カワサキ ニンジャZX-9R事故車買取査定のポイントや詳細
横浜市の区内では最大面積を誇る戸塚区。
ここは毎年新春恒例の「箱根駅伝」の中継地点として全国に名を知られており、国内有数の通信拠点地帯となっています。
かつては「横浜ドリームランド」という遊園地があり、横浜市民のレジャースポットでしたが、現在は閉園・解体され住宅地としての再開発が行われています。
鎌倉・藤沢市に隣接する位置にあり、閑静で上品な住宅地が多いのも特徴のひとつで、今回ご相談を受けた本島様宅も、区内西部のとある住宅街でした。
冬の気配が強まり始めた10月半ば、日が暮れきった午後6時過ぎに本島様宅へお伺いさせて頂きました。
お出迎え下さった本島様は20代後半の男性で、5ヶ月前にある峠で大事故を起こし、放置期間ありの事故車両ということで査定のご相談を頂きました。
フロントが大破しているため、詳しくは実際に見た上で決めて欲しいということで、ご挨拶もそこそこに早速ZX-9Rを拝見させて頂く事に。

エアインテーク部まで剥き出しのニンジャ ZX-9R。処分費覚悟の査定相談は果たして…
事故で大破したニンジャZX-9Rとはお聞きしておりましたが、カウル類が原型を留めていないほどの状態に数秒間絶句してしまいました。
本島様は当時の事故による影響で、左肩に後遺症が残る形になってしまい、ビッグスクーター程度であれば乗れるものの、SSは乗ることが困難になってしまったそうです。
事故の翌日にはご友人の方々が軽トラを使用し、こちらのニンジャZX-9Rをピックアップしてきてくれたそうですが、放置期間が長く現車確認の上で相談したい、との事でした。
フロントフォーク下部はエンジン側へ衝撃によって湾曲し、事故の規模を伺わせるものでした。
見ての通りエアインテークが剥き出しになるほどカウル類は砕けており、わずかに配線の一部に残骸が残るのみです。

Fフェンダーも歪に歪み、タイヤに接触してしまうほどダメージを受けています。
どうやらFディスクブレーキはロック状態になってしまっているようで、押し引きが難しい状態でした。

タンク・フレームにもかなりのダメージが確認できます。
塗装の一部が剥がれ落ちるなど、パーツとしての再利用は少々困難と言えるレベルで、衝撃によってシートのマウント部にも歪みが発生しています。

衝撃でシート後部のバックストッパーもこのように破損。
シート自体が社外品のカスタムパーツでしたが、純正パーツはなしとの事で、このままの評価とせざるを得ませんでした。

フロント周り・車体上部にはかなりのダメージを負っているニンジャZX-9Rでしたが、幸いにもエンジンへの影響は大きくはないようです。
イグニッションがずっとONになっていたままでしたので、残念ながら始動は確認できませんでしたが、再利用は十分可能と判断させて頂くことに。

スイングアーム・リアサスなどへの影響はなさそうです。
経年によってチェーンカバーの劣化・傷が見て取れましたが、本島様のニンジャZX-9Rは初期のC型であることを考えると、年式相応のコンディションと言えます。
スプロケットには少々錆が浮いていますが、ホイールなどを含め中古パーツとしての再利用は十分可能です。

右からのエンジンはこういう状況です。
クランクケース部に事故による傷が確認でき、一部には擦り傷も見て取れました。
ペンライト等を使用し、フレームの影で分かりにくいマウント部もチェックさせて頂きましたが、そこまで大きなダメージは受けていないようです。

社外品のスリップオンサイレンサーを装着されていたそうですが、残念ながら事故後に引き上げてくるまでの間に、盗難の被害に遭われてしまったようです。
バックステップ部には歪みなどもありませんでしたので、こちらも中古パーツとして再利用可能と判定させて頂きました。

さすがに各部位にダメージを受けている箇所も多く、本島様も処分費用を何とか格安に出来ないか、とのご希望でしたが、最終的には50,000円で買取させて頂くことに決定。
査定ランクは10段階評価の「1」となっておりますが、エンジンの再利用が見込める状態であったことが価格の決め手となりました。
「処分費がかからないなら…」弊社査定ならこの状態でも価格が提示可能です!
オーナーである本島様ご自身、この状態のニンジャZX-9Rに価格が付くことは予想していなかったようで、何とか処分費と相殺できるようであれば…とのご希望でした。
しかし、査定によって再利用できる見込みのある部分が意外に多かったため、「いえいえ、とんでもございません。こちらの価格でいかがでしょうか?」との提示に二つ返事でOKを頂きました。
「まさか処分費なしでお金になるとは思っていませんでした。ぜひお願いします!」とご快諾頂け、弊社スタッフとしても喜ばしい限りでした。
後継モデルであるニンジャ ZX-10Rの方が人気はありますが、「ユメタマ」の愛称を持つZX-9Rはコアな人気があり、スペアパーツのストックを確保しておきたいオーナー様に需要があります。
こうした中古パーツとしての価値を評価できるのが弊社査定の特徴であり、本島様は処分費用の出費を負担することなく、今回の買取金額を頭金にマジェスティを購入したいとの事でした。
さすがに本島様のニンジャZX-9Rは、見た通りの大きなダメージを負った車両で、評価は「1」となりました。
しかし、コアな人気のあるニンジャZX-9Rだけにパーツとしての価値を評価し、買取させて頂くことが出来ました。
ZX-9R(ZX900C型)
ホンダ CBR900RR ファイアーブレードや、ヤマハ YZF-R1などの陰に隠れた形となった第3のZ1・ニンジャ ZX-9R。
ライトツアラー仕様の設計もあり、SSという評価を得られなかったモデルでしたが、愛嬌のある特徴的なカウルデザインは現在でもコアなファンによって愛され続けています。
特に、後年のニンジャ ZX-12Rとスズキ ハヤブサによってスピードリミッターが設けられたSSより、こちらの方が扱いやすいという評価もあります。
2年前から査定依頼が増えており、中古市場でも価格が下がり始めましたが、バリバリの街道レーサー仕様のニンジャ ZX-9Rに754,000円という価格を提示させて頂いたケースもございます。
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 23台
- 平均価格: 195,826円
- 最高価格: 370,000円
- 最低価格: 96,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 2台
- 平均価格: 84,000円
- 最高価格: 87,000円
- 最低価格: 81,000円
昨年以降、ニンジャ ZX-9Rが中古車市場に出回った台数が多くなり、結果としては下落して来ています。
それでもある程度純正パーツの付属した車両であれば、20万円以上の価格も十分に期待が持てます。
特筆点としては部品取り車の欄で、再利用可能なパーツの数・程度によっては20万円台での売却も可能となっています。
最初期モデルは今年で20年以上の経年となり、そろそろ純正パーツのデッドストック化が心配されるようになってきました。
それを危惧したファンが部品取り車を確保する動きもあり、現在乗り換えを検討されているニンジャ ZX-9Rオーナー様にとってはまたとない追い風と言えるでしょう。
後継モデルであるZX-10Rもやや下がりつつありますので、迷っておられるオーナー様は弊社までお気軽にご相談ください!
相場情報:2017年1月時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。