タンク、カウル、マフラー、キャブレター、シート、ライト、ウィンカー、バッテリー、リアショックなど挙げればきりのないくらいの部品が欠品しているGS750の買取事例です。
再利用できるのはフレームのみ、後はタイヤにホイール、中身がスカスカのエンジンといった状態。買取販売店御強みを生かして10.8万円の査定価格で買取した部品取り用途のGS750です。
【部品取り用途】GS750買取査定のポイントや詳細
湘南地域最大の人口を誇る神奈川県藤沢市。
江ノ島や辻堂海岸など、夏の観光都市として有名なこの地は、マリンスポーツのメッカでもあります。
「江ノ電」の愛称で親しまれる江ノ島電鉄など、レトロな雰囲気とおしゃれが共存する独特の魅力が愛され続けています。
夏の終わりの鵠沼海岸沿いを走らせながら、一路加島様のご自宅へ向かわせて頂きました。
徐々に夕日が沈み始める18時、加島様のご自宅へ到着です。
塀の代わりに植え込みの緑が印象的な加島様のご自宅へ目を向けると、玄関脇にGS750と思わしきバイクを発見。
到着を告げる電話を入れ、依頼主の加島様とご対面となりました。
加島様は30代後半のやや小柄な男性で、普段は服飾関係の会社にお勤め。
当日は帰宅直後だったそうで、ワイシャツの襟元を緩めながらのご挨拶となりました。
やはり玄関脇にあった車両がGS750で、加島様ご本人よりも先に対面してしまったことに少々バツの悪さを感じたのは内緒です。
欠品多数の部品取り車。加島様ご所有の部品取り用GS750の査定価格は…;
査定依頼の前相談として、「部品取り用に購入したGS750を引き取って欲しい」と既にお話を伺っていました。
加島様としては「不人気車でもあり、状態が状態だから」とお考えでしたが、程度状況によっては買取価格を出させて頂けるかも知れませんとご説明。 「それなら、見るだけは見た上でお願いします。」との事でお伺いさせて頂きました。
確かにおっしゃる通り、使えそうな部品はほぼ全て外された後というのが現状です。
ジェネレーターカバー・キャブも見ての通りありません。
キャブがついていないため、車体を少し動かすと雨水の「ゴボ…;」という音が聞こえました。
綺麗目な外観のエンジンですが、残念ながら水没の判定をつけることに。
40年前の車両であることを考えると、錆はまだ軽微な部類ではあります。
しかし、単純に中古パーツとして扱うには微妙なライン。
事故車でない分、一部の利用は可能といったレベルと言えます。
リアサスペンションは大量に錆が発生しています。
経年による錆・傷はさすがに多く、パーツ単体としての査定は正直厳しいところです。
遠目に見てもフレームのいたるところに錆が確認できます。
ただし、事故などによるフレームの影響はないことが見て取れました。
状態が状態だけにチェックできる箇所は少なく、通常査定の約半分の時間で査定終了に。
査定によって算出させて頂いたGS750の買取査定金額は、100,800円となりました。
不動・部品取り車であり、エンジンも水没判定のため、評価点は「1」となっております。
出費覚悟のGS750も逆に黒字に。そのまま積載で売買契約成立に!
着替えのために自宅に上がっていらっしゃる加島様を待ち、査定終了の報告をさせて頂くことになりました。
自宅から出てきてこちらへ向かってきた加島様の手には1万円札が3枚ほど…;。
ランニングパンツを着用されているため、お買い物予定ではなく廃車費用の出費を覚悟されたようです。
査定結果の報告とともに、「あまり多くは出せず申し訳ございません」と提示した査定価格に加島様はしばし(え?)と困惑のご様子。
そして我に返ったかのように、「いや、引取に来るための口実かな?と思っていました。ぜひお願いします。」と、即決売買成約となりました。
エンジンが水没判定でなければ、もう少し金額を上乗せることも可能でしたが、さすがに現状では厳しいことをご説明させて頂きます。
補足として、フレームには異常がないため、買取価格を出させて頂くとお伝えすると、「いえいえ、十分です。助かりました。」と喜んでいただけたのが幸いです。
フレームが正常なら買取できる可能性は大いにアリ。 不動車でもパッションにおまかせ!
オーナーである加島様もおっしゃるように、今回のGS750は商品化の難しい状態でした。
参考画像の通り、使えるパーツは全て取り外した状態になっており、エンジンも水没判定に。
それでもフレームへの異常はなく、レストア用パーツとしての価値はあると判断し、お値段をつけさせて頂くことができました
GS750豆知識
1970年代、スズキは2ストロークエンジン専門メーカーという認識が一般的でした。
事実、750ccのモデルはGT750などを販売していましたが、1973年の第1次オイルショックで原油価格が高騰。
燃費の悪い2ストロークエンジンからの脱却が急務となり、かねてから構想を暖められていた自社開発4ストロークエンジンに白羽の矢が立つ事になります。
その後、1975年に日本国内の自動二輪免許の区分が3つに分かれたことで、開発中の960ccエンジン計画が見直される事に。
国内モデルの上限排気量が750ccとなったことに合わせ、耐久性の高さを第1として生まれたのが、GS750です。
国内4メーカーで最後発の4ストローク750ccマシンとしてデビューしたGS750は、当時パッとしないバイクでもありました。
エンジンの耐久性の高さは誰もが認めるものでしたが、最高出力68ps/8,500rpmは、他社750ccモデルと比べても平凡そのもの。
カワサキ Z2やホンダ CB750といったライバル車の4本出しマフラーに対し、GS750は2本出しと押しが弱く、2スト時代から抜け出せない印象が色濃くありました。
しかし、実際に販売開始となり、街でGS750が走り出すようになると、ハンドリングの軽快さと車体の操縦性の高さで目の肥えたライダーから高く評価されることに。
クラス最軽量の223kgという車体重量が生み出した運動性能の高さが海の向こうで評価され、名チューナー・吉村秀雄の全面協力でGS1000が誕生することになります。
GS750の後継車となったGS1000の快進撃は、デイトナで開催されたスーパーバイク選手権での初勝利を始め数多に上ります。
スズキが栄光の頂点に立つために生まれた、永遠の2番手役とも言える存在がGS750と言えます。
GS750
GS1000のイメージが強すぎて、陰が非常に薄くなってしまったGS750ですが、旧車會車両として近年見直されつつあります。
飛び抜けた性能ではないGS750ですが、クセのないハンドリングと扱いやすい車体は当時の750ccマシンとしては評価に値するモデルです。
今では玉数も非常に少なくなっており、弊社でも過去3年間の間でわずか2件のみの査定依頼となっています。
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 1台
- 平均価格: 616,000円
- 最高価格: 616,000円
- 最低価格: 616,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 0台
- 平均価格: no data
- 最高価格: no data
- 最低価格: no data
程度の良い状態のGS750は、業者間取引の場で60万円以上の高額で成約されています。
ビンテージバイクの価値が高騰している現在、ご所有の不動車・部品取り車でも思わぬお値段がつく可能性もあります。
(ちょっと状態が悪すぎて、どうしようもないな…;。)と、近所のバイク回収業者に依頼する前に、まずは弊社へお気軽にご相談ください。
加島様のGS750のように、廃車費用の出費どころか買取できる可能性は決して低くありません。
バイクのことならパッションへ。
どんな車種・状態でもお気軽にどうぞ!
相場情報:2016年10月時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。