買取上限
60.4 万円相場平均
23.5~37.6 万円買取上限
47.3 万円相場平均
17.2~28.9 万円買取上限
44.9 万円相場平均
36.1~40 万円買取上限
30.6 万円相場平均
12.1~19.4 万円買取上限
24.9 万円相場平均
12.9~18 万円買取上限
13.9 万円相場平均
10.3~11.7 万円かつて「/7(スラッシュセブン)シリーズ」の旗艦として登場した『R100』は、モノレバーからパラレバーへと至るBMW独自の革新的なリアサスペンションを確立しました。その後を継いだ先代『R1100』シリーズは、フロントに「テレレバー」と「空油冷(オイルヘッド)4バルブ」を搭載し、BMWの屋台骨を次世代へと引き上げました。
これら歴代フラッグシップが築き上げた重厚な技術的系譜を受け継ぎ、世紀の変わり目にさらなる熟成と進化を遂げて登場したのが『R1150』シリーズです。エンジンの排気量を1130ccへとスケールアップし、さらに待望の「6速ミッション」を搭載したことで、高速巡航時の快適性が飛躍的に向上しました。
さらに、強烈な制動力を誇る「エボ・ブレーキ(サーボ付きインテグラルABS)」の導入や、アイデンティティとなる「非対称ヘッドライト」を確立。そして何より、巨大なタンクを備えた『R1150GS Adventure』を生み出し、今日の「メガ・アドベンチャー市場」という巨大ジャンルを切り開いた歴史的な世代なのです。
| モデル名 / 登場年 | スタイル・特徴 |
|---|---|
| R1150GS 1999年 - 2003年 |
【新時代のアドベンチャー】 シリーズの先陣を切って登場。排気量が1,130ccへ拡大され、6速ミッションを採用。フロントマスクには、その後のBMWのアイコンとなる「大小非対称の異形デュアルヘッドライト」が採用され、よりアグレッシブなルックスへ進化しました。 |
| R1150R (ロードスター) 2001年 - 2006年 |
【モダン・ネイキッド】 カウルを持たないベーシックなネイキッドモデル。オイルクーラーをシュラウド(側面)に配置し、流麗でマッシブなデザインへと一新。街乗りからツーリングまでこなす万能性が高く評価されました。 |
| R1150RT 2001年 - 2005年 |
【大陸横断ツアラー】 巨大なフルカウルを備えるツーリングの王様。6速ミッションの恩恵を最も受けたモデルであり、アウトバーンでの超高速巡航がさらに快適になりました。サーボアシスト付きのインテグラルABSをいち早く標準装備。 |
| R1150RS 2001年 - 2004年 |
【スポーツ・ツアラー】 ハーフカウルを備えるスポーツツーリングモデル。R1100RSの空力を引き継ぎつつ、エンジンや駆動系を1150世代へアップデート。実質的にこのモデルを最後に、「RS(レンシュポルト)」の名前は一時的にラインナップから姿を消すことになります。 |
| R1150GS Adventure 2002年 - 2005年 |
【究極の冒険バイク(初代GSA)】 GSをベースに、30Lの巨大タンク、ストロークを延長した専用サスペンション、大型スクリーン、エンジンガードを標準装備した「アドベンチャー」の始祖。世界一周ツーリング番組『Long Way Round』で使用され、世界的なメガヒットを記録しました。 |
| R1150R Rockster(ロックスター) 2003年 - 2005年 |
【異端のストリートファイター】 ロードスターをベースに、GSの非対称ヘッドライトやSの足回りを移植し、派手なカラーリング(艶消し黒×ライムグリーン等)を施したアグレッシブなモデル。「おとなしいBMW」というイメージを打破するために作られたメーカー純正のストリートファイター。 |
R1150シリーズは、他メーカーには絶対に真似できない「BMW独自の革新」をいくつも生み出した世代です。その最大の成功例が、2002年に投入された『R1150GS Adventure(GSA)』です。
実は、アドベンチャーといっても車体の基本構造はスタンダードのGSと同じであり、主な違いは「大容量タンク」「ストロークを伸ばしたサス」「エンジンガード等の装備類」といった細かい差異(派生モデル)に過ぎません。巨大タンクを積むという手法自体も、かつてのパリダカ優勝記念モデルである『R80G/S パリ・ダカール』の文法をそのまま受け継いだものです。
しかし、BMWの真の凄さはその「魅せ方(マーケティング)」にありました。当時、ホンダのアフリカツインなどビッグタンクを備えた「パリ・ダカール・レプリカ」は既に市場の定番であり、KTMはオフロード性能に特化した凶暴な競技志向モデルの投入を準備していました。
一方で、BMWのボクサーエンジンがワークス体制でダカールラリーを制したのは1980年代半ばが最後であり、すでに10年以上も前に砂漠の最前線からは退いていました(99・00年の連覇も単気筒のFシリーズが担っています)。
ここに見え隠れするのが、BMWの極めて高度な「ブランディング戦略」です。かつてビッグタンク仕様のGSには『パリ・ダカール(PD)』という名称が与えられていましたが、R1150世代においてBMWはその名称を捨て、初めて『Adventure(アドベンチャー)』という冠を与えました。
実戦(レース)の役割を単気筒へ譲り、「砂漠を速く走る競技車両」という制約から解放されていたBMWは、R80G/Sパリダカから受け継いだビッグタンクに「大陸横断の旅仕様」を連想させる外装を整え、泥まみれのレーサーではなく『二輪界のレンジローバー(高級SUV)』として市場に投下したのです。
ライバルたちが依然として「ダカール・ラリーの模倣(競技志向)」を追求する中、BMWは自ら開拓した巨大オフローダー市場が「競技」から「ライフスタイル(冒険)」へと変化しつつある隆盛期を的確に捉え、あえて『アドベンチャー』と命名することで「我々こそがこの旅バイク市場の元祖である」と世界に宣言したのです。
まさにこれはメカニズムではなく「ネーミングの大発明」でした。
R1150GSA以前にもTR5Tアドベンチャー(1973年)や620アドベンチャー(1996年)などアドベンチャーを命名するモデルは存在しました。しかしながらアドベンチャーというワードはGSにピッタリと嵌ったのです。機構的にはかつてのパリダカ仕様の二番煎じ(既存パーツの流用)でありながら、それまで「大型デュアルパーパスのツーリング仕様」や「ビッグオフのビッグタンク版」と呼ばれていたフワッとしたジャンルが、このモデルの登場によって明確に『アドベンチャー市場』という一つの巨大な産業へと切り替わったのです。
このネーミングとパラダイムシフトは見事に的中。俳優ユアン・マクレガーの旅番組『Long Way Round』の大ヒットと相まって、R1150GSAは今日の「メガ・アドベンチャー市場」を完全に独占する絶対的な王者となりました。
デザイン面における最大の独自機構が、1999年のスタンダード版『R1150GS』で初採用された「大小非対称(アシンメトリー)ヘッドライト」です。当初は異端扱いされましたが、「一目でBMWと分かる」強烈なブランドアイデンティティとして定着し、後年のS1000RR等にも受け継がれる大傑作デザインとなりました。
また、新開発の「6速ミッション」は最上段をオーバードライブに設定し、先代から続く独自のテレレバー・サスペンションと組み合わせることで、「世界で最も快適に超高速・長距離巡航ができるバイク」というツアラーとしての絶対的な評価を完成させました。
輝かしい大発明の一方で、R1150シリーズには「環境規制に対する後手の対応」や「四輪車の技術を無理に二輪へ持ち込んだ結果」など、メーカーの苦悩や試行錯誤が垣間見えるメカニズムも存在します。
R1150シリーズ(初期型)のエンジンが抱えていた最大の持病が、一定の低回転スロットルで走行中に車体がギクシャクする「サージング現象」です。厳格化する排ガス規制に合わせて燃料を極端に薄く(リーンバーン)設定した結果、巨大なボアを持つ燃焼室の端まで火炎が届かず、不完全燃焼を起こしていたのが原因でした。
これに対するBMWの解決策が、2003年モデルから導入された「ツインスパーク(1気筒あたり2本の点火プラグ)」です。ツインスパーク自体は既に日本製バイクなどでも広く採用されていた既存技術であり、BMWとしてはエンジンの基本設計(水冷化など)を根本から変えずに排ガス規制とサージングを乗り切るための「苦肉の延命策」でした。しかし結果として、このツインスパーク化によってR1150後期モデルのエンジンフィーリングは劇的に滑らかになり、空油冷ボクサーの一つの完成形(怪我の功名)へと到達したのです。
後継となる次世代『R1200』シリーズでは、CAN-BUSなどの高度な電子制御が組み込まれ、車体全体で約30kgもの劇的な軽量化(近代化)を果たします。だからこそ、アナログな操作感と「鉄の塊」のようなズッシリとした重厚感を併せ持つメカニカルなボクサーは、このR1150シリーズが事実上の「最終形態」として位置づけられており、今なお多くの愛好家を惹きつけて止まないのです。
2001年から導入された「EVOブレーキ(iABS)」は、四輪車のように電動モーター(サーボ)で油圧をアシストし、指一本で巨体を止めるという野心的なシステムでした。しかし、エンジン(キー)を切ると極端にブレーキが効かなくなる点や、バッテリーへの依存度が異常に高く、故障時の修理費が天文学的になるという弱点を抱えていました。日本製バイクなどが採用していた「シンプルで軽量な油圧式ABS」の信頼性には勝てず、結果的にこの過剰なサーボ機構は後のR1200世代でひっそりと廃止されることになります。
生産終了から長い年月が経過した現在、R1150シリーズの中古車相場は単なる型落ちモデルとしての底値を打ち、「ヤングタイマー(次世代のクラシック候補となる絶版車)」としての趣味的な価値帯へと移行しつつあります。そのため、車種とコンディションによって査定額の二極化が顕著になっています。
■ リセール相場の序列:トップの『GSA』から『GS』、そして『RT/ロックスター』へ
シリーズの中で最も高値で取引されているのは、初代アドベンチャーである『R1150GS Adventure』です。「無骨な鉄の塊感」が再評価されており、走行距離が多くても純正のアルミパニアケース等が揃っていれば極めて高いリセールバリューを誇ります。それに次いで、スタンダードの『R1150GS』も不動の人気モデルとして高値安定の相場を形成しています。
これらGS系に続くのが、大陸横断ツアラーとして根強い需要がある『R1150RT』や、特異なデザインでコアなマニアから指名買いが入る『R1150R ロックスター』です。一方で、ベーシックなロードスター(R1150R)やRSは、シリーズの中では比較的購入しやすい(査定額が落ち着いた)価格帯で取引される傾向にあります。
■ 査定における最大の鬼門「サーボ付きABS」の死活
R1150シリーズ(特に後期モデル)の買取査定において、査定士が最も神経を尖らせるのが「サーボアシスト付きインテグラルABS(通称:iABS)」の作動状況です。
キーをONにしてレバーを握った際に、サーボモーターの駆動音(モーター音)が正常に鳴るか、警告灯が点滅・点灯しっぱなしになっていないかが最大のチェックポイントとなります。このiABSユニットは非常に精密で壊れやすく、万が一ポンプユニットが故障(ご臨終)している場合、部品交換代が数十万円という修理費に直結するため、大幅なマイナス査定となります。一方でR1150シリーズは使い込まれ走行距離の多い個体比率が高いのですが、走行距離が膨らんでいること自体は減額対象とならない固有性があり、オーナー様が大切に扱われてきた個体は査定額が伸びやすい傾向にあります。
※尚、上記の買取相場は2026年時点のものです。最新相場は上段のリストからご確認いただけます。
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