野晒しのままで20年放置! 年季の入った不動車RZ250
そんな根強い人気を誇る旧車・RZ250ですが、実際の買い取り事例をご紹介させて頂きます。 所有オーナー様は、大阪府在住の佐竹様(仮名・40代男性) ご実家の建て直しにより、解体工事前に敷地内の放置車両・RZ250を引き取りに来て欲しい、との依頼でした。
買い取りさせて頂いたヤマハ RZ250がこちらです。 年式不明ですが、メーター読みは約12,000km。 ハンドル周りの腐食も多く、かなり年季が入っています。
ご覧の通り、各箇所のサビ・腐食が激しく、佐竹様いわく10年間野晒しであったとか。
確かに腐食箇所は多く、サビの程度もかなり重度。
査定時には、タンク横にかたつむりがコンニチハ!している状態でした。
この状態からお察し頂ける通り、エンジンは当然不動。バッテリーも無しです。
フロント部もトレードマークであるハロゲンヘッドライトが分解され、電装むき出し。
佐竹様は正直査定にあまり期待されていなかったようで、査定時には煙草を吸われながら「廃車費用かかるなら言うて。なんぼや?」とまでおっしゃっていました。
20分かけ、各部位を詳細にチェックさせて頂いた上で、このRZ250の最終査定金額は、10万8千円。
弊社による査定ランクは、10段階評価の「1」でした。
不動車でこんなにボロボロなのにどうしてこの値段? パッションならでは査定の理由!
いくら人気の高いビンテージバイク・ヤマハ RZ250であっても、このボロボロの状態の不動車がこんなに高いの?と思われる方も多数おられるかと思います。
まずは、この査定金額についてご説明させて頂きます。
弊社では、買い取り査定時のランクを10段階評価としており、査定の際には厳しくプロの目でチェックさせて頂いております。
今回のヤマハ RZ250のランクは「1」で、弊社での評価は以下のような概要となります。
ランク1・商品化不可能、定例出品不可 蚤の市レベル
正直、このRZ250のリビルトは難しく、腐食の多さがマイナスポイントでした。
但し、ガソリンタンクなどの外装類は比較的劣化が少なく、パーツとしての再生が可能と判断。
キャブ車であるRZ250は、キャブレター単体でのリビルトパーツ需要があることもプラス評価に。
サビによる腐食は酷かったものの、書類が残っており、書類付きフレームとしての価値があること。
そして、立ちゴケなどの軽微な転倒はあっても、フレームにダメージを負うようなトラブルがなかった事が、この査定金額の主な理由です。
チャンバーにはサビによる腐食穴が大きく、正直言って商品価値はありませんが 純正ホイール装着のままで、再生可能なレベルの腐食であったため再生可能パーツとして査定させて頂きました!
勘違いでお叱りのカミナリ! でも改めてご説明申し上げると…;?
最初、佐竹様はこの金額をRZ250の廃車費用と勘違いされたご様子でした。
「は?廃車費用がそんなにかかるわけないやろ?ナメとるんか!」と査定員にお叱りのカミナリを発したのですが、これが買い取り金額である事を改めてお伝えさせて頂きました。
すると、
「え?嘘やん、こないだきよった回収業者、廃車費用2万5千円貰う言いよったで?」と半信半疑のご様子。
そこで今回のRZ250の査定金額について、詳細にご説明させて頂きました。
- まず、現在RZ250は稀少性の高いビンテージバイクである事。
- 2ストロークエンジン搭載車全般が価格高騰中である事。
- エンジン不動であり、そのままでの再生は極めて難しい車両である事。
- ただし、パーツ類は再生可能な部品が多く、書類が現存している事。
- フレームにダメージがなく、手間をかければ再生可能である事。
以上、5つの理由で佐竹様は非常に納得して頂け、売買成立となりました。
今回は売却頂き、ありがとうございました。
RZ250豆知識
1980年、ヤマハ RDの後継車として誕生したRZ250。
レーサーマシン・TZと同じボア・ストローク(54mm×54mm)サイズの水冷2ストローク並列2気筒エンジンを搭載するこのバイクは、最高出力35.0ps/8,000rpmをマーク。
RZ250は、回転数を上げるほどに怒涛の加速力で多くのライダーを虜にしました。
車体重量わずか139kgという軽量を武器にしたRZ250は、峠ではクラスレスの戦闘力を発揮。
1クラス上の4ストロークエンジン搭載車を次々と仕留めていくRZ250は、いつしか400キラーという通り名で呼ばれるようになりました。
(一年遅れで追加販売となった兄弟車・RZ350は同様の理由で「750キラー」の称号で呼ばれました。)
RZ250は、現在ヤマハを代表する看板マシンとなったVMAXのデザインを手がける、現・株式会社GKダイナミックスによるデザイン設計を受けたモデルの一つです。
それだけに高い走行性能と、デザインの美しさの両方の面で評価は高く、現在の中古車市場での人気を不動のものにしています。
初期型の通称・日の丸カラーと呼ばれるパールペイントは美しく、カラーリングでは一番人気の座を獲得。
国内2ストロークエンジンスポーツバイク最高峰の一台として、RZ250は国内外に高く評価されています。
RZ250【1980~1982年モデル】
素晴らしい性能と、美しい造形デザインにより、峠小僧はもちろんあらゆるライダーを魅了した時代の寵児・RZ250。
現在でも稀少なビンテージバイクとして、ファンに愛され続けているマシンです。
弊社では、RZ250をはじめ旧車の査定に絶対の自信を持っています。
ここ3年間のRZ250の買取査定依頼は合計38件。
ありがたいことに大体月1台ペースでご依頼いただいております。
お蔭様で、信頼のできるバイク査定で安心とご好評を頂いております。
本年2016年はようやく折り返し地点ですが、それにも関わらず多くの旧車オーナー様のご紹介・口コミによって査定申し込みを頂き、大事なRZ250を心を込めて査定させて頂いております。
稀少な2ストロークエンジンを持つ旧車だけあり、RZ250は年々価値が上昇中。
季節を問わず常に売り時が続いております。
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近6ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 27台
- 平均価格: 353,778円
- 最高価格: 690,000円
- 最低価格: 230,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 17台
- 平均価格: 167,706円
- 最高価格: 232,000円
- 最低価格: 99,000円
相場情報:2015年2月時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。