買取させて頂きました不動車は、1996年に限定発売されたパールクリスタルホワイトのCB400スーパーフォア・バージョンS。
PMG-IGやビキニカウル、アルミ製のサイレンサーなどを装備した上位モデルとして1995年に発売されたCB400スーパーフォア・バージョンRは、同年発売のベーシックモデルCB400SFに比べて2万円高い60.9万円の新車価格でした。
その翌年1996年にバージョンRからビキニカウルを外し制動効果に優れたフロントブレーキを採用するなど足廻りを充実させた仕様で発売されたのがCB400スーパーフォア・バージョンSです。
当時の新車価格はベーシックモデルよりも1万円高い59.9万円でした。
1999年のフルモデルチェンジでVTECシリーズとなり、1998年モデルが最終となって姿を消したCB400スーパーフォア・バージョンSの限定モデル(残念ながら同一価格でカラーリングのみ異なる1996年の限定車にプレミアムは付いていません)
さて、それでは早速査定内容のトピックスをご紹介させて頂きます。
「故障してからしばらく乗っていないスーパーフォアを査定してほしい」と出張買取のご依頼を頂いた車両がCB400スーパーフォア・バージョンS。
「走行中に突然エンジン停止して。保険のロードサービスで近所のバイク店に運んでもらったんですが・・・
”冷却水は空になっているし、オイルが白濁しているからエンジンに流れているのでは・・・ウォーターポンプの故障ではないか・・・でも詳しく見てみないと分からない。 ウォーターポンプの交換だけならそんなに高額にはならないけど。故障の理由によっては10~20万円の修理になることもある”といわれて、車体を押して持ち帰ったのですが。迷っているうちに6年ほどそのままで」 とはオーナー様のお言葉。
価値を見出すことが難しいエンジン状態
走行中に後輪がロックして急停止するようなエンストではなかったそうなので、エンジンの焼き付きなど重篤化故障ではないと思われますが、気になるエンジン状態から査定していきましょう。
エンジンはHYPER VTECとなる前の水冷・4サイクル・DOHC・4バルブ・4気筒です。
持参したブースターを繋いでエンジンの始動を試みますが、やはり始動はしません。
まずはタンク内のガソリンの状態を確認しようとしますが、タンク内部の錆が・・・。
この状態では例えエンジンが始動する状態でもタンク内の錆がキャブレターに流れてキャブ詰まり、エンストを誘発させることは必至・・。
タンク内の錆取り(かなり頑固な錆びなので処理にも時間がかかりそうです)と、防腐加工が必要な状態です。
続いてキャブレター周りを見ると、劣化したガソリンが白い粉になって固着しています。キャブレター内部で固着してキャブ詰まりを起こしているのは間違いなさそうです。
エンジン実働化には、タンク内の錆取り・防腐加工、バッテリー&プラグ交換、4発のキャブの分解洗浄は最低限必要な状態。その分買取価値を下げています。
また、原因不明のエンストからエンジン始動しなくなっという点も気がかりです。
急なエンストからエンジンが始動しなくなるには多数の原因が考えられますが、クーラントが空になっていたというヒントはありますが、簡単なところから原因を究明していき最終の電装系まで調べていく必要があり、 それこそ原因によっては高額な修理費用となる可能性もあります。エンジンについては査定の評価としては点数が付かないジャン判定となりました。
劣化は部分的に強いものの全体的には年式並み
半屋内の環境で保管されていたということで、野晒しで6年間放置されているような車両と比べると全体的な劣化は少なめだったCB400スーパーフォア・バージョンS。
それでも局所的には劣化の目立つところもあり、例えばフロントフォークの点錆、張替えが必要なシートカバーの風化、メーター内パネルの曇りなどです。
ただし上記については安価にリカバーが可能であり、軽いマイナス査定で済んでいます。
外装の色褪せも少なく、再販車両として見た目のポテンシャルは悪くありません。丁寧に磨くことで綺麗な車体となるでしょう。
総合評価と買取額
局所で激しい劣化が見られましたが、6年間放置されていた割には磨いてポテンシャルを維持していた外装。
対して、エンストしてから始動しなくなったエンジンは故障個所が特定できないうえに、タンク内の錆取り・防腐加工、バッテリー&プラグ交換、4発のキャブの分解洗浄も最低限必要な状態。
実働車の平均的な買取相場が15万円弱となっているCB400スーパーフォア・バージョンS。
弊社の利益をぎりぎりまで切り詰めて、不動車の平均相場である8万円の査定額で買取させて頂きました。。
【2019年2月追記】の買取相場情報
上記内容は2012年10月時点時点の買取事例です。
2012年10月時点の相場情報に基づいて算出された査定金額です。
さて、ネイキッド・ロードスポーツモデルとして1996年3月に市場に投入された上位モデルのCB400スーパーフォア・バージョンS。 1998年発売の限定車が最終となりましたが、その間約2年の間に6回も市場にリリースされています。 CB400スーパーフォア・バージョンSは年式モデルによって買取相場が異なるのか? 買取業者の転売先である業者間オークション市場の取引データを使用して、2019年時点でのCB400SUPER FOUR VERSION Sの買取相場をご案内差し上げます。
業者間オークション市場での取引額とは、買取業者の転売額であり、また販売業者の仕入れ値です。つまり国内の中古バイクの相場は市場の取引額がベースとなっています。
まずは、CB400スーパーフォア・バージョンSがどのような変遷を遂げてきたのかから振り返ってみましょう。
初代CB400スーパーフォアVTECの変遷/仕様変更と新車価格 |
発売年 (年式モデル) |
新車価格 |
仕様変更 |
1996年3月 (1996年モデル) |
59.9万円 |
新発売 |
1996年6月 (1996年モデル) |
59.9万円 |
限定カラー |
1996年12月 (1997年モデル) |
59.9万円 |
シートカウル・フロントブレーキ変更 |
1997年 |
59.9万円 |
限定カラー Limited Edition |
1998年 |
59.9万円 |
50th Aniversary |
(新車価格は当時のメーカー希望小売価格。100円単位は切捨て)
上記は、初代CB400スーパーフォアVTECの年式モデル別の当時の新車価格と主な仕様変更を纏めた表です。
販売期中に大きな仕様変更が実施されたのは1996年12月に1回のみ。その他は、Limited Editionや50th Aniversaryなどの限定カラーが投入されました。 メーカー希望小売価格も一貫して59.9万円と変更されませんでした。このことからも年式モデルによって買取相場は変化しないと思われますが、どうでしょうか?
以下で検証してみましょう。
年式の差はなく、平均買取額は13万円強、上限は20万円台
上記は、買取業者の転売先である業者間オークション市場の取引金額の推移をまとめた表です。
1996~1998年モデルのCB400スーパーフォア・バージョンSについては、年式モデルによって相場は変わらないことが分かります。
最終の500台限定の1998年モデルは取引台数が少なく傾向値は弱いことを考慮しても、限定モデルの相場が高くないことも分かります。 残念ながら、CB400スーパーフォア・バージョンSについては限定モデルのプレミアムはありません。 実働車の平均取引額は13.2万円、最高額は22.4万円、最低額は7.1万円となっています。7年前の2012年時点と比較すると約25%相場が下落しています。
ご売却をご検討中のオーナー様にとっては売り急ぐ必要はありませんが、早めの売却が高額査定に繋がりそうです。
さて?2019年時点での査定現場での実際の買取額をまとめてみましょう。
上記は、買取業者の転売金額である、業者間オークション市場での取引金額です。実際の買取額は転売額から、業者の経費(出品手数料や運送費など)と儲けを差し引く必要があり下記のようになります。
- ▼正味の買取額|CB400SFバージョンS
- 極上車:16~20万円
- 良好車:12~16万円
- 年式並:9~12万円
- 難有車:4~9万円
事故車や不動車の買取額も堅調
実働状態にない、事故車は不動車・故障者のCB400スーパーフォア・バージョンSに着目すると、直近1年間で38台の取引がありました。
最高額は13.3万円、最低額は4.6万円、平均は8.6万円となっています。
9万円以上で取引された個体には見た目は比較的綺麗な不動車や故障者が多く見受けられます。
故障車や不動車は、実働化後の価値から実働化コストを差し引いた金額での取引となっています。
9万円以下で取引されている多くは事故車。5万円以上で取引されている事故車は損傷個所が限定的で修理しての再販見込みがありそうな車両が多く並んでいます。
対して5万円未満で取引されている車両は一見して修理コストが車両の再販価値を上回る事故車で部品取りの価値で取引されています。
査定現場での正味の買取額を纏めると
- ▼正味の買取額|CB400SFバージョンS
- 不動車・故障車:6~11万円
- 再販見込みの事故車:3~6万円台
- 部品取りの事故車:~3万円
高額査定を狙うなら買取販売店のパッション
上記は、いずれも業者間オークション市場に転売することを前提とした査定額です。
年間2000台超の中古オートバイを販売する直営販売店を併設する弊社パッションでは、在庫状況によっては販売店仕入れ価格で買取できる可能性がございます。
販売店仕入れ価格とは、業者間オークション市場での取引価格に消費税と落札手数料を加えて金額になります。
例えば、業者間市場で30万円で取引された車両があるとします。買取専門業者の買取限界価格は28万円程度となります。
たいして販売店では30万円+消費税+落札手数料=33万円で仕入れるため、販売店仕入れ価格となると、買取専門店よりも15%ほど高い査定額で買取できるよちがあります。
CB400スーパーフォア・スペック3の売却は買取販売店のパッションにお任せください!
最新の買取相場をチェック!
上記の買取事例は2012年3月時点の内容です。また相場情報は2019年2月時点の内容です。
CB400スーパーフォア・バージョンSのご売却をご検討中のオーナー様は、今後の相場動向が気になるところでしょう。
最新の相場情報は、10秒で査定額が出る
個人情報不要の自動査定でチェックして頂けます。
CB400スーパーフォア バージョン S
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近6ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 35台
- 平均価格: 172,171円
- 最高価格: 306,000円
- 最低価格: 112,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近6ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 14台
- 平均価格: 109,714円
- 最高価格: 136,000円
- 最低価格: 81,000円
相場情報:2012年10月1日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。