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データ最終更新:2024年04月19日

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欧州で高い人気を誇るVツインミドルスポーツ SV650ABS

SV650

1999年に誕生し、欧州ではミドルクラスVツインスポーツとして確固たる地位を築き上げている人気車種が「スズキ SV650」です。

グラディウスの先代に当たるモデルで、残念ながら日本では人気が芳しくはありませんでしたが、欧州では優れたスポーツ性とバイクとしての基本性能の高さが評価され、現在でも支持率の高いマシンとして好調なセールスを記録しています。

そのSV650が、ABS仕様車として再び日本へ舞い戻ることが公表され、先日の「大阪モーターサイクルショー」を皮切りに扱いやすいミドルクラスの雄として再注目を集めています。

今回は3月18日に開催された「大阪モーターサイクルショー」でリニューアル後初披露となった「スズキ SV650ABS」2017年式のインプレをお届けさせて頂きます。

(乗車モデル 2017年式)

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1 足つき・跨った時の乗り心地は?

785mmと日本人にとってちょうど良いシート高のSV650ABSは、サイドカバーの形状調整によって足つき性は非常に良好。
これは体格の良い欧州人向けの車両としては特筆もので、日本人である私たちには非常に嬉しいポイントのひとつと言えます。

シンプレに作られたシートは意外な重厚感があり、座ってみると柔らかさと収まりのよさで乗り手の疲労度を軽減する見事な作りとなっていました。
良い意味でケレン味がなく、スタンダードな扱いやすさ・乗り心地のよさがSV650ABSの特徴と言えるでしょう。

2 押し引き感覚や出し入れ・取り回しは?

Vツインのミドルスポーツという事もあり、ハンドリングはさぞ軽いだろう…と思いきや、手応え・重さともに750ccクラス以上のものが感じられました。

これは意図的にハンドリングを重くしている様子で、押し引き・取り回し時にはこの重さが大きな意味合いを持ち、乗り手が思う力加減でちょうど扱えるという飾らなさが印象的。

これはSV650ABSというバイクが扱いにくい、ということではなく、クラスに見合った重厚感を求めた結果と言えます。
2016年モデルから採用された「ローRPMアシストシステム」により、低回転時の取り回しが強化されているのは好材料で、極低速時の取り回しやすさはミドルクラスの中では上位に位置するものと言えます。

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3 加速力・トルク感は?

グラディウス650よりも4psの強化となったエンジンは、Vツインらしいトルクフルな出力設定となっており、低中速域で力強い伸びを発揮してくれるものでした。

適度にゴツゴツとした鼓動感が感じられるのも面白みがあり、加速力に関しては水準以上のものと言えます。
ミドルクラスネイキッドとしては「GSX-S750」の存在があるため、最高速度を求めるマシンではありませんが、それでも160km/h前後での長時間走行に耐えられるだけの安定した加速力があり、国内では必要十分な性能と言えます。

「ローRPMアシストシステム」による低速トルクの頼もしさも重要ポイントのひとつで、初心者でもドンつき・エンストといった不安なく乗れるのは大いに評価できるポイントと言えます。

4 操縦性・コーナリングは?

アップライトな位置にマウントされたハンドルといい、スタンダードな作りとなっているためか、SV650ABSは見た目以上の操縦性とまではいきませんでした。

しかし、それがミドルクラスネイキッドとして劣っているかと言えばそうではなく、乗り手の想像を超えない範囲で上手にまとめたマシンという表現が一番ぴったりきます。

GSX-Rのようなキレのよいコーナリングとまではいきませんが、乗り手の力量に合わせた素直さでコーナリングに臨むといった感覚で、ベテランライダーにとっては懐古的な面白さがある点が特徴です。

キビキビとした操縦性ではありませんが、大型カテゴリに相応しい乗り味であることは確かで、初心者からベテランまでとっつきやすい難易度のマシンと言えそうです。

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5 ブレーキング制動力は?

トキコ製の片押し2ポットキャリパー&290mm径ダブルディスクのABSシステムは、スーパースポーツよりは劣るものの、それなりに安定した制動性能で不安なく乗ることが出来ます。

ブレーキングは程よいタッチ感と効き具合であり、この点は乗り手によって多少好みが分かれてしまいそうですが、スポーツ志向ライダーの多い欧州で鍛えられただけのことはあり、十分な制動性能があることは間違いありません。

先代モデルよりも9kgの軽量化を実現しているため、急ブレーキ時のガッとした衝動は控えめとなっており、ナチュラルなブレーキングがSV650ABSの持ち味と言えます。

6 利便性・運動性能は?

650ccという排気量であり、絶対的なスペックではありませんが、良くも悪くもスタンダードな作りとなっているためか、街乗りからワインディングまでジャストサイズの取り回しのよさがSV650ABSの魅力と言えます。

そうしたキャラクターの設定上、街乗り時は適度なサイズ感で扱いやすく、チョイ乗りなどの気楽な足としても優秀で、大型バイクとしての利便性は十分高いと言えます。

その反面、極端に細かいアクションはやや苦手といった印象があり、ある程度カスタマイズして乗るといった割り切り感が必要と言えます。
リアサスペンションはリンク式でプリロード調節が可能なタイプが採用されていますが、その幅はさほど大きなものではないため、試乗した上でのフィーリング確認は必須事項と言えます。

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7 カスタムパーツ・純正パーツの流通状況は?

日本では昨年2016年に販売が再開され、現時点ではそこまで多くはないものの、一定以上のカスタムパーツが流通し始めています。

イタリア・フランスといった欧州諸国や、中国などではこのSV650をベースとした派生モデルが多数存在しているため、カスタム時はそうした諸外国製パーツの流用がメインとなりそうです。

純正パーツの流通に関しては不安はありませんが、1999年に発売されていた旧国内モデルとの混同も有り得るため、中古パーツとして購入する際は入念な確認が必要です。

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SV650インプレ総評

1999年の旧モデルでは芳しい結果を残せなかったSV650でしたが、欧州での支持が高かったことで脈々と熟成を続け、現代的なネイキッドとして過不足のない仕様となっています。

現在はミドルクラスでもハイテク装備で簡単に高次元のスポーツライディングが可能なモデルが多数ありますが、このSV650ABSはそうしたマシンとは異なり、ある程度乗り手の技量を要求する骨太さもあります。

この点は乗り手によって評価が分かれそうなところですが、決してバイクとしての完成度が低いということはなく、自分の実力をダイレクトに反映する「鏡」のようなマシンと言えます。

現行ネイキッドにはなかった男らしいバイクが欲しいという方に向いた適度なマニュアル感がありますので、腕自慢のベテランライダーから腕を磨きたい初心者まで、バイクを走らせる楽しさを重視したい方向けの一台と言えそうです。

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