「前に買い取ってもらった時の対応がすごく印象的だったから、今度はディアベルを見てほしい。暫く乗ってないからバッテリー上がっているかもしれないけど」とリピーターのお客様から買取査定の依頼を頂いたのは2012年式のディアベルクロモ (Diavel Cromo)。
外装全体の色褪せや各所に劣化や傷が散見されたため車両の評価は良好車未満の状態でした。
相場に照らすと損益分岐点は65万円程度の状態でしたが。基幹パーツのポテンシャルの高さを最大限評価させて頂き赤字覚悟の68万円で買取させて頂きました事例をご案内差し上げます。
査定させて頂きましたのはディアベルの上位バリエーションであるDiavel Cromoの2012年モデル。
スタンダードのディアベルより24万円高い209万円で販売されていましたが、販売開始翌年の2013年でカタログ落ちとなったため国内での流通が少なく、2018年現在の買取相場は50~70万円台となっている車種です。
暫く乗車されていなかったために、バッテリーは上がりエンジンは始動せず、劣化や汚れが目についた車両ですが、買取額はいかに?
以下に査定内容の詳細をご案内させて頂きます。
外装
暫く乗られていなかったということで、ディアベル クロモの外装全体には、当時の艶が失せて色褪せが感じられます。 日焼けや色褪せのリカバーは難しく、再販に当たっては購入候補者への見た目のアピールが減るため買取価値の減少は避けられないポイントでマイナス査定が入りました。 個別に外装パーツを見ていくと、上位バリエーションであるクロモを決定づけているクロームメッキカバーが装着された燃料タンクには細かい傷が散見されるほかやはり色艶を失って退色が感じられます。
同様にフロントフェンダーも表面に汚れが付着し、先端にぶつけた際にできたと思われるやや目立つ傷があり、色艶も失われています。
樹脂パーツである、両センターカウルやリアフェンダーにも細かい傷が多く付いており、やや白濁して風化を感じさせる色味となっています。
クロモ独自のステッチが縫い込まれたシートですが、当時の新品感はなく見た目にもやや疲労感を感じさせる状態となっています。
購入した当初は乗っていたけど、あとは殆ど屋外にカバーをかけて置きっぱなしになっていたというディアベルクロム。外装については年式並み未満の4点プラスの査定評価となりました。
エンジン
「しばらく乗っていないのでバッテリー上がっているかも」とオーナー様が仰れれていましたが、バッテリーの電圧は弱くなっているものの水冷L型2気筒4バルブ1198ccのエンジンは一発で始動いたしました。
ドゥカティ独特のサウンドを奏で安定したアイドリングですが、加速時高回転域で軽い異音が感じられましたが気になるほどではありません。
走行距離も3,000km弱と若く、白煙吹きなどもなく機能的には良好なエンジンであることが確認できました。
ただし、ラジエーターの劣化や広範囲でのフィンの曲がり、エンジン周辺や取付ボルトの錆などが影響して、査定の評価点は5点プラスにとなりました。
足回り
クルーザースタイルの車体に跨り足回りの基幹部品である前後サスペンションの沈み込みと戻り具合をチェックします。
フロントのフルアジャスタブル倒立フォーク、リアの片持ち式スイングアームとも機能的な不具合は感じられず良好な機能を保持していました。
一方で、足回りには個所箇所で劣化が目立つか所が散見されました。
足回りでマイナス査定が入った主な個所は
暫く乗っていなかったことを示すチェーンのローラー部の錆の他外部プレートにも錆が目立ちます。
ブレーキフルードがリザーバータンクから漏れていて、伝ったハンドル周りの塗装を剥がしています。
トップブリッジにはやや強い塗装の剥げと下地の錆が浮いています。
クラッチでバーが曲がっていないことから210kgの車体重量の多くを吸収するような大きな衝撃を伴う転倒ではなかったようですが、ハンドルのバーエンド、クラッチレバーの先端には転倒したことを示す削れ傷が刻まれています。
劣化の出やすい前後のホイールやブレーキディスクなどは比較的綺麗な状態で、足回りについては所々で目立った劣化が買取価値を下げ査定の評価点は5点マイナスとなりました。
電装系・保安部品
バッテリーの電圧は弱いものの充電で回復が見込まれる状態。仮にバッテリー交換が必要な状態であっても、弊社パッションの販売店で多数ストックのあるバッテリーを流用できますので殆どマイナス査定とはなりません。
配線系についてはノーマルで減点なし。ホーン・ライトなどの指示器も正常動作。電装系については特筆する事項はありません。
保安部品については、ディアベルクロモの特徴であるマフラー排気口周りの黒いエンドキャップに削れ傷が刻まれているほか、エキパイの最終部分に何かが付着して溶けた物質が固着しています。
ディアベルシリーズの特徴である多機能デジタルメーターは、メーターカバーにやや使用感が感じられるものの機能面に問題はありませんでした。
電装保安部品については、5点マイナスの査定評価点となりました。
フレーム回り
マフラー・バーエンド・クラッチレバーに転倒を示す傷が見られたため、念のためにフレーム回りを入念にチェックしていきます。
ハンドルの左右の切れ角は相対で問題なし。ハンドルストッパーが僅かに傷ついているものの、メインフレームには皺寄りや補修歴を示す痕跡はなく高い剛性機能を保持していることが確認できました。
走行距離も少なく、前後のタイヤが一直線に並び足回りのねじれもなく、高評価。
ただし、メインフレームの各所に細かい錆が浮いている点、スタンドやステップなど周辺部に劣化が散見されることから細かい減点が入り査定の評価点は5点プラスとなりました。
総合評価と買取価格
「ハレーなんかは定期的の乗るんだけどディアベルは買ったら満足しちゃって。。殆ど乗ってません。最近は完全に乗らくなってしまったので。」とご売却の動機を教えてくださったオーナー様。
「今日久しぶりに見たら、結構ヤレているんでびっくりしました」とはオーナー様のお言葉。
「前にトライアンフを買い取ってもらった時の対応がすごく印象的だったんで。今回もパッションさんにって」と、弊社を呼んでくださった経緯を教えて頂きました。
赤字すれすれ買取額でリピーター様のご期待にお応えさせて頂きました。
お客様のご感想と買取後記
「ハレーなんかは定期的の乗るんだけどディアベルは買ったら満足しちゃって。。殆ど乗ってません。最近は完全に乗らくなってしまったので。」とご売却の動機を教えてくださったオーナー様。
「今日久しぶりに見たら、結構ヤレているんでびっくりしました」とはオーナー様のお言葉。
「前にトライアンフを買い取ってもらった時の対応がすごく印象的だったんで。今回もパッションさんにって」と、弊社を呼んでくださった経緯を教えて頂きました。
赤字すれすれ買取額でリピーター様のご期待にお応えさせて頂きました。
ディアベル クロモはいくらで売れるのか?適正相場
買取相場をご案内差し上げる前に、オーナー様には既知のことと存じますが新車当時のDiavel Cromoの価値について振り返ってみたいと思います。
2011年に世にリリースされたディアベル・シリーズ。「ドゥカティがクルーザー?」との驚き声をよそに大ヒット車種となり、当時国内でも最も売れている車種となりました。
ヒットを受けバリエーションモデルが増やされて2012年にリリースされたのが、ディアベル・クロモです。
残念ながら継続の2013年モデルをもってカタログ落ちとなり、2012年モデルと継続の2013年モデルのみで国内での流通は非常に少ないモデルとなっています。
ところで、スタンダードモデルのディアベルとは何が違うのか?
ディアベル・クロモの特徴は贅沢なクロームメッキのタンクカバー。その他にもシートやサイレンサー、フェンダーなどに細かいデザインや装飾が施されています。
2012年モデルのメーカー希望小売価格を比較してみると、スタンダードモデルのディアベルが185万円であるのに対して、上位バリエーションのディアベルクロモは209万円ととなっています。
(
ディアベルとディアベルクロモの買取相場の際はコチラでご覧いただけます)
まさに保有していること自体がステータスともいえる価格ですが、2018年現在では中古車は90万円台~130万円台で販売されているディアベル クロモの買取相場はどうなっているのでしょうか?
買取業者の査定価格の指標であり、販売業者の仕入れ値であり、つまり日本の中古バイクの相場を決定している業者間オークション市場の取引データを使用して、Diavel Cromoの適切な買取相場をご案内差し上げます。
ディアベルクロモの買取相場
買取査定に当たって最も重要な指標となるのが車両状態。 2012~2013年モデルのディアベル クロモは、下記の点数で車両状態を評価することができます。
- ▼状態を表す評価点の目安|ディアベル クロモ
- 評価点6 極上車
- 評価点5 良好車
- 評価点4 若干の難あり
- 評価点3 難あり
- 評価点1 事故車や不動車
下記の表は、国内の中古バイクの相場を決定している業者間市場での直近1年間のディアベルクロモの取引データです。 詳しい解説は下段に記載しています。
ディアベル クロモ|評価点別の取引相場 |
落札価格 |
評価点 |
走行距離 |
年式 |
81.4万円 |
6.3点 |
0.1万km |
2012年 |
74.0万円 |
4.5点 |
1.2万km |
2012年 |
69.2万円 |
5.0点 |
2.2万km |
2012年 |
65.6万円 |
4.5点 |
0.1万km |
2012年 |
60.4万円 |
4.2点 |
1.6万km |
2012年 |
(2018年月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
国内の中古バイクの9割が取引される業者間市場において、直近1年間で取引されたディアベル クロモは僅か4台。
上記表は、取引された全5台の取引金額と、取引金額を決定する3大要素(評価点・走行距離・年式)を纏めたものです。
先ず、最高額の81.4万円で取引された個体ですが、走行距離0.1万キロで評価点6.3。これは2012年モデルとしては最上の状態の極上車といえます。
つまり使用済みのディアベル クロモの上限取引額は80万円強と読むことができます。
同じ走行距離の0.1万キロの個体が65.6万円で取引されていますが、こちらの評価点は4.5点と良好車と良好車でありながら若干の難がある状態と見ることができます。
具体的には、エンジンからの軽いオイル漏れ、センターカウルの目立つ外傷、リモコンバッテリーの不良、各所の軽度の傷や劣化が主な減点項目となり、走行距離は若いながら取引金額が伸び悩みました。
上位から2番目の取引額である74万円で取引された個体は、評価点4.5で走行距離1.2万キロ。上述の65.5万円で落札された個体よりも走行距離が多い分劣っているように見えます。
ですが、細かい傷や劣化はより多いものの、オイル漏れや目立った外傷はなくその点が好感された可能性。もうひつは季節的なタイミング、もしくは需給の関係で高値で売れたことも影響しています。
3位の69.2万円と、最下位の60.4万円で取引された個体は、評価点と走行距離から説明が付きやすい取引金額であるため、詳細は割愛させて頂きます。
以上、ざっと取引された全5台を眺めてみましたが、概ね走行距離と評価点に準じた取引金額となっています。
オーナー様がお持ちのディアベル クロモの状態や走行距離と比較して、市場で取引される金額がイメージできたのではないでしょうか?
ただ1点注意が必要でして。上記の金額はいずれも業者間市場(買取業者と販売業者の間でのオークション市場)での取引金額であり、査定現場での買取額とは異なります。
業者間市場での取引額は、買取業者にとって買取した車両の転売金額を意味します。
査定現場での買取額を逆算するためには、市場での取引額(転売額)から買取業者の儲けと経費(出品手数料や運送費)を差し引く必要がございます。
ら買取業者の儲けと経費は?
平均取引額が50万円を超える大型バイクの場合は4万円程度が適正で競争力のある価格といえます。
市場での売却想定額から4万円程度差し引いた査定額であれば、お客様にとって競争力のある買取額と見ることができます。
かなり大まかですがイメージしやすい買取額は下記のようになります。
- ▼査定現場での買取額|ディアベル クロモ
- 極上車:70万円台
- 良好車:60万円台
- 難有車:50万円台
走行距離や固有の状態によって多少は上下いたしますが、2018年現在では上記の金額が買取相場となっています。
高値売却はフルモデルチェンジ前
ディアベルシリーズは、2014年にビッグマイナーチェンジが実行され、来る2019年にはフルモデルチェンジが予想されています。
2013年モデル以前のディアベルと、2014年以降のディアベルでは買取相場が平均で30万円ほど異なります。
型落ちによって相場がガクッと下がるのがDUCATIのモデルの宿命ともいえます。
ディアベルクロモの売却をご検討中のオーナー様にとっては、(来たる2019年の)ディアベルシリーズのフルモデルチェンジにアンテナを立ててモデルチェンジされる前に売却されることが高値で売れる最善の方法となります。
DUCTIの買取台数で日本屈指の実績を誇る弊社バイクパッション。
オーナー様のディアベルの価値を余すところなく積み上げて査定価格でお客様のご期待にお応えしております。
ディアベルシリーズの買取査定はパッションにお任せくださいませ。
ディアベル クロモ
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 83台
- 平均価格: 701,200円
- 最高価格: 814,000円
- 最低価格: 604,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 0台
- 平均価格: No Data
- 最高価格: No Data
- 最低価格: No Data
相場情報:2018年9月12日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。