買取させて頂きましたのは、1992年式・セパレートハンドル仕様・ブラックのバンディット400。
1989年の発売当初は59馬力だったエンジンですが、53馬力化された1992年発売モデルのGK75A型です。
写真でもご覧いただけますように、長らく放置されていたことを示すように車体に色濃い風化や劣化が漂っている1台。
エンジンは始動する気配を見せない不動車です。
風雨に晒されて放置されていたため劣化が非常に目立つバンディット400。車体各所の色濃い劣化や不動エンジンは査定額にどのような影響を与えたのか?
以下に査定内容のトピックスをご紹介させて頂きます。
6年放置で損傷・傷みの激しい不動車
査定現場に到着して拝見させて頂きましたバンディット400。一見してエンジンは始動しないことを感じさせる傷みを醸していました。
多数のマイナス査定ポイントがございましたが代表的な内容を列記させて頂きますと、 色艶を失った外装。特にタンクの色褪せや塗装剥げが激しく、再販でお客様の購買意欲を掻き立てる状態からはかけ離れた色味となっています。
点錆で覆われたインナーチューブや、腐食で覆われたステムなど。再販に当たっては入念な磨き作業が必要となります。
ひび割れているグリップやタイヤ、錆で覆われたチェーン、ヘタリ具合の激しいシートカバーは要交換判定。
メーターカバー曇り内部のパネルも相当に色褪せしています。前後のブレーキキャリパーも劣化が激しい他、各所の取付ボルトは錆で固着し取り外しが非常に困難な状態となっています。
外装と同色のメインフレームも色褪せや塗装はげが目立ち、こちらも再販で購入意欲を引き立てる状態とは程遠い劣化を来たしています。
エンジンは、シリンダーブロックは腐食で覆われ、下部のクランクケースやジェネレーターカバーも色艶を失い風化を感じさせます。
キャブレターは劣化したガソリンが粉を吹き、キャブ詰まりを起こしていることを示唆しています。
タンク内のガソリンは腐敗し、タンク内の錆も目立ちます。
エンジンの実働化に当たっては、キャブの放置不動車としてはフルコースの4発キャブの分解洗浄、バッテリー&プラグ交換、タンク内の錆取りと防腐処置は必須でしょう。
以上のように、実働化、更に中古車として購買意欲を掻き立てるような状態に持っていくには非常に多大なコストが容易に想定できる状態となっていたバンディット400。
買取価値と査定額
6年間野晒しで放置されていたため、
劣化や傷みが激しく、実働化して再販化する状態にリカバーすることを前提にすると、修理レストアコストが再販価値に追い付かないような状態でした。
ただし、買取業者の転売先である業者間オークション市場では、2012年時点では不動車でも一定の値が付く相場となっています。
相場環境を鑑みて4~5万円程度で取引されると見込んで、2.6万円の査定額で買取させて頂きました
【2019年2月追記】の買取相場情報
上記内容は2012年8月時点時点の買取事例です。
2012年8月時点の相場情報に基づいて算出された査定金額です。
はたして買取した2012年から7年が経過した2019年時点では、バンディット400の買取相場はどう変化しているのでしょうか?
2012年と2019年の相場を比較して、2019年であれば、いくらの査定額となっているか?
因みに、買取させて頂きましたバンディット400は1995年のフルモデルチェンジ前のGK75A型(1989~1993年発売モデル)です。 型式変更を伴うフルモデルチェンジ前後で買取相場は異なるケースが多々ございます。以下、GK75A型に絞った買取相場をご案内させて頂きます。
(参考記事:
バンディット400シリーズで一番高く売れる型式/グレードは?)
買取業者の転売先である業者間オークション市場の取引データを使用して、2019年のバンディット400の買取相場をご案内差し上げます。
業者間オークション市場での取引額とは、買取業者の転売額であり、また販売業者の仕入れ値です。つまり国内の中古バイクの相場は市場の取引額がベースとなっています。
【2012年 vs 2019年】GK75A型 バンディット400実働車の取引相場 |
【相場の変遷】 |
2012年 |
2019年 |
平均落札額 |
8.6万円 |
6.4万円 |
最高額 |
12.4万円 |
9.6万円 |
最低額 |
4.4万円 |
3.0万円 |
取引台数 |
7台 |
35台 |
【2012年 vs 2019年】事故車・不動車 |
平均落札額 |
7.3万円 |
4.9万円 |
最高額 |
8.6万円 |
7.0万円 |
最低額 |
6.4万円 |
2.1万円 |
取引台数 |
31台 |
5台 |
(2012年8月と2019年月2月時点で、買取業者の転売先である業者間オークション市場の落札データを過去1年間遡った数字)
(業者間市場とは全国で買取されたバイクの9割以上が出品される市場で、販売店と買取店の会員企業間で取引されるの業者間のオークション市場。そこで落札された金額が買取業者の査定価格の基準値となっています)
買取相場は緩やかに下落基調
業者間市場の取引額とは、日本のバイク販売業者の仕入れ値であり、買取業者の転売金額で、すなわち中古バイクの相場の基礎指標なのですが、 2012年から2019年の7年間でGK75A型バンディット400(1989~1993年発売モデル)の取引相場は下落傾向にあります。
オーナー様にとっては嬉しくない相場ですが、2019年時点では平均的な実働車が6万円台で取引されています。
6万円での取引というのは、買取業者の転売額ですので、業者の儲けと経費(出品手数料や運送費など)を差し引くと、査定現場での正味の買取額は平均で4万円程度となってしまいます。
最高取引額も9.6万円ですので、査定現場では7万円台が買取上限額となっています。
取引台数が少ないので傾向としては弱く、極上車やフルカスタム車であれば10万円以上の査定額も十分に狙えますが、年式並みのGK75A型バンディット400の査定額は平均で4万円台という相場環境です。
今後はどう推移していくのか?
平均取引額を比較してみると、2012年の8.6万円に対して、2019年は6.4万円。金額にすればたかだか2万円ですがそもそもの金額が小さいため、率に換算すると 過去7年間で約30%下落しています。年率で換算すると4%程度の下落です。
最高取引額も12.4万円から9.6万円に下落し、上値も下落基調にあります。。
1997年の生産終了から一貫して相場が下落基調にあるバンディット400。中古市場での人気も旺盛ではなく今後は相場が下げ止まることはあっても値上がりは期待できないと思われます。
ご売却は早めのタイミングが正解といえるでしょう。
GK75A型 Bandit400の買取相場の詳細
2019年時点での取引相場をより詳しく見るために、
買取価格を決定する最も重要な要素である『状態』
買取業界では、総合的な車両の状態を評価する点数があり、GK75A型バンディット400の場合は下記のような点数で状態を示すことができます。
- ▼状態を表す評価点の目安|バンディット400
- 評価点5 極上車
- 評価点4 年式並み以上に綺麗で状態が良い
- 評価点3 年式並み以下で若干の難有
- 評価点2 実働車だが劣悪
- 評価点1 事故車や不動車
それでは、踏まえまして状態によって買取相場に差はあるのか?買取相場の前提指標である業者間オークション市場の取引データを見てみましょう。
バンディット400|評価点別の取引相場 |
状態/ 落札価格帯 |
評価点 4 |
評価点 3 |
評価点 1 |
8~9万円台 |
1台 |
1台 |
0台 |
6~7万円台 |
2台 |
1台 |
1台 |
4~5万円台 |
1台 |
0台 |
3台 |
2~3万円台 |
0台 |
1台 |
1台 |
(2019年2月時点で、買取業者の転売先である業者間オークション市場の落札データを過去1年間遡った数字)
実働車の買取相場は状態によって1~7万円台
2019年時点で直近1年間を遡ると、7台の実働車が取引されたのGK75A型バンディット400。
GK75A型はバンディットシリーズの先陣を切って1989年に発売され1993年発売モデルまで継販売されていましたが、発売から30年が経過した2019年時点で年間で7台の鳥非kしかないというのは寂しい台数です。
買取業者の転売先出る業者間オークション市場での取引額は上記の通り、3.0~9.6万円と400ccとしては寂しい金額です。
市場での取引額は、買取り業者の転売金額であるため、そこから儲けと経費(出品手数料や運送費など)を差し引いた評価点別の査定現場での買取額は下記のようになります。
- ▼正味の買取額|GK75A型バンディット400実働車
- 年式並みより良い:6~8万円
- 年式並み:3~5万円
- 劣化や不調が目立つ:1~3万円
不動車の買取相場は実働車に準じる
評価点1(事故車や不動車・故障車)のGK75A型バンディット400は。2019年時点で直近1年間を遡ると5台が取引されました。
実働車に続いて、非常に寂しい台数ですが、取引金額は2.1~7.0万円と、実働車と殆ど差異がないと言えます。
その理由は、実働車に準じる外装を保持していて、キャブの分解洗浄やバッテリー・プラグ交換で実働化できる準実働車が取引されているためです。
そのことから、劣化が少なくキャブ洗浄で実働化できる不動車は数万円~7万円程度での取引が見込めます。
対して劣化が非常に激しい不動車や、実働化コストが高い不動車、一見して分かる事故車などは数千円の取引額となると推察できます。
業者オークション市場の取引金額は、買取り業者の転売金額であるため、そこから儲けと経費(出品手数料や運送費など)を差し引いた評価点別の査定現場での買取額は下記のようになります。
- ▼正味の買取額|バンディット400事故車・不動車
- ポテンシャルの高い不動車:~5万円
- ポテンシャルの低い不動車:~2万円
- 一見して分かる事故車:~0円
バンディット400
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近6ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 11台
- 平均価格: 86,545円
- 最高価格: 124,000円
- 最低価格: 44,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近6ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 7台
- 平均価格: 73,857円
- 最高価格: 86,000円
- 最低価格: 64,000円
相場情報:2012年8月21日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。