりからプラス評価とさせて頂きました。
カワサキ・ゼファー750の定番カスタムと言えばやはりZ2仕様ですが、こうした往年の名車風に仕上げるのも人気の手法であり、このようなカスタムも査定で評価される材料になります。
また、メッシュホースでカスタムの統一感を出していた点も良く、こちらも合わせてプラス評価に。
車検が2年近く残っていることですぐ売りに出せる車両として評価し、総合的にもかなりの高得点となりました。
総合評価と買取価格
以上が今回のカワサキ・ゼファー750の査定チェックポイントですが、ワンオーナーの大事にして来られた車両状態であり、年式平均よりも高めの評価となりました。
定番のZ2仕様ではなかったものの、カスタムの仕上がり具合はカワサキ好きに広く受け入れられるスタイルを見舞えつつオリジナル度を加味している点が非常に良く、パーツ類も有名ブランドのものであった点もプラスに働きました。
エンジンの白煙吹きが無くエンジン評価点で5点が入っていれば10万円程度査定価格が伸びていた点は残念でしたが、<br/ > オーナー様はヤフオクでの売却も考えていたそうですが、買取金額800,000円と言う査定結果にご満悦の表情と親指のグッドサインでご返答を頂戴しました。
お客様のご感想と買取後記
「ヤフオクでの取引相場を見て、60万円くらいかなぁ…と思っていましたが、この値札なら大歓迎です」とご満悦の表情を浮かべ、快く買取にご同意いただけたオーナー様。
新車購入当時より、自分で出来そうな整備は全て自分の手で行ってきたそうで、積み込み前にタンクを撫でる手が少し寂しげに見えたのが印象的でした。
オークションでの売却に踏み切れなかったのは、個人売買でありがちな「名義変更」を懸念されてのことだったそうで、ユーザーからの評判が良かったという事で弊社をお選び頂けたそうです。
弊社パッションの業務としては、オーナー様に安心していただく上での至極当然のことではあるのですが、そうした点を評価してお選び頂けたことを光栄に思っております。
ゼファー750の査定相場の比較
日本伝統の750ccクラスと言う点に加え、往年の名車・Z2を強く意識したスタイリングで人気を博したカワサキ・ゼファー750。
現在では旧車としての人気が高く、程度良好な車両はかなりの高額買取が期待出来る車種のひとつです。
業者間で中古バイクを売買する業者オークション市場でも活発に取引が行われており、直近6ヶ月内でも全95台となかなかの盛況ぶりを見せております。
以下は業者オークション市場のデータを基に、走行距離別の落札価格と、評価点別の落札価格、年式別の落札価格を纏めた表です。
中古バイクの買取価格を決定づける3台要因である『状態=評価点』×『年式』×『走行距離』の切り口で纏めた相場表ですので査定価格を把握するにはうってつけです。
業者間市場での落札価格は、買取業者の買取価格を決定する前提条件となっていますので、以下表からお客様のゼファー750の買取相場を把握して頂く事ができます。
- ▼評価点の目安|ゼファー750
- 評価点6 極上車
- 評価点5 綺麗で状態の良い車両
- 評価点4 年式並み若しくは比較的綺麗で状態の良い車両
- 評価点3 若干の難のある車両
- 評価点2 実働車だが劣悪
- 評価点1 事故車や不動車
評価点別|ゼファー750の買取相場の比較 |
評価点/ 落札価格帯 |
評価点 5 |
評価点 4 |
評価点 3 |
評価点 1 |
100万円以上 |
1台 |
0台 |
1台 |
0台 |
90万円台 |
1台 |
0台 |
0台 |
0台 |
80万円台 |
2台 |
2台 |
0台 |
0台 |
70万円台 |
3台 |
0台 |
0台 |
0台 |
60万円台 |
3台 |
5台 |
4台 |
0台 |
50万円台 |
0台 |
9台 |
2台 |
0台 |
40万円台 |
2台 |
10台 |
5台 |
0台 |
30万円台 |
0台 |
21台 |
3台 |
2台 |
20万円台 |
0台 |
4台 |
13台 |
4台 |
10万円台 |
0台 |
2台 |
2台 |
9台 |
~10万円 |
0台 |
0台 |
0台 |
2台 |
総落札台数 |
12台 |
53台 |
30台 |
17台 |
(2017年12月時点で、業者間市場の落札データを過去6ヶ月間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
評価点別のボリュームゾーンに着目すると、評価点5は60万円以上、評価点4は30~50万円台、評価点3は20万円台に、取引されている車両が集中していることが読み取れます。
このことは、評価点に照らして買取価格を推察する大大いに参考になります。
最高取引価格は評価点3のフルカスタム車両が付けた121.8万円、次いでフルノーマルの評価点6に近い5点の極上車が120.6万円と続きました。
その一方、走行距離50,000kmを超える車両、または著しくノーマルパーツ欠品の車両はかなり厳しく、最低落札価格19万円と、かなりの明暗が分かれております。
このため、旧車に関する知識が浅い買取業者の場合、この価格差に恐れをなして安く買い取ろうとするケースも多々見られます。
絶版車や旧車の買取と販売に強い弊社では細かい査定でぎりぎりまでお客様の立場で査定価格をお付けする事ができます。
絶版車となって以来、中古相場が上がり続けているゼファーは弊社パッションでも年々査定額を上げて買取している強化買取車両です。
続けて不動車・事故車である評価点1の取引データを見てまいりましょう。 こちらは全17台と少数ですが、希少な旧車は実動状態に修復してから出品するのがセオリーであるため、カワサキ・ゼファー750もその希少車両に仲間入りしつつあることが伺い知れます。
最高値をつけたのが、軽めの焼きつきを起こした走行距離6,372kmの低走行車で、38万円と実動車に比敵する高値をつけました。
それ以降は12.3~18万円と10万円台での取引となり、実動車との価格差はあるものの、再生の見込みがあれば安定した高値が期待できます。
こうした価格差の激しいカワサキ・ゼファー750ではありますが、旧車の取り扱いに長けた弊社パッションでは、経験豊富な査定スタッフがあなたの愛車を徹底的にチェックし、本当に適切な買取金額をご提示させて頂く自信がございます。
もちろん他社との相見積もりも大歓迎いたしますので、カワサキ・ゼファー750を高値で売りたいというオーナー様は、お気軽に弊社までお声がけください。
実働車の走行距離別|ゼファー750の買取相場の比較 |
走行距離/ 落札価格帯 |
~1万km |
~2万km |
~4万km |
4万km超 |
100万円以上 |
0台 |
1台 |
1台 |
0台 |
90万円台 |
1台 |
0台 |
0台 |
0台 |
80万円台 |
2台 |
2台 |
0台 |
0台 |
70万円台 |
0台 |
2台 |
1台 |
0台 |
60万円台 |
4台 |
4台 |
4台 |
0台 |
50万円台 |
1台 |
5台 |
4台 |
1台 |
40万円台 |
3台 |
5台 |
2台 |
6台 |
30万円台 |
2台 |
6台 |
11台 |
7台 |
20万円台 |
1台 |
1台 |
4台 |
10台 |
10万円台 |
0台 |
0台 |
0台 |
4台 |
総落札台数 |
14台 |
26台 |
27台 |
28台 |
(2017年12月時点で、業者間市場の落札データを過去6ヶ月間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
走行距離については、メータ交換車、走行距離改ざん(車検証記載距離よりメーター表示が少ない、過去の落札レコードよりメーター表示が少ない)の車両が多いこともあって、有意な傾向値が読み取れませんでした。
それでも低走行距離の車両程取引価格が高くなっている傾向に間違いはありません。状態や年式が同じであれば、買取価格も低走行車>多走行車の図式に間違いはありません。
1991~2007年のファイナルまで20年弱の販売期間があったゼファー750。以下のような年式モデルの変遷を辿っています。
- ▼年式モデル|ゼファー750
- 1991年式 フレーム番号ZR750C-000~
- 1992年式 フレーム番号ZR750C-018~
- 1993年式 フレーム番号ZR750C-036~
- 1994年式 フレーム番号ZR750C-041~
- 1995年~ フレーム番号ZR750C-050~
- 1999年~ フレーム番号ZR750C-065~
- 2001年式 フレーム番号ZR750C-068~
- 2002年式 フレーム番号ZR750C-070~
- 2003年式 フレーム番号ZR750C-073~
- 2004年式 フレーム番号ZR750C-075~
- 2005年式 フレーム番号ZR750C-077~
- 2006年式 フレーム番号ZR750C-079~
- 2007年式 フレーム番号ZR750C-08~
実働車の年式別|ゼファー750の買取相場の比較 |
相場情報/ 年式モデル |
落札台数 |
平均落札額 |
最高落札額 |
~1994年式 |
84台 |
35.5万円 |
125.8万円 |
~2000年式 |
36台 |
42.5万円 |
70.0万円 |
2001年式 |
13台 |
47.1円 |
63.4円 |
2002年式 |
4台 |
53.2万円 |
67.8万円 |
2003年式 |
4台 |
53.2万円 |
67.8万円 |
2004年式 |
8台 |
54.4万円 |
80.8万円 |
2005年式 |
18台 |
66.4万円 |
125.4万円 |
2006年式 |
16台 |
62.4万円 |
105.2万円 |
2007年式 ファイナル |
21台 |
80.1万円 |
122.4万円 |
(2017年12月時点で、業者間市場の落札データを過去12ヶ月間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
状態と、走行距離と事なり、集計期間を12ヵ月間に拡張して纏めたのがゼファー750の年式モデル別の査定相場の比較です。
こちらは高年式=高価買取の図式が綺麗に読み取れます。
2007年式の最終型となると平均取引額で80万円を付けています。状態が良ければ100万円以上の査定価格はかなり狙いやすい状況であることが読み取れます。
発売当初の1990年代初期のモデルでも最高落札額で120万円台を付けていることから、低年式でもカスタム内容によって100万円以上の査定価格が狙えることも読み取れます。
以上、状態を表す『評価点、』『走行距離』、『年式』の3つの切り口でゼファー750の買取相場をご案内させて頂きました。
総括すると、ゼファー750の買取価格を左右する一丁目の要因は年式。次いで状態。次いで走行距離。そこに割って入るのがカスタム。カスタムの内容によっては年式を凌駕して100万円超となることもしばしば。
お客様のゼファー750の状態と照らして適切な査定価格を知る一助となれば幸いです。
ゼファー750の買取査定はパッションにお任せください!
ゼファー750豆知識
400ccクラスで多くの反響を集めたゼファー400の上位クラスを熱望する声に応え、1990年にラインナップに加わったカワサキ・ゼファー750。
ゼファー400とは異なり、左右2本出しマフラー・丸みの効いたカムカバーなど、非常にお往年の名車・Z2を意識したスタイリングとなっております。
2007年の「カワサキ・ゼファー750 ファイナルエディション」を持って生産終了となりましたが、扱いやすい出力特性とそのスタイリングへのファンは多く、今なお絶大な人気を誇る90年代カワサキの名車のひとつです。
ゼファー750【1990~2007年モデル】
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近6ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 95台
- 平均価格: 453,179円
- 最高価格: 1,218,000円
- 最低価格: 132,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 25台
- 平均価格: 184,680円
- 最高価格: 380,000円
- 最低価格: 66,000円
相場情報:2017年12月28日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。