大型バイク初心者でも軽々と乗りこなせる優れた操縦性とハイスペックを両立し、スズキ車としては珍しく非常にユーザーフレンドリーなGSX-R1000。
オーナー様は約10年前に新車で購入されたとのことですが、心を込めて維持してこられた様子が伺え、2007年仕様のK7型としては非常に良い状態を保持しており、一見して高い買取価値があることが分かりました。
以下、今回査定させていただいたスズキ・GSX-R1000の車両詳細となります。
足回り
アンダーカウル等に細かいキズがありましたが、全体的に丁寧に磨かれて綺麗な状態を維持しておりました。
特にシートなどは2007年仕様のK7型としては驚くほど使用感が少なく綺麗な状態を維持しています。
定期的にカウルを取り外してサビのケアを行っていたとのことで、手が届きにくい箇所もしっかりとケアされていたちおのこと。 全てのカウルや外装品はノーマル品完備で発売当時の面影をのこしており、でオーナー様のメンテナンス努力がに応える非常に高い査定内容となりました。<
エンジン回り
走行距離は6,838kmと浅く、始動性・安定性・加速性ともにある程度走行しているエンジンとしては文句なく良好。
エンジン周辺の見た目も、手の入らない部品と部品の間の奥まった箇所に腐食や錆びはありますが、手の届く範囲は傷や劣化もなく綺麗。
外装の印象と同様に整備が行き届いていたことが伝わり、高い買取価値があることが充分に確認できました。
フレーム回り
新車で購入し、納車と同時に取り付けたエンジンスライダーにより、立ちゴケ等のダメージ対策がしっかり取られたスズキ・GSX-R1000。
フレームへのダメージは全く見られず、サビ・やれといったものも可能な限りケアされておりました。
大きな衝撃があった場合に現れるフレーム接合部のシワ、立ちごけなどハンドル回りで大きな衝撃があった際に凹みや曲りが見られるハンドルストッパーも綺麗で大きな衝撃が及んでいないことも確認できました。 フレームに関しましては、外装やエンジン状態から良好であることは予想されていましたが、ここまで綺麗にケアしてあれば評価も自然と高くなり、オーナー様の愛情深さが十分伺える良い状態だと言えます。
電装/保安部品
ここまでは程度と状態が非常に良いGSX-R1000 K7型でしたが、今回の査定で残念だったのがバッテリーのへたり具合です。
オーナー様によると寒い冬場はバッテリーを取り外して丁寧に保管されていたのですが、交換時期が2年半前だったそうで、経年による消耗が感じられました。
続いて保安部品をチェックしていくと、エキパイから社外マフラーも焼けや錆びなく綺麗で排気音も良好。
保安部品・セルの回り等といったその他箇所に全く問題はなかっただけに、このへたり具合によるマイナスが惜しまれます。
ただしバッテリーについては充電で回復もできますし、弊社整備工房に多数ある良質なバッテリーに付け替えることが出来ますので、買取価値の減額も軽微です。<
その他
カスタム箇所は、ヨシムラ製GPマフラー・ブレーキホース・クラッチ&ブレーキレバーが社外品。その他リアフェンダーレス化を施し、フレームスライダーとETCが装着されています。 ETCにつきましては、買替予定の車両があるという事でしたので、買取する価値よりもお客様が他車種に流用する方がお得であることをご説明差し上げて、買取後に弊社整備工房で取り外したETCを返送させて頂くこととなりました。
このGPスタイルマフラーは非常に好みが分かれる形状のものですが、GSX-R=ヨシムラと言えるほどの人気ブランドであるため、純正マフラー欠品ながらも高く評価させて頂きました。
全体的に欠点らしい欠点がなかったことが高評価につながっており、全ての査定ポイントで満遍なく高得点を獲得する形となりました。
総合評価と買取価格
以上が今回のスズキ・GSX-R1000の査定チェックポイントですが、欠点らしい欠点が見当たらず整備の行き届いた見事な車両状態でした。
雑になりがちなカウル内も綺麗にクリーニングされており、現車確認がしやすかったのも好印象です。
前後タイヤ、ブレーキパッドは昨年暮れに交換済み、プラグ・オイル交換歴を証明する某用品店のレシートが車検証に入っていたことから、買取後に必要となる消耗品の交換やメンテナンス費用も査定価格に上乗せする事ができました。
すぐに売り出しできる程の状態の良さから弊社販売店の仕入れ担当に写真と動画を送信して相談したところ、販売店で仕入できるという判断に。
数分お客様にお待ち頂き出てきた仕入れ価格は78万円。買取店の買取価格とは軽く5万円は高い査定価格をお客様に提示する事ができました。
余談ですが、買取店も販売店も殆どのバイクを業者間市場を通じて売却・仕入れしているのですが。
買取店の買取価格より、販売店御仕入れ価格が高い理由は以下の図式に拠ります。
買取店の買取価格より、販売店御仕入れ価格が高い理由
- 買取店の買取価格は=『(業者間市場での取引価格)-(出品手数料や運送費などの経費と儲け)』
- 販売店の仕入れ価格=『(業者間市場での取引価格)+(消費税と落札手数料)
- 仮に業者間市場での取引価格が50万円とすると
- 買取店の買取価格は=『(50万円)-(5万円)』=45万円
- 販売店の仕入れ価格=『(50万円)+(5万円)』=55万円
45万円で買取して何利益を確保できる買取店に対して、50万円で買取しても充分に安く仕入れる事ができる販売店と買取で利益を出せる損益分岐点が異次元になっています。
今回は買取販売店である弊社の強みが発揮された好例となります。
お客様のご感想と買取後記
「60万いけば十分だなぁと思ってたので文句なしです!」という快諾のお返事を頂き、その場で即決成約となったスズキ・GSX-R1000。
78万円という買取金額はK7型の相場としては業者間市場に転売するしか手のない買取専門店では赤字となる金額ですが、仮に今回の車両に純正マフラーが保有されていた場合、評価はもう1ランク上のものに。
多少の磨きキズといったものはあるものの、本来の艶やかな色合いが損なわれていなかった点もポイントが高く、オーナー様の維持努力が最大限に評価された好例だと言えます。
購入時の嬉しさが1年経ち2年経ち薄れてくるに従って雑になりがちなメンテナンス、やがて傷が付き汚れが増え次第に劣化していくものですが、車両をしっかりとメンテナンスし続けていくことで車両価値が損なわれないことを再認識させられました。
しばらくメンテナンスを忘れているオーナー様もマシンと向き合って価値をご確認されては如何でしょうか。
GSX-R1000 査定相場の比較
GSX-R1000を売りたいオーナー様必見!
車両の状態の良し悪しを数字で区分した状態別の査定相場
2001~現行2018年モデルまで、フルモデルチェンジで区分した年式モデル別の買取相場
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状態別の買取相場
- ▼状態を表す評価点の目安|GSX-R1000
- 評価点6 極上車
- 評価点5 状態が良く綺麗
- 評価点4 若干の難有り
- 評価点3 難有り
- 評価点2 実働車だが劣悪
- 評価点1 事故車や不動車
評価点別の査定相場比較 |
状態/ 落札価格帯 |
評価点 6以上 |
評価点 5 |
評価点 4 |
評価点 3 |
評価点 1 |
100万以上 |
5台 |
4台 |
0台 |
0台 |
0台 |
80~99万 |
1台 |
9台 |
3台 |
0台 |
0台 |
60~79万 |
0台 |
11台 |
10台 |
1台 |
2台 |
40~59万 |
0台 |
3台 |
30台 |
5台 |
6台 |
20~39万 |
0台 |
1台 |
14台 |
6台 |
18台 |
19万以下 |
0台 |
0台 |
0台 |
2台 |
12台 |
総落札台数 |
6台 |
28台 |
57台 |
14台 |
38台 |
(2018年1月時点で、業者間市場の落札データを過去6ヶ月間遡った数字 ※評価点1の車両のみ過去12ヶ月間の数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
評価点2以上の実働車では過去6か月間で105台の取引データがあります。 最高値で取引されたのは2017年にフルモデルチェンジされた(2018年時点で)現行DM11G型の走行0キロの未登録車が165万円と146万円で取引されています。
一方最低額は目立つ損傷や難点の目立つ2001年モデルが高年式の事故車をも下回る15万円で取引されています。その差は同じ車種の実働車でありながら何と150万円の開きがあります。
2001~現行の2018年モデルまで、販売期中に6回のフルモデルチェンジがあり、毎年カラーバリエーションを刷新しているGSX-R1000の相場を把握するためには、年式モデルで区切ってみた方が分かり易いと思われます。
年式別の相場を整理しているのが下記表になります。
年式モデル別の買取相場
モデルチェンジ別の年式モデルと型式 |
年式 |
型式 |
フレーム番号 |
2001年~ |
K1 K2 |
GT74A |
2003年~ |
K3 K4 |
GT75A/BL1/BZ1 |
2005年~ |
K5 K6 |
B61 |
2007年~ |
K7 K8 |
GT77A/CL11 |
2009年~ |
K9 L0 L1 |
GT78A/CY1 |
2012年~ |
L2~L6 |
GT78B |
2017年~ |
L7 |
DM11G |
2017年~ |
国内仕様ABS |
DM11G |
年式別のGSX-R1000実働車の査定相場の比較 |
相場/ 年式モデル |
平均落札額 |
最高額 |
取引台数 |
2001年~ |
24万円 |
37万円 |
8台 |
2003年~ |
38万円 |
56万円 |
10台 |
2005年~ |
47万円 |
69万円 |
18台 |
2007年~ |
54万円 |
77万円 |
21台 |
2009年~ |
71万円 |
105万円 |
41台 |
2012年~ |
103万円 |
109万円 |
2台 |
2017年~ |
149万円 |
165万円 |
5台 |
(2018年1月時点で、業者間市場の落札データを過去6ヶ月間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
『高年式=高相場』年式モデル別に階段式に平均取引額が推移していることが見て取れます。
フルモデルチェンジを経ての年式区分なのである程度比例するとは予想していましたがここまで綺麗に表れるとは思いませんでした。
特に2009年モデル以降からの相場の上がり方が顕著です。手前味噌ではありますが、今回買取りした2007年モデルのK7 K8に限ると平均取引額は54万円で最高落札額は77万円となっています。
車両のポテンシャルが高く販売店仕入れという運もあったのですが、今回の80万円と言う買取額の競争力が相場を見ても際立っていることが見て取れます。
2009年モデルの販売期間が長く流通数も多い点は少なからず、2007年以前の車両の買取相場の上値を重くしていることに影響しています。
状態が良い車両であれば、2017年モデルでは買取価格で150万円。2012年モデルで100万円。2009年モデルで100万円。2007年モデルで70万円台。2005年モデルで60万円台。2003年モデルで50万円台。2001年モデルで30万円台といった ところが査定の上値になりそうです。
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GSX-R1000豆知識
MOTO GPをはじめとする世界中の大レースを制し、市販大型SSの中でも最もレーサーに近いマシンとして知られるスズキ・GSX-R1000。
バイクの三大重要ポイントに挙げられる「走る・曲がる・止まる」という要素が極限まで突き詰められ、非常に扱いやすいリッタースポーツだと言えます。
デビュー当時の2001年を皮切りに、ハイスペックでヤマハ・YZF-R1などのライバル車を圧倒し、一時期はGSX-R1000が表彰台を独占するほどの活躍ぶりを見せました。
GSX-R1000
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近6ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 105台
- 平均価格: 615,933円
- 最高価格: 1,652,000円
- 最低価格: 150,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 38台
- 平均価格: 299,316円
- 最高価格: 667,000円
- 最低価格: 66,000円
相場情報:2018年1月7日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。