オフロード系アドベンチャーのフラッグシップとして2018年から展開されてきた「タイガー1200 XC」シリーズは、2022年式でフルモデルチェンジが行われて世代交代となった。そこでデビューしたのが「タイガー1200 ラリー」シリーズだった。これまでの「XC(クロスカントリー)」という表記は廃されて、よりオフロード感をイメージしやすい「ラリー」という名称が採用された。この「タイガー1200 ラリー」シリーズは、2グレード構成で「ラリー プロ」と本機「ラリー エクスプローラー」の2タイプが用意された。
日本仕様の本機「タイガー1200 ラリー エクスプローラー」は、2022年4月に発売された。

新設計のシャシーは、チューブラスチール製のメインフレームにアルミ製サブフレームをボルト留めする構造。この新型フレームは従来比で5.4kgも軽くなっていた。そこにマウントされるパワーユニットは、ボア・ストロークが90mm×60.7mmのDOHC4バルブ水冷並列3気筒エンジンが与えられた。排気量は1,160ccで、先代モデルより55㏄コンパクトになった。ただ、最高出力は9,000回転150馬力仕様と、従来から9馬力アップ。最大トルクも7,000回転130Nmで、こちらも8Nm向上した。走行モード選択機能は、「ロード」・「レイン」・「スポーツ」・「オフロード」・「オフロード プロ」・「ライダー」の6タイプから任意に設定できる。ちなみオンロード志向のニューモデル「GT」系は、「オフロード プロ」メニューは無く、トータル5モード仕様だった。

足回りは、フロントに49mm大径ショーワ製の倒立フォークを装備。そこに新たに21インチの大径クロススポークホイールを履く。ブレーキは320mmダブルディスクとブレンボ製の「Stylema」M4.30モノブロック4ピストンキャリパーという構造。リヤは従来の片持ち式から構造変更が行われた両持ち式のアルミ製スイングアームを採用。そこに282mmディスクとブレンボシングルピストンキャリパーを組合せる。ホイールサイズは、こちらもサイズ変更で18インチへ大径化された。サスペンションの調整機能についてはセミアクティブ式の電子制御となる。
RallyPROとの差異は、タンク容量、タンクカバーの形状（explorerのほうがアグレッシブ）、エンジンバーキットが標準装備されている点が挙げられる。

マシンの電子制御システムとしては、コーナリングABS、トラクションコントロール、クイックシフター、アダプティブヘッドライト、ヒルホールドコントロールが標準装備。さらに本機には車両後方の安全確保のため「ブラインドスポットレーダーシステム」も採用された。さらに特徴的なディテールとしては、燃料タンク容量が30L仕様で、ベースグレードの「ラリー プロ」より150%大容量だった。


ライバルモデルとしてはBMWモトラッドから展開される「R1250GS アドベンチャー」が台頭する。本機より17kg重い278kgのマシンが搭載するエンジンは、136馬力・143Nm仕様の1,254ccボクサーツインユニット。足元は、フロント19インチ、リヤ17インチサイズ。トルクフルで扱いやすいマシン特性が特徴だが、悪路での俊敏性を求めるなら「タイガー1200 ラリー エクスプローラー」だろう。

なおデビュー以降の「タイガー1200 ラリー エクスプローラー」は、2024年式で最初のマイナーチェンジを受けてラインアップを継続している。

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解説記事更新日：2024年08月07日

リッターオーバー水冷トリプルを搭載するトライアンフのアドベンチャーシリーズ「タイガー1200」は、2022年モデルで世代変更を実施。オフロード志向の豪華モデルとして設定されたのが本機「タイガー1200 ラリー エクスプローラー」だった。日本仕様は以下のカラーリングと価格で同年4月に発売された。

・「マットカーキ」　274.4万円(税込)
・「サファイアブラック」　272.9万円(税込)
・「スノードニホワイト」　269.9万円(税込)

カラーバリエーションは3タイプで、オフロード感とミリタリーテイストを感じさせる艶消しグリーンとシーンを選ばず馴染みやすいブラックとホワイトが用意された。
新設計フレームと新型エンジンを組み合わせて全く新しい車体は、重量が261kgで先代のフラッグシップ「タイガー1200 XCA」より12kgも軽くなった。エンジンは排気量を1,160㏄まで縮小した水冷トリプルで、従来比で9馬力アップの150馬力仕様。最大トルクは7,000回転で130Nmに到達する。6種類のラインディングモードやクイックシフターの組合せで、快適かつ刺激的なアドベンチャーライドが可能だ。ハイパワー&高トルクのエンジン出力はシャフトドライブ経由でリヤタイヤに伝達される。
従来モデルではスイングアームが片持ち式だったが、本機はアルミ製の両持ちタイプに変更された。足回りは、前後ショーワ製のセミアクティブ式サスペンションキットを採用。そして従来モデルからの大きな変更ポイントは、ホイールサイズが19インチ・17インチから21インチ・18インチへ大径化されたことだった。よりオフロード色の濃いアドベンチャーマシンへと進化していた。

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解説記事更新日：2024年08月07日

新世代「タイガー1200」のオフロードモデルは、「ラリー プロ」と本機「ラリー エクスプローラー」の2グレードがラインアップされた。豪華グレードで充実装備の本機「タイガー1200 ラリー エクスプローラー」には、30Lの大容量燃料タンクのほか、マシン後方の死角に車両が入ったときに警告を発する「トライアンフ　ブラインドスポットレーダー」も搭載する。ちなみにこの最新電子装備は、トライアンフとコンチネンタル社との共同開発によって採用されたシステム。
2023年式の「タイガー1200 ラリー エクスプローラー」は、新型へ移行した直後というタイミングということもあり、アップデートは無くキャリーオーバーで継続された。カラーバリエーションも以下の3タイプで従来通り。

・継続「マットカーキ」
・継続「サファイアブラック」
・継続「スノードニホワイト」

マシンの心臓部として与えられた新型エンジンは、1,160㏄の水冷トリプルユニット。最高出力が9,500回転150馬力で、最大トルクは7,000回転130Nmというスペック。出力特性や電子制御システムの介入精度を乗り手の好みに応じて変更可能な「ライダー」モードの他、「オフロード プロ」も用意されている。ちなみに「オフロード プロ」モードは、オンロード志向の「GT」シリーズにはされなかった。

なおシート高は引き続き2段階調整式だが895mmと875mmで、先代モデルの「タイガー1200 XCA」より40mmもアップしている。またオンロードタイプの「GT エクスプローラー」よりも25mm高い。足つき性に関しては実際にマシンに跨って確認すると良いだろう。

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解説記事更新日：2024年08月07日

デビューから3年目を迎える2024年式の「タイガー1200 ラリー エクスプローラー」は、最初のマイナーチェンジが行われた。実施されたアップデート内容は以下の通り。

・エンジン仕様変更
・クラッチ仕様変更
・クラッチレバー形状変更
・シート形状変更
・アクティブ・プリロード・リダクション採用

エンジンスペック自体は、最高出力9,000回転150馬力で最大トルク7,000回転130Nmから変わっていない。しかしクランクシャフト、オルターネーターローター、バランサー、キャリブレーションの変更が施されたことでスムーズな吹け上がりと減速が可能になった。さらに低回転域でのトルク伝達性が向上している。またクラッチレバーの形状変更や本体の設計見直しで、より扱いやすい操作性を実現。長距離移動時や未舗装路走行時の疲労低減に繋がっている。

さらに機能装備面の注目ポイントとして、新たに「アクティブ・プリロード・リダクション」機能が実装された。これは、スイッチキューブの「ホーム」ボタンを1秒間押すことでリヤサスペンションのプリロードが下がりシート高が最大20mmダウンする。街中走行時の信号待ちや停車直前に使うことで足つき性の不安解消に一役買う電子装備だ。シート形状も見直されて乗り心地も良くなった。

各部のアップデートでマシンの完成度が高められた2024年式「タイガー1200 ラリー エクスプローラー」だが、カラーリングと価格は以下の通り。

・新色「ジェットブラック」　278.5万円(税込)
・継続「マットカーキ」　283万円(税込)
・新色「マットサンドストーム」　283万円(税込)

カラーバリエーション数は引き続き3タイプを展開。その内2カラーが新色となった。デビュー時から設定されていたホワイトは廃止で新たにベージュが加わった。

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解説記事更新日：2024年08月07日