査定させて頂きましたのは1992年モデルのVJ22A型のRGV250ガンマです。
10年近く動かしていないということで、タンク内のガソリンは劣化しえ人はかからない不動車の状態に。
ハンドルがロックされた状態のまま鍵を無くされたとのこと。ブレーキが引きずりを起こしており車体の押し引きは出来ない状態。
また車体の各所に劣化や風化の痛みが刻まれています。
以下に査定内容のトピックスをご紹介させて頂きます。
エンジンの状態
10年放置されていたため、フュエルタンク内のガソリンは劣化し独特の腐臭を放っています。キャブレター周りでは固着したガソリンが粉を吹いています。
バッテリーは上がっていますが、持参したブースターを使用するまでもなく、エンジンはかからない状態であることが判別できます。
2ストマシンで起こりやすいエンジンの焼き付きが発生していないか、キックスターターをキックいたしましたが圧縮はしっかりとありエンジン自体は生きているようです。
絶版から20年以上経過しているVJ22A型のRGV250ガンマはパーツの入手も難しく、たとえ査定現場では始動しないエンジンであっても焼き付きなどを起こしているか否かは重要な査定ポイントとなります。
その意味で、実働化までは、キャブ洗浄や、タンク内の防錆加工、プラグ・バッテリー交換が必要な状態ではありましたが、商業的に実働化可能なエンジンとして十分に買取価値がある判定となりました。
外装の状態
艶を失い干からびて年季を感じさせるシート、曇って司会を失っているスクリーン等とは異なり、埃をかぶっている外装カウルはシートやスクリーンほどは年季を感じさせる退色や色褪せは見られません。
とても綺麗とは言えませんが、目立つような外傷もなく年式未満の状態ながら十分に再販価値を保持しているといえるでしょう。
放置による劣化やマイナスポイント
「鍵を無くしてから10年くらいはそのまんま」とはオーナー様のお言葉。
(ハンドルはロックされた状態で車体の押し引きができません。買取後は車体の下に台車を噛まして搬出させて頂きました)
高年式のモデルですといもびらーざー機能付きの鍵など、複製コストが高価になる鍵も多くありますが、20数年前の車両であれば鍵の複製コストも高くはありません。
弊社パッションでは、買取した鍵なしバイクが10台ほど溜まった段階で提携の鍵業者に依頼して複製してもらっているため非常に安価で紛失鍵の複製をすることが出来ます。
そのため、鍵の種類にもよりますが鍵なしバイクでも大きなマイナス査定なしに買取いたしております。
劣化としては、茶色一色となっているチェーン。点錆が浮いて一部塗装が盛り上がっているアウターチューブ、要オーバーホールのキャリパー、各所取付ボルトの錆などメッキ・金属各所に見られる強めの錆。
一部ひび割れを起こしているタイヤ、パサパサ感のあるグリップなどゴム類の劣化。
傷や錆に腐食が強い前後のキャストホイール、抜けていて要オーバーホールのフロントフォークなど使用感の強い足回りなどがマイナス査定となりました。
総合的な評価と査定価格
10年放置されていて、鍵がなくハンドルロックされたままだったVJ22A型のRGV250ガンマ。
エンジン実働化までは、鍵の複製に加えて、キャブO/H、タンク内の防錆加工、プラグ・バッテリー交換が最低限必要な状態。
再販に向けては、フロントフォークのオーバーホールや、チェーンにタイヤやグリップなど消耗品の交換も必須。
劣化の目立つ金属部分の研磨や、外装の艶出しなど再販に向けた工程とは少なくない状態だったガンマです。
それでも目立った外傷なく一式揃った外装カウル、生きているエンジンなど商業的にはレストア可能な状態でした。
レストア後の市場流通価値から、レストアコストを差し引いて5万円の査定価格で買取させて頂きました1台です。
この価格で買取できるのも、修理単体でのもうけを必要としない弊社販売店の大きな整備工場があるから!
不動車の買取査定は弊社パッションにお任せください!
【2019年1月追記】の買取相場情報
上記の買取事例は2011年の内容です。
2ストレプリカの人気再燃によって2012年頃から相場が右肩上がりのガンマシリーズ。
2011年と2019年では買取相場が全く異なります。
はたして、もし2019年1月時点の買取相場に照らすといくらの査定額が付いたのか?
買取業者の査定価格の指標であり、販売業者の仕入れ値であり、つまり日本の中古バイクの相場を決定している業者間オークション市場の取引データを使用して、VJ22A型ガンマの買取相場をご案内差し上げます。
【2011年 vs 2019年】VJ22A型 取引相場の比較|実働車 |
|
平均落札額 |
最高額 |
最低額 |
取引台数 |
2011年 |
16.2万円 |
45.0万円 |
6.5万円 |
26台 |
2019年 |
25.2万円 |
46.8万円 |
14.8万円 |
26台 |
(2011年1月時点と2019年1月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
2011年と2019年の平均取引額の比較で、実働車は約6割価格が上昇しています。
エンジン焼き付きなどの大掛かりな修理を必要としない(キャブやタンク洗浄程度で実働化が見込まれる)不動車は、実働化後の流通価値から実働化までの工賃コストを差し引いた査定額で買取することが出来ます。
特に弊社のように自社で買取から整備修理と販売を手がける、修理工場を併設した買取販売店では、修理コストを最小化できる分だけ高く買取することが出来ます。
2011年時点では、実働車の平均取引額が16万円程度であったVJ22A型RGV250ガンマ。
■2019年の相場に照らすと、実働化を視野に入れた査定額は11万円
買取した車両の実働化コストを5万円程度、実働化後の市場での取引額を12万円程度と見込んで、査定額を算出いたしました。
12万円-5万円=7万円ですが、7万円で買取しては儲けが出ません。実際には運走コストや市場への出品手数料などの他儲けも考慮しないといけないため、ぎりぎりの査定額である5万円で買取させて頂きましたが。
2019年時点では、実働化後の流通価値(想定取引額)として18万円程度が見込めます。
そのため2019年1月時点の相場に照らすと、実働化を視野に入れた際の査定額は、11万円程度になっていたでしょう!
【2011年 vs 2019年】VJ22A型 取引相場の比較|不動車・事故車 |
|
平均落札額 |
最高額 |
最低額 |
取引台数 |
2011年 |
8.3万円 |
12.4万円 |
5.1万円 |
26台 |
2019年 |
21.3万円 |
34.3万円 |
8.6万円 |
26台 |
(2011年1月時点と2019年1月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
2011年と2019年の平均取引額の比較で、事故車や不動車は実に150%近く価格が上昇しています。
さらに、2019年の相場は、実働車と不動車・事故車の取引の価格差が非常に狭くなっていることに驚かされます。
なぜ、これほど非実働状態のガンマの相場が上がっているのか?
理由に1つには、絶版から25年以上が経過し、良好な個体数が減少していることが挙げられます。
実働車の大半は多かれ少なかれ不具合を抱えているため、比較的簡易な修復で実働化できる不動車は、実働車に近い金額で取引されていると見てよいでしょう。
また大掛かりなレストアが必要な不動車やパーツ取り用途の事故車なども、部品の圧倒的な品薄状態から、パーツ自体が高値で売れる状況にあって、残存パーツの価値で取引されています。
経年とともに、修理してでも乗りたい絶版車のパーツ需要は高まります。今後も事故車や不動車の相場は堅調若しくは上がっていくことが予想されます。
■2019年の相場に照らすと、不動車現状の査定額は13万円程度
2011年時点では、実働化させて市場に流したほうが高値で取引される傾向にあったVJ22A型RGV250ガンマですが、2019年1月時点では不動車現状のまま市場に流したほうが高値で売れる相場となっています。
2011年で買取した状態で、市場に出品したとすると、想定される取引額は15万円程度が見込まれます。そこから自社の経費と儲けを差し引いた査定額はギリギリ13万円まで提示することが出来ます。
つまり、2011年に限界査定額が5万円だった、「10年放置で錆び錆びの鍵なしVJ22A型RGV250ガンマ」は2019年1月時点では13万円まで査定額が出せる相場となっています。
■売り時を逃さないために!
今後も相場の値上がりが期待できるVJ22A型 RGV250ガンマ。売却をご円筒中のオーナー様にとっては、最新の相場情報が気になるところ。
最新の相場情報は、
個人情報不要の自動査定からご確認して頂けます。
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