今回売却査定のご依頼を頂戴して買取したスーパーシェルパは2007年式で国内仕様としては最終型のファイナルモデル。
スーパーシェルパをお売り頂いた田中様はもともと東京の出身だそうですが、アウトドアが大好きで神奈川県の平塚市に引っ越されたとのこと。
さぞかしスーパーシェルパで林道や猿ヶ島のコースなどを走っていると思いきや「カヤック(ボート)をやるんで、車での移動が多い」とのこと。バイクは街乗りやツーリングに利用されていたそうです。 パッと見ても綺麗で林道やダートで酷使された印象はなく、ナックルガードなどの装着がないかわりにリアキャリアが装着されていてることからも 街乗り中心であったことがうかがえます。
まずは全体を見渡します。すでに10年目を経過したバイクですが、とても良い状態を保っているのが分かります。 「ほとんどダートは走っていませんし、オフロードタイプのバイクだからって汚く乗るのは嫌なんです。たまに相模川の砂利道を走った際も帰路で洗車場に寄ってその日のうちに汚れを落としていました」 と田中様はおっしゃいます。車両の第一印象を左右する外装が綺麗な点は査定で高く評価されます。
「車高が高いので、歩道の段差とか、ちょっとした階段とか街乗りにも重宝しています。サスも柔らかく段差の乗り越えも気になりません」と、意外な利点を教えてくれました。
それでは細かくチェックしていきましょう。
まずはエンジンをかけてみます。セルを押すと一発でエンジンがかかりました。空冷4ストローク単気筒はアイドリングも安定していて異音もありません。
林道などのダートを走っているバイクの場合、転倒の他にも石などが跳ねてエンジン回りにキズが付くことがありますが、銀色の塗装はキレイなまま。
また、スーパーシェルパやKLX250などカワサキのオフ車によくみられるヘッドカバーからのオイル漏れも、このバイクには発生していません。エンジンの状態は2007年式としてはマイナス査定は殆どなく 外装に津図いて高い買取価格が期待できます。
つぎに、バイクにまたがって状態を確認します。前後に移動してブレーキをテストしましたが、しっかり止まってくれました。 走行距離が5,912kmなのでまだブレーキパットの交換の必要はないでしょう。クラッチレバーとシフトもスムーズに作動します。
今度は上下に揺らしてサスペションの作動を確認します。正立フロントフォーク、スイングアームともに、しっかりとショックを吸収して問題ありません。<
足回りに目を移すと、ホイール・フロントサスペション・スイングアームに走行距離相応の傷が見られます。また効き目には影響ありませんが、フロントブレーキディスク内側にサビが見られました。 タイヤは8分山なので、すぐに交換の必要はなさそうです。
最後にフォーン、ウィンカー、ヘッドライト、テールランプの作動を確認します。特に問題は見当たりません。
年式相応のキズなどはあるものの全体的にキレイですし、走行距離もそれほど伸びていません。大型のキャリアが取り付けられているので、ツーリングライダーにも喜ばれそうです。 高額で買取っても需要があることを確信しました。
査定を終了して、田中様に248,000円の買取価格を提示させていただくと、 「えっ、新車でも40万円くらいのバイクですよ」と大変驚かれました。 中古市場での相場は11万円くらいであるものの、田中様のスーパーシェルパは走行距離が短く全体的にキレイであること、エンジンの調子が良いこと、 大型のキャリアが装着されているので、ツーリングユースに最適なことなどを総合的に評価して、高価買取とさせていただいたことを説明いたしました。
そして何よりタイミングが良かったことに 当社販売店でお客様から状態の良いスパーシェルパの引き合いがあり、店頭販売用の仕入れとして一段高い査定価格でお客様から買取する事ができる幸運もありました。
昨今、バイクメーカー各社がオフロードモデルの製造を中止する傾向にありますが、ニーズがまったくなくなったわけではありません。
同じオフ車として、現行車のセロー250、CRF250シリーズ、メーカーのフラッグシップ(であった)KLX250、XR250が高額の買取査定相場の先頭集団とすると、 スーパーシェルパは一回りコンパクトな買取相場に連動して中古の車両価格も一回りコンパクトです。
取り回しの扱いやすさ、足つきの良さなど遊び心をくすぐり気軽に乗れるスーパーシェルパは、流通台数はそれほど多くないものの、 安定した人気を誇っているので、走行距離が大きく伸びていたり、転倒や劣化により外観が損なわれていなければ、高価買取が期待できます。
「新車で40万円で買って。10年乗って25万円近い査定額なんて信じられません。」と田中様もご満足。スーパーシェルパの新車価格が約40万円であることを考えると、 バイクパッションの買取価格がどれほど高価であるかご理解いただけるでしょう。買取はぜひバイクパッションにお任せください。
年式別のスーパーシェルパの査定相場の比較
国内での製造販売期間が1997~2007年にまたがるス―パーシェルパ。年式モデルによって買取相場は異なるのか?以下の3つの年代に分けてその査定相場を比較してみます
- 初期 1997~2000年頃(フレ番KL250G-000~020)
- 中期 2001~2004年頃(フレ番KL250G-025~036)
- 後期 2005~2007年頃(フレ番KL250G-039~049)
年式別のスーパーシェルパの査定相場の比較 |
モデル/ 落札価格帯 |
~2000年 |
~2004年 |
~2007年 |
平均落札額 |
10.1万円 |
12.3万円 |
16.3万円 |
総落札台数 |
56台 |
89台 |
31台 |
20万円台 |
0台 |
2台 |
10台 |
10万円台 |
27台 |
73台 |
18台 |
1桁万円台 |
29台 |
14台 |
3台 |
(2017年11月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
約10年の製造販売期間中、2000年の出力規制対応を除いて大小のモデルチェンジがなかったことから年式による買取相場の差は殆どないと思われましたが、実は年式によって初期と最終型では5万円以上の相場差が出ています。 上記は業者間での流通価格なので、査定現場での中心的な査定価格は、最終型で10万円台中盤。中期の年式で10万円台前半。初期の年式では10万円未満が最も厚い査定価格帯となることが読み取れます。
スーパーシェルパ豆知識
トレールバイクはヤマハ・セローの独壇場でしたが、その牙城を崩すべく1997年にカワサキから発売されたのが、スーパーシェルパです。
同社のオフロードバイク「KLX250」がエンデューロレースでも活躍できる性能を求めたのに対し、スーパーシェルパは獣道をトコトコと走るイメージ。
日本国内のみならず、アメリカ・カナダ・オーストラリア・ギリシャ・イギリスなどでも発売されていました。すでに製造は終了していますが根強い人気があり、現在の買取ベースの平均中古車相場は11~12万円前後となっています。
スーパーシェルパ【1997~2007年モデル】
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近6ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 83台
- 平均価格: 114,470円
- 最高価格: 260,000円
- 最低価格: 54,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 36台
- 平均価格: 75,778円
- 最高価格: 112,000円
- 最低価格: 31,000円
相場情報:2017年11月28日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。