買取査定させて頂いたのはオフロード仕様にカスタムされたハスクバーナSM250R
オフロードで重しご使用されていた痕跡が車体各所に散見され、カスタム内容も査定価値を損ねる内容となっていました。
最大の問題は白煙を吐き、大きな異音を発生させているエンジンの状態。
パット見た車両の印象よりもやや難点の目立った車両です。
以下査定内容の詳細をご紹介させていただきます。
足回り
100万円近い車両価格の一例が詰まったSM250Rの足回り。
高価なメーカー品を使用して剛性・制動力・安定感が売りですが、オフロード仕様のカスタムによって機能面は削がれています。
タイヤやブレーキなどのカスタム内容の査定価値は後述いたしますが、足回り全体に使用感がやや色濃く感じられます。
タイヤ減り、ホイールの傷、フォークのオイル漏れ、ブレーキ類の腐食、スイングアームの目立つ擦り傷などが主なマイナス査定となりました。
スイングアームの目立つ擦り傷はラフなオフロード走行の典型的な付き方となっています。
フロントフォークのオイル漏れは、念のために再販に当たっては要オーバーホールの状態で工賃1万円程度がかかるマイナス査定となっています。
全体的に使用感が強く査定の評価としては平均以下となっていました。
外装
地上から高い位置にある外装は、オフロード走行による外傷が少なめとなるのが通例ですが、黒い部分の左右センターカウルに草木に擦ったような長い線傷がついています。
使用感が出にくい上質な素材のシートにも小さな破れのほかにやや強い使用感が感じられます、シートは要張替えとなりそうです。オリジナルの素材が上質なだけに査定価格にも影響します。
査定時には気付きませんでしたが、無償代行している廃車手続きのためにナンバープレートを取り外したところ、露になったテールカウルの部分には、かなり年季の入った劣化が刻まれています。
普段使いの様子は泥だらけのダート走行であり、その状態が刻まれたナンバープレート下のテールカウルと、普段からケアされていたそのほかの部分の対比が大非常に大きいSM250R。
ダート走行後の小まめに洗車されていたことが推察できると同時に、普段使いの激しさも同時に推察できます。
外装全体の評価は、色褪せや線傷なども散見され、年式未満の査定評価点となりました。
エンジン
高回転域でスーパーモタードのコンペ車両としての本領を発揮するSM250Rのエンジン。
足回りと外装にダート走行のによる酷使感が強く刻まれていましたが、はたしてエンジン状態は。
セルの始動も若干もたつきましたが、始動するとアイドリングから軽く白煙を吹きます。アクセルを開放するとより濃い白煙を吹き、カラカラといった強い異音を発生させています。
修理するにあたってパーツは注文品となるため修理費用が高額になりがちはなハスクバーナSM250R。再販する販売店にとっても故障の前兆は非常に嫌気されます。連動して買取価値を大きく損ねる要因となります。
オフロード走行でタスの接触があったと思われるエンジン下部は塗装はげも目立ち、ラジエターのフィンい凹みも目立ちます。
白煙吹きと大きな異音を発生させるエンジン機能は今回のハスクバーナSM250Rの査定価値を最も下げる要因となりました。
フレーム回り
各所に傷の外相は目立ち、グリップエンドはゴムが破れてハンドルが顔を出しています。
ダート走行の転倒は路面が緩いこともあり衝撃が緩やかでフレームの剛性損なうような衝撃は発生しにくいのですが、ハンドルストッパーやフレームの溶接部分を検分していきます。
ハンドルストッパーは見事に曲がっています。大きな衝撃を吸収したようです。
フレームに接合部には目立った皺寄りなどもなく、大きくフレームの買取価値を損ねるような痕跡は確認できませんでした。
ただし、フレーム底部のダウンチューブには凹みがあるほか、フレーム回りのステップやスタンドなど塗装はげも目立ち、フレーム回りの評価点も年式並み未満に留まっています。
カスタム
モタード仕様のハスクバーナSM250Rを純正オフロード仕様にカスタムしている今回の1台。買取価格への影響は?
オフロード仕様のカスタムは、ブロックタイヤ化、ブレンボのキャリパーを無名ブランドに変更、ナックルガード・アンダーガード装着が主な内容。
プラスアルファの装着品であるナックルガードとアンダーガードは通常はプラスに作用しますが、使用感が強く取り外したほうが車体がきれいに見える可能性もありプラス査定とはなりませんでした。
大きく買取価値を下げたのは、キャリパーとメーターの変更。
「タイトな効き具合をのbremboはダート走行ではアダにもなる」と無名メーカーへの変更を教えてくださったオーナー様。
「メーターは、壊れて動かなくなって、一番安いものを取り付けて」ともオーナー様のお言葉。
高価なbrembo製のキャリパーを保管していればっプラス査定となったのですが、メーターは保安基準を満たしておらず、どちらも強めのマイナス査定につながるカスタム内容となっていました。
また、カラーバリエーションの異なる色違いのフロントフェンダーを装着している点も細かくマイナスとなっています。<
総合評価と買取価格
査定現場に到着して夕日に映えてきれいに見えたSM250R 査定していくに従ってオーナー様には大変恐縮ながら次々に難点が露になっていきました。
- ▼主に買い取価値を下げた点は
- ダート走行による車体の劣化や外傷
- 再販に当たっては値下げやO/H必須のエンジン機能
- 要O/Hのフロントフォークのオイル漏れ
- 要交換のメーターとシート
- bremboキャリパーなど高価なパーツの交換欠品
などがネガティブな要因となり、査定価格は伸び悩みました。
下段の相場情報で詳しくご案内していますが、極上車でも買取相場が30万円台前半のSM250R。
相場的には15万円程度が予想されるところですが、弊社販売店での販売可能性も視野に入れつつ相場的に限界ぎりぎりの18.5万の査定価格をご提示させていただきました。
お客様のご感想と買取後記
「シート高90cm超えだからね。ほんと頻繁にコケたよ」
「始動でグワッとはこないけど中高速でのトルクがあるから面白い乗り味でダート三昧」
「結構愛着あって酷使した割には綺麗に維持してきたけど、エンジンがこうなっちゃうと楽しく乗れないよね」
「どこのバイク屋でも修理はおろか診てくれないから」と売却の経緯を教えてくださったオーナー様。
「金額もそうだけど、査定含めて誠実だしすごくいい売却ができたって感じ」
「再生してもらって、あっ俺のマシンだっていつか街で見かけたら面白いね」
お任せください。大切にケアして次の乗り手にお繋ぎいたします
ハスクバーナ SM250Rはいくらで売れるのか?適正相場
モトクロス、エンデューロ、モタード系のバイクで実績と存在感を際立たせているハスクバーナが、モタードレース仕様と同じ基本構成で売り出されているSM250R。
スーパーモタード車としては国産だとWR250Xと被るハイスペックの本格仕様です。
2018年現在も現行車である2010年モデルのメーカー希望小売価格は99.8万円(税込)とほぼ100万円。 生産終了となった2017年モデルのモタードのR1ことWR250Xのメーカー希望小売価格が73.5万円(税込)ですから、国内の250ccの値段を基準にするととても高額です。
生産終了の発表と同時に中古相場が高騰し、買取価格も上昇に転じたWR250X/WR250Rと比べて中古相場も高いのでしょうか?
SM250Rの中古相場はというと、(流通数が少ないのですが)販売店の店頭では50万円台が平均的な車両販売価格となっています。
中古相場は、WR250Xの後塵を拝しているようですが、SM250Rはいったいいくらで売れるのでしょうか?
買取業者の査定価格の指標であり、販売業者の仕入れ値であり、つまり日本の中古バイクの相場を決定している業者間オークション市場の取引データを使用して、SM250Rの適切な買取相場をご案内差し上げます。
(参考:
WR250X/WR250Rの買取事例一覧はこちら)
状態別の買取相場
- ▼状態を表す評価点の目安|ハスクバーナ SM250R
- 評価点5 状態が良く綺麗
- 評価点4 年式並み・やや状態が良く綺麗
- 評価点3 年式並み未満で難有り
- 評価点2 実働車だが劣悪
- 評価点1 事故車や不動車
中古ハスクバーナ SM250R|評価点別の取引相場 |
状態/ 落札額 |
評価点 |
走行 |
年式モデル |
コメント |
38万円 |
4.7点 |
2,646km |
2010 |
良好 |
35万円 |
4.5点 |
5,235km |
2008 |
小傷小錆 |
31.6万円 |
4.0点 |
7,596km |
2010 |
小傷小錆多 |
31.6万円 |
5.2点 |
796km |
2010 |
良好~極上 IEモデル |
29.8万円 |
4.0点 |
4,933km |
2009 |
傷劣化多 |
29.4万円 |
4.5点 |
3,038km |
2010 |
小傷小錆多 |
29.4万円 |
4.3点 |
4,574km |
2010 |
小傷小錆多 |
21.2万円 |
3.9点 |
4,574km |
2010 |
傷劣化多 |
18万円 |
3.7点 |
不明 |
2010 |
電装不良 エンジン始動なし ステッカー欠品 |
10.8万円 |
3.6点 |
6,645km |
2005 |
傷劣化不調多 オイル漏れ大 |
10.4万円 |
3.2点 |
改ざん |
2005 |
傷劣化不多 エンジン圧縮なし クーラント漏れ |
(2018年5月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
上記表は、業者間市場において、直近1年間で取引されたSR250Rのデータです。
買取業者は上記取引表を見て、買取した車両がいくらで売れそうか?/いくらまでで買取金額を出せるか?と査定現場での買取額を判断する指標としています。
それでは細かく見てまいりましょう。
年式、距離、評価点の指標がございますが、最も査定価格に影響する要素は評価点になります。その評価点に着目すると、
全13台が取引されていますが、実は最も状態の良い個体は最高金額で落札されたハスクバーナ SM250Rではなく、金額で第4位の31.6万円で落札された評価点5.2点が付いた走行800km弱の個体です。
買取業者としては、需給(落札する販売店の)の競りによって金額が跳ね上がっと思われる、落札金額で1~3位の車両をベンチマークにするリスクは取らないのが通例です。
買取業界的には、かなり状態の良い個体でも30数万円が、業者間市場での落札額になると判断します。
評価点5.2の極上車を先頭にして、表を眺めると概ね、評価点と落札金額が連動していることが見て取れます。
10万円台で取引された車両は評価点で3点台が多く、目立ったマイナス査定となる項目が含まれています。
20万円台で取引されている車両は概ね4点台の評価で、小傷や劣化が散見されるものの総合的には年式並み若しくは若干良い車両となっています。
上記を踏まえて、査定現場での買取相場をご案内すると下記のようになります。
- ▼評価点別の買取相場|ハスクバーナ SM250R
- 評価点5 27~30万円台
- 評価点4 18~20万円台後半
- 評価点3 5~10万円台
業者間市場の取引額と、買取業者の査定額に差があるのはなぜ?
買取業者は買取したオートバイを業者間市場に出品して売却します。
そのため、買取価格は想定される売却額から経費(出品手数料や運送費など)と儲けを差し引いた額となります。
余談ですが
弊社のような買取販売店では、業者間市場への売却が7割、自社販売店での仕入れが3割となっています。
販売店仕入れのケースの買取額は、業者間市場に売却する場合の買取額よりも10%程度高く設定することができます。
その理由は、販売業者の仕入れ値が、落札金額+消費税+落札手数料となり、落札金額+10%となるためです。
したがって、想定落札額の10%までで買取する余力があるといえます。
ハスクバーナSR250Rの買取査定は、買取販売店の弊社パッションにお任せください!
モタードで買取相場の高い車両は?
最後に、買取相場の高いモタードランキングをご案内いたします。 (年間で10台以上の取引があった、主だった最近の車種限定です)
モデルチェンジ別の年式モデルと型式 |
|
年式 |
新車価格 |
WR250X |
2007~17 |
75.3 |
CRF250M |
2013~現行 |
53.8 |
SM250R |
2005~10 |
99.8 |
XR250モタード |
2003~07 |
55.6 |
DトラッカーX |
2008~16 |
58.5 |
XT250X DG17J |
2006~17 |
51.4 |
(新車価格は最新モデルのメーカー希望小売価格。単位は万円で100円単位を切り下げ)
250ccモタード|高額買取相場ランキング |
相場/ 年式モデル |
平均落札額 |
最高額 |
取引台数 |
WR250X |
52.4万円 |
80.0万円 |
171台 |
CRF250M |
28.3万円 |
54.0万円 |
63台 |
SM250R |
25.9万円 |
38.0万円 |
11台 |
XR250モタード |
23.7万円 |
36.0万円 |
90台 |
DトラッカーX |
22.3万円 |
40.2万円 |
128台 |
XT250X DG17J |
19.9万円 |
33.2万円 |
26台 |
(2018年5月時点で、業者間市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。 そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
(参考:
Dトラッカー/Xの買取事例一覧はこちら)
(参考:
XR250/モタード/バハの買取事例一覧はこちら)
最も高く売れる買取相場の高いモタードはWR250Xという結果になりました。
新車価格、年式モデルと組み合わせて買取相場を比較してみると、資産価値の高いモタードが見えてくると思います。
売り時をご判断される材料にしていただけましたら幸いです。
ハスクバーナ SM250R
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 11台
- 平均価格: 259,273円
- 最高価格: 380,000円
- 最低価格: 104,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 36台
- 平均価格: 75,778円
- 最高価格: 112,000円
- 最低価格: 31,000円
相場情報:2018年5月16日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。