バンディット250VZ買取査定|劣化極め腐りかけていた不動車
「苔で覆われて腐りかけているバイクだけど、もし売れるなら売りりたい」というお電話を受け、出張査定で拝見させて頂いたのがこちらのバンディット250VZとなります。
ご自宅へお伺いさせて頂いたところ、高温多湿になりやすい室外機のそばであったことに加え、パリパリに乾いたレインウェアの下で青カビが大量発生。
カビと腐食に覆われて素手で触ることが躊躇われるほどの姿となっておりました。
すでに不動状態となって久しく、駆動部の劣化で押し引きも困難な状態で完成車としての価値は喪失していましたが、細かいパーツ価値を積み上げて査定金額25,000円にて買取させて頂いた事例です。 以下、BANDIT250シリーズの査定相場と合わせて買取事例の詳細をご案内させて頂きます。
バンディット250VZ (BANDIT250VZ)買取価格実例
事故不動
新車
総合評点:1点
エンジン0 車体フレーム0 外装0 電気保安0 フロント0 リア0
【評価点の目安】
8点以上:新車 7点:超極上車 6点:極上車
5点:良好車 4点:多少の使用感 3点:難有 2点:劣悪
1点:事故不動
- バイク名
- バンディット250VZ (BANDIT250VZ)
- 買取価格
- 25,000円
- 年式
- 1998年式
- 走行距離
- 9,302km
- 車台番号
- フレーム番号GJ77A-111
エンジン番号J708-111
- カラー
- パールノベルティブラック
- エンジンの状態
- バッテリー上がりとガソリン腐りで始動不可。外側はサビとカビで覆われている
- 外観の状態
- ビキニカウルからフレーム・エンジン・テール・サイレンサーにまでサビと腐食目立つ
- 損傷や事故転倒歴
- エンジン右下部に小さなガリ傷・立ちゴケによるものと思われるタンク小凹みあり
- カスタムや改造
- ライトカスタム。SP忠男製マフラー・ブレーキ&クラッチレバー・アクセルグリップ社外品、バーエンド装着
- 買取年月
- 2018年1月
- 買取エリア
-
姫路市広畑区富士町の買取事例
- ジャンル
-
ビキニカウル標準
|
250cc 4気筒
バンディット250VZ 買取査定のポイントや詳細
かれこれ6年ほど前に県外の自動車メーカー工場への就職が決まって以来、めっきりと乗らなくなってしまったとオーナー様が語られたスズキ・バンディット250VZ。
この年末に退職して帰ってきたところ、高温多湿でカビ?それとも苔?で覆われている愛車を見て処分することに決めたそうです。
SP忠男製マフラー・社外レバー・アクセルグリップ・バーエンド装着などご自身で手を入れられたライトカスタム車でしたが、あまりにもひどい状態に100年の恋も冷めてしまったという感じでした。
保管状況が悪かったことによってサビ・腐食も進行しており、実動状態でなかったことが惜しまれる1台です。
以下、買取査定させていただいた不動車のバンディット250VZの車両詳細となります。
足回り
フロントフォークには点サビと腐食が目立ち、本来の減衰圧は長らく放置されていた事で大きく損なわれておりました。
それ以上に、オーナー様が苔と思われていた物体の正体である青カビによる汚れは酷く、フォーク下部のサビによる腐食の上からも発生しており、ネジ山などの細部にまで入り込んでしまっております。
前後ホイール・ブレーキ周りも同様の状態であり、経年劣化によるタイヤ割れ、ハンドル回りの錆びや風化など、足回り全体の査定評価はかなり手厳しい内容となってしまいました。
外装
先ずはバンディット250VZの独自仕様であるビキニカウルから拝見していくと、目につく箇所はまさにカビ・カビ・カビ…。
このままでは正確な査定ができないため、落とせる範囲で落としつつ査定させて頂きましたが、同様に黴で覆われたタンク左部には立ちゴケによるものと思われる小さな凹みあり。 内部のガソリンは腐り、キャブを詰まらせエンストの誘因となる内面の錆びも目立ちました。
各種リムやタンクとシートの接合部などにもサビ・カビが目立ち、再商品化には大掛かりなメンテが必要な状態だと言えます。
特にレインウェアをかけて放置していたビキニカウル周りのサビは酷く、メーターやカウルステーにも影響が出ておりました。
シートカウルには目立つ広範囲の転倒傷が刻まれ、シートは劣化でヘタリ、外装全体は色褪せています。
外装に関しては錆びや腐食の劣化・色褪せ退色・外傷等によって本来の買取価値を大きく損なっていました。
エンジン周り
VCエンジンを搭載したバンディットVZ/V 最大の特徴である赤いエンジンヘッドから下は、細部に至るまで青カビと腐食に侵されておりました。
長期放置ですでにセルも回らず、タンク内に残ったガソリンも強烈に腐っていることもあり、念のためブースターを繋で始動を試みましたが査定現場でで始動とエンジン性能を確認すること出来ませんでした。
クランクケースのボルトは錆びで脆くなり固着しています。ボルトを取り外す作業さえも非常に困難な状態。
エンジンの外観やタンク内の状態から再生化への労力コストと再生化後の価値を天秤にかけてみた結果、商業的な再生価値は低いのエンジンとの評価に。
フレーム回り
事故によるものと思われる深刻なダメージこそありませんが、各所で取ろう剥がれが目立つほか、実動時から発生していたサビの上から青カビが発生し、フレーム全体をまだら模様に変えておりました。
特にエンジン周りの腐食具合は顕著で、大掛かりな分解に加えオールペンなどのメンテナンスが必要です。
入念にケアするにはエンジンを下ろしての作業が必須となるため、リカバーが難しい見た目の劣化が大きいフレームとの査定評価に留まりました。
電装/保安部品
バッテリー上がりで保安部品の動作を確認できなかったことはもとより、カプラー部には非常に進行した腐食あり。
状態的には全交換が妥当という結論に至りました。
ここまでサビ・腐食が進むと電装系の再利用は難しく、電装系の買取価値をほぼ無にしていました。
保安部品は後述する社外マフラーの他、メーターやライト・ウィンカーレンズなども外装やエンジンと同様に青かびに覆われ、評価を下げる要因となっていました。
その他
その他、純正マフラー欠品ながらも、SP忠男製のスーパーコンバットマフラーが装着されておりましたが、業者間では良品が1万円程度で取引されている品番ですので、 黴で覆われ細かい傷が多く、排気口に大量の煤が付着している難あり品となるとその買取価値も知れた金額となります。
それでもエンジンを含めた完成車としての評価が厳しいバンディット250VZにあって、パーツ価値を積み上げるピースの1つとなりました。
不動車としての総合評価と買取価格
以上が今回のスズキ・バンディット250VZの査定チェックポイントですが、車体を覆い尽くす黴はあらゆるパーツに及び、まるで車体全体が苔で覆われているかのような姿となっていました。
長期放置によるサビ・腐食も目立ち、外装は色褪せ、エンジンは商業的には修理する価値が見込めず、完成車としての評価は出来ませんでした。
そのため塗装剥げや錆びの目立つフレームを基礎としたレストアベース車として、社外マフラーなど再利用できるパーツ価値を積み上げていく査定となりました。
も比較的痛みが少なかった前後ホイール、ケアが必要であるが修繕後に価値の見込めるカウル類等、細かい金額を積み上げて、25,000円という買取金額を提示させて頂くことができました。
お客様のご感想と買取後記
「売れるなら売りたいとは言いましたが、元々売れるとは思っていなかったので、値段をつけてもらっただけで満足です」というお返事を頂き、ご成約となったバンディット250VZ。
オーナー様はバッテリー交換ぐらいで乗れるかな?と考えて帰郷されたそうですが、多湿環境による劣化は激しく、見た瞬間に「これはあかん!お手上げや」と処分を決意したとのことです。
黴についてオーナー様とお話させて頂いたところ、赴任地へ向かわれる前日、走らせていた途中で雨に見舞われてしまったそうで、 慌てて着込んだレインウェアをかけっぱなしにしていたことが、どうやらカビの進行を助けてしまった理由と思われます。
成約後は弊社工場でパーツ単位で入念なケアとメンテナンスを行う予定でしたが、帰社時に常連のお客様から部品取り車として欲しいとお声がかかり、非常に早い段階で次の新オーナー様の手に渡すことができ、 すぐに次の嫁ぎ先が決まったことを御報告させて頂きます。
部品取りとなるようなスクラップ車両の買取お任せ下さい!
自社販売店でのストックパーツ、業者間市場への転売、貿易業者への転売、部品取り業者への販売など多岐に渡る販路の中から、車種と状態によって最適な販路を探し、 パーツに1つ1つまで精査して査定価格に反映いたしております。どんな状態でも先ずはお気軽にご相談くださいませ。
買取相場の詳細
状態別の買取相場
- ▼状態を表す評価点の目安|バンディット250VZ
- 評価点4 年式並以上に状態が良く綺麗
- 評価点3 年式並み・やや難有り
- 評価点2 実働車だが劣悪
- 評価点1 事故車や不動車
バンディット250VZ|評価点別の査定相場比較 |
状態/ 落札価格帯 |
評価点 4 |
評価点 3 |
評価点 1 |
10万円以上 |
1台 |
0台 |
0台 |
9万円台 |
1台 |
0台 |
0台 |
8万円台 |
0台 |
1台 |
0台 |
7万円台 |
0台 |
1台 |
3台 |
6万円台 |
0台 |
1台 |
0台 |
5万円台 |
0台 |
0台 |
1台 |
4万円台 |
0台 |
0台 |
1台 |
総落札台数 |
3台 |
3台 |
5台 |
(2018年1月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
買取業者の査定価格の指標となっている業者間市場の取引データを見ると、過去1年間で5台のBANDIT250VZの実働車が取引されています。
取引台数が少ないため傾向値としては弱いです。そこで母数を増やして傾向を把握できるように、同じ型式でより流通数の多いVJ77型のBANDIT250とBANDIT250Vとあわせて相場を比較した表が下記になります。
年式モデル別の買取相場
- ▼各モデルの発売年
- 1989年 バンディット250 フレーム番号GJ74A
- 1995年 バンディット250 フレーム番号GJ77A
- 1995年 バンディット250V フレーム番号GJ77A
- 1997年 バンディット250VZ フレーム番号GJ77A
実働車|モデル別の査定相場 |
相場/ モデル |
平均落札額 |
最高額 |
取引台数 |
GJ74A BANDIT |
7.7万円 |
17.2万円 |
38台 |
GJ77A BANDIT |
11.4万円 |
19.4万円 |
57台 |
GJ77A V |
10.9万円 |
19.6万円 |
48台 |
GJ77A VZ |
8.8万円 |
12.0万円 |
5台 |
GJ77型 実働車の査定平均額は8.5万円程度
GJ77型は1995年のフルモデルチェンジ以降の型式。VCエンジンを搭載しているBANDIT250V、VCエンジンでビキニカウルを装着したBANDIT250VZは同じ規格で共通仕様の多い派生モデル。 250VZの取引数が少ないため、傾向値が弱かったのは確かで、過去1年間で合わせて105台が取引されたBANDIT250と250Vを加えると傾向がハッキリします。 GJ77型 全110台の平均取引価格は11.1万円。業者間市場の取引額から、買取業者の査定価格を逆算するには、出品手数料や運送費などの経費と業者の儲けを差引く必要があります。
250ccとして平均的な金額として2.5万円を差引くと、業者が提示する平均査定額は8~9万円であることが読み取れる相場となっています。
8~9万円を基点として、状態が良ければ10万円台後半まで伸びしろがあり、逆に状態に難があれば数万円まで下がる可能性がある買取相場となっています。
1995年以前のGJ74型については、過去1年間に38台の取引があり、平均取引額は7.7万円となっています。
GJ77型と同様に査定現場での買取額を逆算すると、5~6万円が平均買取額で、状態が良い車両は10万円不台半ばまで伸びしろがあり、難あり車両は1万円程度まで下がる可能性のある相場となっています。
4~5万円台9台10台5台2台
事故車・不動車|モデル別の査定相場 |
モデル/ 落札価格帯 |
GJ74A BANDIT |
GJ77A BANDIT |
GJ77A V |
GJ77A VZ |
10万円以上 |
0台 |
1台 |
1台 |
1台 |
8~9万円台 |
3台 |
12台 |
8台 |
0台 |
6~7万円台 |
16台 |
22台 |
11台 |
2台 |
2~3万円台 |
6台 |
4台 |
2台 |
0台 |
0~1万円台 |
5台 |
0台 |
0台 |
0台 |
総落札台数 |
39台 |
49台 |
27台 |
5台 |
GJ77型 事故車・不動車の査定平均額は4万円プラス程度
GJ77型の事故車と不動車は、過去1年間で81台が取引されていて、その平均取引額は6.8万円となっています。
買取業者の儲けと経費を差引いて、業者間市場の取引額から買取業者の査定額を逆算すると、平均査定額は4万円程度の相場となっています。
更に詳しく取引されている車両を個別に見ていくと、フロントフォークが歪むような前面損傷の事故車が2~5万円台で取引されています。
このことから半損に近い状態の事故車になると、査定現場での買取額は数千円~3万円程度となります。
フレーム損傷を伴うような全損事故車になると、お値段はお付けできず無料での引取りとなりそう。再利用できるパーツも無い場合には有償での処分回収となることが想定されます。
5万円以上で取引されている車両は故障や放置による不動車が中心で、価格は実働化に向けたコストと、実働化に見込める車両価値のポテンシャルによって金額が異なっています。
例えば、キャブ洗浄程度で実働化できる見込みが高く、車両も綺麗なGJ77A型のバンディット250であれば、10万円台の査定価格が付いていることもあります。
同じ不動車でもエンジン焼き付きで劣化による傷みが激しい車両は2万円程度で取引されるケースも見受けられます。
GJ74A型はGJ77A型に比べて1段相場が低く、平均買取額は2~3万円程度となり、そこから状態に応じて上値は7~8万円程度まで、下値は再利用可能な部品が無ければ有償での処分回収となる相場となっています。
バンディット250VZの買取相場
BANDIT 250VZ
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 5台
- 平均価格: 87,600円
- 最高価格: 120,000円
- 最低価格: 68,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 5台
- 平均価格: 63,800円
- 最高価格: 79,000円
- 最低価格: 40,000円
相場情報:2018年1月15日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。
BANDIT250 豆知識
のちに国産400ccネイキッドブームを巻き起こしたカワサキ・ゼファー400と同時期にデビューし、攻められるネイキッドを求めていたユーザーを中心に高く評価されたスズキ・バンディットシリーズ。
1980年代当時としては珍しく、ユーザーの好みでセパハン・バーハンを選ぶことができ、運動性能の高さもあってライトユーザー層を中心に支持されました。
95年のモデルチェンジ以降は、可変バルブタイミング機構を採用した「VCエンジン」搭載モデルの「バンディット-V」がラインナップに追加。
97年にはビキニカウルを装着したバンディット-VZがフェイスイン。
高回転域での力強さが増し、2000年の生産終了まで多くのファンに親しまれました。
バンディット250VZは売ろうと考え時が一番高く売れます