査定させて頂きましたのは、ツーリングファミリーのCVO FLTRXSEロードグライドの2019年モデル。
『ライトニングシルバー&チャードスティール/ブラックホール』のカラーリングを纏ったフルノーマル車です。
1年以上動かしていないためにバッテリーは上がっており、査定現場では走行距離はおろかエンジンや保安部品の動作確認も出来なかった車両です。
はたし驚異のて375万円で買取できた理由とは?査定内容をご紹介さえて頂きます。
ミルウォーキーエイト117のエンジン
ロードグライドシリーズの中でも現行CVOのみが搭載しているMilwaukee-Eight117(1923cc)のエンジンですが、 1年以上動かしていなかったということでバッテリーが上がっており始動は確認できませんでした。
走行距離4百km弱(お客様申告の為、実走行距離は不明)の19年モデルとあって、エンジン機能への瑕疵は想定しにくいのですが、念を入れてエンジン回りのオイル漏れをチェックしていきます。
腰下に軽いオイル滲みが見られましたが、ハーレーでは極上車でも良く見られる箇所の現象で査定への減点は軽微。
長期放置車両では確認が必須となるタンク内の状態ですが、錆びも無く再販に向けて問題ないと判断できました (内部が錆びていると、ガソリン一緒に流れ出た錆カスがインジェクションで詰まりエンストを誘発させるため査定額に大きく影響してきます)。 クランクケースの上に細かい錆び腐食は見られましたが、外傷などは見当たらずクロームメッキ塗装の輝きも良いことから、始動は確認できないもののエンジン機能は良好と判断するに充分な材料がありました。
ただし、懸念すべき点が2つあり。
1つは燃料ポンプ、もう1つはECU。どちらハーレーのも高年式車両でも放置していると壊れやすい部品であり、それぞれ要交換となると部品代が3~5万円程度かかります。
パーツ診断は持ち帰って動作確認してみないと判定できないのですが、故障発生率は高くはないため、故障発生率に準じて気持ちマイナスの査定とさせて頂きました。
クロームメッキが光る足回り
足回りの中でも一際目を惹のが、クロームメッキ塗装が施された2対7組の非対称キャストホイール。
ブレイクアウトのCVO(2014年モデルFXSESE2)などでも見られたた前後面がブラックで両外面がクローム塗装されたキャストホイールにも塗装剥がれや目立つ先傷なく綺麗な状態。
細かい傷や磨き傷はありますが、ハンドル周りやスイッチハウジング周りのメッキ塗装も輝いて綺麗な状態。
純正リフレクターも添付された倒立フォークもオイル漏れなどなく見た目も機能も良好。
細かいところに軽い傷や使用感が見られる程度で、買取額に大きく影響するような減点は無く総合的にも良好判定。
19年モデルのグラフィックが映える外装
19年モデルのCVOロードグライドは3つのカラーリングが設定(メーカー希望小売価格は同一)されていましたが、 買取査定させて頂いたのは『ライトニングシルバー&チャードスティール/ブラックホール』のカラーリング。
特徴的なグラフィックであるアメリカ国旗がモチーフされた『1』がタンクに載っていますが、磨き傷や細かい傷が入っていますが色艶も良く非常に綺麗です。
CVOならではのファクトリーカスタムのペイントが施されたパニアケース、フロントフェアリング、R/Fフェンダー、サイドカバーとも磨き傷がある程度。
リカバーが困難で買取価格に影響しやすい、光沢や色のくすみは殆ど見られず綺麗な色艶を保持しています。
保安部品や電装系もフルノーマル
ハーレーで最もカスタムパーツが充実しているため社外品が装着されていることが多いマフラーやエアクリの吸排気系、ミラーウィンカーなどの保安部品もカスタムされることなく全て純正ノーマルで良好な状態です。
基本的には纏まったカスタムで買取額が伸びる傾向が強いハーレーですが。
一部のCVOでは社外マフラーが減点査定となることも。
ハーレーの多くの社外マフラはが車検非対応であるため、弊社を含めてハーレーを再販する店舗では車検用のストックマフラーを抱えているのですが。 例えばブレイクアウトのCVOでは、類似や同一モデル(ブレイクアウトのTC96や103)の純正マフラーが適合しないため、CVO純正のマフラーを調達して車検を通すのに追加費用が掛かることもあります。
そのためカスタムマフラーを装着しているCVOは特に純正品がある事で買取価値は高まります。
メーカーカスタムの完成系であるCVOに関しては今回のFLTRXSEの様にフルノーマルであることも1つの強みと言えます。
カスタム系の余談ですが、新車購入時にディーラーで多数のオプションを割引価格で勧められた方も多いのではないでしょうか?
2010年以降のハーレーでは系列メーカーのパーツを含めオプション販売の50%がディーラー側に入ると言うのは業界の裏話・・・。
総合評価と買取査定額
バッテリー上りで始動が確認できなかったエンジン以外は目立つ減点対象の皆無であった19年モデルのロードグライドCVO。
2021年モデルが存在する現時点では2年前のモデルですが、ハーレー最高峰のツーリングファミリーの現行CVO。車種特性から当然の様に高額査定が期待できますが。
タマ数が少なく中古の取引履歴が少ないため、前提として念頭に入れておきたいのはメーカー希望小売価格である税込468万円。
税抜きの本体価格は425万円。
仮にですが。税抜きの新車本体価格である425万円で買取した場合。中古車としての店頭販売価格は480万円強となり、メーカー希望小売価格より20万円強も割高になります。
なぜか?
425万円の買取額に、消費税42万円、業者間の流通費や輸送費に約10万円、そして納車整備費で約10万円、がプラスされるためです。
弊社バイクパッションが提示させて頂いたFLTRXSEの買取査定額は375万円。
新車本体価格に対する買取額の買取率(375/425万円)は88%という驚異の率です。
バッテリー上りで走行距離やエンジンの状態が確認できなかったにも関わらずです。
お客様も買取額に満面の笑みと握手で喜んでくださいました。
375万円で買取したFLTRXSE。一般的な最終小売価格は幾らになるでしょうか?
消費税が37.5万円、バッテリーが上がっているので慎重を期して納車整備費に15万(ECUと燃料ポンプが壊れていない前提です)、業者間の流通と輸送費に10万円を加算すると、最終的な小売価格は437万円
19年モデルのメーカー希望小売価格が468万円なので新車価格の93%と新車と遜色のない価格となります。今回の買取額の凄さが分かっていただけるかと存じます。
なぜ驚異の金額で買取できたのか?
1つは、日本で一番中古ハーレーを売っている弊社系列店を活用することで最終販売まで中間コストを排除できるコスト競争力
1つは、400万円近い車両を在庫として抱えていられる資金力
です。
弊社では上記の強みを生かし、お客様のハーレーを高額買取致しております。ご売却ご検討中のオーナ様。買取査定はハーレーの価値に精通したバイクパッションにお任せくださいませ!
上記では、バッテリー上がりの19年モデルFLTRXSEの査定内容と買取金額をご紹介させて頂きました。
続いてはツーリングファミリーであるロードグライド・シリーズの変遷と買取相場についてご案内差し上げます。
(買取相場は、業者間オークション市場の取引データを使用してご説明します。
業者間市場とは年間 約20万台の中古バイクが取引されるオークションで買取業者の最大の転売先です。市場での取引額は販売業者の仕入れ値であり買取業者の転売額です)
ロードグライド カスタム/スペシャル/CVOの変遷と買取相場の比較
- ▼FLTRX
- 【2010~11年モデル】
Twin Cam96(1584cc)
ロードグライド カスタム
税込新車価格264~269万円
- 【2012~13年モデル】
Twi nCam103(1689cc)
ロードグライド カスタム103
税込新車価格269~270万円
- 【2018~19年モデル】
Milwaukee-Eight107(1745cc)
ロードグライド107
税込新車価格299~316万円
- ▼FLTRXS
- 【2015~16年モデル】
Twi nCam103(1689cc)
ロードグライド スペシャル103
税込新車価格299~327万円
- 【2017~18年モデル】
Milwaukee-Eight107(1745cc)
ロードグライド スペシャル107
税込新車価格313~350万円
- 【2019年~現行】
Milwaukee-Eight114(1868cc)
ロードグライドスペシャル114
税込新車販売価格328~362万円
- ▼CVO-FLTRXSE
- 【2012~13年モデル】
Screamin Eagle(1801cc)
CVO ロードグライドカスタム
税込新車価格357~393万円
- 【2018年~現行】
Milwaukee-Eight117(1923cc)
CVO ロードグライド
税込新車価格456~480万円
新車価格は1,000円単位を切り下げた税込のメーカー希望小売価格。各イヤーモデルの最安値~最高値(カラーリングよる)を表記
ロードグライド カスタム/スペシャル/CVOの買取相場 |
モデル |
平均取引額 |
最高額 |
最低額 |
取引台数 |
FLTRX |
124万円 |
177万円 |
91万円 |
6台 |
FLTRX103 |
129万円 |
181万円 |
77万円 |
9台 |
FLTRX107 |
- |
- |
- |
0台 |
FLTRXS103 |
178万円 |
200万円 |
150万円 |
10台 |
FLTRXS107 |
202万円 |
182万円 |
155万円 |
3台 |
FLTRXS 114 |
242万円 |
258万円 |
233万円 |
5台 |
FLTRXSE 2012年~ |
- |
- |
- |
0台 |
FLTRXSE 2018年~ |
415万円 |
417万円 |
413万円 |
2台 |
(2021年3月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは年間 約20万台の中古バイクが取引されるオークションで買取業者の最大の転売先です。市場での取引額は販売業者の仕入れ値であり買取業者の転売額です)
FLTRロードグライドの後継機として2010年に登場したFLTRXロードグライドカスタム。当時のエンジンはTwin Cam96(1584cc)でメーカー希望小売価格は264万円~となっていました。
ハーレーのエンジンの進化と歩を合わせ、年を追うごとに大排気量化してきたロードグライドカスタム。姉妹モデルのロードグライド スペシャルを含めると実に7つの排気量モデルが存在します。
今回買取させて頂いたのはCV0 FLTRXSEとしては、初代のスクリーミンイーグル(1801ccのTwinCam110)の次にあたる第2世代でミルウォーキーエイト117(1923cc)を搭載したシリーズの最大排気量モデルです。
中古の平均取引額を分子にして、新車価格を分母にした、買取率(※分母は税を抜いた本体価格で計算)を各排気量別に比較すると
、1世代前のエンジンであるツインカムは約5~6割。
現行ミルウォーキーは約7割強。
現行CV0 FLTRXSEは9割超と驚異の比率となっています。
型落ちが進むにつれて買取率が下がるのは一般的な傾向と言えますが、ハーレーの他の車種と比べると、ロードグライドの下落率はマイルドで、ハーレーの中でも高い買取率を維持している車種の1つとなっています。
続いて、2018年~のFLTRXSE CVOの変遷と買取相場を詳しく見てみましょう。
ロードグライドCVOの変遷と買取相場
- ▼FLTRXSE 117の変遷
- 2018年モデル
新登場
新車価格456万円
- 2019年モデル
カラーリング&グラフィック変更
エアクリの変更、
新車価格468万円
- 2020年モデル
カラーリング&グラフィック変更
新車価格480万円
- 2021年モデル
カラーリング&グラフィック変更
ホイール形状変更
新車価格480万円
新車価格は1,000円単位を切り下げた税込のメーカー希望小売価格
FLTRXSE 117の買取相場 |
年式別 |
平均取引額 |
取引台数 |
2018年 |
413万円 |
1台 |
2019年 |
417万円 |
1台 |
2020年 |
-万円 |
0台 |
2021年 |
-万円 |
0台 |
(2021年3月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは年間 約20万台の中古バイクが取引されるオークションで買取業者の最大の転売先です。市場での取引額は販売業者の仕入れ値であり買取業者の転売額です)
上記、18年と19年モデルで各1台が業者間市場で落札されていますが、高年式の20年と21年モデルは登場していません。
410万円台で落札された18年と19年モデルの状態はともに走行の少ない極上車です。もちろんエンジン始動の超極上車です。
上段の買取事例でも触れましたが、
417万円で落札された車両の最終的な店頭販売価格は約475万円となります。
417万円は販売業者の落札金額のため、消費税の約42万円、納車整備費の10万円、そして輸送費や落札手数料が、最終販売価格に加算されるためです。
2021年モデルのメーカー希望小売価格が480万円ですから、2年落ちの中古車の方が現行の新車よりも販売額が高いという逆転現象です。
なぜこのような事が起こるのか? 受注生産であるCVOは、注文してから納車まで早くて3カ月かかるため、新車価格より高くても、今すぐ欲しい客注(買い手の確約オファー)を持っている販売店が競って落札した事が理由です。
417万円と413万円で落札した双方の販売店とも弊社と付き合いがあるので、以下の様に尋ねてみました。
『もし客注が無ければ、どこまで競れましたか?』と質問したところ、『限界で350万円までかな。客注(買い手の確約オファー)が無ければとてもじゃないけど在庫リスクが怖くて、それ以上は押せないね』との回答でした。
客注がついての仕入れ自体がレアケースなら、最終小売価格が現行の新車価格を超える仕入れ値となることは更に稀です。 ましてや業者間市場への転売が主体の買取業者で客注を確保しているケースは皆無といえます。
客注が無い中では超極上車でも350万円が限界という相場状況はご理解して頂けたかと存じます。 客注が無い状況下で、エンジン始動が確認できない19年モデルを375万円で買取できたのは正に弊社の強みといえるでしょう。 日本一!中古ハーレーを売っている系列店の存在。日本で1・2位を争うハーレーの買取実績。ハーレーを売るならバイクパッションに!厚い高額査定でご期待にお応えいたします!
【2019年~現行モデル】FLTRXSE
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 2台
- 平均価格: 4,147,000円
- 最高価格: 4,169,000円
- 最低価格: 4,125,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 0台
- 平均価格: No Data
- 最高価格: No Data
- 最低価格: No Data
相場情報:2021年3月3日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。