査定させて頂いたのは3世代前の型式AF34のライブディオ(1994~2001年頃)
実働車でも業者間では1万円強で取引されているライブディオ。全損事故車となると、どう頑張ってもお値段の付けようがなく、処分費用を頂戴しての引取りとなりました。
他県で取得した登録書類は紛失していましたが、廃車手続きは引取り業務の一環として無償で代行いたしております。
以下、今回拝見させていただいたホンダ・ライブディオ AF-34型の車両詳細となります。
足回り
事故によってフロント回りの外装が見事に砕け散ってしまった状態。
事故時のショックによってハンドルとトップブリッジから分断されたフロントフォークは後方へ歪曲し、Fホイールも変形しております。
車体後部の損傷はフロントと比べると軽微ですが、経年による劣化が酷く、実働車でも1万円強で仕入れる事ができる車種のということもありパーツ価値を計上できず、引き取り処分車という評価の域は出ませんでした。
外装
事故時の衝撃はかなり凄まじかったようで、ステップボード下のサイドモールまで破損しています。
ハンドルやメーター回りの外装も外れ、生き残った車体後部も大きな割れがあるなど使用感が強く、再利用できそうなパーツはありません。
ライブディオは業者市場を通じて実働車を1万円強で仕入れる事ができる車種です。それゆえパーツ単位ではどの部分を切り出しても残念ながら二束三文にもならないのです。
外装もお値段をつけさせていただくことは難しく、こちらも廃車引き取りの域を出ない評価に。
エンジン周り
放置期間の長さでセル・キックともに始動はできず、不動判定。 キャブ洗浄、タンク内洗浄、プラグ清掃の簡単な修復作業によってキック始動は回復できそうですが、残念ながら実働しても商業的には価値がないためスクラップ不動エンジンの評価に。
エアクリーナー・マフラーは純正パーツのままでしたが、傷み具合がひどくてパーツとしての価値は他の部品同様に計上できず、エンジン回りも処分回収の評価に。
フレーム回り
事故時の衝撃とその後放置されたことによって、車体が大きくゆがんでいるフレームへのダメージは深刻なものがあり、再生は絶望的となっております。
特にステム部の動きは非常にぎこちなく、車両を押すたびに「ギッギッ…」という嫌な軋みと音をさえ立てておりました。
この状態では鉄くずとしての評価しかつけることはできず、その他の査定箇所同様、処分回収の対象に。
電装/保安部品
事故による断線及びバッテリー上がりという2重苦のたウィンカーやヘッドライトは事故の衝撃で壊滅
AF-34型ライブディオの車両価値を考えると、中古パーツとして計上できる部品は皆無。
これではさすがに厳しいものがあり、処分対象の評価に留まります。
その他
車両状態は全く手を入れていないノーマル状態ですが、AF-34型ライブディオは玉数も非常に多くよほどの美品でなければ中古パーツとしての価値を見出すことは難しいのが現状です。
生き残っているように見える外装類も大きな割れや細かいキズ・使用感が強めであり、シートもボロボロとあっては正直申し上げて絶望的でした。
オーナー様も処分費用がかかることを承知でお持ち込みいただいたのですが、残念ながら無料での引取りにはいたりませんでした。
有償での処分回収となったGSF750全損事故車の総合評価
34型の査定チェックポイントですが、一言で申し上げてスクラップ同然の状態であり、更に車種自体の市場価値が低いために、無料での廃車引き取りは難しいという評価となってしまいました。
▼高額な処分回収費用が必要となった理由を上げさせて頂くと
- 車車種の価値が低い:中古車として車両価格が1万円~で売られているライブディオ
- パーツ価値が低い:実働車でも1万円強で仕入れられる車種なのでパーツ単体での価値は殆ど皆無
- 全損事故車:ご覧の通りの事故車で商業的な価値はゼロ。お客様から処分費用を頂戴しないと利益が出せない状態
現在のAF-34型ディオは実動車でも買取が難しいこともあり、この状態では不本意ながら有償での処分となることをご説明させていただくことに。
ハンドルと前輪が分祀している為、押し引きが出来ない状態の車両を回収させて頂き、処分回収費用一式7,560円は業界では破格に安い回収費用と断言できます。
尚、お客様はお引越し前の住所で取得した標識交付証明書は紛失していましたが、当社が登録時のご名義とご住所を頼りに代理人として廃車手続きを完了させて頂き、廃車証明証のコピーをお客様宛にご郵送差し上げております。
お客様のご感想と、台車を噛ましての引取り処分 後記
「なんとか1万円以内で済めば御の字だと思っていたので助かります。」
「山梨県で登録した車両なので、そこまで行ってられないし。郵送や親戚に頼むなど手はあるのでしょうが書類もなくしていて手続が面倒そうですからね。廃車手続きを無料でやってくれるだけでも助かります」
という御快諾をいただけたため、その場で引き取り回収とさせていただくことになりました。
何とか年度中に片を付けて気分よく新年を迎えたいと年末に駆け込みで処分に間に合ったオーナー様。
余談ですが、3月になると乗らなくなったオートバイに翌年度分の税金を発生させたくない理由から、廃車手続きを3月中に終えたいお客様からの買取(処分や引取りも)のご依頼が急増します。
実はバイクの買取はクーリングオフ対象サービスの為、買取(引取り)後、2週間は廃車手続きが行えません。
3月の駆け込みでお急ぎのお客様はその旨ご納得頂ければ、2018年は3月30日が金曜日で最終の役所営業日となりますので、逆算して3月28日頃までが地域によってぎりぎり3月中の廃車手続き完了の期限となります。
GSF750 査定相場
AF34型のライブディオは残念ながら車種自体の流通価値が低いと再三申し上げていましたが、最新モデルであれば価値は高いのか? 1988年に発売されてから現行モデルまで発売されているロングセラーのDIO。年式モデル別の買取相場を業者市場での取引価格を基にご案内差し上げます。<
- ▼DIOの年式モデル
- 1代目 1988年~ AF18 DIO
- 2代目 1990年~ AF27/28 スーパーDIO
- 3代目 1994年~ AF34/35 ライブDIO
- 4代目 2001年~ AF56/57/63 スマートDIO
- 5代目 2003年~ AF62 DIO
- 6代目 2007年~ AF68 DIO
実働車DIO|年式モデル別の査定相場比較 |
相場情報/ 年式モデル |
平均落札額 (最高落札額) |
取引台数 |
AF18 1988年~ |
11,000円 (14,000円) |
4台 |
AF27 1990年~ |
12,489円 (76,000円) |
45台 |
AF34/35 1994年~ |
13,533円 (28,000円) |
90台 |
AF56/57/63 2001年~ |
14,122円 (58,000円) |
51台 |
AF62 2003年~ |
17,896円 (36,000円) |
78台 |
AF68 2007年~ |
28,198円 (78,000円) |
137台 |
(2017年12月時点で、業者間市場の落札データを過去3か月間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
上から年式の古い順に、過去3か月間の平均取引額と落札台数を列記していますが、AF18に至っては実働車がほぼなく、2003年以前のDIOについては平均で1万数千円の価格で取引されていることが分かります。
1万数千円の落札額を買取業者の視点で考えると、5,000円で買取すると利益を出すのが難しい金額です。その理由は出品手数料や運送にかかる経費を差引く必要があるためです。
仮に無料で引き上げても数千円の利益しか確保できないのが、1万数千円という取引額です。大きな広告宣伝費を掛けていたり、費用管理が緩い会社では無料引取りでも利益を出すのは難しいかもしれません。
実働車で状態が良ければ、業者のコスト構造にもよりますが確実に買取が出来るのは2003年以降のDIOと言えるでしょう。
DIOオーナー様にとってはあまり楽しくない話が続いてしまったのですが、AF68でもより高年式のモデルであればもちろん高価格で買取が出来ます。
弊社のような買取販売店であれば、業者間市場の取引額に依存せずに、 直営販売店での仕入れコスト(業者間市場の落札額+8%消費税+落札手数料)で買取が出来ますので、実働車で状態がよければAF27から買取対象として査定が出来ます。
以上、実働車の買取相場を見てきましたが、次に、事故車と不動車のみに特化して相場情報を見てまいりましょう
事故車・不動車DIO|年式モデル別の査定相場比較 |
相場情報/ 年式モデル |
評価点 4 |
評価点 3 |
AF18 1988年~ |
7,400円 |
20台 |
AF27 1990年~ |
6,935円 |
139台 |
AF34/35 1994年~ |
8,098円 |
256台 |
AF56/57/63 2001年~ |
6,450円 |
100台 |
AF62 2003年~ |
11,869円 |
140台 |
AF68 2007年~ |
14,525円 |
130台 |
(2017年12月時点で、業者間市場の落札データを過去3か月間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
実働車と同様に年式の古い順に、過去3か月間の平均取引額と落札台数を列記しています。
2001年までの型式のDIOは平均でも7,000円程度の取引額なので、買取業者の提示額として無料で引取り回収出来れば良心的な査定価格と言えるでしょう。
事故車や不動車で一括りにしていますが、放置していた間にエンジンが始動しなくなった修復難易度の低い不動車が落札台数に占める割合が高い点はお伝えしなければなりません。
事故車や不動車でも、その流通価値が高いのは、簡易な修復で実働車となるポテンシャルの高い車両で、レストアベースではなく部品取りの車種となると価値は見込めません。
したがって損傷の目立つ車両や全損事故車となると確実に処分費用が発生する相場環境であることが読み取れます。
実働車同様に暗い展開となってしまいましたので、明るい方に目を向けて
AF68の型式であれば、簡易な修復で実働車となる不動車であれば買取対象となることも充分に考えられます。同様にAF62でも割合は低くなりますが可能性はあります。
低年式のDIOについて。不動車は無料引取りであれば御の字。高年式の不動車であれば買取交渉も視野に。低年式の事故車やスクラップ車は処分費用やむなし、高年式の事故車は損傷度合いに応じて無料引取りの可能性もあり。
お見積りは無料!まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。
最後に今回引取り回収させて頂いたライブDIOの相場情報の詳細をご案内いたします。
- ▼状態を表す評価点の目安|ライブDIO
- 評価点4 状態が良く綺麗
- 評価点3 年式並み
- 評価点2 実働車だが劣悪
- 評価点1 事故車や不動車
AF34ライブディオ|評価点別の査定相場比較 |
状態/ 落札価格帯 |
評価点 4 |
評価点 3 |
評価点 2 |
評価点 1 |
2万円台 |
9台 |
2台 |
0台 |
3台 |
1万円台 |
39台 |
25台 |
1台 |
112台 |
千円台 |
0台 |
13台 |
1台 |
141台 |
総落札台数 |
48台 |
40台 |
2台 |
256台 |
(2017年12月時点で、業者間市場の落札データを過去3か月間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
最高落札価格となったのは、エンジン・外装・前後足回りなど全てで評価4をつけた程度のよい車両でしたが、それでも2.8万円に留まっており現在の相場の低さを物語っております。
実働車であっても最低落札価格は経年相応の車両で0.2万円と厳しく、よほどの美車でない限りは買取での対応は難しいのが正直なところです。
ただし評価点で4点が点けば最低でも1万円以上の取引額は想定できますので、状態が良く評価点で4点が付く車両であれば充分に買取対象となりそうなことが分かります。
続けて不動車・事故車を意味する評価点1の車両の取引を見て参りましょう。
こちらの最高取引価格は2.1万円と、実動車両とそれほどの差はないかのように見えますが、プラグ清掃やバッテリー充電程度で実働車に回復が見込める実態は評価点4の車両です。
対して、最低落札価格0.1万円の車両が12台もあり、こちらは修理して実働車にする用途ではなく全て部品取り車となっていますが、今回引取りした車両程酷い車両はありませんでした。
現在AF-34型ディオをご所有のオーナー様で買替などの予定がある場合は、故障や経年劣化によって査定評価が下がってしまう前に、 少しでも程度のよい状態で買取査定を受けられることが処分費用を抑え買取の可能性を高める秘訣だと言えるでしょう。
ライブDIO(フレーム型式AF34/AF35)
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近3ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 91台
- 平均価格: 13,533円
- 最高価格: 28,000円
- 最低価格: 2,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近3ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 21台
- 平均価格: 8,098円
- 最高価格: 22,000円
- 最低価格: 1,000円
相場情報:2017年12月30日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。