東京都文京区にお住いの花川様(仮名)より、「Dトラッカーの125ccをなるべく早く売りたい」と買取査定のご依頼を受けました。花川様はとても優しい感じの女性です。このほど結婚されることになり、
遠方へ引っ越されるため、泣く泣く処分されるそうです。走行距離は1,139kmと短いながらも、初めて買った思い出のバイクとのこと、査定にも気合が入ります。
まずは全体を見渡します。室内でカバーもかけていたというだけあり、とてもキレイに保たれています。オフロードタイプでありながら、コンパクトな車体のおかげでシート高は805mm。
足つきの良さと取り回しの良さを重視して色々迷った末に選ばれたそうです。
「何度か立ちゴケしそうになりましたが、このサイズのおかげで踏ん張ることができ、倒さずに済みました」といいます。それでは細かくチェックしていきましょう。
まずはエンジンをかけてみます。セルを押すと一発でエンジンがかかりました。インジェクションが採用され、アイドリングも安定していて異音もなくマフラーから白煙を吹くこともありません。
アクセルを徐々に開けていくともたつくことなく滑らかにエンジンの回転数も上がっていきます。
ところで、兄弟車のDトラッカー/DトラッカーX(250cc)は水冷エンジンを搭載していますが、Dトラッカー125は空冷エンジンを搭載しています。エンジンの銀色の塗装もキレイに保たれ、汚れやすいフィンに汚れもありません。
「エンジンは目立つ部分なので、乗った後は必ず磨いていました。特に今日は査定なので念入りに磨きました」とのこと。その言葉通り裏側までピカピカでした。
4年前に購入したとは思えない程綺麗な状態を維持されています。エンジンの評価点は6点が付きました。良い買取額が期待できそうです。
つぎに、バイクにまたがって状態を確認します。前後に移動してブレーキをテストしましたが、ブレーキの効きも良くしっかり止まってくれました。
走行距離が短いのでパットの残量も心配ありません。クラッチレバーとシフトもスムーズに作動します。足回りもスポークからホイール、タイヤ、ブレーキまで目立つ劣化はなく綺麗な状態。
今度は上下に揺らしてサスペションの作動を確認します。倒立フロントフォーク、スイングアームともにショックを吸収して問題ありません。
足回りは前後でそれぞれ5点と6点の査定評価点となりました。
最後に電気保安部品の点検でフォーン、ウィンカー、ヘッドライト、テールランプの作動を確認します。どれも正常に作動しました。
唯一マイナス査定として目立った劣化が
Dトラッカー125でなぜか錆びが出やすいエキパイの変色と点錆び。それと手の入りにくいクランクケース上部と前部の腐食。
その他細かくマイナスとなったのは、外装の磨き傷やウィンカーレンズの擦りキズ程度。
逆に言えばマイナスとなった項目がそれだけ少なかったとも言えます。
殆どの人が見ることもきにすることもない車体の底面も比較的綺麗な状態です。
時々高圧洗浄ホースで洗ってから拭き取っていた事。ダート走行や雨天走行がなく保管状態も良かったこと。が4年前の車両とは思えない状態を維持していた秘訣と理解しました。
エキパイやクランクケースにサビがあるものの、全体的にキレイで、エンジンや各パーツに異常が見られないことが確認できました。「とても状態の良いバイクですね」というと、
花川様の表情が和らいでいくのが分かりました。
査定を終了して、花川様に21万円の買取価格を提示させていただくと、「ヤッター」と笑みを浮かべられました。走行距離の短さと程度の良さが高額査定のポイントです。
バイクをお買いになるお客様が一番気にされるのが外観です。いくらエンジンの調子がよくても、見た目が悪くては気に入っていただけません。
また外観が美しく保たれているバイクは、オーナーさんが大切にしていた証でもあります。そうした点を高く評価させていただきました。
エキパイについても完全なリカバーは難しいですが自社工房で磨いていくことでかなりの状態までリカバーできます。
Dトラッカー125は街乗りとして扱いやすく価格も手ごろなため、人気があるバイクです。中古バイクを業者間で売買する業者間オークション市場では、状態が良ければ20万円台半ば、年式並みであれば10万円台後半で取引されています。
「他の買取業者にも見積もってもらいましたが、こんなに高くなかったですよ」と花川様もご満足。ちなみにDトラッカー125のメーカー希望価格は342,000円(税抜/2015年モデル)です。
メーカー希望小売価格にはメーカーや販売店の儲けが2割程度含まれていますので、新車販売時点の儲けを取り払った新車の実質的な流通価値は23~27万円程度です。
そのことを考えると21万円の買取価格の競争力をご理解いただけると存じます。
買取はぜひバイクパッションにお任せください。
■年式別のDトラッカー125の査定相場の比較
250ccのD-TRACKERのスケールサイズ兄弟車として2009年に発売されたD-TRACKER125。国内仕様は2015年モデルを以ってメーカーの製品ラインナップから外れています。
以下の年式モデル別に買取相場に差はあるのか比較してみました。
- 2010年(フレ番LX125D-A00~03)
- 2011年(フレ番LX125D-A04~05)
- 2012年(フレ番LX125D-A7)
- 2013年(フレ番LX125D-A8)
- 2014年(フレ番LX125D-A9)
年式別のCB400スーパーボルドールの査定相場の比較 |
相場/ モデル |
平均落札額 |
落札台数 |
2010年 |
15.8万円 |
45台 |
2011年 |
16.2万円 |
18台 |
2012年 |
18.3万円 |
10台 |
2013年 |
20.6万円 |
16台 |
2014年 |
22.1万円 |
8台 |
走行距離別のDトラッカー125の査定相場の比較 |
走行距離/ 落札価格帯 |
~999km |
~4,999km |
5千km~ |
25~29万円 |
0台 |
1台 |
0台 |
20~24万円 |
4台 |
21台 |
4台 |
15~19万円 |
0台 |
9台 |
27台 |
10~14万円 |
0台 |
0台 |
26台 |
5~9万円 |
0台 |
0台 |
4台 |
(2017年12月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
年式が上がるほど1~2万円程度相場が高くなっていること。走行距離は少ないほど相場が高くなっていることがが読み取れます。
年式の高く走行の少ない極上車で20万円台前半。走行が5,000kmを超えて程度の良い車体で10万円台後半が業者間市場での平均的な取引額になってていることが読み取れます。
そこから買取業者との儲けと経費である数万円を差引いた額が実際の買取査定額となりますので、
上記表からお客様のDトラッカー125の取引額を見積もってマイナス数万円下額が査定額になると思って頂ければ妥当な査定額であるとまず間違いがありません。