BMW R1100R買取査定のポイントや詳細
査定を依頼いただいた上田様は、大阪市内で飲食店を経営されています。
「浪速っ子ではなく出身は愛媛県だそうです。食い倒れの街だけにお客さんに不味いものは出せませんから、毎日必死です」と、大阪で飲食店を営むハードルの高さを語ってくれました。
「まずは実車を見てください」R1100Rはマンションの地下駐車場に止められていました。
左側から見ると綺麗なバイクに見えますが、右側に回るとカウルやエンジン、マフラーに大きなキズが見られます。
「5年前に中古で購入して、仕事の合間にちょこちょこ走っていたんですが、その日は寝不足だったため一瞬寝落ちしてしまいました」
幸い追突事故には至らなかったものの、バランスを崩して大きく転倒。
バイクから放りだされ、アスファルトをスライディングするR1100Rを見つめていたそうです。
買取させていただいたR1100Rの状態

今回査定させていただくR1100Rは、1998年式、走行距離は24,740kmです。
カフェレーサー風のカウルが装着され、カスタムが施されています。

エンジン周り
BMWのお家芸であるボクサーツインエンジンはヘッドが横向きになるため、転倒で破損しそうに見えますが、ご覧の通りキズがつくことがあっても壊れたりしないことが証明されています。
幸い、エンジンがかかるためそのまま走って帰ることができたそうです。
「壊れるどころか、むしろエンジンが守ってくれて、車体で足を潰さずに済んだ」と上田様はおっしゃいます。

ハンドル/足回
右のミラーは破損してしまいました。
ハンドルは目視する限りでは曲りや歪みはないようです。
右のフロントフォークとタイヤに擦りキズがありますが、パニアケースが犠牲になることで、スイングアームなどのリアまわりは難を逃れています。
特に駆動系のシャフトドライブを壊してしまうと修理代が高くなりますので、駆動系が守られただけでも幸いでした。

ブレーキディスク、キャリパー、タイヤなどに破損はありません。
右から伸びたエキパイが車体の下を通り、左のサイレンサーにつながる構造のため、マフラーを潰さずに済んでいます。

電装保安部品
転倒の衝撃からヘッドライトが破損してしまったそうで、目の玉が抜かれたような姿になっています。
右のウィンカーも破損していますが、テールランプ、ブレーキランプ、ホーンなどは作動します。

外装/フレーム
純正の設定がないカフェレーサー風のカウルについて調べてみると、動研というメーカーからリリースされていたカスタムパーツのようです。
フロントは「70’sCAFE コクピットカウルキット」、テールは「70’s CAFEシート&カウルキット」が装着されています。

フロントカウルとテールカウルが破損していますが、割れたりはしていませんし、タンクにヘコミも見られませんので、ある程度形成して塗装し直すことで再生が可能なレベルだと思います。
思い切ってフロントカウルを取り外して、ネイキッド化してしまえば修理費用も少なく済みます。
いずれの可能性も残しています。

軍用バイクを作っていただけにBMWの耐久性は高く、フレームに歪みはられません。
転倒によるキズが悔やまれますが、逆に言えばこれだけ良い作りがされているバイクだったからこそ、この程度の破損で済んだともいえるでしょう。
買取いただいたお客様の声
「査定価格は20,000円でどうでしょう?」そう伝えると上田様は、「やっぱりBMWっていっても、これだけ壊れてたら、そんなもんだよね」と少し寂しそうです。
バイクの良さと人気は必ずも一致せず、R1100Rの中古車販売価格が最高でも30万円程度であること、これだけ破損しているバイクの場合、再生するとしてもお金がかかることなどを説明させていただきました。
「確かに直すにしてもお金かかりますよね」と納得いただき、売買成立となりました。