ハーレーの中古車に値崩れの嵐が吹き荒れている相場環境にあって、1年前に他社で提示された金額を上回る査定額で買取させて頂いたのは2012年モデルのFLSソフテイルスリムです。
ソフテイルファミリーの中でも買取相場の高い車種であり、バッテリーは上がっていたものの走行距離が少なく、車両の状態は年式並みだったため利益を確保するギリギリのラインとなる96万円の買取価格にお客様もご納得。
今回は5点の良好車の判定でしたが仮に6点が付く極上車の評価であれば110万円まで査定価格は伸びていました。
以下に事例詳細をご案内しております。
また、FLSソフテイルスリムの売却を考えているオーナー様必見!排気量別のソフテイルスリムの買取相場の比較。ソフテイルファミリーのTwinCam 96エンジン搭載モデルの買取相場の比較も掲載しています。
「大切にしていたソフテイルスリムです。子供が生まれてくると暫くは乗れそうにないので、なるべく高く売りたい。」と幸せそうに語られる柴田様は、現在ご懐妊から8か月を迎えた女性オーナー。
1年ほど前に他社査定で売却を検討したものの、買取金額に納得がいかず、ハーレー乗りのご友人に「売るならパッションが良いよ」と紹介されて弊社にお声がけをいただいた次第です。
ワンオーナーで女性所有という条件の良さから、お客様のご期待に沿う査定金額での買取となりました。
以下、2012年モデルのFLSソフテイルスリムの査定内容となります。
足回り
今回拝見させていただいたFLSソフテイルスリムは、2012年デビューの比較的新しいモデルで排気量は1584ccのツインカム96エンジン(買取業界での通称はFLS1580/販売業界ではソフテイルスリム2012年モデル)。
足回りには低走行を示す、負荷を押し返すどっしりとした反応が感じられ、サス状態は非常に良好と言えます。
幅広なハンドルのため、押し引き・取り回しのチェックではやや難しいものがありましたが、車体重量318kgという目方のため、誤差の範囲といった程度でした。
シャフトドライブなど、駆動部もまだまだ使える状態にありましたが、左Fフォーク前面に削れ傷が数カ所、ホイールリムやスポークの軽い腐食などはマイナス査定とさせていただきました。
外装
女性オーナーが湿気のこもりにくいコンクリート路面にカバーをかけて保管していたため車両状態は極上車とは言えないまでも年式並みに綺麗。
梅雨・台風など湿度の高い時期を経過させていたことにより、若干の曇りや軽度のサビや磨かないと落ちない汚れが各所にありましたが全体的には綺麗な状態であり、 年式相応の美観であると言えます。査定の評価は年式並みの5点です。
エンジン周り
純正スラッシュカットマフラーを装着したままのソフテイルスリムは、エンジンの状態もなかなかに良さげ。
ただし、昨年6月以降走らせていなかったため、バッテリー上がりで始動性は確認できませんでした。
持参したブースターで試すこと数分。エンジンの始動を確認。ツインカム96Bエンジンが生み出す野太いエキゾーストとともに目覚め、始動当初こそ久しぶりの咆哮で白煙を吹いてエンストを繰り返しましたが、 徐々に馴らしていくとモタツキや異音、白煙吹きなどの目立つ不具合はなく、要整備な状態ではありますが機関もまずまず良好な状態でした。
長期保管でエンジンには若干の曇りが浮き出てはいましたが、軽めのクリーニングでケアできるレベルであり、こちらも評価は極上車未満の年式並みで5点の評価に。
他業者であれば、単純に不動車と判定されてしまうケースもありますが、当社ではしっかりと状態を見極めます。
少し旧いハーレーになると昨日は始動していたエンジンも今日は始動しないこともザラ。例え一時的に掛からない状態にしろ、車両の総合状態から適切な状態を推察して判断いたしております。
その他
ほぼ全てのパーツが純正のままであったソフテイルスリムは、車体右後方にミニサドルバックが装着されているのが唯一のカスタム。
この状態であれば判定はフルノーマル扱いとなり、評価自体が高めとなります。
サドルバックは買取価格への直接的な上乗せ材料となり、ディスクローターや各種パーツの状態なども良好と判断し、年式平均よりも若干高めの評価とさせていただきました。
査定の総評と買取価格
弊社パッションでは、年間買取台数5000台を超える数のうち1割近くをハーレーが締め、ハーレーの買取台数は日本で1・2位を争う屈指の実力と自負しています。
その豊富な経験から適切な査定評価をオーナー様へお約束。殆ど全車種を通じてハーレー全体のの中古相場が下落の一途を辿る環境下にあって、他社が1年前に提示した金額を上回る査定価格で買取させて頂きました。
車両全体の評価は極上車未満の年式並みの良好車でした。弊社販売店ではソフテイルファミリーの在庫がだぶつき気味のタイミングでしたので、店頭在庫ではなく、業者間市場での売却額を想定した買取額となりました。
借りに店頭仕入としての買取であれば100万円を超えていました。また、距離が浅かった分、極上車として評価点である6点の状態であれば、110万円程度まで査定価格は伸びていた1台です。
2012年モデルのFLSソフテイルスリム。お客様にご満足いただけたことを何よりも嬉しく思います。
【TwinCam96エンジン搭載】ソフテイルファミリーの査定相場の比較
2017年モデルからツインカム103エンジンに進化し排気量がアップしたFLSソフテイルスリム。排気量によって買取相場は異なるのか?
ソフテイルファミリーの中で、FLSの買取相場は高い方なのか?
排気量別のFLSソフテイルスリムの買取相場と、2007~16年にかけて販売されていたツインカム96エンジンを搭載したソフテイルファミリーの買取相場を比較してみました。
- FLS【2012~2015年モデルのTwinCam96】
新車価格206.8万円~(2012年)
- FLS【2016~2017年モデルのTwinCam103】
新車価格220.8万円~(2017年)
エンジン別のFLSソフテイルスリムの査定相場の比較 |
モデル/ 落札価格帯 |
2012年~ TwinCam96 |
2016年~ TwinCam103 |
平均落札額 |
105.1万円 |
134.0万円 |
総落札台数 |
16台 |
2台 |
140万円台 |
0台 |
1台 |
130万円台 |
0台 |
0台 |
120万円台 |
1台 |
1台 |
110万円台 |
5台 |
0台 |
100万円台 |
6台 |
0台 |
90万円台 |
2台 |
0台 |
80万円台 |
1台 |
0台 |
70万円台 |
1台 |
0台 |
- ▼TwinCam96エンジンを搭載したソフテイルファミリーの買取相場比較
- FLS ソフテイルスリム 2012年~
新車価格207万円~(2013年)
- FXS ブラックライン 2007年~
新車価格207万円~(2013年)
- FLSTC ヘリテイジ ソフテイル クラシック 2007年~
新車価格229万円~(2013年)
- FLSTF ファットボーイ 2007年~
新車価格214万円~(2013年)
- FLSTN ソフテイル デラックス
新車価格224万円~(2013年)
- FLSTFBファットボーイ ロー 2009年~
新車価格219万円~(2013年)
TwinCam96のソフテイルファミリーの買取相場比較 |
相場/ モデル |
平均落札額 |
落札台数 |
FLS |
105.1万円 |
16台 |
FXS |
91.6万円 |
15台 |
FLSTC |
85.6万円 |
62台 |
FLSTF |
84.7万円 |
62台 |
FLSTN |
87.9万円 |
58台 |
FLSTFB |
105.8万円 |
27台 |
(2017年12月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
2012年にはメーカー希望小売(メーカーや販売店の利益が含まれた)価格、206.8万円で売り出されたFLSも最終の2015年モデルになると220万円まで値を上げています。この価格は2016年モデルのFLS1690の220.8万円とほとんど同じです。
業者間市場での取引価格では1690ccのソフテイルスリムの取引が少ないため傾向値としては弱いですが、ニューモデルという事で新車価格以上の価格差が開いていることが読み取れます。
ニューモデルの登場で相場を下げたFLSは業者間市場では100~110万円台での落札が中心となっています。落札されている全16台の車両の内で走行距離が1万kmを超えているのは3台のみ。殆どは走行数千kmの綺麗な極上車です。
100万円台~110万円台で落札されている極上車については車両の状態はほぼ横一線で有意な差異は傾向として読み取れません。これは時々の需給ギャップによっての価格差に拠るためです。
需給ギャップによらず高値で売りたい方は相場が高くなる夏前の売却が一番高値で売れます。ハーレーの下落基調が回復すればという前提付ですが)
今回買取したFLSは極上車未満の良好車です。そうなると買取業者としては、状態の良い車両で確実に想定できる落札額は100万円に設定せざるを得ません。仮に105万円に設定するとそれは商売ではなくギャンブルです。
したがって、今回の走行距離が低く極上車未満の年式並みのFLSも想定売却額を100万円に設定せざるを得ません。
そこから市場に出品する手数料や運送費などの経費に儲けを差引くと、提示できるのは90万円台後半が商売としてのギリギリラインになってきます。
相場の数字だけを見ると一見低いようにも映る今回の96万円という買取額が、他社を凌ぐ競争力を持っているのはそのためです。
当社はいつでも最初から実現可能な買取額をお客様にご連絡いたしております。 買取上限額や実現不可能な金額からどんどん下げていくような方法は一切行っていません。
「最初は高いことを言っていたけど、実際は全然違った。やっぱりパッションさんの言うとおりの金額だった」と仰って当社にご売却されるハーレーオーナー様も本当に多くいらっしゃいます。
次に、TwinCam96のソフテイルファミリーの代表的な車両に目を向けてみると、 ソフテイルを象徴するFLSTF、FLSTCにFLSTNの流通数が圧倒的に多く、左記3種はTwinCam96エンジンが登場した2007年に発売され買取相場も似ているという特徴があります。
中心的な取引価格帯は70~90万円台。極上車やフルカスタム車では120^130万円台まで価格が伸びる事も。
頭一つ相場が高いのは後発のFLSTFBとFLS。新車価格に差異が少ないことから、FLSTFBファットボーイ ローとFLSソフテイルスリムはソフテイルファミリーの中では堅調な相場で買取価格も高い車種と言えます。
FLS ソフテイルスリム豆知識
2012年、ハーレーダビッドソンの中間期モデルとしてソフテイルファミリーに加わった期待のルーキー・FLSソフテイルスリム。
巨大なヘッドライトと悠々とした体格の持ち主ながら、出来うる限りスリムに仕上げられたそのボディは、徐々に市民権を獲得しつつあるボバーカスタムに通じるものがあります。
フロントブレーキはシングルディスクながら、ABSを標準装備とし必要十分のブレーキ性能を持ち、疾走感溢れる走りも楽しめる一台だと言えます。
FXSBブレイクアウトなどの兄弟車らと比べ、無駄のない引き締まったボディと16インチのスポークホイールがレトロ感を演出した、独自の世界観を持つモデルです。
大柄なアメリカ人向けに作られたモデルではありますが、全体的に扱いやすくまとめられていること、細部に至るまで作り込まれたダークなスタイリングが特徴。
1950年代のスタイルを取り入れ、古き良きハーレーの姿を復刻しファットボーイをボバー化したかのようなそのフォルムは、マッチョでワイルドなアメリカンのイメージが前面に押し出されており、 圧倒的な存在感と運動性の高さが自慢の一台。
FLS【2012~2015年モデルのTwinCam 96】
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 16台
- 平均価格: 1,050,875円
- 最高価格: 1,256,000円
- 最低価格: 758,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 1台
- 平均価格: 595,000円
- 最高価格: 595,000円
- 最低価格: 595,000円
相場情報:2017年12月12日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。