【バイクの熱対策】熱ダレやエンストの対処修理方法

熱害の一つにパーコレーションと呼ばれる現象があります。
パーコレーションとはエンジン熱によりヒューエルホースやキャブレター内のガソリンが沸騰してしまう現象の事を言います。
ガソリンが沸騰してしまうとガソリン内に気泡が発生しエンジンへガソリンを十分に送り込む事が出来なくなりエンストしてしまいます。
ガス欠のようにエンジンが停止していしまい暫くエンジンが掛かりづらくなったり、ボコボコと回転数が上がらなくなってしまいますが、エンジンが冷えてくると始動、走行可能になります。
しかし、基本的に原因を解決をしない限り、また同じ症状が出てしまいます。
この現象はインジェクション車よりも燃圧（ガソリンを送り込む力）が弱いキャブ車に起こりやすくキャブレター車や古いバイクに多くみられます。
また、フューエルホースや燃料フィルターがエンジンのヘッド部分等に触れてしまっていると熱が伝わりやすくパーコレーションを起こしやすくなってしまいます。

【解決方法】
エンジンとキャブレターの間に遮熱板を設けたり、フューエルホースの取り回しを変更したり、断熱ホース等で覆う等、熱の伝達を軽減する対策をします。
修理済車やカスタム車両等で遮熱マットの取り付けがされていない車両を稀にみますが、トラブルの元となりますので取り付ける様にしましょう。 遮熱板や断熱ホース自体は1,000～3,000円で購入が可能です。

電装部品は熱に弱いと言われていますが点火コイルもその一つです。
点火コイルは１２Vの電圧から数万ボルトという高圧電流を作り出し、プラグコードを通してプラグへ電流を送る役割をしています。
エンジン熱により過度な高温になると、失火が頻発しアイドリング不安定やエンジン停止という症状が現れます。この現象は「熱パンク」や「熱ボケ」とも呼ばれています。
しばらくし温度がさがると再始動し走行可能になりますが、熱による劣化が進み故障してしまうと全く火花が飛ばなくなってしまいます。

【解決方法】
点火コイル（イグニションコイル）の設置場所の移動、遮熱板や遮熱テープによる遮熱により改善が出来ます。
故障し完全に火花が飛ばなくなってしまったコイルだけでなく、一度トラブルが起きたコイルは内部へのダメージが少なからず発生している為、対策時にはなるべく新品へ交換する事をお勧めします。
点火コイルの交換費用は部品代が一個5,000円～9,000円前後、交換費用は一個3,000円～6,000円前後になります。
１気筒と４気筒では個数が変わり、ネイキッドやフルカウル、ビッグスクーターでも外装の脱着の有無などによって工賃の価格が変わってきますのでまずは専門店に問い合わせてみると良いでしょう。

点火コイル同様、レギュレーターも熱に弱い部品の一つで、対策品が販売されていたり、同一車種でも年式によっては対策されたレギュレーターに変わっている事があります。
同一車種ながら年式によって部品番号が変わっている場合、部品の仕様変更と連動していることが往々にしてあります。
レギュレーター自体も発熱し高温になるのですが、更にエンジン熱等が加わると熱による劣化の進行が早まったり故障の原因になります。
現行モデルの場合、メーカーによる対策や技術の進化によって壊れることは少なくなっていますが、古いバイクの場合には元々熱に対する対策が少ない上に対策品などが販売されていない車種が多くあり熱外によって故障しやすいと言えます。
レギュレターが故障すると、電圧不足や過充電といった症状が現れ灯火類に異常（ヒューズ切れ、や点灯しない等）が発生したりバッテリーが熱を持ち膨れ上がったりといった症状が出ます。
完全に故障した場合には常に症状が出ますがレギュレーター自体が熱を持った時のみに症状が発生する場合もあります。

【解決方法】
レギュレーターの交換により解決出来ますが熱が原因による場合は移設やヒートシンク、電動ファンを取り付けて対応すると良いでしょう。
レギュレーターの故障や診断方法、交換費用は「レギュレーターの故障！その症状と診断方法・修理費用」を参考にしてみてください。

水冷エンジンの場合、走行風に加え一定以上に水温が上がると電動ファンが作動しクーラントが冷やされます。
冷やされたクーラント（冷却水）がエンジン内部を通る事によりエンジン自体の温度が上がり過ぎてしまう事を防いでいます。
しかし、電動ファンやラジエター、サーモスタッド等、バイクの水流周りに不具合が生じそのまま走行を続けるとオーバーヒートになる場合があります。
水温が異常に上昇した際は水温警告灯が点灯するので、点灯した際はバイクを安全な場所に停車しエンジンの熱を冷やしてあげると良いでしょう。

【解決方法】
基本的にはトラブル箇所の改善をしない限りはまた走行を続けるとオーバーヒートになってしまう可能性があるため一度水温警告灯が点灯した場合は点検修理を行う事をお勧めします。
「水温警告灯点灯の意味と対処法」にて詳しく説明していますのでそちらを参考にしてみて下さい。