今回ご紹介させて頂く「スズキ TL1000R」は、厚木市にお住まいの浅田様がご所有される1999年式の逆輸入車でした。
昨年のGW連休を利用し、ツーリングに出かけようとした矢先に高速道路にてエンジントラブルを起こし、修理費用と乗り換えを検討した上での処分依頼となりました。
ご友人に頼んで軽トラで自宅まで運搬してもらったものの、イグニッションをONにしっ放しであったためバッテリーの消耗し尽くしており、積み込みの際に不注意でウインカーを破損するなどしている状態を確認。
車体には年式相応のキズ・サビや、カウルの割れなどもありましたが、買い替え資金にご協力させて頂く気持ちを込めて100,000円でのご成約となりました。
以下、今回の「スズキ TL1000R 1999年式」の車両詳細となります。
■査定させていただいた車両の状態
・足回り
1年以上の長期放置により、前後タイヤの空気圧が低下。
タイヤ自体の劣化に加え、フォークオイルの劣化によるダンパー機能の低下や各所のサビを確認。
TL1000Rのリコールに伴い、対策パーツとして装着されたステアリングダンパー装着。
ブレーキディスクに軽度のサビが広範囲に発生。
・外装
車体色が明るいイエローであるため、経年による色褪せはそれほどない状態。
付属のシングルシートカウルが欠品状態となっており、アッパーカウル左側に割れあり。
故障した際の引き上げ時に前方ウインカーが両方とも破損してしまい、要交換判定に。
・エンジン周り
浅田様のTL1000Rは以前に「抱きつき」の症状を起こした経緯ありとのお話と、高速道路で渋滞につかまり立ち往生した際に故障したということで、焼き付きによる故障と判定させて頂きました。
修理見積もりを依頼したバイクショップでは、エンジン一式の交換を勧められたそうで、こうなると高額修理の対象となってしまいます。
さすがに弊社としてもこの対処策はエンジン載せ換えが必要と判断し、エンジンに関しては評価させて頂くことはできませんでした。
・その他
タイヤが前後ともに残り山が少なく、ホイールもサビ・腐食が目立つ状態。
社外品マフラーを装着しており、純正マフラーなしで中古車として購入されたとのことで、欠品扱いとなりました。
エンジン以外は十分再生が可能なレベルであるため、車体自体は年式相応の評価に落ち着きました。
バッテリーの交換も含め、再販売可能な状態にするまでにはそれなりの修理が必要な車両状態ですが、十分商品としての価値はあると判断させて頂き、最終的に端数切り上げで買取金額100,000円でのご成約とさせて頂きました!
■は後の名車・Vストロームの礎となったTL1000R豆知識
スズキ初となるリッタークラスの2気筒エンジンを搭載し、市販車レースの新規格に合わせたホモロゲーションモデルとして1998年に登場したのが、「スズキ TL1000R」です。
前年にデビューしていたハーフカウル仕様の「TL1000S」に対し、こちらはフルカウルを装着したサーキット走行を前提に作られたマシンとなっています。
性能にこだわるスズキらしく、Vツインエンジンながら最高出力135ps(輸出仕様車)ものハイパワーを生み出し、全てにおいてレース志向のモデルと言える一台です。
2003年で販売終了となり、商業的には決して成功したとは言えないモデルですが、そのVツインエンジンは後の「Vストローム1000」らに受け継がれ、多くの名車の礎となっています。