ペンタックスカラーのNSR250R SP かなりのダメージですが査定価格は?
大阪市内へのベッドタウンとして、住みやすいとされている松原市。
夏らしい日差しが連日続き、神崎様のご自宅へお伺いした当日も午前11時前で早くもアスファルトから陽炎が立ち上っていました。
神崎様お住まいのマンション前では、管理人様が路面に水を撒き、暑気払いをしてくださっていました。
さっそくマンションのエントランスからご連絡を差し上げ、エレベーターホールで神崎様とお顔合わせに。
40代後半の神崎様は以前はよく金剛山へ峠を攻めに通っていたそうで、NSR250R SPは当時のよき相棒であったそうです。
お子様の誕生を機に、峠からは引退してお仕事や家族サービスに努めていたとの事で、NSR250R SPは5年近く乗っていなかったとか。
今回は転居の準備中にNSR250R SPの書類を発見し、思い出してこの機に売却を決意したとの事でした。
早速マンション裏手の駐輪場に案内して頂き、バイクカバーを外したNSR250R SPとご対面させて頂きます。
放置期間が長かったため、前後タイヤからはエアも抜けきってしまい、現状自走は不可能。
前方からのアングルエンジンもガソリンが腐ってしまっているので、かなり大規模なメンテナンスが必要となりそうです。
アッパーカウルには縦に大きなひび割れが。
事故と呼ぶには軽微ですが、一度雨天時にスリップしてNSR250R SPを「お散歩」させてしまったことがあったそうです。
その際の名残が随所にあり、かなり擦り傷が目立ちます。
社外品のチャンバーなどにも腐食・すり傷が確認でき、それなりの傷み具合となっていました。
タイヤも皮がむけるような状態で、要交換です。
他、ステアリングダンパーが装着され、峠向きのカスタマイズが施されています。
フロントフォーク・ガルアームにも腐食が見て取れ、なかなかの傷み具合と言えます。
全体的に細かい傷が多く、その傷にオイルが染み込んでしまっており、個人での修復はハードル高めと言えます。
オーナーの神崎様も苦笑いしながら約30分間の査定を見守っていて下さり、丹念にNSR250R SPの状態をチェックさせて頂きました。
その結果、この1990年式NSR250R SPの最終査定金額は、210,000円に。
弊社による査定ランクは、10段階評価の「2」でした。
稀少な2ストロークマシンのNSR250R SP。 PASSIONならではの高額買取に大満足!
現在では日本国内での2ストロークマシンが生産されておらず、中でもNSR250R SPはプレミア価格がつく車両も珍しくありません。
しかし、長年の放置期間と、実際に走らせていた時からコンディションは決して良くはなく、査定価格については5万円程度と神崎様はお考えでした。
最終査定価格をタブレットをお見せしてお伝えしたところ、「25,000円ですか…;。
もう少し上がりません?」と勘違いされてしまいました。
査定スタッフが「いえいえ!桁が一つ少ないですよ。」と苦笑しながら訂正したところ、一瞬(は?)と驚かれておりました。
そして我に返った神崎様は、査定価格に大満足で無事売買契約成立となりました。
今回の1990年式NSR250R SPについては、まずカウリングのダメージや前後タイヤのコンディション、バイク本体各所の腐食など問題はかなり多めです。
しかし、それを補って余りあるのが、その稀少性です。
NSR250R自体がプレミア化している事も大きなポイントですが、中でも3代目モデルであるこのMC21はもっとも性能に優れたマシン。
これ以降のモデルは最高出力が45psから40psまで規制され、MC21であることに大きな価値があります。
車体コンディションは決して良くはなく、かなりのメンテナンスが必要ではありますが、転倒事故などによるダメージが見受けられないのは評価すべきポイント。
NSR250R・TZR250はかなり事故率が高く、総じて深刻なダメージを受けていることも珍しくありません。
NSR250Rに採用されているアルミツインスパーフレームの場合、こうしたノーダメージフレームは稀少です。
また、今回のNSR250R SPの走行距離は9,113km。
これは走り屋全盛期のモデルとしては少なめの距離で、エンジンの調子は確認できませんでしたが、キックレバーを踏み込んでの圧縮コンプ等の確認によってエンジンチェックを行いました。
圧縮比も正常な範囲であり、レバーを押し返す強さなどで状態チェックし、実動可能であることを確認できました。
これらを総合的にプラス材料・マイナス材料を差し引きした結果、最終査定価格に至りました。 バイク買取専門業者の中には、査定スタッフ自身に2ストロークエンジン搭載車の知識がない業者も多くなっていますが、弊社の査定スタッフは車種・ジャンルに応じた専門知識を有していることを中心に査定担当を選考しております。
この点で他業者との差別化を図ることにより、申し込みを頂いたお客様が納得して頂けるように努めさせて頂いております。
NSR250R SPの相場
ホンダの2ストロークマシンの王者として、高い性能を武器に人気を博したNSR250R。
中でも特別仕様のNSR250R SPは、現在稀少価値の高いモデルとして人気があります。
実際にこのバイクを愛車として走っておられたオーナー様も多く、弊社ではオーナー様の思い入れに精一杯応えることを重要視しております。
特にハイパワーと車体自体のスポーツ性能は高く、現在でもジムカーナのトップライダーに愛されていることもしばしば。
それだけに、店頭販売を可能としている弊社では、他社が真似の出来ない買取価格を実現しております。
NSR/NSR250R豆知識
1983年にWGPを制したホンダNS500。
名実ともにレース部門で大成功を収めた結果となりましたが、市販車部門ではヤマハRZ250/350に大きく差をつけられていました。
1984年のNS250FとNS250Rで巻き返しを図るものの、その後にヤマハはワークスベースのTZR250の販売を開始し、2ストローク市場は非常な激戦区へ様変わりしました。
伝家の宝刀を抜いた形のヤマハを追い落とすべく、ホンダもワークスマシンRS250Rレプリカとして、1986年にNSR250Rの販売を決定。
非常に大きな話題を呼び、予約殺到の事態を巻き起こし、2ストロークスポーツ市場の絶対王者として長く君臨するに至ります。
最初期のNSR250Rは、新設計のアルミ製ツインスパーフレームに水冷2ストロークV型2気筒エンジンを搭載。
中でも3代目モデルとなる型番MC21のNSR250Rは、もっとも過激で戦闘的なモデルとして知られています。
従来よりもシートが跳ね上がるスタイルとなり、スラントノーズ状のカウリングに変更。
ヘッドライトもスリムな2灯ハロゲンヘッドライトとなり、シャープさを増したデザインとなります。
ハンドル位置・シート高が低く設定されており、非常に前傾度は高めになったことで、よりアグレッシブなライディングポジションを取れるようになりました。
そしてスイングアームが「ガルアーム」という名の「への字」形に仕様変更。
チャンバーの排気効率を高める形状を追求した結果、干渉のない形へと変化したものですが、このガルアームは以後NSR250Rのトレードマークとして認識されるようになりました。
さらに上位モデルのNSR250R SPには軽量なマグネシウム製ホイールと乾式多板クラッチが採用され、非常にレーシーな仕様となっています。
こちらのNSR250R SPは、ロスマンズカラーやHRC、PENTAXカラーなどワークスカラーが許されています。
このMC21の3代目NSR250Rからはスピードリミッターが搭載されていますが、リミッターカットすればそのままレースに参戦できるほど高性能レーサーに。
出力制御するためのPGM-IIIというコンピューターシステムもより洗練され、ジムカーナ車両としても未だに根強い人気を誇っています。●
NSR250R SP【1990~1992年モデルのMC21型】
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 15台
- 平均価格: 388,400円
- 最高価格: 1,044,000円
- 最低価格: 188,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 6台
- 平均価格: 217,833円
- 最高価格: 280,000円
- 最低価格: 133,000円
相場情報:2016年8月時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。