SR400ファイナル 買取査定事例【走行5kmの標準グレード】

絶好調なセールス（2020年の400cc販売ランク第2位）を記録しながら厳しさを増す環境規制の壁に阻まれ2021年のファイナルエディションを以って43年の歴史に幕を閉じたSR400。
規制対応に伴う型式変更（RH03J→RH16J型）で再登場した2019年モデルで更なる歴史を積み重ねると思われた矢先、翌21年モデルでの生産終了のインパクトは大きかった。
中古市場では、生産終了を受けて早々に19年の40th aniversary Editionが値上がりし、ファイナルエディションはメーカー希望小売価格を超える価格での取引が続出し、特にリミテッドエディションは 2倍近い金額で取引されるほどの高騰ぶりを魅せたのである。

SR400ファイナルエディションの買取相場について特筆すべきトピックは以下の3つです。
１）圧倒的に高いリミテッドエディション
２）取引の7割は走行2km以下のほぼ未使用車
３）高騰した相場も下落傾向

圧倒的に高いリミテッドエディション

21年モデルSR400ファイナルには下記の2タイプが存在します。
・限定1,000台のリミテッドエディション（税抜メーカー希望小売価格68万円）
・生産計画5,000台のスタンダード（税抜メーカー希望小売価格55万円）
メーカー希望小売価格では13万円の差でしたが、中古市場では価格差は拡大しています。

買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される業者間オークションの取引データを見ると。

直近1年間で84台の実働車が取引されたFinal Edition。
台数の内訳はリミテッドエディション 10台、標準仕様 74台です。

取引額の傾向を比較すると、
100万円以上（106～137万円台）で落札された全10台がLimited Editionで占められています。
74台の標準仕様は53～91万円台で取引されており、その差は歴然です。
このことからLimited Editionであれば買取業者の転売先である業者間市場で100万円以上の取引が見込め、標準仕様の上限は91万円であることが分かります。
続いては車両の状態に焦点を当ててみましょう。

取引の7割は走行2km以下のほぼ未使用車

取引されたファイナルエディション全84台のうち、55台は走行距離3km以下のほぼ未使用車で占められています。

走行3km以下の車両に限って取引額を見ると Limited Editionは108～137万円台に7台。
標準仕様は、59～91万円台で48台が取引されています。
走行3km以下の車両はいずれも販売店の店頭に並んでいる新車と同等のコンディションを保っています。
カラーによる相場差も見当たらず、新車同様のファイナル標準仕様が30万円以上異なる金額で取引される理由は需給です。
どうしても欲しい顧客のオーダーを受けた貿易業者や販売店が競った場合に70～90万円といった高値の落札となります。
逆に最終顧客のバックオーダーが無い販売店は60万円台で入札をストップしますので入札が過熱しなければ60万円台の落札となります。
踏まえると新車同等の標準仕様は素の相場が60万円台、競った場合に値段が跳ねます。
出品側である買取業者から見ると値段が跳ねるか否かは未知数の為、60万円を相場上限に設定する傾向が強まります。

高騰した相場も下落傾向

2021年3月発売のFinal。 2021年の4月～8月と、9月～11月の期間に分けて業者間市場での平均取引額を比較すると
・3月～8月は平均86.1万円（全44台中Limited5台）
・9月～11月は平均73.5万円（全40台中Limited5台）
と8月を境に20％近く下落しており、一時の高騰が落ち着いている様子が鮮明となっています。

以上の買取相場を踏まえて、走行距離4kmのSR400ファイナル標準仕様の査定内容と買取額についてご紹介させて頂きます。 （※上記の取引額は、買取業者の転売額＝販売業者の仕入れ額に相当するため、買取相場は9掛け相当となります）

査定させて頂くのはSR400ファイナル エディションの「ダークグレーメタリックN」標準仕様車です。
走行距離は4km。納車後ほとんど使用されておらず、登録済み未使用といっても過言ではありません。
中古市場で流通しているファイナル・エディションの大半がほぼ未使用状態であることから相対的には平均的な状態ともいえます。

新車を10点満点として（カスタム内容を除いて）減点方式で進行するオートバイの査定。その性格上、減点対象がほぼ皆無であることから査定自体は2分もせずに終了。 （因みにですが、業者間市場の評価点は、未使用の未登録車が10点、未使用同等車が9点、爪の小傷が1つでも付いていたら8点以下となります）

焦点は買取額に絞られます。
上段の買取相場でご案内致しました通り、未使用状態の標準グレード（Limited Editionではない）は買取業者の転売先である業者間市場では60～80万円台の取引が主流ですが、
・2021年後半から相場は下落に転じている点
・販売店としては60万円台で仕入れ（落札）が可能である点
を踏まえると転売額に相当する市場での取引額は65～70万円想定となります。
そこから出品手数料や運送費などの経費と儲けを差し引くと65万円弱が相場的には限界の買取額となります。

ただし、弊社バイクパッションは単店舗ベースで5年連続で日本で一番中古バイクを売っている販売店を併設しております。
新車同等で直ぐに店頭に並べられる点、弊社販売店の売れ筋モデルとあって短期間で販売が見込める点を評価して販売店の仕入れ対象に。そのため市場での想定取引額からの逆算ではなく、弊社販売店での売値と市場での仕入れ値を考慮して76万円の査定額にて買取させて頂きました。

「買った金額より高く売れたので、他のバイクに買い替えて、慣れたころにまたＳＲ400にチャレンジしたい」とはオーナー様の言葉。
弊社販売店でご購入の際には下取りキャンペーン適応で車体価格を割引させて頂く旨、ご案内際し上げました。
お売り頂いたSR400。弊社販売店にて次の乗り手にお繋ぎさせて頂きます。