CBR600RRで単独事故を起こしまして......バイクに乗る機会が減ってきて2台は要らないかな」とはオーナー様のお言葉。
コロナ禍となり2年。金銭的なご事情も手放すきっけけの1つとのことでした。「最初は近くの有名店に持ち込んだんだけど、想像よりはるかに安くて」と弊社バイクパッションを査定に呼んでくださった背景を教えてくださいました。高額査定でお客様のご期待にお応えすべく意を新たに。
登録証を拝見させて頂くとフレーム番号から2018年モデルのマットダークブルーイッシュグレーメタリックであることが確認できました。所有者欄もお客様ご名義となっており直ぐに現金買取できる状態です。
先ずは2018年モデルの買取相場からご紹介させて頂きます。
相場は緩やかに下落基調も極上やカスタム車は20万円以上での取引
2004~2018年まで展開されていたバリエーションモデルのシグナスXSR。
XSRは外装グラフィックのカスタム感で、ベース車であるXと差別化が図られていましたが。2019年モデルから凝ったグラフィックを引き継いだシグナスXに車種名が統一されています。
伴ってXSRとしては最終型となった2018年モデル(税抜メーカー希望小売価格29.5万円)ですが、シグナスXに一本化された2019年モデルでマイナーチェンジと値上げ(税抜メーカー希望小売価格30.5万円)が入った影響を受けて、 18年モデルXSRの中古相場は2020年からごく緩やかに下落基調に。
買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される業者間オークションの取引データを見ると。 2018年モデルの実働車は直近1年間で42台の取引があり、最高額は21万円、最低額は10万円で取引額の平均は15.7万円となっています。
取引のボリュームゾーンは2つあり、上位は18万円台、下位は13万円台です。18万円と13万円を境に3つのゾーンに分けて傾向を見ると下記のようになります。
・上位ゾーン(18~21万円台)は走行距離が1万キロ未満の極上車、もしくはフルカスタム車が中心
・中位ゾーン(14~17万円台)は走行1~2万キロ台の極上判定未満の良好車が中心
・下位ゾーン(10~13万円台)は走行3万キロ以上、もしくはエンジン不良や外装割れなど車体に難がある車両が中心
以上の買取相場を踏まえて、走行2万キロ超でエンストが気になったシグナスXSRの査定内容と買取額についてご紹介させて頂きます。 (※上記の取引額は、買取業者の転売額=販売業者の仕入れ額に相当するため、買取相場は8~9掛け相当となります)
【シグナスXSR 2018年モデル】業者間取引額の推移
【シグナスXSR 2018年モデル】業者間での取引価格帯
買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される業者間オークションの取引データ
エンストが時々発生する不具合
2018年モデルのシグナスXSR。買取査定に当たってのトピックは3つです。
1)エンストが時々発生する
2)見た目は準極上ながら走行距離が2万キロ超
3)ライトカスタム
1)エンストが時々発生する
査定現場では直ぐに再始動できましたが何度かエンストを発生していました。
オーナー様のお聞きしたところ、信号待ちで時々エンジンがストップしてしまうとのこと。
エンスト後は直ぐに再始動する場合もあれば、なかなか再始動しないこともあり、頻度は増してきているそうす。
高年式車両のエンストは再販に当たって保証対象となりますので販売前の修理が必須となる不具合です。
上記症状のエンストの原因としては、熱によるコイルの動作不良、タンク内への異物の混入、タンクキャップのエア抜き、負圧ホースまたは電装系のトラブルなどが徐々に進行していると思われます。 原因が多岐にわたるため修理には簡単な項目から1つづつ可能性を潰していく工程が必要となります。
簡単に可能性にたどり着ければ修理工賃は5千円程度で済む場合もありますし、最も難しいケースになれば工賃と部品代を含めて5万円を超えてくることも考えられます。 買取額への影響ですが、上記の理由で難しいものの、3万円程度の減額判定となりました。
見た目は準極上ながら走行距離が2万キロ超
マットダークブルーイッシュグレーメタリックの外装は3年前の車両としても色艶が良く、外装の綺麗さは極上といっても差支えがありません。
ですが、右側サイドカウルに5cmほどの削れ傷がある他、ホイールやサスペンションにキャリパーといった手の届き肉ところには使用感が出ており総合的な見た目は準極上判定となっています。
上段で触れた買取相場に照らすと、走行1~2万キロの良好車が取引されている中位ゾーン(14~17万円台)にピッタリと嵌る状態と言えます。
ライトカスタムはプラス査定で販売店仕入れに
SP忠男マフラー・リアサスペンション・バーエンド・ハイスロキット・ブレーキレバーが社外品に変更されており、全て純正品はありません。
カスタムによって伸びしろが期待できるシグナスXSRのカスタム内容としては一般的なライトカスタムと言えます。
買取額への影響ですが、マフラーに高価な社外品が入っており純正品は欠品ながら相場的には1万円程度のプラス査定判定に。
社外マフラーに交換された後、ウェイトローラーやワッシャーは交換されていないとのことでした。
ベストは最適なセッティングを出すことですが、街乗り走行では乗り味に大きな差は出ないためセッティングをしていないことで査定額が下がることは(吹け上りに不調をきたす場合を除いて)ありません。
以上のトピックを踏まえますと、
『走行距離が2万キロ超で外装が綺麗なシグナスXSRの2012年モデル』は買取業者の転売金額となる業者間市場での取引額として14~17万円想定。
そこからたエンストが時々発生する不具合を差し引き、カスタム内容のプラス判定を加えると、想定転売額は12~15万円に。
想定転売額から経費(出品手数料や運送費など)と儲けを差し引いた正味の買取額は10~12万円が相場的にはギリギリです。
弊社バイクパッションでは12万円の査定額をご提示して買取させて頂きました。
相場的には赤字覚悟の買取額ですが、単店舗ベースでは日本で一番中古バイクを売っている直営販売店で売れ筋車種である点、弊社修理工場で市価より安価に修復できる点が相場以上の高額査定に繋がりました。
今回のシグナスXSRはカスタムされていたことで、弊社販売店でも差別化が出来ることから売り易いと判断できた点も、販売店仕入れに繋がった理由の1つに挙げられます
【2018年モデル】
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 42台
- 平均価格: 157,524円
- 最高価格: 210,000円
- 最低価格: 100,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 14台
- 平均価格: 80,714円
- 最高価格: 136,000円
- 最低価格: 29,000円
相場情報:2021年11月20日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。