日帰りショートツーリングの帰宅途中で雨天に見舞われ信号停車中のクルマに追突。
事故時の衝撃でエンジンかからず保安部品も損傷、加えて押し引き時にハンドルが切れ込むといった違和感ありで廃車処分を決意。
警察の現場検証後、事故現場近くにお住まいの知人の下に預け、全損扱いとなった保険の手続き等が完了し落ち着いたところで弊社まで廃車引取り処分の費用に関するご相談を受け、出張査定にお伺いすることに。
査定内容に先立ちまして、先ずは買取相場からご紹介させて頂きます。
2009年モデルの買取相場
1999年デビューのGSX1300R・初代ハヤブサから数えて11年目、第2世代にあたるGX72A型。
買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として、年間約20万台のオートバイが取引されていることから買取業者間の相場指標となっている業者間オークション。その市場データから、スズキ・ハヤブサ(隼)のGX72A型 2009年式の取引動向を見てみましょう。
今回ご紹介させていただく2009年式のGX72A型ハヤブサは、多くのSSジャンルと同じく走行距離・車両状態によってかなり個体差があるのが実情です。その一方、完全なフルノーマル車でなくとも高額取引に至る事例は数多く、大事に所有してこられたオーナー様にとってかなり期待値の高い車種だと言えるでしょう。
2020年から2021年までの直近1年間での取引データを参照してみると、最高取引額となったのは総合評価4点で、フロント周り・リア周り・外装3点とそれなりの手が入ったカスタム車両。ヨシムラコンプリートと言っても信じられるほど、ヨシムラ製パーツで統一されており、走行距離4万km越えながら132万円という高額での落札となっております。次点は同じく総合評価4点の車両で、こちらはフロントとリアの足回りを強化したライトカスタム。決め手となったのはエンジンコンディションのよさで、走行距離もメーター表示でわずか8000km少々。実動車でこの低走行車は珍しく、120万円という高額での取引となりました。2009年式での100万円の大台越えはこの2台のみですが、GX72A型ハヤブサの期待値の高さを測るバロメーターと受け止めて差し支えございません。
ノーマル車&ライトカスタム車両に関しては、上は90万円台から下は48万円とかなりの幅が記録されており、傾向的には走行距離2万km未満であれば50万円を下回ることはなく、エンジンコンディションや外観といった点で好材料があればあるほど期待値は上がると思って頂ければ間違いないと言えます。メガスポーツに属するハヤブサの場合、JMCA適合プレート付マフラーなどがカスタムの主流で、ネイキッド仕様といった個性的な内容でなければマイナスとなるケースは少なく、多くのカスタム派オーナー様にとっては大きな安心材料。
現在は2021年モデルにて待望の日本国内販売復活となった追い風を受け、全モデルが値上がり傾向にあるのも嬉しい材料のひとつ。これは事故車・不動車が扱われる「蚤の市」でも同様で、エンジンブローの不動車が35万円台で取引されるなど、多くのバイクに見られる値上がり傾向にあることが見て取れます。事故車両はケースバイケースになってくるものの適切な買取査定額を出すには豊富な知識と経験が物を言うモデルです。
弊社バイクパッションは、単店舗ベースで日本で一番中古バイクを売っている直営販売店を併設しています。
自社で買取して自社で販売できる買取直販体制によって、買取専門店の10%増しとなる販売仕入れ価格での買取も期待できます。
以上の買取相場を踏まえて、ハヤブサ【2009年モデル事故車】の査定内容と買取額についてご紹介させて頂きます。 (※上記の取引額は、買取業者の転売額=販売業者の仕入れ額に相当するため、買取相場は90~95%掛け相当となります)
【2009年モデル】相場の推移
【2009年モデル・実働車】業者間の取引価格帯
【2009年モデル・事故不動車】業者間の取引価格帯
買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される業者間オークションの取引データ
車体の使用感とは逆に比較的綺麗な状態のフレーム
使用感の目立つカウリング類とは逆に、フレームにはキズ等も見られず綺麗な状態。
フレームネック部などを入念にチェックしてもダメージはなく、再生可能な状態にあると判断させていただくことに。
キズ・サビ・凹みもなくパーツ単体としての価値が十分にあるガソリンタンク
キズ・凹み・サビ(内部含む)といったマイナス材料皆無でパーツ単体での価値も十分見込めるガソリンタンク
細かいキズ・凹みあるもカスタムパーツとしての価値が高いアールズギア製ワイバンマフラー
アールズギア製ワイバンマフラーを装着していますが事故によって大きく変形しており買取で価値は計上できない状態に
自社修理工場の存在を生かした強気の買取額
1999年に登場したGSX1300Rハヤブサ以来、最高速マシンの代名詞のひとつとして知られるスズキ・ハヤブサ。
その人気は今なお根強く全モデルを通じ安定した需要があります。今回ご紹介させて頂くのは2009年式のGX72A型で、2008年から2012年まで製造販売された第2世代にあたるモデルとなります。年式・走行距離・車両状態によって車両価値にかなりバラつきはありますが、総じて車両価値は高く買い手・売り手の両方から人気のあるバイクというのが業界関係者の共通認識と言えます。現行最新型の2021年モデルは当然として、中古バイクとしてのニーズが高まっているのが、1999年から2000年までにかけて製造販売された、いわゆる「規制前モデル」。当該車両は300km/h越えのハイパフォーマンスぶりをフルノーマル状態で発揮することができ、電子制御の進んだ後年モデルではなくわざわざ探して買い求めるファンもいるほど。
前置きが長くなりましたが、
追突によるフロントが大破しているハヤブサ。ヘッドライトやアッパーカウルにフェンダーは大破し、フロントフォークは歪んでいます。
事故によるダメージ以外にも固着した塗料によるシート汚れや使用感も目立つ状態。
しかしステムやメインフレームの骨格には損傷が及んでいないことを確認しています。そのためパーツ交換と修理レストアの費用が商業的に捻出できれば、パーツ取り用途ではなくレストアベース車の価値もあると判断。
主な必須修理項目を上げると、アッパーカウル(両サイドからアンダーまで一体型の大きなメインカウル)とフロントフォークにマフラーや灯火類カバーにステップなどの交換、さらに始動しないエンジンの実働化(電装系の修復)などが見込まれます。修理費用は部品代に工賃込みで市価30~45万円程度。
そのコストを転売額で賄えるかがポイントになりますが、実働化後の転売額は業者間市場の取引額で50万円程度想定です。そこから経費(運送費や出品手数料など)や儲けに修理期間の在庫コストを差し引くと相場的には10万円の査定額もかなり厳しいところで、再利用可能なパーツを取り外しての転売価値として10万円がやっとと言えます。
弊社バイクパッションが提示させて頂きました査定額は19万円。相場的には赤字確定の査定額ですが、弊社修理工場で市価より安価に実働化できる競争力を生かしてのお見積りです。
「その金額なら文句なし!」というオーナー様のご快諾で買取成約となりました。
オーナー様が翌年の課税対象から外される上で必須となる廃車手続きは買取業務の一環として無償対応させて頂いております。保険の事後処理で必要となる廃車証のコピーをお客様に郵送差し上げ買取完了となりました。
ハヤブサ 隼 GSX1300Rの買取相場
【海外向けGX72A型】2008~12年モデル
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 53台
- 平均価格: 640,724円
- 最高価格: 1,320,000円
- 最低価格: 378,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 10台
- 平均価格: 269,300円
- 最高価格: 509,000円
- 最低価格: 145,000円
相場情報:2021年11月10日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。
ハヤブサ 隼 GSX1300Rは売ろうと考え時が一番高く売れます