バッテリー上りで劣化や外傷が目立ったGT1000
今回拝見させて頂いた「ドゥカティ GT1000スポーツクラシック」は、大型バイク歴21年目を迎えたベテランオーナー様の所有車。
「これまでのバイクライフの上がりの一台として購入したのですが、なかなか思うように乗ってやれなくて…」と、バッテリーが上がった状態売却を決意されたとの事でした。
早速査定に取り掛からさせて頂き先ずはGT1000のエンジンから様子を見ると 屋外にカバーをかけて半年ほど放置されていたため、バッテリーが上がっていてエンジンは掛かりません。
ジャンプスターターで始動を試みること5分弱ようやく始動を確認。アイドリング不安定で吹け上りにも波がありますが、走行距離が3,397kmと少なく、目立つような異音等はありませんでした。
キャブのオーバーホールを経てのエンジン性能のポテンシャルは高いと評価させて頂きました。
キャブレターの洗浄は必要になりそうですが、タンク内の錆び除去までは必要無さそうな状態。
タンク内の洗浄(錆び除去と再発防止)が必要になる車両に比べるとキャブのOH程度で済む車両の方が査定価格に与えるマイナスは軽微です。
車両の外観の状態としては、保管が屋外でカバーをかけているものの地面が湿気やすい状態で、車体全体にサビが多く発生している状態でした。
特にスチールのスポークホイールやドライブチェーンはかなりサビが目立つ状態、スプロケやホイールやステム周りの腐食、ビスやボルトの錆び、プラスチック部分の風化などは大掛かりなサビ落としをしてもピカピカまでの回復は難しく 査定としてはやや大きめのマイナス査定になってしまったことが残念です。
ドゥカティGT1000のオリジナルカラーは、多い順に「黒、赤、ガンメタ、ベージュ/黒」で純正カラーに青はありません。
買取させて頂いたGT100のオールペイントは業者による仕事で丁寧に仕上がっているのですが、好みの分かれる買手の幅を狭める水色のカラーリングは査定価格に軽微ながらマイナスの影響を与えています。
機能的なフロント・リアサスの動き等は問題なしでしたが、見た目以上にチェーンの状態が悪く、エンジンをOFFにした状態での押し引き時にかなり抵抗が感じられました。チェーンルブの油っ気が殆どなく、ここは要交換判定。
外傷としては目に付くところで、後部ウインカーが左右とも破損しており、右は完全にステーが折れてしまっていました。
前部左側もポッキリと根元から折れており、敷地内で立ちゴケさせてしまった影響がマイナスとなってしまう結果に。
目に見えにくいところでは、フレームのネック部分にシワが寄っており何度か大きめの衝撃で倒れたことを物語っています。
この点は皺が薄く目立ちにくいもののやや大きめで5万円程度のマイナス判定となりました。更に目立つシワや凹みがあればフレームの剛性に問題アリの判定で更に10万円程度査定価格は下がっていました。
外観や外傷の部分に少々大きなマイナス材料が目立つ状態でしたが、自社工房での自社整備に自信のある弊社パッションであれば、まだ部品の流通があるGT1000の場合、マイナス評価を最小限とすることが可能です。 評価できたポテンシャルは走行が低くポテンシャルの高いエンジン、丁寧に時間をかけて磨けばある程度回復できる劣化度合い。 その結果、バッテリー上りで劣化や外傷の目立ったスポーツクラシックGT1000でしたが、相場平均を少しだけ下回る50万円の査定価格をご提示させて頂き、お客様のご期待以上の価格で買取することが出来ました!
ドゥカティGT1000買取相場
スポーツ志向の強いドゥカティにおいて、珍しいほど王道的なクラシック路線を追求した「ドゥカティ GT1000スポーツクラシック」は、新車販売価格130万円台と比較的リーズナブルな価格設定でリリースされたエントリーモデル的なマシンです。
デザインモチーフが70年代の名車「GT750」であるだけに、懐古的なルックスから入ったオーナーは多いものの、いつの間にかその軽快なスポーツ性に魅せられてしまった…という声も多い味わい深さが自慢のモデル。
そのテイスティな走りを愛するファンが多く、直近12ヶ月での取引台数は18台と少なめです。それでもやはり「ドゥカティ」というブランドイメージは特別なものがあり、蚤車両(不動車取引車両)であっても30万円を超える数少ない車種のひとつです。
今回のGT1000はバッテリーが上がった状態で野晒しによるサビなどが目立ち、フレームの損傷により更に価値を下げその結果査定評価額は伸び悩んでしまいましたが、 フレーム損傷がなく劣化の度合いがもう少し控えめであった場合、60万円台も十分狙えただけに残念でした。
弊社ではドゥカティを始めとする海外メーカー製バイクにも力を入れており、特にドゥカティのレア車種については他社には真似のできない買取価格を提示させて頂ける絶対の自信がございます。
(少し傷み具合が激しいけど大丈夫かな…)と、現在所有されておられるドゥカティでお悩みのオーナー様は、ぜひ弊社パッションまでご相談ください。乗り換え・下取りを含め、 他社を大きく上回る高額買取であなたのバイクライフを徹底的にサポートさせて頂きます!
ドゥカティGT1000豆知識
名車GT750をアレンジしエントリーモデルに最適なクラシックマシン ドゥカティGT1000スポーツクラシック
フルカウルスポーツマシンの印象が強い海外メーカーですが、そのドゥカティがユーザーの声を取り入れ、カウルレスのクラシカルなスポーツバイクとしてリリースしたのが「スポーツクラシックシリーズ」。
中でも「ドゥカティ GT1000」は車体後部に2本サスを採用し、GT750を彷彿とさせるLツインエンジンの美しさ、ノスタルジックなルックスを併せ持った味わい深いモデルとなっております。
70年代のドゥカティを代表する「ドゥカティ GT750」を現代風にアレンジし、クラシカルなボディとLツインエンジンによるスポーツ性の高さを持ったテイスティなマシンが本機「ドゥカティ GT1000スポーツクラシック」です。
ハーレーのビッグツイン、トライアンフのバーチカルツインと、海外メーカー製バイクには多くの2気筒エンジン搭載車がありますが、最高出力66.7kwと控えめなスペックからは想像がつかないほど刺激的な走りが可能で、 特にコーナリングの爽快感はまさしくドゥカティマシンならでは。
その分ドゥカティのウリである鼓動感は控えめですが、足つき性のよさとマシンとの一体感はその他のスポーツモデルと比べても遜色なく、違いが分かる大人のライダー向けのテイスティな一台と言えます。
査定相場情報
走行距離別 GT1000の査定相場 |
落札価格帯 |
~1万km |
~2万km |
2万km以上 |
80万円台 |
1台 |
0台 |
0台 |
70万円台 |
3台 |
0台 |
0台 |
60万円台 |
4台 |
0台 |
0台 |
50万円台 |
3台 |
1台 |
0台 |
40万円台 |
1台 |
1台 |
4台 |
(2017年11月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
落札全18台中、走行1万kmの車両は12台で全体の66%を占めます。
約10年前の車両としては全体的に走行距離の少ない車両が多い特徴が見られます。
走行1万km未満の車両の落札価格は40.8~80万円で、多くは60~70万円台に集中していることから査定現場での買取価格のボリュームゾーンは50万円台後半~70万円台になります。
今回のように、劣化が目立ちフレームに損傷のある車両の査定価格が50万円であることがいかに競争力があるかご理解して頂けるかと存じます。 買取した車両を自社で整備して自社で売る買取販売店だからできる買取価格があります。
ドゥカティGT1000
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 18台
- 平均価格: 569,222円
- 最高価格: 800,000円
- 最低価格: 376,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 1台
- 平均価格: 305,000円
- 最高価格: 305,000円
- 最低価格: 305,000円
相場情報:2017年11月20日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。