ショベルヘッドは、数百万の値が付くナックルヘッドやパンヘッドと比べてしまうと流通価格のプレミアムが極端に弱いように感じますが、 それでも1世代後のエボリューションエンジンに比べると1~2段高い相場で買取事ができます。
今回買取りさせて頂いたのは野ざらしに近い環境で20年間動かしていなかった1980年式 FLH1340のリジットショベル
当然エンジンはかかりません。原形をとどめていないほどの改造車で、車両全体に錆びや劣化も非常に目立ちました。
幸いなことにキックの圧縮は確認できましたのでエンジンは再生可能との判断で上記の状態ながらショベルの再生価値で53万円の査定価格を付けさせて頂きました。
ショベルヘッド買取査定のポイントや詳細
流行の最先端が生まれる街・渋谷は、裏手に入ると様々な顔を見せる街でもあります。
例えば道玄坂を裏手に入れば、円山町という暗くて古めの建物が並ぶ昭和を思わせる一帯があるなどしますが、今回お伺いした森本様のご自宅はその先にある神泉でした。
お問い合わせのお電話を頂いた依頼主様は70代過ぎと思われる女性からで、「全くバイクのことは知りませんが、亡くなった主人のバイクを見て欲しい」との事。
ガソリンタンクなど、外装に全くメーカーロゴやマークなどがなく、大体のディティールでアメリカンタイプという事だけは分かりました。
メーカー名などが全くないという事は、かなりのフルカスタム車という推測で、一体どんなバイクが眠っているのか楽しみにしながらお伺いさせて頂きました。
そして到着した森本様のご自宅前では、以前に弊社でハーレーの買取をお申し込み頂いたJ様のお姿が。
実は亡くなられた森本様のご主人とこちらのJ様とは、ビジネスとプライベートの両方でお付き合いがあったそうで、今回はJ様のご紹介で弊社にお申し込み頂いたという事でした。
お客様からのご紹介ということでいっそう気合が入った弊社スタッフ。
ご自宅敷地内の倉庫内に眠るバイクの元へご案内して頂きました。
そして見せて頂いたバイクがこちら。(倉庫内と全く同じアングルから撮影させて頂きました。)
一瞬、全く車種が分かりませんでしたが、ベルトドライブからハーレーであることは判明。
なるほど、ハーレー乗りのJ様からご紹介頂いた理由がよく分かりました。

なんと20年以上も故人が放置していたそうで、腐食が激しいもののエンジンとキャブレターなどの仕様によりリジッドショベルと判明しました。

原型を留めていないほどのカスタム車で、さらに錆による腐食が激しく、ダメージを受けていない箇所が見つかりません。

ベルトドライブ部の錆もかなり多く、20年以上の放置によるダメージは深刻です。

シートもご覧の通り。
J様が一度倉庫から出してみようとしたところ、シートに手をかけただけでこのようになってしまったとの事。
そうした事情もあり、「信頼できる買取業者を紹介するからそこで査定をしてみては?」という流れでお申し込みを頂いたようです。

交換で処理できるものの、もっとも錆がひどい箇所がこちら。
倉庫は天井に穴が開いてしまっていたため、雨除け効果がなくほぼ野晒しに近い保管状況でした。
メーターもないため、走行距離も全く不明です。

右から見ると意外に腐食は目立たなくなりますが、錆は非常に多め。
キックレバーを踏み抜いてみたところ、圧縮の感覚は十分でエンジン再生が可能そうなのは確認できました。

非常に錆による腐食の多さと、原型を留めないほどのチョッパーカスタムで1時間近くかけて詳細をチェックさせて頂きました。
査定スタッフ個人での判断も難しいため、上司決済を取る形に。
その結果、森本様ご所有のハーレーダビッドソン ショベルヘッドの最終査定金額は、530,000円となりました。
不動車で放置期間が長い事、錆による腐食度合いにより、弊社査定ランクは、10段階評価の「1」となっております。
買取不可を心配された森本様に涙と笑顔が。大満足の成約結果に!
真夏の炎天下の査定で、額に汗しながらチェックを行っている弊社スタッフに、森本様が冷たい麦茶を差し入れして下さいました。
「主人のバイクですが、この状態では難しいですかね」と、やや寂しげにお尋ねする森本様。
「まだ断定は出来ませんが、上司決済を取り付けてそれなりの査定金額が提示できると思われますので、悲観的にならずにもう少しお待ちください。」とご説明させて頂きました。
ハーレーは値打ちが下がらない、という一種の逸話のようなものがありましたが、エボリューションエンジン以降のモデルは決してそんな例が当てはまらなくなってきました。
しかし、ショベルヘッドは現在でも高い人気を誇るビンテージ・ハーレーでもあります。
そのため上司決済を仰ぐ形で最終査定金額の判断を委ねた次第でしたが、回答はなかなかの高額となりました。
改めて金額をご提示させて頂いたところ、少し間をおいて森本様がポロリと涙を…。
「ありがとうございます。主人の思い出を評価して頂けたようで、嬉しく思います。」とお喜びのお言葉を頂戴。
そのまま無事にご成約となり、車載して持ち帰りとなりました。
現在このショベルヘッドは、新しいオーナー様に森本様のご主人の分まで愛して頂ける事を願いつつ、弊社メカニックの手で鋭意再生中です。
古いモデルだけにレストアに少々時間がかかりますが、完了後は森本様へ生まれ変わった姿を撮影して送らせて頂きたいと考えております。
FLH1340【1978~84年モデルのショベル】
初代スポーツスターに搭載された歴史から振り返ると、実に60年もの歴史を持つショベルヘッドは、現在殆ど市場に流通しない稀少車です。
そのため、今回の森本様のケースのように故人の持ち物として、不動状態で世に出るケースが稀にあるといった程度なのが現状。
なかなか査定が難しく、整備力に自信のない買取業者の場合は、不当に安い金額を提示されるケースもしばしばあるようです。
弊社でもショベルヘッドの買取事例は、直近12ヶ月ではないため一概には言えません。
しかし、店舗での販売と自社整備力に自信のパッションならではの査定で、オーナー様にご満足頂けるよう努力しております。
どんなにボロボロの状態のハーレーであっても、諦める前にまずは一度弊社までご相談ください。
ビンテージ・ハーレーには、エンジンの再生が不可でもオブジェ・パーツ用としての価値もあり、決して価値が全くないという事はありません。
特にリジッドショベルは、厳密にはハーレーの純正モデルではなくカスタム販売車両であるため、webでは買取例が掲載できないことも多い一台です。
ショベルヘッドに限らずどんなハーレーであっても弊社は誠心誠意査定させて頂き、オーナー様が納得のいく査定金額提示をさせて頂く事をお約束いたします。
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 19台
- 平均価格: 910,000円
- 最高価格: 1,508,000円
- 最低価格: 718,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 6台
- 平均価格: 648,667円
- 最高価格: 876,000円
- 最低価格: 436,000円
相場情報:2016年9月時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。