査定させて頂いたのは、一見SR?と思われるシルエットをしているYB125SP
国内でも大ヒットしたYBR125シリーズのアジア向け下位モデルで、探せば12万円台(税込本体価格)から新車を買う事ができる車種。
走行距離は浅く、総じて状態は良かった良好車でしたが、買取価格は幾らになったのでしょうか?
早速査定していきましょう。
外装
車体の第一印象は、『艶があり綺麗』で高価買取を予感させました。
実際にはどうなのか?先ずは外装から見ていきましょう。
ロゴやラインの取り方がSRを連想させるサイドカバーやタンクは艶があり綺麗。良きみるとシートには軽い使用感がありますがパッと見には綺麗。
前後フェンダーには、残念ながら水垢と軽い腐食が付着していますが、メッキパーツという事で研磨によって落とせるでしょう。
細かい傷や劣化はありますが、総じて綺麗で評価点で5点が付きました。
足回り
走行距離は少なく、タイヤの溝も充分に残っていますが、 チェーンケースや、リアサスペンションのアブソーバーやシリンダーヘッドにやや目立つ錆びがあります。チェーンケースやシリンダーヘッドは研磨で簡単に落ちそうです。
外装が綺麗なだけに茶色の錆びついたアブソーバーの錆びも落としたいところですが、アブソーバーは分解しないと研磨の難しい箇所であるのが難点です。
その他は特に目立った減点対象はなく、足回りの査定評価も先ず先ずの内容に。
エンジン
取付ボルトに目立つ腐食、クランクケース上部に腐食が見られますが、YB125SPに限らず良く見られる腐食箇所です。
エンジン上部のロッカーカバーに黒い液ダレがあり、オイル漏れかと思われましたが、締め具が外れているホースからガソリンが汚れを吸着して流れていた痕でした。
オイル漏れであればエンジンの買取価値が下がってしまいますので、留め具でしっかり固定すればフィックスできる不具合で安心いたしました。
肝心の機能は、セルで一発始動。アイドリングから吹け上りまでスムーズです。
オーナー様に許可を頂いて実走行テスト。中国生産のアジア向け車両であるYB125SPは、キャブ車のキャブ車ですが、シフトペダルも少し変わっていまして、
サンダル履きの多い東南アジア市場向けに、つま先で踏んでシフトダウン、かかとで踏んでシフトアップのシーソー方式になっています。裸足の指で擦り上げてシフトアップを繰り返すと指の皮を擦り剥くから? それともかかとの高い靴対策?
(上記のシーソー方式のシフトペダルは、1速と2速の中間にニュートラルではなく、1足の下がニュートラルであることが多いです。やはり草履での操作が影響しているのでしょうか?)
久しぶりのシーソー方式(スーパーカブもそうです)に慣れれば、滞りなくギアアップギアダウンが確認でき、排気漏れや白煙吹き、異音などの不具合もなく、良好なエンジン状態を確認。
外装にやや使用感がありましたが、状態はすこぶるよく評価点5をお付けすることができました。
フレーム回り
ここまで傷や凹みなど目立った外傷はなく、バーエンドやレバー類にも傷がついていないことから転倒歴も無さそう。
立ちごけの痕跡が残りやすいハンドルストッパーを見ても曲りなし。当然フレームにも損傷はありません。ただし所々に錆びが浮いています。
フレームに接合されている、スタンド、シフトペダルには腐食がやや目立ち、ステップのラバーは破れています。
良い状態であるフレーム評価の大勢には影響ありませんが、細かい点で少し買取価値を下げています。
電装系・保安部品
独特のシーソー方のギアチェンジを上述しましたが、メーターパネルには現在どのギアが入っているかを示すギアポジション・インジケーターが備わっています。
(査定員もアジアの旅行で現地ローカルのバイクを借りる際に良く見かけたタイプですが、慣れてしまうと非常に便利で、肌感覚に頼らずついつい見てしまいます)
メーター類をはじめ・ウィンカーやライト―・ホーンなどの保安部品は正常動作。レンズなどに傷や割れもなく状態も上々。
ただし最後の最後でやや目立つ損傷が2か所に。
1つ目はミラースタンドの削れ傷、こちらは廉価なパーツで交換も用意。もう一つはマフラーの排気口近くの2cm程度の削れ傷とそれを覆う錆びです。
艶のある黒い外装との対比で、マフラー茶色い錆びが悪目立ちします。車両価値の上限が知れているYB125SPという性格上、耐熱塗料で塗装して綺麗にボカシテ馴染ませるケアをするか?
傷の程度は小さいこともあり、買取後にそこまで作業労力を投入する価値があるかは微妙なところです。
総合評価と買取価格
外装が艶々して見えて、第一印象で高価買取を予感させたYB125SP
各部位を細かく査定していくと、細かいところで劣化や傷が散見されました。状態を一言で表すなら極上車とは言えず、良好車と言ったところでしょうか。
冒頭でも申し上げましたが、探せば12万円台(税込本体価格)から新車を買う事ができるYB125SP
中古の買取相場は、極上車が8~10万円。良好車が5~8万円。年式並みだと2~6万円程度となっています。
一度刻まれてしまった使用感の回復は困難な作業となりますが、錆びや腐食に細かい傷と比較的簡単にリカバー可能な減点対象が多く、その点では減点は軽微だった1台です。
走行距離も浅く、磨いてさらに光るポテンシャルを評価して、良好車としては上限ぎりぎりの8万円の査定額で買取させて頂きました。
お客様のご感想と買取後記
「3年前に乗り出しで20万円。車両価格で15万円くらいで、安!と思って買ったバイク」
「体が小さいもんで良く馴染んで、それなりに維持はしてきたつもりなんだけど。乗れば傷もつくし、乗ること自体が減った最近では錆びも増えてきて」と想い出と売却の経緯をご説明してくださったオーナー様。
「今どきじゃ。12万円台まで新車価格が下がっているんなら、3年楽しんだ中古が、8万円なら実際良い値段だね」と査定額に良いお返事を下さいました。
弊社整備工房でキッチリと整備メンテナンスを行い、更に車両価値を高めて、先ずは弊社販売店で販売車両として陳列させて頂きます。
YB125SP 査定相場の比較
店頭での新車の税込本体価格は平均で17万円程度のYB125SP 安い店舗では、税込本体価格で12万円台から新車を買う事のできるYB125SP。中古車はいったいどれくらいで売れるのでしょうか? 日本の中古バイクの相場を決定している、業者間オークション市場の取引データを使用して、YB125SPの買取相場をご紹介いたします
状態別の買取相場
- ▼状態を表す評価点の目安|YB125SP
- 評価点7 新車に近い状態
- 評価点6 かなり状態が良く綺麗
- 評価点5 状態が良く綺麗
- 評価点4 年式並み
- 評価点3 難有り
- 評価点1 事故車や不動車
YB125SP|評価点別の査定相場比較 |
状態/ 落札価格帯 |
評価点 6以上 |
評価点 5 |
評価点 4 |
評価点 3 |
評価点 1 |
10万円以上 |
5台 |
13台 |
1台 |
0台 |
0台 |
8~9万円台 |
0台 |
5台 |
8台 |
0台 |
0台 |
6~7万円台 |
0台 |
2台 |
33台 |
0台 |
1台 |
4~5万円台 |
0台 |
1台 |
23台 |
2台 |
6台 |
2~3万円台 |
0台 |
0台 |
2台 |
5台 |
12台 |
0~1万円台 |
0台 |
0台 |
0台 |
1台 |
1台 |
(2018年2月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
平均買取相場は5万円、状態が良ければ10万円まで
過去1年間に実に101台の取引があったYB125SP。
取引の最高額は13.8万円、最低額は1.2万円で、平均額は7.1万円となっています。
評価点と取引価格の相関性も高く、評価点5以上の車両の多くは8万円台以上での取引となっています。対して評価点6の車両は4~7万円台に取引が集中、評価点3になると2~3万円台に集中しています。
YB125SPは車両の状態によって、どの価格帯で取引されるかがとても把握しやすい相場となっています。
トピックとしては、13万円で落札されている走行1kmの新古車です。新車が税込本体価格で12万円台~売られている状況を考えると、10.8万円で落札されている走行23kmの新車に近い車両の落札額が、 買取業者にとっての実質上の上限目安となりそうです。
業者間市場での取引額は、『=買取業者の売却額=販売業者の仕入れ値』ですから、実際の買取相場は、買取業者の儲けと経費(出品手数料や運送費など)を差引いた額となります。
(余談ですが、中古車の店頭販売価格も、販売業者の儲けと経費(落札手数料や整備費など)を差引いた額で、概ね市場での取引額の2倍程度となっています。)
125ccの場合は儲けと経費で2~3万円が適正価格となりますので、 査定現場での買取相場は、走行距離などの影響もうけますので目安となりますが、下記のようになります。
- ▼査定現場での買取相場の目安|YB125SP
- 評価点6 8~10万円
- 評価点5 5~8万円
- 評価点4 2~6万円
- 評価点3 数千~2万円
- 評価点1 数千~3万円
事故車は不動車は数千~3万円程度の買取相場
過去1年間に、評価点1(事故車や不動車)のYB125SPは20台の取引があり、下は1.2万円、上は6.5万円、平均は3.4万円で取引されています。
最安値の車両は錆びが非常に目立つ不動車、2~4万円台にはフロントフォーク曲りの事故車が並び、5~6万円台には写真では損傷個所を判別できない事故車が落札されています。
事故車や不動車は、実働化後の価値から修理コストを差引いた額、若しくは部品取りの価値に準じた取引額になっています。
YB125シリーズの買取相場
流通数の多い割に公式情報が非常に少ないYB125SP
前身のYB125は、廉価な世界共通モデルであるYBR125のアジア向け下位モデルとして2004年に中国で製造が開始されました。
以下に、本流のYBR125シリーズと合わせてYB125のモデル別の買取相場の比較表をご紹介しています。
- ▼モデルの変遷|YB125シリーズ
- 2004年 YB125
- 2008年 YB125Z
- 2012年 YB125SP/SR風
- ▼モデルの変遷|YBR125シリーズ
- 2000年 YBR125/中国名『天剣』
- 2005年 YBR125G/オフ車寄りの仕様
- 2006年 YBR125SP/アメリカン仕様
YB125/YBR125モデル別の買取相場|実働車 |
相場/ 年式モデル |
平均落札額 |
最高額 |
取引台数 |
YB125 |
5.7万円 |
8.2万円 |
3台 |
YB125Z |
5.8万円 |
7.2万円 |
9台 |
YB125SP |
7.1万円 |
13.8万円 |
101台 |
YBR125 |
6.1万円 |
17.2万円 |
215台 |
YBR125G |
6.2万円 |
12.8万円 |
8台 |
YBR125SP |
6.9万円 |
11万円 |
9台 |
(2018年2月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
YB125シリーズにあっては、2012年発売のYB125SPの流通数がとりわけ多いのは、
SR風のスタイリングによるところが国内ユーザーに受けたのか?
2004年発売のYB125や2008年発売YB125Zは、一昔前の中華風やアジア風といった独特のスタイリングが廉価版を彷彿とさせ、国内で流通が伸びなかったのか?
YBR125シリーズでは、ベーシックモデルがダントツで圧倒的な流通数を誇り、中国製廉価版の威力を感じます。対して派生モデルのYBR125GやYBR125SPが受けないのは、日本のユーザーによってはオフ車風・アメリカン風 に見えてしまう事が影響しているのか?
流通数の多い少ないの理由は不明ですが、いずれのモデルも似たり寄ったりの相場で取引されていることが分かります。
もともとの新車価格が原付並みに廉価であることから、中古市場の値幅もコンパクトになるのは必然と言えます。
とは言っても、原付よりは中古相場は高く、新車価格と買取価格の比率を考えるとお買い得な車両であると言えます。
YB125/YBR125シリーズを適正以上価格で売却するならバイクパッションへ。
豊富な買取実績と、誠実な対応でお客様のご期待にお応えしております。
どんなことでもお気軽にお申し付けくださいませ!
YB125SP
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 101台
- 平均価格: 71,030円
- 最高価格: 138,000円
- 最低価格: 12,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 20台
- 平均価格: 33,550円
- 最高価格: 65,000円
- 最低価格: 12,000円
相場情報:2018年2月6日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。