買取させて頂きましたのは2000年モデルのCB400 SUPER FOUR VTECの不動車。
2000年モデルのメーカー塗装はストライプパターンのみとなっていますが、黒にオールペイントされた車両です。
2000年当時のメーカー希望小売価格は61.9万円だったCB400SF VTEC。発売から12年が経過した2012年時点での平均的な買取相場は10万円台後半となっています。
エンジンがかからず転倒傷や劣化の目立つ不動車ですが、査定価格にはどう影響したのでしょうか?以下査定内容のトピックをご紹介させて頂きます。
始動しないHYPER VTECエンジン
「最後に乗ったのは4年位前の暮れだったかなぁ~」とは査定のご依頼を頂いたオーナー様のお言葉。
まずはエンジンまわりから査定させて頂くことに。
腰上からオイルが漏れていてオイル漏れの跡が錆で覆われたエキパイまで伝っています。オイル漏れの跡を辿るとヘッドカバーから漏れ出ているようです。
漏れている量がやや多いためヘッドカバーを開けてガスケットの交換が必要な様子。市価の工賃+部品代にして1~2万円です。
見た目は、シリンダーブロックの腐食、ラジエーターの錆、キャブレターの腐食があり2000年式のCB400SF VTECとしても年式並みかそれ未満の見た目となっています。
肝心のHYPE VTECのエンジン機能ですが、バッテリーが上がっていて始動しません。持参したブースターを繋ぎますがやはり始動しません。
タンク内のガソリンをチェックいたしますと劣化したガソリン独特の匂いがします。キャブレター付近でも劣化したガソリンが白い粉を吹いています。
キャブレター内で詰まりを起こしてエンジンに混合気が送られない状態となっているようです。
エンジンの始動には、バッテリー&プラグ効果、ガソリン交換、4発のキャブレターの分解洗浄が必要な様子。市価の工賃+部品代で4万円程度です。
オイル漏れや錆び錆びのエキパイなどから実働化後のエンジン状態も調子は今一つと見ておく必要がありそうです。ただし走行距離が1万キロ強と少ない点は評価させて頂きました。
オイル漏れの修理とエンジンの始動ぬ向けた部品代+工賃は修理を前提とした場合6万円程度が見込まれますが、弊社バイクパッションで併設している修理工場では実費のみ3万円程度でリカバーすることが可能です。
始動しないエンジンとオイル漏れに対する査定金額のマイナスも3万円程度で済んでいます。
目立つ転倒傷
やや派手な転倒傷が車体各所に刻まれていたCB400SUPER FOUR VTEC。
主な転倒傷は、メーターカップの広範囲の削れ傷、遠目にも目立つクランクケースカバーの削れ傷、ヘッドライトリムの変形と削れ、サイレンサーの凹みや削れなど。
外装は比較的綺麗/金属部分に劣化
錆で覆われたエキパイやチェーンは油切れを起こして錆びているようです。
当時は大切にされていたのでしょう。マメに洗車を行って吹き上げや油さしをしないと、チェーンやエキパイは錆が広がりやすい部位です。
その他の金属やメッキ部分は、放置されている車両では特に点錆びの浮きやすいインナーチューブにもその兆候はなく2000年モデルとしては年式並みかそれ以上といえるでしょう。
タンク、テールカウル、サイドカバー、フロントフェンダーといった外装品は艶を保持していて比較的綺麗です。
放置されていた間もバイクカバーが機能して日焼けや色褪せを防いでいたようです。
実は、外装の色褪せや日焼けはリカバーが難しく、外装が綺麗な車両ほど購入希望者の目を惹くことから、外装の劣化が少ない車両は再販に向けたポテンシャルが高いと言えます。
総合評価と買取額
買取価値を損なっていた主な点
- 始動しないVTECエンジン。要修理のオイル漏れ、4発のキャブの分解洗浄、ガソリンにバッテリー&プラグ交換と、始動と修理に市価で6万円程度の費用
- 車体各所の転倒傷。エンジン下部、メーターカップ、マフラー、ヘッドライトと派手な傷が刻まれています
- 錆び錆びのエキパイやチェーン
評価できた点
不動車としても実働化コストが高く、転倒傷が目立つ点が大きくマイナスとなりました。不動車としても状態が良くない部類に入るCB400SF VTECでしたが。 外装のポテンシャルを評価し、自社整備工場で安価に修理できる強みを活用して、不動車の平均的な買取相場に近い9.8万円の査定額で買取させて頂きました。
【2019年2月追記】の買取相場情報
上記内容は2012年5月時点時点の買取事例です。
2012年5月時点の相場情報に基づいて算出された査定金額です。
1999年のフルモデルチェンジで新開発のHYPER VTECエンジンが搭載されてNC39型となったCB400 SUPER FOUR VTEC。
(1999年のフルモデルチェンジではVTECエンジンが搭載された他、フレームの見直し、スタイリングの変更などほぼ全面的に刷新されました。2019年現在でもCB400SF史上最も大きな仕様変更となっています)
2002年に進化系のスペック2エンジンが搭載されCB400 SUPER FOUR VTEC SPEC2となるまで、僅か3年の生産販売期間であった初代CB400 SUPER FOUR VTEC。
生産販売された3年間に、1999年モデル、2000年モデル、2001年モデルがカラーリング変更を伴い発売されました。
さて、1999~2001年モデルが存在するCB400 SUPER FOUR VTECは年式モデルによって買取相場に差はあるのでしょうか?
(参考記事:
【型式/モデルチェンジ別】CB400SFシリーズの買取相場)
買取業者の転売先である業者間オークション市場の取引データを使用して、2019年時点での初代CB400スーパーフォアVTECの買取相場をご案内差し上げます。
業者間オークション市場での取引額とは、買取業者の転売額であり、また販売業者の仕入れ値です。つまり国内の中古バイクの相場は市場の取引額がベースとなっています。
まずは、CB400スーパーフォアVTECがどのような変遷を遂げてきたのかから振り返ってみましょう。
初代CB400スーパーフォアVTECの変遷/仕様変更と新車価格 |
発売年モデル |
単色 |
ストライプ/オーダー |
仕様変更 |
1999年 |
60.9万円 |
61.9万円 |
新発売 |
2000年 |
- |
61.9万円 |
カラー変更 |
2001年 |
61.9万円 |
63.9万円 |
カラー変更 |
新車価格は当時のメーカー希望小売価格。100円単位は切捨て)
上記は、初代CB400スーパーフォアVTECの年式モデル別の当時の新車価格と主な仕様変更を纏めた表です。
販売期中に大きな仕様変更は実施されておらず、2001年モデルで1万円値上がりしましたが、カラーリングの変更やカラーオーダープランの追加のみとなっています。 最終となった2001年モデルからは18年が経過している2019年時点では、年式モデルによる買取相場の差はないと予想できますが、どうでしょうか?
以下で検証してみましょう。
【年式別】初代CB400SF VTECの取引相場 |
【相場の変遷】 |
平均落札額 |
最高額 |
最低額 |
取引台数 |
1999年式 |
16.1万円 |
21.4万円 |
9.8万円 |
63台 |
2000年式 |
16.5万円 |
24.8万円 |
11.6万円 |
42台 |
2001年式 |
16.1万円 |
23.0万円 |
9.8万円 |
59台 |
事故車・不動車 |
1999年式 |
10.1万円 |
13.8万円 |
4.6万円 |
11台 |
2000年式 |
9.3万円 |
15.0万円 |
4.2万円 |
9台 |
2001年式 |
10.6万円 |
15.1万円 |
7.0万円 |
16台 |
(2019年月2月時点で、買取業者の転売先である業者間オークション市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
年式の差はなく、平均買取額は13万円強、上限は20万円台
上記は、買取業者の転売先である業者間オークション市場の取引金額の推移をまとめた表です。
1999~2001年モデルの初代CB400スーパーフォアVTECについては、年式モデルによって相場は変わらないことが分かります。
(販売期間中に目立った仕様変更のなかった2003~2006年モデルのCB400SF VTECスペック3は、年式モデルによって買取相場が異なるのですが・・・)
実働車の平均取引額は16.2万円、最高額は24.8万円、最低額は9.8万円となっています。6年前の2013年時点と比較すると約2割相場が下落しています。
1992~1998年モデルのNC31型の平均相場が10万円強で推移していますので、今後はその水準まで緩やかに下落していくことも予想されます。
(参考記事:
【型式/モデルチェンジ別】CB400SFシリーズの買取相場)
ご売却をご検討中のーなー様にとっては売り急ぐ必要はありませんが、早めの売却が高額査定に繋がりそうです。
さて?2019年時点での査定現場での実際の買取額をまとめてみましょう。
上記は、買取業者の転売金額である、業者間オークション市場での取引金額です。実際の買取額は転売額から、業者の経費(出品手数料や運送費など)と儲けを差し引く必要があり下記のようになります。
- ▼正味の買取額|初代CB400SF VTEC
- 極上車:20万円台
- 良好車:14~20万円
- 年式並:10~14万円
- 難有車:6~9万円
事故車や不動車の買取額も堅調
実働状態にない、事故車は不動車・故障者の初代CB400スーパーフォアVTEC(1999~2001年モデル)に着目すると、直近1年間で36台の取引がありました。
最高額は15.1万円、最低額は4.2万円、平均は10.1万円となっています。
10万円台は見た目は比較的綺麗な不動車や故障者が多く取引されています。
故障車や不動車は、実働化後の価値から実働化コストを差し引いた金額での取引となっています。
10万円以下で取引されている多くは事故車。7~10万円程度で取引されている事故車は損傷個所が限定的で修理しての再販見込みがありそうな車両が多く並んでいます。
対して7万円未満で取引されている車両は一見して修理コストが車両の再販価値を上回る事故車で部品取りの価値で取引されています。
査定現場での正味の買取額を纏めると
- ▼正味の買取額|初代CB400SF VTEC
- 不動車・故障車:6~13万円
- 再販見込みの事故車:3~7万円台
- 部品取りの事故車:~5万円
高額査定を狙うなら買取販売店のパッション
上記は、いずれも業者間オークション市場に転売することを前提とした査定額です。
年間2000台超の中古オートバイを販売する直営販売店を併設する弊社パッションでは、在庫状況によっては販売店仕入れ価格で買取できる可能性がございます。
販売店仕入れ価格とは、業者間オークション市場での取引価格に消費税と落札手数料を加えて金額になります。
例えば、業者間市場で30万円で取引された車両があるとします。買取専門業者の買取限界価格は28万円程度となります。
たいして販売店では30万円+消費税+落札手数料=33万円で仕入れるため、販売店仕入れ価格となると、買取専門店よりも15%ほど高い査定額で買取できるよちがあります。
CB400スーパーフォア・スペック3の売却は買取販売店のパッションにお任せください!
最新の買取相場をチェック!
上記の買取事例は2012年3月時点の内容です。また相場情報は2019年2月時点の内容です。
CB400SUPER FOUR VTECのご売却をご検討中のオーナー様は、今後の相場動向が気になるところでしょう。
最新の相場情報は、10秒で査定額が出る
個人情報不要の自動査定でチェックして頂けます。
CB400スーパーフォア VTEC
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近3ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 107台
- 平均価格: 204,860円
- 最高価格: 288,000円
- 最低価格: 148,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近6ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 28台
- 平均価格: 144,107円
- 最高価格: 182,000円
- 最低価格: 46,000円
相場情報:2012年5月31日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。