VITPILEN 401買取査定事例｜オイル漏れ有 2018年モデル

メーカーコンセプトは近代カフェレーサー、ジャンルはシングルスポーツに位置付られるハスクバーナ ヴィットピレン401（Hasqvarna Vitpilen401）。

年式と走行距離が売却額に直結する現行スポーツモデル

現在はKTM傘下の1ブランドであり、エンジンも同社の看板モデルである390デュークをベースにしていることから、スポーツモデルとして認識されております。
390デュークと同じ373ccエンジン搭載の本機は、普通二輪免許で乗れる外車（ハスクバーナ）としてまずまずのセールスを記録している現行車（2022年時点）です。

モデルチェンジのサイクルが比較的早く毎年のようにイヤーモデルがアップデートされていく現行スポーツモデルは『年式と走行距離』が売却時の車両価値に直結する傾向が強いモデルです。
ビットピレン401のデビューモデルに当たる2018年型も例に漏れず、（仕様変更と値下げが実施された2020年型も含めて）後続モデルが続々とリリースされている影響を受けて中古相場は下落基調です。

対3年前比で約4割下落した2018年モデル

買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される業者間オークションの取引データを見ると。

2018年型Vitpilen401の取引額は対3前年比でマイナス38％という低下を記録しています。
当初は平均取引価格で67万円前後と高値がつきましたが、2022年現在は平均取引価格37万円台にまで低下。
相場下落の理由は上述の現行スポーツモデルとしての宿命、2020年モデルでのマイナーチェンジによる仕様落ち感、 尖ったスポーツ性をウリとする車種であるため年式の経過とともに使用感が強い個体の割合が増えること等が関係していますが。最大の理由は仕様変更が入った2020年モデルでメーカー希望小売価格が10万円近くも値下げされ事に伴う中古価値の下落でしょう。

取引の上位は走行の浅い極上車

直近12ヵ月間の取引額に焦点を当てると、
2018年型ヴィットピレン401の実働車は12台が取引されおり、最高額は45万2000円、最低額は25.6万円、36.5万円が平均となっています。
約20万円のレンジで12台が取引されていますが、グループ化すると下記のようになります。

40万円台：走行数百～数千kmで隙の無い極上車
30万円台後半：走行0.4～0.9万km台で若干の使用感がある良好車
30万円台前半：走行1万km台で若干の使用感がある良好車
20万円台：使用感や軽い難のある車両

以上の買取相場を踏まえて、2018年型フルノーマルVitpilen401の査定内容と買取額についてご紹介させて頂きます。 （※上記の取引額は、買取業者の転売額＝販売業者の仕入れ額に相当するため、実際の買取相場は9掛け相当となります）

生産から4年目を向かえる2018年モデルの現車は、外観状態に関しては非常に良好。
一部に経年相応のサビキズは生じているものの、いずれも小さく美車と言って差し支えないコンディションでした。
社外パーツも装着しておらず、純粋なフルノーマル状態であるのも買取査定の上では有利なポイントで、走行距離も3,000kmそこそこと年式を考慮すると低走行。
フロント・リアともサスの動きはよく、シート表皮に若干の使用感がある程度。
事故転倒歴はなく、フレーム等へのダメージもなく好印象でした。

ただし、エンジンにはポツポツと小サビが発生しておりオイル漏れ有り、エキパイ部にはかなり進行の進んだ大きめのサビあり。
買取査定時点では平均買取相場は30万円台半ばであった2018年モデルVitpilen401。上記のポイントは買取額にどう影響したのか？

査定の総合評価は5点寄りの6点（準極上車判定）となった2018年モデルVitpilen401。

オイル漏れ× 外装〇

前後の足回りに関しては、遠目にはかなり良好ではあったものの、フォークインナー、ステム部、リアサス、前後ホイールにサビあり。
サイズ的には小さいものばかりでしたが、一部は凝固した点サビとなっておりリアに関しては評価点6。リアよりもサビの目立つフロントは評価点5判定に。
電装保安系は、サイレンサーの綺麗さに比べ大きめで症状の進んだサビと、ヘッドライトのキズが減点材料となり評価点5に。
外装に関しては、ガソリンタンクやサイドカバーに見られた細かい擦過傷とフロントフェンダーの色褪せが見られましたが、良好な色艶が幸いし6点に。

一番大きなマイナスが入ったのはエンジンで、シリンダーベース付近からのオイル漏れが災いし、評価点5に。
本機は390デュークのエンジンをベースとするモデルですが、エンジンガスケットが痩せやすい特性があり、低走行車であってもオイル漏れが起こりやすいという弱点を抱えております。
この症状が悪化し要修理判定となると、シリンダー周りの分解整備が必要となります。
現時点では要修理判定には至りませんが、販売店から嫌気されるオイル漏れの兆候は業者間オークションで取引額が伸び悩む傾向にあります。

上記の細かいマイナス判定に対して、走行距離3,158kmは中古市場に電話る2018年型としては相対的に浅い距離。そのままでも再販売可能な外装も色艶（再販に向けては軽整備や錆び取りに研磨コーティングは必須となりますが） はプラス査定に。

相場的にはギリギリの買取提示額

上記査定ポイントを踏まえ、上段の買取相場に照らすと。
買取業者の最大の転売先である業者間オークションでの落札想定額は40万円強。
ですが、買取した2022年1月末は、中古バイク全体の相場が急反落（2021年にコロナ禍で新車供給が細り中古バイクの相場が急上昇した後、メーカーの新車供給が一部回復したため2021年末から急反落）に 転じた時期です。
それだけに30万円台での落札額も視野に入れつつ30万円台前半で買取たいのが買取業者の本音。 それだけに弊社としても慎重にならざるを得ませんでしたが、弊社が提示した査定額は39万円。
「40万円に近ければ売ろうと思っていたんで。所有権の手続きも行ってくれるし」とオーナー様のお言葉を受けてご希望額で買取成約となりました。

所有権解除も無料代行

査定現場でオーナー様から必要な情報を頂いて、 ・完済証明書の取得
・所有権者から譲渡証明書を取得
・廃車手続き
・廃車証コピーのご郵送
上記一連の手続きを買取業務の一環として全て無償で対応させて頂きました。（参考記事：所有権解除の手順）

買取の『その後』

オーナー様には大変ご満足頂くことができ、買取に関する書類手続きが完了した後日、弊社横浜店へご来訪頂きタンデム性の良いマグザムを購入して頂くことに。 買取させて頂きましたVitpilenは、相場状況の確認を兼ねてそのまま業者間オークションへ出品したところ、42万円で販売店の入札がストップし、落札となりました。
出品のための諸費用などを考慮すると、何とか辛うじての利益確保となりましたが、オーナー様のご希望価格にできるだけ応えることにより、弊社店舗での新たな愛車をお買い上げ頂くという商機にもつながりました。
買取も販売も薄利でお客様に全力でお応えするバイクパッションだから出来た好例だと言えるでしょう。