他社査定に不満!やや傷み気味のFZ750査定価格は
関東八州にその名を轟かせた武家の名門・北条家。
北条早雲によって興された名家であり、その本拠地である小田原城が聳え立つ風魔忍者の里として歴史愛好家の間で有名な地域です。
国から特例市としての制定もされており、相模湾を望む絶景が街のいたるところから目にすることができます。
今回ご依頼を頂いた松本様のご自宅も、辿っていけば武家の血統にあたるそうで、時代を感じさせる雰囲気のよい日本家屋でした。
夏休み直前を迎えたとある週末で、到着時には松本様がお子様に虫よけスプレーを噴射しておりました。
40代後半の2児の父である松本様は、大学時代にこちらのFZ750を先輩から譲り受けたそうで、一応エンジンはかかるとお電話でお聞きしました。
さっそく門扉裏まで移動させて頂いていたFZ750を拝見させて頂きます。
全体的にかなり傷・錆が目立ち、車体も色褪せて変色気味。
かなり古いモデルですので、この辺りはいたし方ないと言えます。

エンジンもかなり塗装剥げと錆が目立ちます。

走行距離23,445kmと、4万km越えが珍しくないFZ750としては少なめです。
イグニッションをONにし、セルを回してエンジンチェックを…と思いましたが、回らず。
実はバッテリー上がりで、押しがけでの確認を行ったとの事でした。

それでは…と松本様にお断りを頂いた上で、ご自宅前の始動にて押しがけをさせて頂くことに。
クラッチがマスター・ホースともに社外品に交換されているのも併せて確認。
エンジンは確かに始動し、アイドリングと吹け具合を確認させて頂きましたが、寝かせていた期間がだいぶ長かったようでやや不良。
売買成約時にはかなり大掛かりな整備が必要になりそうです。

スイングアームやスプロケットもかなり錆が出ており、タイヤも前後要交換。
サスペンションもかなりヘタっており、こちらも要整備です。

シートも経年劣化によるヘタリが確認され、座り心地は少々キツめ。
シートカウルにも一部剥離があります。
錆・傷は多めですが、KERKER製のスリップオンマフラーが装着されており、こちらはプラス査定に。
この年代の逆輸入車では定番のブランドですが、現在では稀少です。

フロントはマスターシリンダー・ブレーキホースともに社外品。
ディスクもかなり磨耗しており、交換必須です。

その他、押し引きの際にフロントフォークにねじれ・オイル漏れも確認。
全体的にカウルのひび割れ・傷も多く、チェックにかなりお時間がかかってしまいました。
総合的に評価した上で、松本様ご所有のFZ750の最終査定金額は、207,000円に決定。
弊社による査定ランクは、10段階評価の「4」でした。
ダメージ多めの車両でも総合評価で納得価格を実現!
そのままでの販売は不可能なFZ750で、型番も人気の1FMではありませんでしたが、整備にて販売可能と判断。
他社査定では、粗探しの報告ばかりを延々と聞かされて嫌になったと仰っていた松本様に査定金額をお伝えしたところ、即座に左手でOKマークが。
弊社査定スタッフの「さすがに傷とひび割れも多く、総合的にこちらの価格が上限となります。」との言葉にもご満足頂けました。
他のバイク買取専門業者では、査定時のマイナスポイントをひたすら列挙するケースはかなり多めです。
弊社の場合、詳細説明を希望されないオーナー様には簡略で査定結果を申し上げるように配慮しております。
こちらのFZ750は松本様ご自身もコンディションがあまり良くないことを重々承知でしたので、率直な査定結果をお知らせさせて頂きました。
他社では8万円と言われていたFZ750でしたが、今でも愛好家がいる事、年々再利用可能なパーツの減少もあって高めに査定させて頂くことが出来ました。
カラーリングが一番需要のあるトリコロールであったことも高評価。
エンジンの不良も、査定スタッフの読み通りガソリンの全交換とキャブのオーバーホールで復調となり、現在FZ750ファンのお客様と商談中となっています。
今回の買取価格で、XSR900のRZ仕様車の購入を検討したいとおっしゃる松本様の笑顔が見れたことで、非常に嬉しく思っております。
FZ750の相場
ヤマハ・スポーツモデルとしてGENESISを搭載し、後のマシンに多大な影響を与えたFZ750。
現在でもデイトナ200を制したエディ・ローソン仕様にカスタムするオーナーの方が多く、それなりの査定価格が出せる傾向にあります。
元々エンジンの耐久性が高く、前後サスペンションのオイル漏れなどの弱さをケアできれば、今でも元気に実走も可能です。
カラーリングはやはり前述の通りトリコロールが一番人気。
ここ3年間でのヤマハ FZ750の買取査定依頼は合計55件。
年々実動車両も減ってきていますが、一部のファンにはまだまだ根強い人気があり、タフで扱いやすいスポーツバイクとして認知されています。
FZ750の豆知識
アメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されるデイトナ200マイルレース。
1986年に”ステディ・エディ”の異名で知られた名チャンピオンであるエディ・ローソンにより、栄光のチェッカーフラグを射止めたのがヤマハ FZ750でした。
世界初となる5バルブDOHC直列4気筒エンジンを搭載したレイアウトのGENESIS(ジェネシス)システムの元祖であるFZ750。
世界でもっとも度胸が試されるハイスピードレース、デイトナ200を制したのはエディ・ローソンのクレバーな走りもそうですが、FZ750の性能も大きな一因。
低速でのトルクも十分にあり、よく粘るベーシックスポーツモデルと言えます。
国内仕様の最高出力は、規制によって77psにセーブされていますが、輸出仕様モデルのFZ750は100ps。
最高速度270km越えの高い実力を持ち、フルスロットルでのコーナー侵入が常識のデイトナを制したハイスペックマシンです。
最初期モデルFZ750の型番1FMは、もっとも人気の高いモデルであり、エディ・ローソン仕様の「ローソンレプリカ」カスタムが定番となっています。
低重心とマスの集中化を実現したことで旋回性能も折り紙つきで、後のFZR750/1000・サンダーエースなどに多大な影響を与えました。
FZ750は非常にタフなエンジンと車体でも知られており、販売から30年以上を経た現在でも現役として実走可能。
兄弟車として世界各国の警察向け(ポリス・スペシャル)車両FZ750Pも並行販売されました。
国内販売ではわずか2年で後継モデルのFZR750にバトンタッチしましたが、こちらは1997年まで製造が続けられ、警察マニアの方にも未だに根強い人気を得ています。
輸出仕様はそのまま販売が継続され、1994年の販売終了まで全世界で39,000台以上の販売を記録しました。
FZ750
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 20台
- 平均価格: 223,900円
- 最高価格: 482,000円
- 最低価格: 84,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 5台
- 平均価格: 75,000円
- 最高価格: 108,000円
- 最低価格: 19,000円
実動・不動でかなり査定価格の差はありますが、FZ750の場合は損傷度合いの激しい車両でも買取可能なケースが多めです。
30年以上前の初期型でも車検の残っている車両がちらほらご確認頂けるかと思います。
このように、非常にタフな設計のエンジンと車体でまだまだ実走可能なFZ750。
(ちょっと古すぎるよな…)と諦める前に、まずは一度弊社へお気軽にご相談ください!
松本様のケースのように、他社価格に納得のいかないオーナー様ももちろん大歓迎いたします。
放置期間の長い不動車でも、再利用が可能なパーツをお知らせ頂ければスムーズな応対が可能となっております。
実走可能な車両であれば、10万円以上の査定価格を提示するケースも多く、売却をお考えのFZ750オーナー様はぜひ一度ご検討ください。
相場情報:2016年8月時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。